若い子をバカにする意図は全然ないんだけど読んでみて欲しいアレコレ

年寄りはすぐに過ぎ去りし日のことを

思い出しては酔うから始末に負えねえ。
ああ、オヤカタのことだな。


さて、今日はこのところ修理した基板がどうとか、
お金がどうとかばかりいってるから世間話でもしようかと思ってさ。


1997年生まれの子がいるんだよ。
今年で25になるのかな。

20代か。出版社で走り回って……ないころかもしれん。


でね、1997年といえば、もう家庭用ゲーム花盛りよね。
一方でアーケードゲームというと、格ゲーマーなら

スト3かな? 初代スト3ね。
次に月華の剣士か。リバースにも攻略本あるよね。
オヤカタとしてはジャスティス学園は外せないし、
テッケナーは鉄拳3を忘れんなって話だろう。

それで、97年生まれの子はびっくりするわけなんだよ。
僕が生まれる前にポリゴンのゲームがあっただなんて!!
ってね。


若い子をバカにする意図はないよ。
オヤカタが生まれる前にだってポリゴンはあったしさ。
スターウォーズのワイヤーフレームとかね。


細かい話は別として、テクスチャマッピングとかいう
ポリゴンに絵を貼り付ける技術や、グローマッピングとかいって、
ポリゴンにグラデーションで陰影をつける技術がつきはじめて、
いまのみんなが思い浮かべるカックカクの古臭いポリゴンゲーが
出てきたわけだ。


詳しくないから間違ってたら恥ずかしいんだけど、
テクスチャマッピングについてはナムコがセガを超えていた。
アーケードのポリゴンといえばセガ! セガのゲームは最先端!!
ってのが常識だったんだけど、絵作りはナムコがすごかったと
記憶している。

オヤカタは2D格ゲーマーだから鉄拳(ナムコ)もバーチャ(セガ)も
見比べてこなかったんだけど、ナムコのリッジレーサーは
当時のあらゆるレースゲームのなかで一番絵が綺麗だった。
道路の路面の質感とかね。

でもまあ、オヤカタはデイトナUSAやるんだけどね。
派手さや世界観、アホっぽさ。
セガのいかんところ満載でお気に入りなんだよね。
ナムコにはお高く留まった印象があった。
技術力を見せつけてやるぜ! みたいなさ。
ゲームらしさってそういうことじゃねえだろっていう思いもあったわけだ。

3D格ゲーを長らく触れなかったのも、
2Dだからこそマンガみたいなあり得ない表現ができるのに、
リアルにしちゃゲームらしさが消えちゃうだろ!!って思ってたから。
いまはそんな老害思想持ってないけどね。


で、リッジレーサーが1993年。真サムライスピリッツやスパ2Xより
先輩なんだよな。すげえ。

一方でデイトナは94年で同期。


1枚目のデイトナはPS3版だからズルだけど、
2枚目のリッジの車のライトの質感とかがんばってる感じあるよね。


それで、リバースに引き寄せて話をすると、
ナムコのポリゴン開発力はすごかったんだ。

90年代生まれの子にポリゴンについて驚かれて、
笑いそうになるやら、年を取ったと悲しいきもちになるやら
したんだけど、当時は1年、いや半年もあれば異常な進歩をするのが
アーケードゲーム界隈。

95年にウィンドウズが普及しはじめ、98年ごろなんて
PC98シリーズで六角大王を動かしては自作ポリゴンを楽しんだもんさ。
紙飛行機みたいな戦闘機を飛ばすゲームが作りたくてね。

こんなオヤカタみたいなもんでもポリゴンに触れていたわけだから、
プロたちはそりゃあもう劇的に進化する最前線でしのぎを削って
たんだろう。


その流れに少し置いていかれたのがカプコンなんだよね。

ちょっとね、2D格ゲーで成功しすぎたんだ。
ストZEROをCPS1っていう大魔界村とか初代スト2とかの
基板を使って在庫処分で作らされーの、
それもそこそこ売れたからZERO2、ZERO3とやりーの、
さらにX-MEN系が入ってヒットしたり。
CPS1→2→3のスト3と、2D格ゲーから脱せなかった。
脱する必要もないと思うけどなぁ。

で、これはいかんと出てきたのがジャス学だ。
スターグラディエイター? うん、それもそうだ。


で、カプコンを語ればSNKも語らねばなるまい。
SNKのドット技術もイカれていてさ。
SNKはメタルスラッグとか見てもらえればわかるように、
ドットアートの歴史的な作品をたくさん作ってきた。
KOFだって毎年キャラの絵を打ち直してるだろう?
カプコンなんて使いまわしてたぞ。モリガンなんて
カプエスでもカプジャムそのまんまじゃねってくらい。
10年同じだったかも?

だからこそ、SNKも3Dに遅れた。
成功しすぎちゃったから。ポリゴンのサムスピ、
武力ONE、ポリゴンの餓狼伝説なんかは、
どう考えたってポリゴン動かすように開発してない
ゲームハードで動いているように見えた。
ま、開発力がないと思ってたけど、ハードのせいだと
あとで教わったんだけどね。


で、97年のジャス学、98年のストリートファイターEX2 PLUSと
ファイティングレイヤーを比べてみて欲しい。

ぜひ詳細を知りたいと思ってるんだけど、
オヤカタはこれを見て、ナムコってやっぱりすごい!
って思ったんだ。ポリゴンの開発環境がすごかったんじゃないかな。
だって、99年に出たファイナルファイトリベンジはさ……。

あ、検索しなくていいぜ。
別にどこの絵がすごいからゲームがすごいとかいうつもりは
毛頭ないから。

オヤカタはいまでもスト2がありゃ文句がない人なんでね。
ゲームの出来不出来と絵のよさなんて直接関係しないと思うくらいで。


でさ、今回なんでこんなはなしをしたかというと、
世の中にはすさまじい進歩を体感して育った世代がいるってことだ。

オヤカタ世代はいまでこそ化石みたいなポンコツでも、
一番ゲームが進化した時代を生きてきたと自負している。
だから、いまだにゲームの可能性を諦めない。

暇つぶしなんてとんでもねえ、遊びってもっともっと豊かだと
思っているし、そうDNAに刻み込まれてるんだよね。

だから、若い世代と価値観があわないのは仕方ないとも思う。

でもさ、わざわざ豊かな遊びを放棄して、
貧乏な暮らしを選ぶ必要もなかろう?


ハメを外せってわけじゃないけどさ、
もっともっと、豊かに遊んでもいいんだよってこと。

親や大人は遊ぶなっていうけれど、遊んでいいんだよ。
ちゃんとやることやってりゃさ。
勉強や仕事をしっかりやった上で遊べるような
余裕があるヤツじゃないと、どうせ勉強も仕事もできねえしな。


好きなこと、遊びや趣味に本気になれねえやつは、
やりたくもねえことに本気になれっこない。
人生をマジで生きることなんざ夢のまた夢よ。


大いに遊べ。そんで、しこたま遊べるくらい働いて稼げ。
仕事だけしろ、慎ましくしろ、なにもしないで小さくなっとけ。
そんな縮小再生産を強要するような大人にだけはなってくれるな。


40年前に100円1クレだったものが、いまだに100円1クレ。
それどころか50円1クレ。消費税だのがかかるから実質もっと……。

豊かになっていこうじゃないか。
握った手では何も掴めやしないぜ。


若えのに、陰気に生きるな。もっともっと前向きにいこう。
そして君たちがアーケードシーンを盛り上げていってくれ。

オヤカタたち中年がきっと応援するからよ。

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