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短編小説の記事 (13)

皐月うしこ 2019/06/20 12:00

即興小説「傘を隠した」

(一年ほど前に別の場所であげたものをコチラに移植)

即興小説「傘を隠した」

ある雨の日、小さなアマガエルが大きな葉っぱをぶら下げて、庭先をゆっくりと歩いていた。
次の雨の日、イタチがアマガエルの持っていた葉っぱをもって、庭先を歩いて横切っていた。
その次の雨、今度はキツネがその葉っぱの傘を嬉しそうに持ち、コンコン言いながら走りぬけ、次の次の雨で、ドジなタヌキが部屋の中にいる私を見て、その傘を庭に落としていった。

緑色の大きな葉っぱ。
葉っぱの裏側に小さな文字が刻まれている。
私には読めない。善意ある貸し傘なのだろうか。

「おや」

灰色に染まりゆく空から一粒、雨が降り出した。
庭先を横切る誰かが困ってしまわないように、縁側の下にそっと緑の葉っぱを置いておくことにしよう。(完)

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皐月うしこ 2019/06/17 11:00

即興小説「採用予定のメイド」

こんにちは、皐月うしこです。

即興小説「採用予定のメイド」
皐月うしこさんの採用候補メイド
【年齢】19歳
【身長】155cm
【体重】46kg
【バスト】AAカップ
【髪色】紫
【髪型】縦ロールロング
【性格】セクハラ好き
【CV】立花理香

らしいので、採用してみることにしました。

(例のごとくTwitterの診断メーカーで出た結果から妄想したお話)

ちなみに、ここに出てくる「もぉ」は皐月うしこの運営する「Fancy Field」のマスコットキャラクター的な存在です。
もぉの日常はコチラから読めますのでよろしければどうぞ。

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皐月うしこ 2019/06/13 12:00

即興小説「深い深いなにかの底で見た景色は」

(一年ほど前に別の場所であげたものをコチラに移植)

即興小説「深い深いなにかの底で見た景色は」

ドロリとした感触が指先に絡まって、鈍い音をあげながら地面にボタリと落ちていった。落ちた瞬間に私の足に跳ね返ったそれは、見たことのない不思議な色。黒のような茶色のような、いやにまとわりついて腐敗臭を漂わせている。本当はそれが何か知っていた。今まで自分が捨ててきた善意や良心。それが綯い交ぜになって塊になって、ひどく長い年月がたつうちに得体のしれない何かになった。

「まだ、洗い流せば間に合うのだろうか」

ふと、自分でも驚くような思考が脳裏をよぎる。今までの人生で考えたことのない感傷が胸をついて、まだドロドロと足にまとわりつくそれを私は見つめる。
本来それは、とてもキレイなものだったのだろう。当時、私の目に見えていたモノクロの世界には決して映らなかった崇高な色をしていたのだろう。

「かわいそうに」

それに触れるとまた、ドロリとした濃密な感触が指先を伝って足元のヘドロへと落ちていく。そうしてまるで何かにとりつかれたように、泥をぬぐう指の先では私の心に住んでいたはずの竜が瞳に涙を浮かべて眠っていた。

「ごめんね」

迎えに来るのが遅くなってしまった。
まだ、間に合うだろうか
夢見た美しい世界への旅をもう一度、ここからはじめよう。

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皐月うしこ 2019/06/06 11:00

お題タグ「未来人は騙(かた)る」

こんにちは、皐月うしこです。

即興小説「未来人は騙る」
一年ほど前にツイッターで公開した小説?・・・いや、ただの台詞をこちらで残すの巻。

未来人は騙る

「一度、この目で見てみたかったんだ。ちょうどこの間、おじいちゃんが、遠い遠いボクの先祖が「じゃぱん」という、ああ別名「にほん」だったかな。そこで暮らしていたという話を聞かせてくれてね。

どこの国とも違う、八百万の神々が住まうという土地。

緑豊かな森は肺の奥深くまで濃厚な酸素を送り、鳥のさえずりはのどかで美しく、川のせせらぎは癒しの音を奏でている。時折、虫の鳴く声が聞こえ、夕暮れの影はどこまでも溶けて赤く染まるんだって。

そうそう「しき」っていうのもあるんだよね。

花の匂いが漂う春に、元気な笑い声を響かせる夏、黄金色に輝く秋と、真っ白に染まる冬。半袖と長袖を着たり、着なかったりして、旬の食べ物があるって本当?

そう、ボクはそれを体験してみたくて未来から来たんだよ。

年々上昇した気温のせいで水位は随分とあがっちゃって、今はもう文献の中でしか存在しない、沈んでしまった幻の島にね」

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皐月うしこ 2019/06/03 11:00

即興小説「蝙蝠×最期」

こんにちは、皐月うしこです。

即興小説「数奇なる最期」
花畑で、口から血液を溢れさせ横たわっています。
辺りには異国の紙幣が散乱し、蝙蝠が見つめています。今まで辛かったね。きっとまた。

これもTwitterの診断メーカーで出た結果から妄想したお話

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