閑談茶房 2022/03/19 13:59

町そば その2&立ち食いそば その七

先日の蕎麦打ち失敗で、猶更振り返って仕舞う思い出話。

3月前半、友人が蕎麦が食べたいと誘って来たので。
私が何年も前から気になっていた中村橋駅付近(結構歩くけど)にある「野中」というお店に行ってみる事にしました。
友人はかなり昔に中村橋に住んでいたとの事で、街の景色の変化に驚いていたり懐かしい風景を見付けると嬉しそうにしてたりと、楽しそうにしていました。私も以前アシスタントの仕事場が中村橋に有ったので懐かしさは有りましたが、やはり15年近く昔だと違うものなんだなぁ。

さて店に付き、暫く行列に並び店内へ。
友人はせいろ二枚、私は数量限定の蟻巣の田舎蕎麦なるものを注文する事に。


最初に何かわさびが来た。お洒落だなぁ。静岡出身の友人がすぐさまわさびを擦り始めた。やはりこだわりが有るんだなぁ。


だし巻き玉子と穴子天盛り合わせ。蕎麦以外の物も欲しくなるよね。
だし巻きを一口…旨いな。舌に来るモノがある。何か口に含んでから時間差で更に旨さが襲って来るそんな感じ。ふと気が付くとやっぱ旨い。

で主役登場。


蟻巣の田舎蕎麦とせいろ二枚。
うーむ、悉くお洒落だなぁ。器が何か凄い。せいろを乗せてる籠は何なの。
田舎そばをズルズル。色は思った程濃くも無い。割と粗目の粉なのか?不思議な見た目。瑞々しい。想像とは違ったけどこれはこれで上手い。
ビックリしたのは汁。滅茶苦茶旨い。甘過ぎず辛過ぎず変に醤油が主張し過ぎないし…。
正直蕎麦湯で汁を割るという文化にいつまで経っても慣れなかった私が、初めて割った汁を上手いと感じた…。
何故醤油の味ばかりが目立つ汁を有難がるのかと思っていたが、割っても兎に角旨い。だし巻き玉子でも思ったけど、出汁の使い方が凄く旨いんだろうなぁ。御馳走様です。

店を出て散歩がてら練馬まで歩き。友人と別れて家路へ…と思ったけど、店の蕎麦の量が少なくもう少し食べたくなって。


ここである。
本来ならもっと早く紹介するべきであった立ち食いそば。地元愛知から越してきて、最も身近で最も通っている立ち食いそば。
所沢駅1番線ホームにある狭山そばである。

ぶっちゃけ。
最近立ち食いそばの頑張りで、生そば茹でたてとか。天ぷら揚げたてとか。
そんな気の利いたそばでは無いのであります。
麺は茹で麺だし。天ぷらも不思議なくらいしんなりしてるという。むしろ汁に溶けない丈夫さ。
ただ何となく麺と汁とかき揚げが合わさった時に妙なバランスの取れるその感じ。
恐らく味だけなら此処より旨い立ち食いそばは幾らでもあるのかも知れないけど、ロケーション含めての楽しめる雰囲気。…あと思い出補正。
全部ひっくるめて楽しめる立ち食いそばなのであります。

これは店内に飾られてる写真なのですが、初めて所沢駅に来た2005年当時もまだこんな感じでした(いや会計口が出来たのはもっと後の事だから写真セピア色過ぎない?)。
私の中で立ち食いそばの店に有って欲しい3要件。
・現金引換え
・カウンターが吹き晒し
・立地が改札ホーム内
あの当時の狭山そばは全ての要件が揃っていて、夢の様な店でした。
最近ではこれらの要件を全て満たす店はほぼ見掛けなくなって仕舞ったけど。

お金が無い時に。徹夜のアシスタント帰りに。ただ何となく。
寒空の下、カウンターからあぶれた客がホームのあちこちに立って、鼻をズルズルさせてそばを啜ってる風景が懐かしい。
駅の改築工事に伴って一度閉店、復活して色々新しくなって。
この日食べたら、何か麺を変更したのか妙に細く啜り易くはなったものの、あの太い若干の平打ちで良くね?と思ったりしつつも。
何でも良いから永く続いて欲しいと思うのでした。

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