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2022年 05月の記事 (4)

ナントカ堂 2022/05/29 17:00

李元桂

 前回、曹頔について書きましたが、同じ『高麗史』巻百三十一の叛逆五には金鏞という人物の伝があります。詳しくは「高麗時代の「叛逆伝」研究 Ⅴ」をご覧いただくとして、簡単に言うと、クーデタを起こして恭愍王殺害を図るも、誤認して宦官を殺し、鎮圧されて処刑された人物です。これが恭愍王十二年(1363)のこと。
 その二年前に没した李子春の墓誌(『牧隐文稿』巻十五所収)には、李子春の長男の李元桂は、賛成事の金鏞の娘を妻としているとあります。
 一般には、李子春の子は長男が李元桂、次男が李成桂。李元桂は母の身分が低くて庶子とされ、李成桂が嫡子として跡を継いだ、とされていますが、高麗時代の歴史書は徹底した焚書が行われており不明な点が多いです。
 もともとは李元桂もそれほど地位が低くは無く、高官の婿となるような人物であったものの、義父が謀叛人となったため地位が低下し、朝鮮建国の同年に没したため(一説には簒奪を諌めて自害)、初めから地位の低い人物とされたのではないでしょうか。

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ナントカ堂 2022/05/29 15:12

EPUB使えない

 ここ半月くらい、他でも電子書籍出そうとして、EPUBという形式にしなくちゃならないらしいので苦心惨憺(そのほかの手続きもやたら分かりづらいものでしたが)したわけですが、どうやら黎文𠐤の「𠐤」や吧呢𠲖の「𠲖」などが使用不可なのが分かりました。(ここではちゃんと使えるようですが)
 いや、もう、そんなもんメチャクチャ単純な内容しか書けないわけじゃないですか。wikipediaの記事ですら一部弾き飛ばされるわけで。
 要らん手続きしたり、多少出費があったり、時間を空費しましたが、今後はEPUBなんてやらずに真面目に生きようと思います。

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ナントカ堂 2022/05/22 23:29

曹頔

『高麗史』の叛逆伝は西川孝雄氏の「高麗時代の「叛逆伝」研究」の1~6で論じられて大変ありがたいのですが、紙数の兼ね合いからか所々端折られているのが玉に瑕です。

 たとえばⅤで取り上げられている曹頔伝には、「頔は廉承益の娘を娶っていたが、承益の外孫で定安君の許慶と財産を争い、王に訴えた。」とあって、許慶に味方する崔安道に陥れられて海島に流されたことが記されているのですが、訳は飛ばされています。
この頃の相続法は知りませんが、女系相続もあったようですね。

 また『高麗史』巻百九の趙廉伝と王伯伝の締めくくりに「王伯と趙廉は共に曹頔の乱に与していた。この事は曹頔伝にある。」とありますが、二人の伝だけ読むと、何ら官歴に影響が無いように見えるのですが、この頃は叛乱に加担してもそんなに簡単に赦されていたのでしょうか。
このあたりの社会制度に詳しくないので、投げっぱなしになってすみません。

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ナントカ堂 2022/05/16 12:00

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