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思考の記事 (9)

ぼんやりクラブ 2020/01/05 00:36

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ぼんやりクラブ 2019/11/15 23:20

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ぼんやりクラブ 2019/06/21 19:16

【読後の思考】壁の穴 (『ちぐはぐな部品』より/著者:星新一)

※一応ネタバレ注意






ちぐはぐな部品

壁の穴

大雑把な内容

青年がアパートの自室内で心当たりのない「不思議なナイフ」を発見。
試しに壁を突き刺すと、簡単に壁をくり抜くことができた。
できた穴から隣室を覗くものの、そこには建物の構造上ありえない空間が広がっており、青年は様々な風景を目にすることとなる。
どれもこれも美しく素晴らしい景色なので、見れば見るほど自分が哀れに思えてくる。
最終的に、自分の心臓にナイフを突き刺してしまうが、痛みはない。
身体のなかにできた空間に消えたのか、以来ナイフが現れることはなかった。

マルコヴィッチの穴を思い出した。
あとは動く城の「扉」。ハウルの。

知らない世界を覗き見るという行為が好きなので、コンセプト自体に面白さを感じる。

作品ではなくても、たとえば心霊スポット凸する動画みたいな、

・自分じゃ絶対行かないような場所
・自分がその場にいるかのような主観っぽい映像

のような要素あると見ていて楽しい。
秘境や廃墟へ潜る込むような映像もワクワクする。

創作において、こういったテーマだと監視カメラに魅力を感じる。

ホラー作品であれば、監視し続けることで「そこに何かとんでもないものが映るのではないか?」ミステリー作品であれば「対象人物が普段見せない素の一面を垣間みれるのではないか?」といった期待感がある。
また、状況の変化や行動パターンから次第に事実が露呈していったり、登場人物の推測から真実が導き出されていく、といった謎が解かれていく過程にも惹きつけられる。


そんな監視カメラが活躍する映画だと、「グッド・ネイバー」がオススメです。


カメラが捉える映像は、演出や編集のない「ありのままの」日常風景。
だからこそ、リアリティを感じる。

よくあるTV番組の「カメラが捉えた衝撃映像!(心霊・UMA系)」みたいなのはバリバリ編集しているだろうけど、「街中に設置された監視カメラに偶然映っていた犯罪者がとっていた行動(犯罪前後それぞれ)」みたいな実際の映像を見ると少し不気味に感じたりする。さらにいえば、TVではなくネットに素人があげている映像程、怖いものはない。
海外の得体の知れないやつ。情報がないほど怖い。

グッド・ネイバー」は怖くないけれど、うまく日常風景を取り込んでおり、そこにリアリティを感じられる作品なのでお気に入りです。

ちぐはぐな部品、読了。

創作サークル ぼんやりクラブ
Webサイト:http://bonyari.club/
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ぼんやりクラブ 2019/06/17 20:28

【読後の思考】神 (『ちぐはぐな部品』より/著者:星新一)

※一応ネタバレ注意






ちぐはぐな部品

超大雑把な内容

ある会社の男が信仰心を集めるために博士に依頼して、「神」を作らせる。
その方法は、世界各地の神に関する情報を収集し、高機能なコンピュータへ蓄積させていく、というものだった。
大量のデータに基づく情報は徐々に本物へと近づき、やがてコンピュータは「神そのもの」となる。神となったコンピュータは消えて、目に見えなくなってしまう。

それを真似続けると、やがてそれは「本物」となる。
(ルパンのCVが山田康雄からクリカンになったように)

この話を読んで【雑記】欝展開について思うことの最後に書いたことを思い出した。

最近、というか、前々からネット上で流行ってる感じの短編ホラーノベルをを作りたいと思っていたのですが、ガチで作るなら、本当に恐ろしいものをインプットしていかなければ良い作品が作れないと思い、半ば諦めています。
なぜなら、怖いからです。
恐怖を研究していくということは、すなわち真実に近づいていくということです。
多分、その行為はやがて禁忌に触れるので、できないです。

ここに書いたように、それに近づけば近づくほど、本当にそうなってしまう、ということは実際にあると思います。
ホラー系の制作物なんかで本当に呪われたり、霊現現象が起きたりした、といった話は調べると結構でてきます。

また、人間が怖い系の方向でいえば、

「お前は知りすぎた」
――そして彼は二度と戻ってこなかった……。BADEND

こういうことが創作の世界だけでなく、現実でも確実に起きていると思います。
深く関わりすぎたことで生じた、何か恐ろしいことが。『表立ってない』だけで……。
ことに「ホラー・オカルト」系で踏み込みすぎるのは個人的に怖いなと感じます。

身の安全を確保しつつも、その領域に足を伸ばし、非日常的なスリルを味わえるからこそ、ネットで見る体験談やそれらを題材にした創作物は素晴らしいですよね。


現実世界では、画家が一生懸命模写を続けた結果、本人にその技量を認められる…みたいに職人やアーティストが「本物」に限りなく近づいたり「本物」になってしまったりと、すごく夢のある話を国内外問わず耳にすることがあります。

創作ならば「自覚はないものの、何かを繰り返し続けてるうちに狂人や犯罪者となってしまっていた」といったミステリーや猟奇的なストーリーが似合うな~と個人的に思いました。

まだ途中ですが、前回から読み進めたなかで引っかかったテーマでした。

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ぼんやりクラブ 2019/06/16 06:12

【読後の思考】『廃屋の住人』著者:袈裟丸周造

廃屋の住人 著者:袈裟丸周造


※ほんのりネタバレ含みます








昔、ちらっとヤングジャンプ?で見かけたことがあり、ふと続きが気になったので電子書籍版で購入。ラクガキの不気味さが強く印象に残っていた。

読んでいて思ったことは、創作における「子供」の役割についてだった。

家に帰ってきた幼い子供へ何気なく一日の出来事を尋ねる母親。
そして、返ってきたその内容に、ぎょっとする。
当人は無知であり純粋なので、その状況がいかに「オカシイ」のか理解できずにいる。
平然と答えるのだが、大人が聞くと不安や恐怖を感じたりして、「ああ、よかった」と我が子の無事を安堵する……そんな状況が生まれてもなんら不思議じゃない。

あからさまな異常事態であれば、流石に子供も危険を察知するけれど、それが「どれくらい異常なことなのか?」を判断するにはまだまだ幼かったりする。

そういった存在なので、創作においては「平常」が「異常」に代わる引き金として子供を使うことがあるよなぁ、などと考えていた。
「日常」と「非日常」との架け橋のような役割ともいえる。

たとえば、大人だけの世界で何かが起こるとする。
その場合は、大人の人生経験からの推測や判断力で、その異常事態の早期発見がなされやすい。何より「世の中そういった異常が起きてもなんら不思議ではない」という認識があるので、自分たちが常に異常と隣合わせで生きていることを自ら理解している。だから、どんなことが起きたのか?その程度はいかほどか?と異常を察知し何かしら対応をとれる可能性が高い。

しかし、そこに「子供」という要素が入ると、どうなるか?

子供の存在が、「大人」と「異常」の間に挟まる「ワンクッション」と成り得る。

異常 ← 大人「異常あり!」
異常 ← 子供「?」 ← 大人「……」「異常なし!」

大人の世界で起きてもすぐに見つかってしまう異常だが、しかし、大人の世界の内部に存在する「子供の世界」であれば、うまく潜伏できてしまう

子供たちは大人に比べて異常に対しての意識が低い。
そもそも、それが異常なのかどうかを判別できない。
できないので、何事も起こらない。
何事も起こらないのだから、平常である。
平常な子供の世界をみて、まさかそこに「異常が潜伏している」などと大人たちは夢にも思わない。

そういった前提があるので「大人たち」と大人たち視点で物語を読み進める「読者たち」は予想を裏切られる形となる。結果、その存在を知ったときの衝撃は大きい
今回の 廃屋の住人にもそういった描写がちらほらあった。


もちろん、子供が「隣で死体が転がっていても平然としているNPC」みたいに鈍感な存在だとは決して思っていない。作品によっては大人が馬鹿ばっかで完全に立場が逆、というものもあるはず。無論、大人だって子供のことを気にかけるから、上のたとえは現実的ではない。

これはステレオタイプを利用して読者をだますトリックと言っていいんじゃないかと思う。(だますというのか、なんというのか…)

「子供ってこうだよね」「子供がそうなわけないよね~」という一般常識の影にタネを仕掛ける手法。ミステリー作品では定番だと思う。

リアルよりの世界観だとこういった子供の役割もあるな~と感じた作品だった。

作品の評価については、まぁ、えー、どうだろ。
人によってけっこう変わってくるかもしれない。

雰囲気が好き。

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