ニル 2022/06/17 13:46

ストーリー中の時間経過について考える

RPGの時間経過

これってあまり考えない(プレイヤーに考えさせない)
ようにされている作品も多いと思います。

例えばRPGで宿は回復の常套手段です。
泊まれば確実に1日経ったことがわかります。

徒歩で昼夜が入れ替わるゲームなんかも、
そのタイミングで夜になったんだな。ってわかりますよね。

両方満たしている中で自分として特に印象深いのがドラクエ3(SFC版)なのですが、
日付が変わった回数をカウントしていくと、(もちろんプレイヤーによりますが)

勇者は16歳の誕生日に旅立ち、
当初は盗賊に殺されてしまうであろうくらいの強さから、
(カンダタ子分に1lvで出会ったらと考えます)
恐らく17歳の誕生日を迎えるよりも早く、
魔王討伐という偉業を成し遂げ、伝説になっているんだと思います。

……この辺り設定資料や対談などを読んだりした事はないので、
ゲームだけプレイした1ユーザーの感覚としては。
ということにはなるんですけど。

そして町は1~2日歩けば次の街につくくらいの距離。
無論、昼夜の交代は時間が経っていることの示唆であり、
ゲーム的に例えば2歩で昼夜が切り替われば
流石にウザいので簡略化している可能性もあるかと思います。

「1週間ほど歩けば○○の町だよ」

みたいな話があれば、徒歩の速度から距離を。
そして旅にかかった日数を推測することも出来るのかなと思いますが。
そんなNPCは居たっけかな……?

余談ですが、距離と時間の問題の他に

「1週間ほど歩けば○○の町だよ」

という言葉には、地球と同じように1週間という単位が使われている事を
明確にしてしまうのも、使うのが難しい点ではある気もします。

無論、全ての常識をその世界の常識に置き換えた場合、
プレイする自分たちが理解できなくなります。
その最たるものが有名な

パルスのファルシのルシがコクーンでパージ ですね。

一日が何時間とか。一年が何日とか。自転周期と公転周期によって異なるので、
これらが同一である場合には、
その世界は地球かもしくは地球という星の環境に極めて近しい星ということになり……
(……多分なるんじゃないかと思います。
専門じゃないですし、特に調べてもないまま喋ってるだけなんで、
一応逃げ道用意しておきます)

作り込むことが説得力のある世界を作るのだ。
と思う一方で我々は地球人、自分なら日本人の常識で物語を理解しようとするので、
リアルを追求した結果ここから乖離しすぎると、
理解することすら難しくなり、世界の理としては正しいのかもしれませんが
それはそれで面白さを欠いてしまう。
その辺が特に難しい点ですね。


もちろん、老いる場合にグラフィックの問題とかもありますし、
可能なら触れるべきではない問題として意図してぼかしているのだと思いますが、

時間経過をぼかした結果、
主人公たちが他の人に比べて異常な成長を遂げてしまうのは、
RPGの世界が抱えがちな課題なのかなと感じます。

異常な成長力

これに説得力をもたせるのであれば、
神々(悪魔)の力を授かった。古代遺物を手に入れた。特別な血筋である。
などなど、主人公がその世界で日常的に戦闘をしている職業、
一般冒険者や一般兵士などと比べても特別である事が必要になります。

ただ、ここでネックになるのが仲間の存在で、
特別な血筋の主人公と、血筋は普通でも共に戦う頼もしい仲間。

みたいな図式はよくありますが、
異常な主人公の成長力に付いてこられる仲間は、
やはり世界全体から見れば異常であることになります。

今度は仲間にも恩恵のある加護だった。みたいな理由が必要になりますね。
それか、世界の運命を変える可能性を持つ選ばれし者たちが、
運命(神の介入)によって集まった。みたいな。

こういった物語を作りたければそれで理由付けが完了するのですが、
中にはそうではない人も当然いると思います。

……というか自分がそうで。

こういうのって作者の人生や性格によると思うんですけど、
俺は特別な才能を持つ人間ではなかったので、
極めて特別な才能を持つ主人公や仲間にはしたくなかったんですよね。

特別ではない主人公

無論、特別ではないと言っても物語のスポットを当てる時点で特別にはなりますし、
スポットの当たらないキャラクターたちに比べたら、
最終的には圧倒的な成長を遂げる事にはなるでしょう。

それでも説得力を持たせたいとなると、やはり必要なのは時間な訳です。

例えば……

16歳で共和国に従軍。忠誠を誓っていたが、
21歳の時にある悲劇・裏切りによって共和国を恨むようになり、
共和国の要人を殺害した後に情報を持って帝国に寝返る。

それから共和国の滅亡という復讐に15年を捧げた結果、
共和国の兵士たちからは恐れられ、彼が所持する武器の異名で呼ばれる。
作中キャラの中でもトップクラスの実力で、
共和国出身の主人公達に立ちはだかる……。

なんて即興で考えたプロフィールですが、
やっぱり○○年も努力した。
○○年も捧げたみたいなのは、血筋や特別な力に頼らずとも、
そのキャラクターが強いという事への説得力になるんですよね。


逆に、

田舎の村で生まれ、平凡な日々を送っていたが、
ある日、村が魔物に襲われた際に魔法の力を発現し、村の危機を救う。
その後、それを知った領主から魔導学校への入学を推薦され、
10年で卒業する筈の課程を僅か4年で修了し、
今や12歳という若さで教壇に立つ、1000年に一度の天才少女。

魔導関連は極めて優れているが、それ以外は割とへっぽこな彼女を
ひょんなことから手助けし、一行の旅の目的を聞いた彼女は、
見識を広げ、退屈な日々を脱する為に、一行に(無理やり)ついていく事に。

……みたいなキャラクターが居たとします。

こういったキャラクターを引き立てるのはたった○○年で何かを成し遂げた。
○○年に一度の才覚と言われている。みたいな話になるわけですが、

こういったキャラクター達に対して
主人公たちが平然とついていけたり、
単純に成長速度がその天才少女よりも早いみたいな場合、
時間 によって強さを説明しているキャラクター、
ひいては世界そのものの説得力が薄まってしまいます。


まぁ、プレイする側としてはよくよく考えるとちょっと変だよねってだけで、
考察のように深く掘り下げて考えたり、
上記の天才少女とプレイヤーの急成長に加え、
さほど時間の経過が見られない……みたいな負の相乗効果さえなければ
普段はほぼ気にならない程度の話なのですが、

可能な限り事象には回答を用意する。

というのを俺は制作ポリシーにしているので、
作り上げた世界としての回答、
つまり、「ゲームだから」というメタ的回答以外を用意しておきたい。
という感じです。


……ということで。
特別でない主人公のため、時間というものを上手に使っていきたい。
というのは、漠然とですが、物語の構想段階で考えていたことでした。

自分のイメージする作品ではどれくらいが妥当か

以下は自分の構想する世界の理として考えています。
実在する人間との乖離もやむなし。

まずエンディングでは何歳が良いかを考えました。
最終的に何歳の主人公が良いのか。

それと同時に、仲間たちの年齢や、
人類の戦闘能力の一般的なピークを考えました。

才能云々は置いといて真面目(ただし常識の範囲で)に訓練した場合、
二十代後半で完成した後、三十代半ばまで持続し、その後指数関数的に下降。
意識が高くとも五十代前半ではピークの6割程度。
最終的にはピークの2割程度で下降が停止する。

このあたりを自作品のルールとした場合、
人としての成長、
パラメータの成長。
ぼーいみーつがーる。

以上の条件で考えて、
可能な限り若くするが、最終的に能力がピークに到達している。
……ということで、物語の最後で27歳前後となりました。
逆に主人公とヒロインの年齢が近い場合、
ぼーいみーつがーるの限界を20歳と考えたので、
物語開始時に主人公は20歳。ヒロインは19歳となりました。

この間7年。
最終的には27歳の主人公と26歳のヒロイン。
若さもありつつ風格が漂い始める。そんな感じ。
正直、完璧(好み)な年齢設定です。

というわけで流石に長くなってきたので。

次回は7年の月日について考えながら、
そのまま考えたことを出力して行く予定です。

記事のタグから探す

月別アーカイブ

限定特典から探す

記事を検索