2023年7月30日 二本目w 熱中症を「治療」するには

熱中症を「治療」しよう?


自分で対処できると思うな!!
熱中症で倒れるときは真っ直ぐ歩けないぞ!!

ということで、熱中症で身内や客が倒れた時の対応です


意識の確認
意識が無いことが多々あります

無ければ直に救急車を呼びましょう
あっても会話が成立しなかったら救急車を呼びましょう

立って歩き出せるぐらいなら、元気なので救急車は呼ばなくても大丈夫です



まずは患者(自分)がどの程度かを見極めます




メディカルノートさんを参考にすると
https://medicalnote.jp/diseases/熱中症?utm_campaign=熱中症&utm_medium=ydd&utm_source=yahoo

I度 (軽度)
めまい
立ちくらみ
筋肉のこむら返り
手足のしびれ
気分不快

II度(中等度)
頭痛
吐き気や嘔吐
体のだるさ
力が入らない

III度(重症)
高体温
意識がない
全身のけいれん
呼びかけに反応しない
真っ直ぐに歩けない、走れない

I度 (軽度)でも対策してほしいのですが、多くの人は熱中症を疑いません

II度(中等度)まで行けば病院に行くようになりますが、
病院に行っても対処薬を出されて終わり・・・ということが多々あります
運営が投薬時は熱中症を疑います

III度(重症)になると自力で歩けません



冷やす
熱中症は身体がオーバーヒートしている状態なので、まずは冷やします

スマホでも長時間連続使用していると熱くなりますよね
最近のスマホは熱くなりすぎると発火する恐れがあるので、一定温度を超えると充電を辞めたり、照明を下げて発熱を抑えるようにします

充電が止まった状態でスマホを使い続けるとバッテリーが無くなって電源が切れますね

熱中症はこの状態です
バッテリーが完全に無くなっているので、自力では動けません
充電して電源を入れ直してやっと動き出します

基本的にスマホが発熱しているときと対処法は同じなんです
スマホが熱くなったら使うのを辞めて、冷えるのを待ちますよね?

人間の身体も同じです
熱を持ちすぎているので自然と冷えるのを待ちます
待っているときも温度が低い方が早く冷えますので、35℃近い外で空冷するより、エアコンで25℃ぐらいに設定した部屋で空冷した方が良い訳です


I度 (軽度)の症状が出たら、直に作業を中断して涼しい場所に避難してください





水分補給
人間の身体には「汗をかいて体温を調整する」という優れた機能があります
他の動物でも「汗をかいて体温を調整する」機能を持った動物も居ますが、多くの動物は「汗をかいて体温を調整する」ことが出来ません
ですので暑すぎると活動を辞めてしまいます

犬猫や奈良公園の鹿を見てもらえば分かりますが、暑いときは日陰で腹を地面に付けて涼しくなるのを待ちます
腹を地面につけるのは腹から放熱して体温が上がりすぎないようにするためだそうです


人間には優れた体温調整機能がありますので、猛暑日になると汗は無理やり止めない方が良いです(かき過ぎも問題ですが)




服を緩める
血行を改善したり、中に篭った熱を発散することで少しマシになります





熱中症に効く薬は?
病院に運んで空調の効いた病室で生理的食塩水を点滴する のが最適解です

点滴することで水分補給をしなくても体に水分を入れれるからです


ただ、ここまで暑いと救急病院も対応しきれなくなってきますので、病院のお世話にならないようにするには基本的に対処療法になります

熱が下がらない場合は解熱剤・吐気のある時は吐気止めを処方されています




漢方薬で治療できる薬は無いのか? と聞かれますが、熱中症を「治す」薬は私は知りません
熱中症に効くと紹介されている漢方薬はいずれも「予防・対策」のために飲んでもらう薬になります

・白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)
一番治療効果の高い漢方薬になり、以下の漢方薬の中でも一番即効性があると思います
石膏が入っていて表皮の熱を取る事・内熱を取ることに優れています

内熱が強いので 「熱が籠って喉が渇く・舌が乾いている」 という症状に使います

問題はマニアック過ぎて市販薬がほぼ無いことです
医療用を零売するぐらい?

石膏が入っているので常用はしません。
暑い日にどうしても外で仕事をしないといけない日に持ち歩いて、症状が出たら飲んでください



・補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
・人参養栄湯(にんじんようえいとう)
所謂夏バテで使います
暑さで疲れているので元気を足します
熱中症というより夏バテ予防ですね

上記3つの漢方薬に共通して言えるのは「人参」が入っていることです
あとは胃腸の働きなどの証に合わせて変える程度です

この二つは人参の入った別の保健薬で代用が出来ます




・藿香正気散(かっこうしょうきさん)
熱中症症状だけでなく、胃腸の冷えにも効きます
外で仕事をしている人は夏場の常備薬として飲んで良いと思います


・五苓散(ごれいさん)
汗をかかせる漢方薬です
水の流れが悪く、体内に過剰にある水分を汗で出させるための漢方薬です
そのため、汗をかき過ぎて水分がない人には逆効果になります(この時は白虎加人参湯)

喉が渇くけどおしっこが出ない・汗も出ないという症状に使います
頭痛やめまいと言った症状も併せて起こりますが、熱中症症状とほぼ同じ症状ですのでこの時期に素人が見分けるのは困難です


「毎日水を2リットル飲め」ということを正直に行っていた人が過剰症になったときに五苓散を飲ませて解消したことがあるそうです
気圧の変化や降雨で頭痛・めまいが起こる人にも使います


五苓散を使うときは
「重湯で飲む」ことが重要ですが、重湯が無い場合は米や粥でも良いです
そして「暖水を多く飲めば汗が出て治る」と書かれています



オマケ
水の摂り過ぎで胃腸の調子が悪い
半夏瀉心湯

胃腸の余分な水分を捌きます
水分補給を良かれと思ってやっていたけど、取り方が悪かった(冷たい物の摂り過ぎ・一気飲みしたなど)・過剰に摂り過ぎたが原因で起こります
胃腸の余分な水分が無くなれば治ります

参考図書:傷寒論・金匱要略

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