夢見月研究所 第5回 洞窟の壁画の話 その2
CV:さとうささら(CeVIO)
洞窟の壁画と埴輪から推測出来ることの話です。
学術的な言い方になると、洞窟の壁画は論理的思考、埴輪の造形は構造化分析についてと
いう言い回しになります。今回は洞窟の壁画についての話をしていきます。
【予備知識メモ】
本来、このように長考して考察したり検証するのはやってはいけない
なぜ今のやりかたで上手くいくのか?なぜその方法では上手くいかないのか?
などの研究は本来国の研究機関がするもので、個人でするとそれだけで一年が
終わってしまいます。
目的地までの道筋を決めるのが戦略
目的地までたどり着く方法が戦術
絵を描く前にかきかたを考える段階が戦略で、
どうやって描くのかが戦術です。
このふたつは基本同時に考える事は出来ません。
美術の教科書の内容が戦略。
実際に描いていることが戦術。
この見極めが大事です。
本屋で美術の教科書を買うのは、戦略を学ぶのでは無く、定石の戦略を覚えるため。
定石というのは、例えば稲作を始めた時、色々試してその中で上手くいったやり方をまとめて、後の時代に引き継いだ知識や経験を指す。どういった経緯でその方法になったのかを探るのが重要。
月刊誌のイラストの雑誌などは、かきかたの手順、パソコンの操作などの戦術を見て、
覚えることが及第点。戦術を自分で立てられるようになることは、そこまで重要ではないというより、出来なくても困らない。
ポイントとなる要素をまとめました。
【本題】
なぜ洞窟の壁画に注目しているのか
話を洞窟の壁画に戻すと、宇宙飛行士の考え方になりますが、仮に宇宙旅行をして、地球に戻ってきたとき人類が滅亡していたらどうやって再建するのか?という想定から、1から絵のかきかたを研究しようとしたさい、洞窟の壁画を参考にするだろうと推測されるからです。
壁画は論理的思考で描かれているという感想
まず、広大な空間を表すため、地平線や水平線を表す線を引く。
四隅にカギカッコを付けて、視界の境界線を定める。今日の一日で記憶に残っている物を投影で描く。クッキーの抜き型のように描いても良い。
描いた物を拡大して、もう一度描く。
洞窟の比喩という哲学になりますが、人は洞窟の壁に映った投影を記憶し、より細部がわかる複雑な投影に価値を見出します。
また、その投影をみるための灯りにあたる、たいまつに投資するとのことです。
つまり、人の認識に基づき、絵は投影にちかい描かれ方をします。壁画の絵はその他、
細部まで描かれているので、価値の高い投影と言えるでしょう。
以上により、壁画は論理的思考で描かれていると言えます。
これが、美術に当たりますね。
次回は埴輪の話をします。