ニル 2020/08/16 20:47

RPGの雑魚戦について考える

制作者としてはRPGの雑魚戦ってすごく難しいと思っていて、
そもそも本来は面白くないモノだと思うんですよ。

逆に、行動1つ1つにメンバーの生死が掛かっているような、
手に汗握るようなボス戦は、RPGの華であるとも思っています。

ただ体力が高いだけじゃない。理不尽に攻撃の威力が高いだけじゃない。
相手の行動パターン次第、つまり運だけで全滅が決まるかもしれない戦闘じゃない。

それでいて、プレイヤーに常に最善手を要求してくるボス戦というのは、本当に面白い。
思考をフル回転させているのにギリギリの戦いになる……が、ギリギリでプレイヤーが勝てるようにする。


これは制作者とプレイヤーの知恵比べとも言えると思います。
そうして出来た傑作のボスというのは、
報酬なんて無くてももう一度戦いたくなりますよね。


ただ、雑魚戦闘はそうじゃないんですよね。
そんな一々雑魚に5分~30分取られるような戦闘は流石にテンポ的にも論外ですし、
プレイヤーだって疲れます。

そうなると、つまり敵を弱くしなければいけない。
弱いという事は、最善手でなくとも倒せるという事。
次に何をすれば勝てるのか、戦闘開始時に既に理解している。
それは思考の余地が無い事を意味します。

それって、つまりつまらないんですよ。
例えば親戚の5歳の子供なんかと腕相撲をして勝つのは楽しいでしょうか?

最初から勝つことが分かっているゲームそのものは基本的にはつまらないんですよ。

そうなると、プレイヤーは”支払う時間”と”報酬”と釣り合いが取れるかを考え始めます。
それは経験値だったりドロップアイテムだったり。

経験値0でドロップも無いが、攻撃は低く、HPだけ高いような敵が居たとしたらどうしますかね。その情報を知ってたら当然逃げますよね。
もし知らなかったら、こんなにめんどくさい相手なのだから報酬は素晴らしいに違いないと思いながら倒すと思います。図鑑見たら唖然とすると思いますけど。


つまり、雑魚戦において正攻法で楽しさが見いだせない場合、
最も大事であるのは報酬なわけです。ここを正攻法でクリアする。

雑魚戦が楽しすぎて報酬が無くても戦いたいRPGがあれば、
本当に革命的システムだと思います。


例えば、エンカウントして3秒で敵全体を瞬殺出来るのは面白いかもしれません。
それは報酬があるからこそ、得るものがあるからこそ、成長があるからこそ、
”報酬”に楽しみを感じているだけで、雑魚戦闘そのものの楽しさではありません。

ただ、戦闘と報酬が直結している以上、
戦闘のつまらなさを誤魔化すかなり有効な手ではあるとも思います。


そもそもプレイヤーは邪魔はされたくないんですよね。例えば謎解きやマップ検索を。
或いはイベントシーンを見たいわけです。

だから邪魔しない程度にしなきゃいけない。

雑魚は雑魚らしく退場し、一番やりたいことを中断させて、
プレイヤーが消費した時間に見合う報酬を与えてあげなくてはいけない。

成長が楽しいゲームは、雑魚との戦闘自体をプレイヤーに強く働きかけるので、
根本の改善ではないですが、雑魚戦がつまらないという課題を
報酬の美味しさによりクリアしていると言えます。

ポケモンなんかはわかりやすいでしょうか。
戦えて捕まえれば仲間になってくれるなんていうのは、報酬として素晴らしいです。

それで、そもそも街道は整理されており、
自ら草むらに入らないとエンカウント無視できる個所も多く、
虫よけスプレーに代表されるスプレーでエンカウントを無くす事も出来る。

障害であるトレーナー戦も、ある程度は無視が可能です。
ただ、トレーナーはそもそも連続戦闘が可能な為にレベリング効率が良く、
(同レベル同一ポケモンの野良よりちょっと経験高いような気もする……?)

野良ポケモンと異なり賞金という報酬もあるので、
足止めされても実は美味しいという側面があります。

ドラクエで普段逃げていても、はぐれメタルをみたら目の色変えて殴りますよね。
比較対象と比べてレベリング効率が極めて良いからです。


……その辺りを考えると、ボーナスモンスターの存在も結構大事なのかもしれませんね。


レビューで戦闘の高速化が望まれているフリーゲームとかもありますが、
それってつまり望まれてる時点で、
その人にとってはそのゲーム雑魚戦はつまらないと感じられちゃってるんですよね。

制作者としては他人事じゃないですね。怖い。


思考の余地が無いからつまらない。報酬が欲しいから戦う。
思考の余地が無いが、戦闘の必要性があるという雑魚相手に、
プレイヤーが帰結するのは、如何に瞬殺出来るか。になってくると思います。

自分もかなりそういうタイプの人間で、色々なゲームで雑魚は開幕瞬殺狙いです。
或いは、報酬が美味しくないと判断したゲームでは、
ボスに勝てなくなるまでエンカウントを回避します。



さて、ここに対する回答の一つ。
根本の改善でもある”雑魚戦闘を面白くする”という事を可能にした稀有な例が、
ガンビットというシステムだと思うんですよ。

ガンビットというのはFF12の戦闘システムの一環で、
自分で事前にAIに命令を組み込んでおき、戦闘時に実行してくれるものです。

こういう系統のシステムは、そもそも好みが分かれることは理解しているのですが、
自動で自分の思った通りに動く。というのはそれだけで面白さがあるんですよね。

装備やスキルツリーで最適解を考えていくのと同様に、
行動に対して最適解を与えてあげる。これは非常に面白い事です。

アツマールにて、そういうゲームがあるので紹介しておきます。

かってにバトル勇者

https://www.freem.ne.jp/win/game/18641
https://game.nicovideo.jp/atsumaru/games/gm8523?link_in=search-word

kikigero さん 作

雑魚戦闘の問題点は勝つことが分かっていて何をしなきゃいけないかも明確であるのに、
一々コマンドを要求され、時間を取られることが一つの大きな問題です。
これ自体はオート戦闘でも解決できる事ですが、そこに面白さはありません。

この差こそが、自分でAIを組む事と、オートバトルオンリーの差なんですよね。

自分の意思をAIに反映させる。コマンド入力の時間が減り、
見ているだけで敵をガンガン倒してくれる。これってかなり楽しい事なんですよ。

手動でも出来るゲームであれば、全自動プレイなんていう遊び方も生まれます。


自分はこのシステムに心酔しているので、何が何でも実装したい機能の一つとなります。
正直全てのRPGに標準搭載されてたら嬉しいレベルなんですけどね。

いやまぁ、先も言ったように好みが大きく分かれているのも理解してはいますが。
敷居がそもそも高いようなんですよね。


……とまぁ、これが雑魚戦における一つの回答だと思っていて、
自分のゲームでは雑魚戦を任意で自作AIに戦ってもらうという事で、
雑魚戦の煩わしさを解消したいと考えていたりします。



誰かガンビットプラグイン作らないかなーというのは、
まごうことなき本心なのですが、それだけをアテにしてもしょうがないので、
一応、自分でも考えてはいます。
絶対的に知識が足りないので現時点では作れないのですが。

ガンビットシステムを作るには

現時点で今後なんとか作成出来る可能性がありそう(現時点では無理)なのは、
Scene Equip (装備シーン)を元にして、
防具の2~7番くらいまでを通常の装備シーンで。

同様に防具8番~32番までしか表示しない装備シーンとかを作成して、
オート戦闘時に、通常の処理ではなく、
参照しているスロットIDに装備しているアイテムのIDから、
行動を割り出して入れ込むというものです。

やなさん のスキルCP制プラグイン等を見ていると、装備ではなくても、
装備に近いシステムを設定できるのは分かるのですが、これは自分には無理そうなので。


その為に必要なのは装備に近いシーンの作成なのですが、
そもそもこれが出来てない。

まぁ、見た目を無視すれば、装備シーンで33個の装備が出来るようにしてしまえば解決するので、最悪その状態でMVプラグインの移植を待ちながら、
短編のゲームを作ってみようかとかも思っています。



次に、オート戦闘のフラグが経っている時にそれを参照するように、
オート回りのスクリプトを書き換えなくてはいけません。
最悪これは、行動予定のスキルIDさえ最後に与えてやれば良いので、
コモンイベントを使いまくって処理する事で何とかなる……かもしれません。

行動予定スキルを割り込ませる事自体は、
割り込み位置を割り出したので一応出来ているので……。



単純に戦闘行動の強○で動かそうとした場合、行動順の問題が重くのしかかるんですよね。敏捷性だったり、スキルの速度補正だったり。

だから自動戦闘で”行動予定のスキル”に割り込ませたい。


いや、ほんとスクリプトって難しい。

記事のタグから探す

月別アーカイブ

限定特典から探す

記事を検索