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片倉九時 2019/10/18 21:45

超ショートショート 木になるクジラ

 旅の途中、どうやら『木になるクジラ』なるものが近くの海にいるらしいという噂があった。
 その珍しい名前をもとに噂をたどっていくとその『木になるクジラ』が出てくるという湾にたどり着いた。 
 『木になるクジラ』は遠くの海からやってきて、最初はクジラだったのがだんだん体を海上に浮かし始め、体は大地になり、塩をふく場所から一本の木が成る小さな島ができ、この湾を漂い、ついには小さな島からなる大地が埋め尽くさんばかりになった。
 私は興奮した。このような面白いものが見れるのが旅の醍醐味だ。気づくと周りに小さな獣や鳥まで集まっている。まるで祝福されているようだ。
 よくよく見てみようと近寄るとそのクジラの木には実がなってるではないか。どんな味だろう?と手に取って食べてみるとこれがおいしい!この果実を集めてひと商売してみようか。そこまで考えてきたところでここまでの旅の疲れからか眠くなってきた。どれ一つこの大地になったクジラでひと眠りしていこう。

 その旅人はそこで眠り、ついには眠りからは覚めなかった。それは近くに寄った小動物たちも同じようだ。彼らはずぶずぶとクジラの大地に飲まれていき、最後は溶かされてしまった。
 その後『木になるクジラ』は大地にあるものすべてを覆い、海水にもぐり漂って行った。彼らは海に漂う大きな食虫植物なのだ。
 

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片倉九時 2019/10/17 14:23

超ショートショート 誰も知らない嘘

 その部屋には高名な科学者は考古学者、有名な政治家や坊さん、そして新進気鋭の起業家やら音楽家までそらはもう様々な人がいた。彼らはとある富豪に集められた。彼らの依頼は集まってから発表するといい全員集まったところでその富豪からのメッセージが伝えられた。それは、
 「まだ誰も知らない嘘を教えてほしい」
 という事だった。
 それは暇を持て余した富豪が実はみんなが知らない事を私にだけ教えてくれれば大金を与えるという依頼だった。
 依頼されたものの、彼らは自信が誰かの嘘を知っていたとしてもそれは「誰も知らない」とは言えず、また、自分だけが知っているのはありかといえばそれもだめらしい。世の中にまだ存在しない者を出してくれと言われるようなものだった。
 困った彼らが出した結論は。
 「まだ誰も知らない嘘はあります」
 という答えだった。

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片倉九時 2019/10/11 14:05

ラノベに型なんてないのではないか?

 昔ラノベばっか読んでいたころラノベはどういうの物かと考えていた時があります。その時は文庫サイズで表紙がアニメ絵?で簡単に読めるものかなーって思っていたけれど、乙一さんの作品もラノベ、西尾維新さんの作品もラノベ、川上稔さんもラノベときて私は考えるのをやめました。まぁ、ラノベだといえばラノベなんでしょうって事で。
 ところで皆さんは『“菜々子さん”の戯曲』というラノベを覚えておいででしょうか?作者が書いた記事があって懐かしくなりました。マンガ家志望→ラノベ作家になった僕の、新人時代の「ヤバい失敗」
 当時全文無料公開したことも覚えていますし、買った覚えもあります。楽しかった覚えもあります。
 ところで気になったのが編集さんの、
 【「高木さんはラノベを知らなすぎる」と言って当時売れていたライトノベルを10冊かそれ以上、私の家に送ってよこしました。

『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』『バカとテストと召喚獣』『アクセル・ワールド』『とある魔術の禁書目録』など、】
 という所です。確かに俺妹もバカテスもAWもとあるも当時人気のあったラノベでですが、だからと言ってこれらのように作ればいいのかといえば疑問が残ります。
 どこか悲しい雰囲気があった壁井ユカコさんのキーリシリーズ。ホラー?っぽい甲田学人さんのMissing。ほかにも多種多様なラノベが当時ありました。
 当時売れていたラノベは、その当時流行っていたラノベであってそれを真似すればいいものではなく作者にあったラノベが売れるのがいいのではないか?と思いました。
 例えば灰と幻想のグリムガルの作者十文字青さんはその前薔薇のマリアという作品を書いていました。薔薇マリも地下ダンジョンにもぐったりチームを組んだりするものでした。グリムガルも作品は違えど趣は似てると思います。
 「僕らはどこにも開かない」「神栖麗奈シリーズ」というなんかホラーというか怖い感じの作品を「空ろの箱と零のマリア」というシリーズものに昇華させた御影瑛路先生もいますし。
 他にもたくさんのラブコメを量産している平坂読先生もいます。
 個人的には作家それぞれに得意分野っていうのがあると思っています。その得意分野でいかに今売れそうなやつに作っていくかが問題だと思っているんですよね。

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片倉九時 2019/10/05 22:25

漫画版「理想のヒモ生活」7巻でたし理想のヒモ生活を語ろう!

 漫画版の7巻が出ましたね。今回は群竜事件解決編の所ですね。

 ところで理想のヒモ生活はどんなところが面白いか考えていたんですよ。そこで思ったのは貴族社会での戦いが面白いんですよね。
 いうならば礼儀、作法、マナーによるパワーバランスの戦いなんだ。例えば群竜事件で一番悩まされた誰がトップに立つかもマナーの問題。双王国でゼンジロウがどうやって手紙を渡すかもマナーの問題。ガジール伯家騒動もマナーの問題。そのマナーから生じるパワーバランスでだれが得するかを競うのがこの「理想のヒモ生活」の面白さなんだ。そしてそれが徹頭徹尾きちんとされているから面白いんだ。
 そういう意味でご存知最新刊ではゼンジロウは推理することでアンナ王女の目論見は看破することはできたが、もちろん12巻で一番の利益を取ったのはアンナ王女だ。12巻もめちゃくちゃ面白いが、面白さではほかの巻のほうかなーって思っている。やっぱり主人公が一番得しているのが面白いかな。
 そういう事でいえば12巻は得もしてオチもついたドロレスの話は面白かったですね。
 
 次の巻はいよいよフレア殿下を嫁に下さい!ですね。もう楽しみでたまらん。今なろうのヒモ生活が5か月更新してない状態だから今までの間隔だったら年末か来年初めぐらいには新刊もでるかなーって思っている。たのしみだべー。

 

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片倉九時 2019/10/03 18:30

超ショートショート 人が住む石炭

 その昔あたり一面が石炭が埋まっている土地があったそうな。そこでは多くの人が住むようになり大都市にまで発展した。それでもなお石炭は長い間枯渇すらしなかった。
 そんなある日若者が手を滑らしたあまりに石炭を口に入れてしまったのだ。「うげーまずい」と思うかと思いきやなんとおいしかったのだ。しかも石炭を食べれば食事をとらずとも元気に働くことができた。
 しばらくその若者は人の目を盗んでは石炭を食べるようになった。はじめはだれも気付かなかったが、だんだんその若者の採掘する石炭が少ないことや、食料をあまり買わなくなったことを不審に思われ始めた時、たまたまその若者が石炭を食べてるところを見られてしまった。
 なんだお前は!なんで石炭を食べているんだ!口々に周りの者は言い寄ったが若者は、そんなこと言われてもその若者は石炭がおいしいからしょうがないじゃないか。むしろ君たちも食べてみてはどうだ?と逆に提案してきた。
 されども石炭を食べる人はいなかったが、少しずつ少しずつ興味本位で食べてみて石炭を食べれる人と食べれない人が分かれるようになってきた。
 石炭を食べる人がいるとわかると問題になった。もちろん取引に使う石炭をこっそり食べられては困るからだ。
 こうなってはしょうがないと町の偉い人が石炭を食べる人を町から追放した。
 石炭を食べていた人はしょうがなく町から出て行ったが時代が過ぎ、石炭の代わりに石油が使われるようになった。
 彼らは試しに飲んでみたらなんとおいしかったのだ。
 しかし過去の教訓から自分たちが石油を飲むことを知られてはいけないと彼らは誓い合った。
 今彼らはガソリンを供給した後、家に帰ってこっそり車から石油を抜き取り飲んでいるという。

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