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超ショートショートの記事 (4)

片倉九時 2019/10/23 21:22

超ショートショート 太陽から守るボールペン

 とあるベンチャー企業から発売された「太陽から守るボールペン」は世界を変える事となった。そのボールペンはクリック部分だけで太陽光発電することができるという優れものだった。
 このボールペンのおかげで私たちは多くの電力をボールペンから得ることができ、また付属品としてそのボールペンから様々なものに電力を供給することができるようになった。もはや電気はコンセントから得るものではなくボールペンから得るものになったのだ!
 さらにこの「太陽から守るボールペン」の発明で大切なものが守られるようになった。それは太陽が出てる時しか発電を行えないために日が落ちたら仕事が強○終了するようになり、世界的に早寝早起きせざるを得なくなったのだ。
 そう、過重労働や不健康から人類をまもってくれるようになったのだ。 

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片倉九時 2019/10/18 21:45

超ショートショート 木になるクジラ

 旅の途中、どうやら『木になるクジラ』なるものが近くの海にいるらしいという噂があった。
 その珍しい名前をもとに噂をたどっていくとその『木になるクジラ』が出てくるという湾にたどり着いた。 
 『木になるクジラ』は遠くの海からやってきて、最初はクジラだったのがだんだん体を海上に浮かし始め、体は大地になり、塩をふく場所から一本の木が成る小さな島ができ、この湾を漂い、ついには小さな島からなる大地が埋め尽くさんばかりになった。
 私は興奮した。このような面白いものが見れるのが旅の醍醐味だ。気づくと周りに小さな獣や鳥まで集まっている。まるで祝福されているようだ。
 よくよく見てみようと近寄るとそのクジラの木には実がなってるではないか。どんな味だろう?と手に取って食べてみるとこれがおいしい!この果実を集めてひと商売してみようか。そこまで考えてきたところでここまでの旅の疲れからか眠くなってきた。どれ一つこの大地になったクジラでひと眠りしていこう。

 その旅人はそこで眠り、ついには眠りからは覚めなかった。それは近くに寄った小動物たちも同じようだ。彼らはずぶずぶとクジラの大地に飲まれていき、最後は溶かされてしまった。
 その後『木になるクジラ』は大地にあるものすべてを覆い、海水にもぐり漂って行った。彼らは海に漂う大きな食虫植物なのだ。
 

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片倉九時 2019/10/17 14:23

超ショートショート 誰も知らない嘘

 その部屋には高名な科学者は考古学者、有名な政治家や坊さん、そして新進気鋭の起業家やら音楽家までそらはもう様々な人がいた。彼らはとある富豪に集められた。彼らの依頼は集まってから発表するといい全員集まったところでその富豪からのメッセージが伝えられた。それは、
 「まだ誰も知らない嘘を教えてほしい」
 という事だった。
 それは暇を持て余した富豪が実はみんなが知らない事を私にだけ教えてくれれば大金を与えるという依頼だった。
 依頼されたものの、彼らは自信が誰かの嘘を知っていたとしてもそれは「誰も知らない」とは言えず、また、自分だけが知っているのはありかといえばそれもだめらしい。世の中にまだ存在しない者を出してくれと言われるようなものだった。
 困った彼らが出した結論は。
 「まだ誰も知らない嘘はあります」
 という答えだった。

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片倉九時 2019/10/03 18:30

超ショートショート 人が住む石炭

 その昔あたり一面が石炭が埋まっている土地があったそうな。そこでは多くの人が住むようになり大都市にまで発展した。それでもなお石炭は長い間枯渇すらしなかった。
 そんなある日若者が手を滑らしたあまりに石炭を口に入れてしまったのだ。「うげーまずい」と思うかと思いきやなんとおいしかったのだ。しかも石炭を食べれば食事をとらずとも元気に働くことができた。
 しばらくその若者は人の目を盗んでは石炭を食べるようになった。はじめはだれも気付かなかったが、だんだんその若者の採掘する石炭が少ないことや、食料をあまり買わなくなったことを不審に思われ始めた時、たまたまその若者が石炭を食べてるところを見られてしまった。
 なんだお前は!なんで石炭を食べているんだ!口々に周りの者は言い寄ったが若者は、そんなこと言われてもその若者は石炭がおいしいからしょうがないじゃないか。むしろ君たちも食べてみてはどうだ?と逆に提案してきた。
 されども石炭を食べる人はいなかったが、少しずつ少しずつ興味本位で食べてみて石炭を食べれる人と食べれない人が分かれるようになってきた。
 石炭を食べる人がいるとわかると問題になった。もちろん取引に使う石炭をこっそり食べられては困るからだ。
 こうなってはしょうがないと町の偉い人が石炭を食べる人を町から追放した。
 石炭を食べていた人はしょうがなく町から出て行ったが時代が過ぎ、石炭の代わりに石油が使われるようになった。
 彼らは試しに飲んでみたらなんとおいしかったのだ。
 しかし過去の教訓から自分たちが石油を飲むことを知られてはいけないと彼らは誓い合った。
 今彼らはガソリンを供給した後、家に帰ってこっそり車から石油を抜き取り飲んでいるという。

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