ニル 2020/05/27 22:52

ボス戦のレアドロとか色々

ボス戦のレアドロがノルマという話


ザコ相手はまぁ良いでしょう。
試行回数を増やせばいいし、取り返しがつくので。

ただ、1度しか戦えないボス等にそういったレアドロや盗むを仕込むって、
あまり意味があると思えないんですよね。

100名のプレイヤーが居るとして、
無作為に選ばれた特定の1名に強い装備を与える意味ってあるでしょうか?

プレイヤー間のやり取りで、すげー!とか、どうやってとったの!?
とか、まぁあるとは思うんですが。

オンラインゲームであればそういう一つの象徴を与えることは、
集金の意味や、最強を目指す人の意欲になるかも知れませんが、

ランダムに選ばれた一人に最強の武器をお渡しします。次はありません。

って言われてオンラインゲームで配布されたら、
選ばれなかった人は「は?」ってなると思うんですよ。
頑張ってた人ほど特にね。

つまり何が言いたいかと言うと、取り返しのつかない要素で差をつける行為は、
その例と同じようなものだってことです。

リセマラできるだけマシではありますけどね。


ともあれ、RPGにおいては、プレイヤーはデータベースさえ知らなければ、
常に最強の装備なんです。それがゲーム上は事実と異なっていても、
自分の現在装備が少なくともその時点での最強装備だと信じて遊んでいる。
或いは、今は手が届かなくとも、必ず取れる範囲にあると信じています。

例えいずれお払い箱になる装備だとしても、取り逃しのせいで

その時点ではもう最強になれなくなってしまったこと

を自覚してしまうと、すっと熱が冷めてしまう人もかならずいると思うんですね。
これが、最終的にも本当にゲーム内最強装備だったらどうでしょう?

あなたはゲームをクリアしたって最強にはなれない

と、シナリオの途中であっても突きつけられることになるんですよね。
これってかなりモチベーションに響くことだと思います。

或いはコレクタ―気質な方の場合は強さとしての価値ではなく、
アイテムの所持そのものに意味を感じるので、よりダメージが大きいかもしれません。


それが、サブイベントとかならまだ良いと思うんです。
サブイベだから気づかなかったとか、
自分の検索不足が招いたという理由を自分に与えてあげられます。

ただ、通過したボス戦であると話が変わってきます。
盗むコマンドがあるのであれば、

ボスからいいアイテムが盗めるかも。
なんて当然誰でも思いつきますし、そう思っているものを忘れたのなら、
自分の過失に対して非常に強い後悔が残ります。


レアドロの場合は理由が異なりますが、
レアドロがあるということを、クリア後まで気づかないならまだ、良いと思うんです。
そのプレイヤーは、クリアするまで自分のパーティは最強だと信じられたまま、
楽しくゲームを終えることが出来ているのですから。

ただ、それに途中で気づいてしまった場合はダメなんですよ。
さっき言ったように必ずがっかりします。

そうならないために、ボス戦はレアドロがあるので、
欲しいければリセットして下さいね? なんて提示するゲームはおかしい訳で。

ここからは持論が多分に含まれます。

そもそも一度しか戦えないボスにレアドロを仕込むなんていうのは、
ネットなんてなかった20年前、30年前のゲームだから。
そして何よりクオリティが約束されており、
皆がやっているようなゲームだからこそ、
話題作りの為にも許された手だと思うんですよ。

逆に言えば、個人作成でクオリティもわからない、
100人やってくれるかわからないようなゲームでそれをやることは、
完全な悪手だとも思うわけです。

レアドロに焦点を当てて言えば、1人の幸運な方が情報を世に出した瞬間、
誰でも簡単に、自分の不幸に気づけてしまいます。

そもそも、情報の無い、そして周回も出来ないボスからのレア装備なんて、
頑張ってくれたお礼でもなんでも無いですよね?

倒した後でエネミーブックで確認出来ます。
とかだと、レアドロップがあることに気づいてがっかりするだけですし、
たまたまドロップしたのであれば、単純に運でしかありません。

そんな運だけの要素で、プレイヤーに格差をつけて良いのか?
1%のドロップ率なら、その為に99%をがっかりさせて良いのか?
て事です。

自分の作ったゲームで、ボス戦までに物凄いファンになってくれて、
リセマラどころか、取り逃した事を知ったら、
その時点でゲームを最初からやり直すことを厭わないくらい、
好きになってくれると信じられるならまぁそれもいいと思います。

或いは、悪手だと自覚しながら往年のRPGのように作りたい。
・・・というのであればそれもまた一つの選択だと思います。
実際あの頃のゲームは名作が多かったと思います。

ただまぁ、許されていたというだけで、
リセマラ推奨のレアドロがボスに設定されている事を、
あの要素があったから、あのゲームは素晴らしかった。
何て思うかと言われたら、全くそんなことはないんですが。


一度もゲームを完成させたこと無いやつがなんか言ってるよ。
って感じですけど、製作者としての立場というより、
この辺はプレイヤーとして、俺が感じる部分です。


RPGのリセマラは、やってることがゲームの中ですら無い試行ということで、
プレイヤーにとって最低ランクの作業だとしましょう。

そうすると、次は再戦を出来るようにする。
というところに焦点が当たると思います。
これは大して難しいことではなくて、SFチックならシュミレーターでもいいですし、
ファンタジーなら戦った相手を”記憶”し成長する魔本とか、
主人公の記憶から生み出される夢のダンジョンとかでも良いですよね。



でも、これがプレイヤーにとって嬉しいかと言うとまた別で。

そのボスにだって、苦労して勝った。逆に言えば勝ってくれたわけです。
そこに至るまでのストーリーがあって、時には熱い掛け合いがあって、
人によってはゲームオーバーになりながら頑張るわけです。

その後、レアでなかったからやりなおしー。っていうのは、
あまりにも、あまりにもストーリーへの没入感を損ねてしまう。

それよりも、達成感と脱力感と共に、”何か良さそうなもの”を手に入れて、
少し期待して装備やアイテムを開いてみてほしいわけです。

逆に、プレイヤーの立場だったらそうありたいですよね?


このボスには自信がある。
絶対強いし面白い。時間もかけた。だから何度も戦って欲しい。
戦ってほしいから周回させる設計にしよう。
まぁ、わからなくもないです。わからなくもないですが・・・。

もちろん、ひたすらボス戦し強くするという、
モンハンみたいなゲームを作っているなら話は別だとも思います。
思いますが・・・。

・・・余談になってきますが、かなり出来の良いボス出ない限り、
割と早い段階で作業化すると思います。
モンハンのような同じ敵と戦いまくるという形が許されているのは、
理想を頭で分かっていても実現が難しいアクションゲームだからです。

立ち位置やタイミングなど、いくら慣れていても思考と判断の余地があります。
いや、プロハンと呼ばれるような方々からすればそうではないかもしれませんが。
でも、そうなれば少なくとも作業ゲーに近くなりますよね?

RPGは理想的な戦術を組み立ててしまえば、再現することはかなり安易です。
そして何より、自分が楽しいと思っていても、他の方が楽しいかはわかりません。


そういった意味でも、通常のRPGにおいてボスにレアアイテムを設定し、
リセマラでは不親切だから再戦出来るようにしたとしても、
ストーリー進行を置いといて、レアドロのためにボスと再戦し続ける・・・
というのは、どこかチグハグ。

逆の立場から見るなら、レアドロ欲しいでしょ? 再戦いっぱいしてね。
ってのは、ゲーム設計としてリスキー。
辛辣に言えば製作者の独りよがりな形かなとも思うんです。


そもそも、本当にそのボスが面白かったら、
例え報酬なんか無くても、プレイヤーの方からもう一度戦いたくなるんです。

そこまで上手く出来たボスというのはとても珍しいケースではありますが、
俺だってありますよ?
その敵と戦いたいが為に、直前のセーブを残しておいている。とかね?



そういった理由で、俺はボスからは良い物が100%ドロップ派です。
その上で、

報酬なんか無くても、あのボスともう一度戦いたい

そう思ってもらえるようなボスを作りたい。

ただ単に難しい。ただ単に強い。
そういったボスを作るのは極めて簡単ですが、
そんな形にはならないように気をつけています。

ま、一人で作っている以上、俺の感覚が大衆感覚とズレていれば、
大衆にとってつまらないボスが出来上がってしまうとも思うのですが、
逆に大衆に合わせる事を自分がつまらないと思ってしまった場合、
そんなものを作ってもしゃーないと自分は思っているので、
好きなように作っていくつもりです。

この辺もうちょい掘り下げますか。
一人からアドバイスを聞きまくれば、
それはその人の世界の劣化にしかならないし、
逆に多方面からアドバイスを聞きそれだけを頼りにしていたら、
肝心な軸がブレブレになってしまうと思うからなんですよね。

自分がつまらないと感じている方向に進むなんて、難しすぎるんですよ。
自分の感覚を信じられずにどうやって良いものが作れましょうか。

アドバイスを聞かない。はそれはそれでダメだと思いますが、
聞いた上で取捨選択をする。最終決定をする。
自分の軸は絶対に大事にするべきだし、
それが最終的に一つの作風となってその人それぞれの魅力を醸し出す。
俺はそう思っています。


だから、正直こんな無名の素人の
記事を鵜呑みにする必要なんて無いわけです。
自分には不要と思うなら捨て置けば良いのです。
確固たる自分と確固たる自信があるなら、それでいい。
その人の創作世界はその人だけのものなのですから。


ともあれ、RPGに置いて、ボス戦とはストーリーと並ぶ柱なのです。

この2つの柱を通じて、掴んで離さずのめり込んでいって欲しい。
あっという間の50時間だった。

そう思ってもらえるように、俺は没入感というものをとても大事にしている。
なんか色々書きましたが、着地点としてはそんなお話でした。

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