モーツァルト「怒った?」⇒サリエリ「怒ってないよ」
アントニオ・サリエリとヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト…
この偉大な2人の作曲家は不仲で有名である。
確かにモーツァルト自身も…
・モーツァルト「ウィーンで僕が高い地位に付けないのはサリエリが邪魔をしてるからだ!」
と語っていたそうな。
他にもモーツァルトの天才に怖れをなしたサリエリらのイタリア音楽貴族達が裏でモーツァルトの演奏会を妨害したため、収入が激減した…という噂もある。
そして、戯曲『アマデウス』(1979年)とその映画版(1984年)では、サリエリが「天才へ嫉妬した凡庸な作曲家」という風に描かれおり、彼が「モーツァルトを毒殺した」ということになっている。
←この嫌そうな顔を見よ!
だが、これらの話は最近では「証拠がない・憶測である」という可能性がかなり強い。
●「2人は不仲じゃねーよ」とする根拠
サリエリが使えていた神聖ローマ皇帝ヨーゼフ2世は文化発展に気を配り、多くのイタリア人が占めていた音楽の分野にドイツ音楽を意識してモーツァルトを宮廷音楽家として雇っていた。
サリエリとモーツァルトが具体的にいつ、どのように出会ったかは不明だが…
この2人の仲は決して、悪くはなかったようである↓
1
プラハの聖ヴィートゥス大聖堂の重要な祝賀行事の数々で、サリエリは自分の作品を一切使わず、モーツァルトの作品を多数使用している。
2
サリエリはヴィーン劇場にモーツァルトを招待しており…モーツァルトは、その時の模様を妻コンスタンツェへの手紙で伝えていた。
そこには「敵対心や憎悪でなく、ただ自分の作品を感嘆の言葉で祝福してくれたサリエリへの賛辞と感謝と親愛の心」がこもっていた。
3
さらにモーツァルト、サリエリ、コルネッティの3人で共作もしている。
それは『オフィーリアの健康回復に寄せて』という曲で、イギリス人のソプラノ女性歌手ナンシー・ストレースの健康回復をたたえ、短期間声を失っていた彼女が舞台へ戻ってきたことを歓迎するために作られたものである。
ストレース夫人はモーツァルトとサリエリの作品の歌唱で知られていた。
題名の「オフィーリア」とは、サリエリのオペラ『La grotta di Trofonio』でストレースが歌うはずの役だったが、彼女の病気のため延期となっていた。
秋に作曲されたこの曲は、彼女の演技を待ちわびる気持ちを込めて、オフィーリアを引用したのだ。
この作品は、映画『アマデウス』のような「モーツァルトとサリエリが不仲だったという風説を否定するもの」として注目されている。
「本当に不仲なら一緒に歓迎の曲なんか作らんやろ!」という理屈ですね。
ちなみに「コルネッティ」は学者の間でも「誰だコイツ」状態な無名の作曲家。
●結論
戯曲と映画を作った奴、噂を流した奴、それを広げた奴、それを信じた奴――
・イタリア「シーネ!」
・ドイツ「それは極論。」
・フランス「このタイミングでサリエリの記事…?さてはまた日本人が偉人を女体化させたなww?」
・イタリア「とにかく、サリエリはモーツァルトを毒殺してないし、不仲でもない!サリエリ氏の悪評は、映画などの創作よる風評被害なんや!」
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