シューティングゲームの苦境と改善について

シューティングの構造的問題

シューティングゲームは苦しい状況にある。
電気代を賄うのが難しいのだ。
かといってこの手のゲームは時間をかけなければ上手くならない。
おいそれと抜くのもしのびない。


オヤカタは格ゲー畑の人間で、リバース開業後にプロギアやグレ魔をクリアするようになったのだけれど、それで思うのはシューティングゲームは収益構造に問題があるよな、という点にある。


音ゲーやパズルゲームであれば、何十分も遊べるということは基本ない。
やり込みプレイヤーがいたとして、1時間くらい後ろで待ってないといけないという展開にはならない。格ゲーならなおのことだ。


この待ち時間自体がもはや時代にあわないのだろう。


そして個人的に思うこととして、どうして難易度や2周目突入時に追加料金を取ろうとしないんだろうってことだ。


これはゲーセン経営サイドからの意見じゃない(と思う)。
2周目なんだから、極悪難易度をわざわざ選ぶのだから、追加料金を払うくらいどうということもないんだけど……世間一般には嫌われるのだろうか?

自身の名誉、勲章のために2周目に突入する。
誰にやれといわれたでもない苦労を背負いこむ。
そこに価値を見出すオヤカタとしては、追加料金はむしろご褒美だ。
ここまでやってるんだオレサマは! という覚悟のあらわれというか。


シューティングの構造を考えたとき、明らかにこのバランスが狂っている。
アーケードに限れば、なのかもしれないけれど、
いまの仕組みでいくのであれば、基板1枚あたり〜10万円くらいじゃないと
買おうという気にならないだろう。

1プレイ100円だとして、それで30〜60分遊ぶ。
1日の営業時間中ずっと動いていても、1000〜2000円。
現実にそんなことはありえないわけで、
全営業日を均せば日に500円も入らないのではないか。
都会の事情は当然変わってくるだろうけれども。

基板が40〜50万円するわけで、計算すれば
500000円/500円=1000日
これはメンテや電気代、空間の専有による家賃負担等を加味しない。
ペイするのに1000日かかり、利益を出すのには5年とかかかるかもしれない。


もはや構造的にあり得ないのがシューティングということになる。

これをシューターにぶつけたところで何の意味もないことはわかっている。
オヤカタみたいに半泣きになって練習する人なんてそういないし、
そんなゲーム(グレ魔)なんて流行るわけがない。


だから、責任はゲーム側にあるものと考えて差し支えない……
と思うんだ。


シューティングがどう変わればいいか、維持するための知恵は?

例えば、シューティングにオートボムが追加された。
初心者も簡単にやられなくなってみんなハッピー!

にはならなかった。

ゲーセンとしては簡単にやられなくなったうえに、
そもそも初心者はオートボムがあったところでシューティングを遊ばない。
腕に覚えのある人たちがより効率的に練習できるだけになっちまった。


シューティング側が考えるべきは、先ほどのスコア引き継ぎの極悪難易度の2周目は追加料金もそうだけれど、オートボムが課金サービスにするだとか、明確にスコアが減るだとかの調整ができればよかったろう。


こういう議論はたくさん見かけるけれども、やはりオヤカタが思うのは、
はじめに2クレジット入れれば残機3倍!!

だと思う。


課金装備というのは拝金主義という印象もあってなんだか嫌だし、初心者仕様にしてスコアが激減するなかで遊ぶくらいならやりたくもない。

ノービスモードっていわれるだけでやる気が起きないんだな。
そこまでしてやりたいと思わねえよ、となる。

だから、2クレで残機3倍がいい。


これならお得感を演出できるし、無理やりエンディング(1周)もめざせるかもしれない。
3x3の9機でクリアできない人はコンティニューすればいいし、初心者も先まで進める感じを味わえるだろう。少なくとも1面のボスで全機消滅はない。


20年前の時点……大体怒首領蜂大復活やデススマイルズのあたりでこんな議論はなされていたけれど、出てくるシューティングは毎度毎度新機能を搭載しないし、料金設定の面を考えていない。(シューターにとって)いいゲームをつくれば売れる、盛り上がると思っている。


当然にいいゲームをつくるというのは必要なのだけれど、いままでと同じことをしていたらどうにもならないってことが20年前にわかっていたのに、まだ変わらないというのでは……初心者や新規が増えないと嘆いてみても然もありなんだろうと思うのだ。


例えば、直接的な対戦シューティングではなかったとしても、だ。
同時にプレイしている人が多いほど、ライバルのスコアが高いほど、スコア稼ぎが有利になるとかでもいいんだ。
いまの技術ならいくらでも可能なはずなのに、そういう挑戦的なタイトルは出ない。


このままでは完全にシューティングというジャンルはアーケードから消えてしまう。

メーカーもプレイヤーもそれを望んでいるなら止めようもないのだけれど、オヤカタはそんなわけねえだろ……と思いたいんだよね。そんなわけあるのかなぁ……。


まあ、大きな主語で語るより、まずは今、リバースでどうするか……ですか。
シューティングに火をつける方法、ないもんですかねぇ。

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