上顎 2023/05/06 18:00

ロボット少女は夢を見る - 制作記その15- キャラクターの設計 その2

ロボット少女は夢を見る の15回目の記事はキャラクターについて、再びです。

以前の記事でキャラクターを作るうえでのこだわりをお話ししましたが、
今回はその続きで他に仕込んでいるこだわりのお話をします。


というわけでキャラのこだわりの表現その1

キャラの向きが変わったら左右反転ではなく、
右向きと左向きの絵を両方用意しておくことです。

本ゲームの主人公を見ると、前髪の分け目が彼女から見て左にあります。
これをそのまま反転したらちょっとおかしなことになります。

と言っても多くのプレイヤーは
このくらいなら「ゲームだし仕方ない」と思うでしょう。

しかしライサント島の主人公だった琴葉姉妹ならどうでしょう?

2人は双子で髪留めを対象につけています。
しかし、左右反転を許容すると2人が向かい合ったタイミングで齟齬が出てしまいます。
2人の会話が多いライサント島では避けたい問題です。

最初からすべてのキャラクターを左右対称に作るという手もありますが、
それはそれで作れるキャラクターの幅が狭まるためやりたくありません。

この問題については2Dのゲームでしか発生せず、
3Dのゲームではこの左右反転問題は起こりません。

ですが私は、基本的に2Dの可愛いキャラが好きなので、
常に左右反転の絵を用意することで対応しています。


キャラへのこだわりその2

これはストーリーを書くうえで心掛けていることなのですが、
主人公がいないところでのキャラの生活、キャラ同士の人間関係を表現することです。

これは創作系だとなんでも大事なのですが
ゲームという、登場キャラが多くて自由度の高いわりに
主人公目線が多い創作では特に意識する必要があると思っています。

例えば漫画
漫画も主人公の目線が多いですが、
1話丸々別のキャラを中心の話を描いたとしても受け入れられやすいし、
あんまりそれで偏ったキャラに注目しすぎなければむしろ喜ばれます。

しかしこれがゲームなら?
ゲームって主人公が話しかけて初めて会話が発生する場合が多いです。

話の途中で「一方、敵サイドの本拠地では…?」みたいな別目線が描かれることもありますが、それはあくまでストーリーをプレイヤーに見せるためのもので、キャラクターの掘り下げには適していません。


そこで前作のライサント島では
時間経過でキャラを移動させることで各キャラの生活感を表現しました。

例えばライサント島では村がいくつかあり、人々が住んでいるのですが
雨がやんで人の行き来ができるようになると
別の村の女の子が集まってジュースを飲んでいる場面があります。

これ実は2人ともこの村の出身ではありません。
2人が集まっている村はお互いの村の間にある村なんです。

狭い島で数少ない女の子同士が
やたら険しい道を半分づつ近づいて一緒に遊んでいるというのが
ゲーム中では言葉にしていませんが表現されています。

これを見てここまで気づかなくても
「年の近い女の子同士仲がいいんだな」
「2人とも甘くておいしいジュースが好きなんだな」
「おばあちゃんは優しいから子供に好かれているなぁ」
と人によって様々な想像ができ、そこからキャラの魅力がプレイヤーに伝わると考えています。


しかしこの表現、残念ながら現在制作中のロボット少女では使えません。

基本的にノベルパートによって構成される本ゲームでは
主人公がいないところの表現はとても難しいです。

そこで今回たくさん作りたいと考えているのは、
いままで出会った人同士の会話に出くわすイベントです

例えばすでに実装しているのは
ベストラちゃんと警察ロボの絡みです。

夜道で怪しいヤツがいないかパトロールしている警察ロボ

夜中に宇宙船の修理パーツを探しているベストラちゃん

2人ともと知り合っていると
夜にベストラちゃんが職質されている場面に出くわします。

これはベストラちゃんみたいな目立つ変な奴と
怪しいヤツに片っ端から職質するロボがいたら必ずどこかで会うだろうなぁ
と思ったので作ったイベントです。

ロボット少女ではこんな感じで
○○と○○が出会ったらどんな会話をするか?
みたいなエピソードをたくさん入れたいと思っています。

時期・場所・出会う人によって各キャラクターが様々な顔を見せてくれたら
それがキャラクターの魅力を引き出してくれるはずです。

…その分エピソードの数は膨大になり、フラグ管理もやばそうですが
キャラクターの魅力を引き出すために頑張ります!


キャラクターについてのお話いかがでしたでしょうか?

今回書いたこだわりは
企業がゲームを作る際に、作業コストの都合で軽視しがちなこだわりだと思います。

もちろん企業は従業員のお給料のためにも
納期や作業コスト<利益を追求する必要があるため仕方無いのです。

ですので個人製作の自分は
これらのこだわりを大事にしたゲームを作りたいと考えています!

それでは、また次回

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