仙人趙高
wikiを始めとして「趙高」でネット検索しても下記の話が見えないのでここに訳します。出典は『拾遺記』
子嬰が望夷宮で寝ていると、夜中にこのような夢を見た。
身長十丈でひげの青い人物が、玉の靴を履き丹の車を朱の馬に引かせて宮門まで至り、「秦王子嬰に会いたい。」と言った。宦官が許可し、子嬰の元まで来ると、言った。
「私は天の使いで、沙丘から来た。天下はまさに乱れようとしている。これは同族同士で殺し合わせようとする者がいるからだ。」
翌日目を覚ました子嬰は、夢で告げられたのが趙高の事だと疑い、趙高を咸陽の獄に入れた。そして井戸の中に吊るしたが七日経っても死なず、更には鍋で煮たが七日かかっても湯は沸かなかった。
殺し終えてから子嬰が獄吏に「趙高は神だったのか。」と尋ねると、獄吏は言った。
「初め趙高を捕えたとき、懐に一つの青い玉を持っているのを見ました。それは雀の卵ほどの大きさでした。」
このとき方士がこう説明した。
「趙高は先祖から韓終丹法を伝授されました。これを身に付ければ、冬に堅い氷の上に座り、夏に炉の上に座っても、寒さ熱さを感じません。」
趙高が死ぬと、子嬰はその死体を九達の路に棄てた。泣いて見送る者が千家族。ある者は一羽の青い雀が趙高の死体の中から出て、まっすぐ飛んで雲の中に入っていくのを見た。ここから道教の錬成の術が信じられよう。