プロデザイナーが論じた百合作品で絶対に外してはならない鉄則とは?

制作に費やした労力が、必ずしも結果を伴うとは限らない

 構想1ヶ月、制作3ヶ月、取材に現地を訪れたのは三度。
 そうして出来上がったのが文字数12万8,000文字、文庫版272ページの『トリトンの火』でした。
 神戸を舞台にした、高校演劇部をめぐる青春百合小説です。

『トリトンの火』カバーデザインの一部。

 実際に取材で訪れた神戸の舞台。ロケ地は舞子公園。

 しかしこの力作は、読んでいただいた方には大変ご好評である反面、初回32部しかはけませんでした。

百合作品で絶対に外してはならない鉄則

 あるとき、商業誌の想定デザインを手がけて10年以上になるプロの現役デザイナーの方を縁あってご紹介いただき、中身(本編)を読んでいただいた上でレビューしていただく機会を得ました。

 その結果頂いたご指摘は、あまりにも避けて通るべきではない常道中の常道だったのです。

 出版社から発行される商業の百合作品は、言われてみれば私の知る限りほとんど全ての作品が、その「指摘事項」をクリアしています。

百合作品に不可欠な要素を押さえた作品と、そうでない作品の違い

 幸運なことに、私はたまたま別の作品で、その「指摘事項」をクリアしていました。

 拙作『百合色50%+』は頒布数が初回66部。
 さらに残った在庫も次のイベント出展を待たずに売り切れとなりました。
 なお、当該作の前編『百合色50%』は頒布数こそ33部ですが、こちらは12:00の時点で完売しています。

 この明らかな売れ行きの違いを体感していながら、私はデザイナーの方にレビューしていただくまで、あまりにも重要すぎる鉄則を見落としていたのです。

 記事の続きで、それを説明いたします。

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初回66部売れた『百合色50%+』のカバーデザインとは?

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