攻略サイト運営記 2023/01/21 19:00

体験版や紹介動画の必要性

DLsiteで出すのなら体験版は付けておきましょう

今回も製作者の方へのお願いの話になります。

この記事のタイトルにもあるように、ゲームの体験版は必要かどうか、
紹介動画(PVなど)は必要かどうかという話です。

攻略サイト・レビューサイトの視点からいいますと
DLsiteで出すのなら、体験版は絶対にあったほうがいいです。

なぜかと言いますと、DLsiteには返金システムが無いからです。

買ってしまったら、内容が酷くてもそのお金は取り戻せません。
DLsiteで販売しているものをでたらめに片っ端から買ったら、
財布なんてすぐに底を尽きてしまいます。

では、購入者たちは何で見極めているか?
体験版です。

体験版でちゃんと作品を作っているかどうか、そこを確認しているのです。

体験版というと動作確認という意味合いもありますが、
一番の目的は「騙そうとしていないかどうか」を見極めるためです。

これをわかっていない人が多いです。
購入者はいつもDLsiteで買っているわけですから、
いわゆる[粗製乱造]、[パッケージ詐欺]、[ゲー無]、といわれるものの可能性もあるので、
それを見極めようとしているのです。

DLsiteで購入していれば、
中身のない作品を掴まされることも結構あります。

それを経験すれば、自然と体験版のないものはスルーし始めます。
「買わせれば勝ちと思ってんだろ」
という感情を持つようになるからです。

そういった人たちに対して
「ちゃんと中身がある作品ですよ」
と警戒心を解くという意味でも、体験版はあった方がいいです。

筆者も、体験版がないものは、相当な理由がない限り、手を出しません。

他サイトに無料版があっても、DLsiteでも体験版は登録した方がいいです

時々あるのですが、[フリーゲーム 夢現]、[ふりーむ]などで
無料版を体験版として置いてあるから、「それが体験版です」と考えて、
DLsiteの製品ページでは体験版を登録しないという人を時々見かけたりします。

無料版をガンガン更新するのなら、
DLsiteの体験版もその都度更新する必要が出てくるので面倒かもしれませんが、
基本は無料版があるのなら、DLsiteにも体験版として登録しておいたほうがいいです。

なぜかと言いますと、DLsiteの作品ページを開いた瞬間に
[体験版ダウンロード]のボタンが見えますから
「あ、この製作者はちゃんと体験版を用意しているぞ」
と見る側がすぐにわかるからです。


そして、仮に、DLsiteに体験版を置かず、
[夢現]や[ふりーむ]だけに置いておくとしても、
DLsiteの作品説明文に、夢現やふりーむへのリンクは貼っておいてください。

夢現やふりーむに無料版があって、
そちらの作品紹介では「これは体験版になります。」と書かれてはいますが、
DLsiteからそこへ飛べないようにしておいて、
何が体験版なんだ、という話です。

DLsiteで製品版を見かけた人が、
わざわざブラウザでその作品のタイトルを打ち込んで検索し、
無料版の方を見つけて「あ、こちらに体験版があるんだ」
と探しに行くのですか?

普通、DLsiteの予告ページを開いて、
体験版ダウンロードのボタンがなく、作品説明文の中にもリンクがないのなら、
その時点でそれを見ている人は
「あ、この作品、体験版が無いんだな。
じゃあ、これ、売り抜けしようとしているだけの作品の可能性もあるな。」
と考えます。

その時点で、その人は離れていったりするわけです。

だから、最低限、他のサイトに無料版を置いている場合は、
DLsiteの作品紹介文の中に、他のサイトのリンクを入れておくこと。
そして、それよりも手っ取り早いのはDLsiteにも体験版を置くことです。

フリーゲームから有料ゲームに挑戦しようとしている人が勘違いしているもの

特に、フリーゲーム製作から
有料ゲーム製作に挑戦しようとしている人が勘違いしている点ですが、
フリーゲームの客層に宣伝すれば、
その人達が有料版も買ってくれている考えている人がいます。

残酷な話ですが、
フリーゲームに集まっている層というのは、
表ではそういう振る舞いはしませんが
「タダでゲームができるんだぜ、ゲヘヘ」
という人間が結構います。

そうでないのなら、フリーゲームの製作者が有料ゲームを作った時に、
フリーゲームのプレイヤー層がそのまま流れてきてくるはずです。

そして、そういう流れが存在するのなら、
注目の地点はフリーゲームのニュースサイトとかになるはずです。
フリーゲームの流行をチェックすることが、
DLsiteやSteamで次に来る人を探すことにつながってくるからです。


でも、実際はそうではなく、DLsiteの購入層は、
DLsiteの購入層なんです。

フリーゲームの層では無いのです。

DLsiteで有料販売したら、
そこにもフリーゲームの層が来てくれるわけではないのです。

DLsiteの購入層という、
既にいる層に新たに訴えかけないといけないということです。

そもそもの話、フリーゲームをプレイしている人たちは、
みんなDLsiteでゲームを買ったことがあるのでしょうか?

お金を払う勇気がある層は、
既にDLsiteで購入することに慣れている人達じゃありませんか?

DLsiteやSteamでお金を使っている人は、
ゲームはお金を使って買えばいいという習慣があるから、
わざわざフリーゲームをプレイする時間がなくなってくる。
性質は逆になってきます。

まず、その人達に手に取ってもらえるように、
プロモーションをしっかりし、作品の質もしっかりしたものを提供した時に、
その人達から好評価を得たら、段々とクチコミになって広がっていく。


例えば、ドラゴノーカとかは1万本以上売れているわけですが、
もしも、あの作品からPV(動画)が無くて、体験版も無かったらどうでしょうか?

「ドラゴノーカって良いみたいだよ」
とクチコミで耳にした人は、まず製品ページを見に行くわけです。

そこで動画も無ければ、体験版も無かったらどうですか?
新しく興味を持ってくれた人はストップしてしまいませんか?

[ドラゴノーカ]の作者さんは[巡り廻る。]の作者さんでもありますが、
クチコミで新しく「ドラゴノーカ良いよ」と聞いた人が、
わざわざ[巡り廻る。]のほうをプレイしに行くのですか?

ドラゴノーカが良いと言われているのだから、
まずドラゴノーカの製品ページを見て、
「ドラゴノーカの体験版があるなら、ドラゴノーカの体験版をすればいいじゃん」
という話です。

確かに、フリーゲームで名が知れている人は、
そのネームバリューに引っ張ってもらえる部分はあります。

でもそれは、後押しになるものであって、
新規の人には、その作品の体験版や動画とかの方が訴求力はあるよ、ということです。


ドラゴノーカはその部分もしっかりしていました。

ドラゴノーカが売れたことに関して
「やっぱり[巡り廻る。]の作者さんだもんなあ」
としか考えない人は、わかってないです。

クチコミが出来てきたら、
その後は新規をさらに獲得できるかどうかなのですから、
その時に重要になってくるのは[入りやすさ]なのです。

最初に少し前評判があったり、手に取ってもらえても、
[入りやすさ]が無かったら、その後は伸びにくいです。

これまでがどれだけ人気だろうと、
その作品はその作品で、新規を獲得していけるケアをしておけないと
伸びていくわけはないでしょ、ということです。

最後はクチコミから新規が連続で入ってくる流れになるのですから。

体験版やサンプル画像、動画もあるのに売れない場合

但し、体験版や動画もあって、しっかりした作品っぽいのに
売り上げが伸びないことがあります。

この場合は、何が理由か?

これは簡単です。
体験版をプレイして、逆に「このゲーム、面白くない」と思われていることがほとんどです。

体験版をプレイできるのに、それでも買われないのですから、
そういうことじゃないんですか、ということです。

体験版で逆にトドメが刺さってしまっているケースとしてよくあるのが、
プレイヤーにとってのゲームでは無く、
「ゲームをしているプレイヤーを、ゲームをわかっている作者が処刑しているだけのゲームになっている」
というものです。

例えば、スーパーマリオで2つのルートから攻略できるコースがあったとします。
上ルートと下ルート、道が分かれていて、
下手な人は人はこっちから行けばいいよ、自信がある人はこっちから行ってみればいいよ、
と分かれているとします。

そういった設計の場合、
最初は下手な人に向けたルートでやってみて、
段々と上級者向けのルートに挑戦していくものです。

つまり、[ゲームができるようになっていくのはプレイヤー側なんです]
段々と「ああ、こういうゲームなんだな」とわかってやっていくのはプレイヤーなんです。


ところが人が離れていく作り方をする製作者というのは、
プレイヤーが甘かったら片っ端から狩るだけのゲームを作ることが多いです。

「はい、これ、君、甘~い」
「はい、これ、君、ダメ~」
という感じで、いきなりギチギチのものを要求する。

それは「俺はこのゲームをちゃんとわかっているんだぜ」
というCPUの挙動を見せつけて、CPUの行動自慢をしているだけのゲームです。

人間にとっての課題を投入しているわけじゃない。
「俺のAI(CPU)すげえだろ」とプレイヤーを狩っているだけです。

そういうゲームになると、プレイヤー側も
「あなたはこうじゃないと気が済まないんでしょ、
こういう風にプレイして、こういうことができないといけないんでしょ、
はいはい、わかった、わかった。
誰が買うか。
となるわけです。


ゲームをするのはプレイヤーなんですから、
プレイヤーがゲームをわかって、上達して、楽しんでいかないと意味がないじゃないですか。

なのに、プレイヤーを潰すゲームを作る人というのは、
上達をしてもらうのではなく、プレイヤーは下手な存在で
それを叱ってマウントを取っていないと気が済まない。

叱れるように、閉じ込めて強○することが目的の、
窮屈な作品を作る。

だから、
「体験版も用意して、しっかり作り込んだのですが、
何で売れ行きやクチコミが伸びないのでしょうか?」
という場合、まず真っ先に考えてみたほうが良いのは、
プレイヤーがそのゲームを上手くなっていくことが楽しいのかどうか、
その部分です。

プレイヤーが上手くなったら気が済まない、
プレイヤーは常にしんどくないとダメ、
そんなゲームはどれだけプレイしても達成感が無いです。


対して、逆に達成感を上手く利用しきった作品の例が、
Vampire Survivors(ヴァンパイアサバイバーズ)とかです。

攻撃ボタンをプレイヤーが押さずに、攻撃は一定間隔で勝手に発射され、
プレイヤーは十字キーで逃げ回るだけなのに、
何で、あんなにヒットしたのとかというと、
ヴァンパイアサバイバーズは、プレイヤーがちゃんとできるようになると、
終盤は無双になってきて、プレイヤー側が
「グワッハッハッハ」となるようになっている、達成感があります。

同じようなシステムでも、達成感を用意できなかったら、
しんどいだけのゲームになります。

システムだけでなく、そのさじ加減のセンスというのも重要です。

しかも、ヴァンパイアサバイバーズは、
アンロック(実績、トロフィー)で、
段々とゲームが分かっていくように、理解していくように誘導もしっかりしている。

プレイヤーがわかりきって、つまんなく思い始めるだろうな、
というところで、次のものを解放するのが上手い。

どういうシステムが受けるかだけでなく、そのシステムならそのシステムなりに、
[プレイヤーがゲームをわかっていって、楽しんでいく設計]を組み込んでいる。
ただ単にアイディアだけでヒットしたという作品では無いと思います。


重要な事は何なのかと言ったら、勝手に外から輪郭を押し付けない事です。
「こいつは下手だから」とか
「こいつはバカだから」とか
外から輪郭を作ってはダメです。

ゲームをわかっていくのはその人です。
そこの部分がダメだったら、難易度的に簡単だろうが、難しかろうが、
結局は、慇懃無礼(いんぎんぶれい)な作品になるだけです。

「はいはい、仕方ないでちゅね~、楽にしてあげますよ」
という作り方をしている場合も、すぐにプレイヤーはわかります。
プレイヤーが理解していくということを考えている設計では無いですから。

「わかっていく」ということを考えてごらん、
ということです。

「わかっていく」ということを気に喰わないと思っていないですか?
ゲームというものを、人生の先輩ヅラするための道具と思っていないですか?
大体、そこらへんに帰結することが多いです。


そもそもの話をすると、ゲームって
その人がわかってやっていくもの、それの方が先なんじゃないのですか?

製作者の人は、[表現]とか[思想]とかで考えるのかもしれませんが、
そもそもこっち(その人がやっていくもの、その人がわかってどんどん楽しんでいくもの)が
先なんじゃないのですか?

それを踏まえた上で、表現とかも思想も込めたいのなら、
どういう風に[ゲーム]の中に組み込んでいくのかという
加工とセットじゃありませんか?

思想の延長上でプレイヤーとの距離を作り、
それを偉さと信じ込んで振り回すことが目的でゲームを作るという人を
結構見かけたりします。

そうじゃなくて、ゲームはまず、その人がやっていくもの、
そのやっていくものとして、どういう理解の促しや課題を提供できるかという、
設計をちゃんと考えて提供するのがゲームじゃないのですか、ということです。

動画を作るときは、何をするゲームなのかを理解できるようにしよう

結局のところ、体験版や動画とかがあっても、
肝心のゲーム自体がつまらなかったらダメだということです。

ゲーム自体がつまらないのに、それを体験版でやらせたら、
そりゃあ、逆に買わなくなりますよ、ということです。

やっぱり、一番重要なのは実(じつ)なんです。
体験版も動画も、その実(じつ)への誘導にしか過ぎないのであって、
まず、実(じつ)の部分で、「これ、どうですか?」と勝負できる意欲がないとダメです。


そこで動画に関しての話に移りますが、
動画とかでも、誇大に表現しても、実(じつ)が伴ってなかったら、
最初は手に取らせることができても、そこからクチコミが出てこないから、
結局は広がりません。

ドラゴノーカのPVでも上手かったのは、
「何をするゲームなのかを示し、
何をできるのかを手本で示している」
という点です。

無理に言葉で大きく表現していない。
何をするのかを説明し、
結果、こういうこともできますよ、
という具体例を後半で見せている。

そして、当然ながらゲームの中身の部分ができていないといけない。

いくら動画で綺麗に見せても、中身が無かったらダメですから、
ちゃんと中身を作っている必要がある。

裏を返せば、中身をしっかり作っていれば、
下手に小細工をしなくても、その中身を説明して
実例を示すだけで十分だよ、ということでもあります。

動画を登録する時は、なるべくYouTubeに登録した方が使いやすいです

そして、動画を登録する場所に関してですが、
これはできることならYouTubeにも登録してください。

DLsite側に動画(chobit)を登録していれば、
作品ページでも動画が表示されるようになります。
(ドラゴノーカとかも作品ページで動画表示されていますよね)

あの登録もしておいたほうが良いのですが、
YouTubeでも登録してくれていたほうが、ブログなどを運営している側としては助かります。

なぜかと言いますと、
chobitの動画を貼りつけることも可能ですが、
chobitの場合、動画の右上のchobitのアイコンを押せば、chobitに飛びますが、
chobitって18歳未満に対しての警告が出てきます。

あれが筆者はあまり好きでは無いです。


それと、chobitの動画プレイヤーは、
下の再生ボタンやシークバーの部分が動画の寸法の外についているので、
その分、付け足して計算しないといけません。
(確か32ピクセルくらいかな、ピクセル定規で適当に測っただけなので、
違っているかもしれませんが)

chobitを貼る場合、いつも縦に32ピクセル足して書き込んでいます。

そして、一番重要なのが、
jqueryなどがほとんどYouTubeに対応しているものばかりというのが、
YouTubeにも投稿して欲しい理由です。

※YouTubeに投稿している場合は、
[作品名 PV]とか[作品名 trailer]とかでYouTube内を検索をかけて探しますが、
誘導したい場合は、DLsiteの作品紹介文にもリンクを貼っておいてもいいかもしれません。
(音楽素材系の方のDLsiteの製品ページでよく見かける形式です。
[もぜ園]さんとか[SOUND AIRYLUVS]さんとかの製品ページがわかりやすいでしょうか)


一番困るのが、ツイッターに動画をアップして、
それをSteamにも登録しているけど、YouTubeとかに何にもないパターン。

これはどうやって宣伝しろって言うんだよ、
となってしまいます。

良さそうなゲームに思えて、せっかく貼ってあげようと思っても、
貼りやすい場所に提供されていないから、
発売までに動画を貼れずに、加速をかけられなかった作品とかもあったりします。

それと、これは筆者の方針ですが、
動画を貼るときは、なるべく製作者さんのIDの動画を貼るようにしています。
ニンテンドー(switch)やPlayStation Japanが投稿しているPVとか
その他にもPV専用の大きなサイトのPVは
基本的に貼らないようにしています。

これはそういったところと、いざこざが発生すると面倒ですし、
もしも、そういったところと作者さん、2箇所でPVがある場合、
製作者さんの動画の再生数が高くなれば、
製作者さん自身が動画に、グーグルアドセンスを貼れる可能性が出てきます。

製作者さんに還元できる可能性もあるという意味で、
基本は作者さんのIDで貼りつけられているPVを使うようにしています。
(もちろん、作者さんはニンテンドーやPlayStation Japanに貼ってもらう機会があるなら、
そちらでも貼ってもらっていたほうがいいでしょう)


但し、これまでも何度も言っていますが、
中身が無いとダメですからね。

一番重要なのは中身であって、
それをどういう風に伝えていくかです。

動画も体験版もそうです。

一番重要なのは中身

重要なのは、「お金を使ってくださいね」ではなく、
「お金を使ってくれる人にちゃんと満足のいくものを提供できるか」
という部分なんです。

自分が売れなかったら怖いから[お金を使ってもらおう]と考えがちですが、
実際は、お金を使ったことに対する中身が重要なのです。

製作者は、お金を使ってもらうという保障ばかり確保したがるのですが、
それだと「ね、ね、君、お金使ってくれるよね?」
と引っかかってくれる人を探し続けるのですか?
となってきます。

そこで守りに入ると、そういった層だけを見て、
収益を維持したいから
中身を考えるのではなく値段を釣り上げて、
段々と中身はいまいちだけと値段が高い、
ガワだけが豪華になっている作品を作るようになっていったりします。

お金を使った後には、お金を使ってみてどうだったかが待っているんだよ、
というのはちゃんと考えてみたほうがいい部分だと思います。

一番最初に買ってくれる勇気を出した人に中身を届けて、
その人達がクチコミをしていって作品は広がるのです。

どれだけ最初に誘導できても、
そこからはゲームをプレイした人のクチコミになっていくのですから、
「何をするゲームなのか?」
「上達した後に何ができるようになるゲームなのか?」
そこの中身ができていないとダメです。

プレイヤーがそのゲームをわかっていったら
どういうことができるようになるゲームなのか?
そこの満足感が次のクチコミにつながっていく。

そして、一人の意見だけでなく、そこから波及して、
何層にも感想が揃ってきて、大体、この作品はこうなんだな、
という印象が出来上がるわけです。


でたらめに作って、
「お前らはおめでたさに浮かれて、
俺のゲームを買って賞賛していればいいんだよ」
というのは、自分が買われてさえいればいい、という発想にしかすぎない。

買ってみてどうだったかの質で勝負しないといけない。
自分の作りたいジャンル、ストーリーとかこだわりがあるとしても、
ゲームとしてどう設計して落としこめているかが重要だよ、ということです。

その上で、DLsiteみたいに返金ができない販売サイトで、
体験版とか何も見せずに、買わせようとする場合、
「それ、買わせたら勝ちと思っていないか?」
という警戒心が働く。

でも、体験版を作っても、ゲーム部分が面白く無かったら、
それを体験させてしまうことになり、買われなくなる。

じゃあ、体験版を出さなくて、購入者を引っ掛けて買えばいいのか、というと、
それをやっても、買った人がクチコミで悪く言って、
どの道、潰されるだけです。

だから、中身を作る必要がある。
あくまで体験版も動画も、中身への誘導です。

中身に期待させて、中身で応えることができれば、
購入者たちは味方になります。


わかりやすく例えるなら、
スーパーの試食コーナーと同じと考えてみてください。

試食で美味しく無かったら結局は買いません。

試食なしでCMをガンガン垂れ流しても、
買ってみて美味しく無かったら、結局はそれ以上は伸びません。


でも、美味しいものをポツンと置いて、
試食もCMも無しだったら、売れ行きは伸びにくいですよね。

それと同じです。

美味しいものだというのなら、試食やCMは相乗効果になる。
但し、美味しくなかったらトドメを刺す事にもなる。


そして、一度、DLsiteの全年齢のコーナーで
[ロールプレイング]とかの[シミュレーション]とかの売り場を見てみてください。

そこで人気どころを片っ端からクリックして、
製品ページがどうなっているか観察してみてください。

体験版のボタンがあるか無いかで、
どれだけ印象の差があるか。

チェックポイントとしては、
[体験版の有無]、[動画]、[販売数]、[五段階評価]、
この4つです。
(販売からどれだけ月日が経っているかも見たほうがいいかもしれません。
そこそこ売れていても10年前の作品とかは、それだけ販売期間が長いですから)


良い作品というのは、5段階評価で4.5~4.75くらいで、
体験版と動画があって、その上で販売数も伸びている。

一番綺麗なパターンはそれです。

[ドラゴノーカ]がまさにそのパターンです。
ページを開いた瞬間に綺麗ですから。

体験版、動画、販売数、五段階評価、
綺麗に整っている。

・料理が美味しくて(作品自体がしっかりした出来で)
・試食コーナーがあって(体験版があって)
・CMも流れている(動画もある)

そりゃあ、伸びていきますよ、ということです。


対して、体験版のない作品とかを開いたら
「ああ」と感じませんか?

そして、そこからそのタイトルを検索をかけたら、
ひょっとしたら[ふりーむ]とかに置いていないか?

さらに言えば、前回の記事で触れましたが、
唯一無二の検索しやすいタイトルですか?


体験版がある作品でも、
売り上げが伸びていない作品は、5段階評価と
体験版を実際にプレイしてみたら「ああ」
という部分がある可能性が高い。

そういう部分をこちらは全部見ていますよということです。

やっぱり、スーパーの試食コーナーで考えるのが一番早いでしょうか。

ちゃんと美味しい商品を作って、それの試食やCMでさらに伸びる。
美味しいものがちゃんと売れるのが一番良いということです。
それが一番綺麗に商売も回っていくことでもあるのですから。
(食品の場合は、健康問題とかもありますが)

ただ、だからと言って、売れ筋に媚を売れとは言いません。
でも、自分が作ったものは作ったものなりに、
手に取ってもらうためのケアがあるか無いかで差が出てくる可能性はあるでしょう。
そこはよく考えられてください。

※Steamは体験版なしのものが多いですが、
Steamは返金システムがあるので、出来の悪いゲームを出しても
返金された上で酷評されるだけです。

体験版や動画でケアをしっかりし、作品の中身も良くて、
購入層にも噛み合うのなら、DLsiteでも売れるものは売れると思います。

但し、勢いが付くまでにしばらく時間がかかるかもしれません。

覚えておいて欲しいのは、マーケットというのも育てる必要があるものです。
1つの商品が売れた、売れなかったという話では無い。

マーケットに良いものが並び始めれば、
クチコミを待たずとも、自分からマーケットを見に行く人も増えます。

良い商品が並んでいる店には、
評判を待たずに自分から訪れる客が増えてくるのと同じです。

一人の作者が売れただけではなく、良い作者が揃うことで
相乗効果で1つ1つの作品の売れ具合も伸びるということも起きてくる。

マーケット自体の活気、作品の一つ一つの出来、
紹介するブロガーや動画投稿者、ツイッターでクチコミを書く人達、
色々な要素が重なり合って、人気というのは変化していきます。

単純な話では無いということです。


そして、絶対に陥って欲しくないのは、一度売れたからと言って、
「売れた俺が作れば、次も売れるに違いないだろう」
と手抜きをし始める状態。
これにならないように気を付けてください。

次の作品は次の作品で、
「手に取ってみてどうだったか」は常に問われているよ。
「手に取ってくれるに違いない」ではない。

仮に、ネームバリューで手に取ってくれる人が増えてきても、
中身が伴わなくなれば、
買ってみけどダメだったになってくる。

それは最初はネームバリューに甘えてなくても、
後から甘えるようになり始めている状態です。

次の作品は次の作品で、どうだったかは問われる、
それは忘れないでください。

そして、やってみてどうだったかは次に活かしていけばいい。
イチローさんの言うところの無駄の重要性ですね。

その上で、次は相手をうならさせてやろう、
次はこういったものを用意してやるぞ、
その用意したものに導線も引いて勝負できるようになっていくのが、
その道を面白いと思えて歩み始めている状態ではないでしょうか。

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