第26回 雲を掴むような話 平面構成「空と雲・土と輪」美術館の絵画はどういった方法で描かれているのか
美術館の絵画は、感覚で描く方法を用いられており、
教えたり教わったりすることができません。
ですので、いわゆる才能の世界となります。
そのため、美術の教科書にも作例と解説のみです。
イラストの情報誌は、円筒形に見立ててえがくのに対して、
空を眺めて、雲の動きと形に見立てて描く、
という表現が適切で、クッキーの型抜きのように描くのが最適とされていますが、説明としては不充分です。
なぜ飛行機が空を飛べるのか分かっていない、
といった類いの話になります。
と言っても難しく考える必要はなく、
バラエティー番組でよくある、箱のなかに手を入れて、手で触った感触で中に何が入っているのかを当てるゲームをイメージすると分かりやすいです。
訓練をして、完璧に言い当てられるようになることを
授業で実践することが、感覚で描く方法となりますが、個人差があり、本当に上達しているのかどうかも分からないので、授業として成立していないと言う見解が適切でしょう。
空と雲の描きかたを理屈で覚えたり、教えようとすると、円筒形で見立てた方法になる。
雲を円筒形で見立てて、少し形を変えたり、そこに土を盛るように少しずつ形を付け足して近い形になるまで繰り返すと雲になり、その要領で、空は最も近い色で一面を塗り、色が微妙に違うところを濃く塗ったり、薄く塗り替えたりを繰り返すと空になる、という説明になります。
そこに、より見栄えがよい構図を考えるのが
平面構成という授業となります。
まさに、雲を掴むような話、ですね。
形の取り方、絵の描きかたはどうやっておぼえたの?
科学誌でエジプトの土地やピラミッドの測量方法を読み、電磁辞書で埴輪とろくろを回す話をみて、なるほどなぁと。
なんでそういうことを知っているの?
自分のなかで、学校の授業の黒板が一番美術していると感じていて、それを追求した過程で。
教室や机の配置、学校の授業そのものがアート。
自分にとって学問は全部美術。