ななづこ/水温25℃ 2024/03/30 19:46

『月明かりと夜風のワルツ』ができるまで

こんにちは、ななづこです!
ティラノゲームフェス2023も終了となりました(フェス振り返りはこちら!)ので、最後に改めて「月明かりと夜風のワルツ」(以下、つきよか)のあとがき兼制作レポートをまとめておこうと思います。


作品ページ:月明かりと夜風のワルツ

※ネタバレを含むので、未プレイの方はご注意ください。

制作期間

つきよかは2022年7月ごろから動き始めていて、同年10月8日に次回作のお知らせ記事で情報初出、そして2023年8月25日に公開となりました。丸1年以上制作していたみたいですね。

上記のお知らせ記事で「エンディングまで書き終わっている」と言っていますが、その後は第8稿まで書き直すことになろうとは……
マルチエンディングの予定が結局一本道になったりと、つきよかの最善の姿を探してずっとうろうろしていましたが、最終的には満足のいく形で完成させることができました。

完成までの間、Ci-enで毎月月末に進捗報告を書いていたので、詳しい進行状況は「つきよか」タグ一覧から見られます。(※つきよかの進捗報告はフォロワーさん限定になってます。無料なのでご興味がありましたらぜひ!)
シナリオで唸っているのがありありと見えてお恥ずかしい限りです。
自分の言う「一旦シナリオ完成」は本当にあてにならないなと実感し、ちょっぴり落ち込んだりしてました。またいい経験ができたね。

制作動機

つきよかは「雇われた者としての自覚が強い忠誠心100%の使用人と、その使用人に片想いしてるお嬢さま」という関係性が浮かんで作り始めた作品でした。珍しく原案の原型がしっかり残ってますね。

それに加えて「そろそろ魔術についてちゃんと書きたいな」という気持ちがあり、「魔術がある国」を舞台にしました。
これは完全に裏設定であり裏テーマなんですが、私の個人作品はすべて同じ世界の話です。(2016年公開の1作目・2作目からはちょこちょこ変わっている部分はあるので、あの辺りは一旦含めずで…なんとかしたいなーとは思ってます)
と言っても、お話が繋がっていたり、他作品のキャラが出ることもなければ、匂わせがある訳でもないので、気にせずお好きな作品だけプレイしていただければなーと思ってます。

そんな訳で、頭の中にあるばかりで表には出ていない国がたくさんあり、魔術の国もその1つでした。やっと形にできて嬉しいです。
他の国もいずれ形にしていきたいですね。

世界観とストーリーについて

ファンタジーのお話が好きな理由のひとつに、「ファンタジーの暮らしを覗き見するのが好き」というのがあります。
魔術がある生活はどんなものか、どんな文化と価値観があって、どんな便利・不便があるのか。どんな芸術が生まれて、どんな犯罪と法律があるのか。
今回のお話で、その辺りは意識して触れるようにしました。元々ぼんやりと頭の中にあったものを、今回いろいろとはっきりさせることになり、考えていてとても楽しかったです。
軽く触れた程度で詳しく書いていない部分も多くありますが、それは今回のお話の役目じゃないなと取捨選択した次第です。
今回触れなかったことはいずれ、別の人たちのお話で書くかもしれないです。今はまだ予定はないですが。

キャラクターについて

魔術は上手だけどその綺麗ではない部分を知るリシュアと、魔術を使うのは苦手だけどその美しさに惹かれるレナート。そんな2人のお話でした。
このお話はリシュアの恋愛物語であり、レナートの成長物語でもあります。なのでどちらも主役だなぁと思ってます。
魔術が得意な人、苦手な人、魔術以外の道を行く人、魔術を妬む人。
この国にはいろんな人が暮らしていて、その一部にスポットを当てたお話でした。

全体で見ると、リシュアの片想いのしっとり具合に加えて、魔力格差など難しいお話もある中で、レナートのおかげでコミカル成分も持たせることができました。ナイス顔芸。

リシュアとレナートの2人がかわいいというご感想に加えて、父がかっこいいというご感想もたくさんいただきました。嬉しい!
トヴァルはお話の中核にいて、この国の多くの人にとっての憧れであり、リシュアにもレナートにも大きく影響する人でした。
その存在感と説得力をちゃんと持たせられていたのかなと、ご感想を見ていて感じます。ありがとうございます!

グラフィックについて

最初期に公開した立ち絵ラフから、結構服装が変わったりしてます。
当初はかっちりした家のイメージだったのですが、だんだんアットホームな感じになっていきました。

そして今回は、背景も5枚ほど自作しました。
今回はすべてイラスト素材で統一しようと思っていたのですが、どうしても見付からない素材があり、一部は写真素材をイラストっぽくしてなんとかしましたが、それでもどうにもならなかった背景たちです。

シナリオへの影響が大きいものばっかりですね。
お借りした素材がどれもクオリティ激高で、そんな中に混じって自作素材が表示されることになるので、差が目立たないようにできるだけ雰囲気を合わせたり描き込んだりしました。
背景はまだまだ練習中なんですが、今回でだいぶスキルアップした気がします。

お借りした素材も、実はそのまま使っているものは少なく、色味などを加工したりしています。(加工OKの素材です)


元素材:みにくる背景CG素材集『お屋敷編』part04

元から素晴らしいクオリティなのですが、自分の立ち絵や作品全体の雰囲気に合わせたり、他の素材と色味を均一にするために調整しました。
ファンタジーっぽさを感じる色合いにできたんじゃないかなーと思います。

システムについて

短編ながらも、これ作ってみたいから入れちゃえ~といろいろ操作まわりのシステムを作ってみました。
よくご感想で褒めていただいたのが、システムボタンのカスタマイズ機能と、バックログで進行度が確認できる機能でした。

システムボタンのカスタマイズは、エロゲの体験版とかでよく見かけたので、便利なもんなのかしらと思って入れてみたものでした。
ご感想を見た感じ、便利という声もありましたが、どちらかというと変えられてビックリという声が多かった気がします。実際にはどれだけカスタムされただろう。
長編だと便利さが実感できそうな気がしますね。

進行度の確認は、私が「あったら便利だろうな!」と思ったので作りました。
私は動画を見る時、本を読む時、あとどれくらいかなーと気になって確認することがあります。ゴールが見えている方が走りやすい感じ。
便利と言っていただく度に、私だけじゃないんだなとにっこりしてました。
今思うと、メニューからチャプターセレクトが表示できる方が、好きなシーンに飛べる機能も持たせられてよかったなと思ってます。次はそうしようかな。

あと、用語説明をポップアップで表示するようにしたのも、個人的に気に入ってます。

今回は読み物としてではなく記録と補足として入れたかったので、説明があるとしても1・2行くらいの文量しかなく、できるだけお話を読む邪魔にならないように入れたいなーと思ってました。
なので動画のテロップみたいに、クリックしなくても勝手にピロッと出てきて、勝手にシュッと消える感じにしてみました。
立ち絵の動きや台詞に合わせてSEをつけてみたのも、ちょっと動画っぽい演出だったかも。

システム周りで新しくやってみたいことも増えたので、次の機会に作ろうと思います。たのしい!

終わりに

そんなわけで、2020年公開の「リベリオン・ヒーローズ」以来の乙女向け恋愛ノベルゲームでした。
色々悩んだり苦しんだ部分も多くありましたが、今回も自分の最新作として満足のいく作品にできました。
プレイしてくださった方、ありがとうございました!

次回作はまだ未定ですが、また好きなものを入れたり、やってみたいことに挑戦したりして、楽しく作っていければと思います。
引き続き頑張ります!

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