夢見月すぐる 2023/01/06 00:16

夢見月研究所 第6回 造形は料理と共通点がある 埴輪の話 その2


CV:さとうささら(CeVIO)

壁画に対して、埴輪などの造形は、ひとつのベースとなる形を用意、分割し、組み合わせるという手法をとっています。学術的な言い方をすると構造化分析、量子力学に近い考え方をしていると言えます。
投影では無く、形や大きさから備わる機能を追求した、機能美に価値を見出す考え方です。
洞窟の比喩で考えるならば、埴輪は投影に囚われた人々がイデアに目覚めた歴史的瞬間、
と解釈も出来ますね。

美術はオカルトなのか?

造形は構造化分析で考える。

美術の本を読み、色々な人の意見をネットでみて回った結果、ひとつ気付いたことがあります。もしかして、造形は論理的思考で描くことが出来ないのでは、と。

そう考えると、オカルトとして捉えられることに関してもつじつまが合います。

学校で習う考え方、物事の覚え方は全て論理的思考で構築されています。
この方法で出来ないことはほぼありません。
もしあったとしたらそれはオカルト、ということになります。

根本的に考え方を変えなければいけないと、調べた結果、絵は料理に近いと気付きました。
元々料理の仕事をしているので、相性がよいのでは、と。
料理の仕方は、構造化分析という見方で構築されています。事実、料理に関することを調べると、どうしても料理が出来ないという話と、どうしても絵を描くことが出来ないという話の理由や原因に共通点が見られます。

例えば、料理の出来ない話、出来ないと悩んでいる話を聞いていると、何も見ないで作ろうとして、レシピを見たり覚えようとしません。これは絵に関しても同じ事が言えるのです。この点が手がかりとなります。

構造化分析といっても、難しく考えなくて大丈夫です。学校での学科で言うと、家庭科に当たります。料理で例えると、必ずレシピ通りに作ったり、同じ材料をそろえて、他の人が上手くいった手順を覚えて、その通りに作ることが構造化分析に当たります。

無知の知に対してどう向き合うのか

料理のうまい人、絵の上手い人は
自分がどれだけ学習して、経験しても、やれることが永遠に広がっていて、
自分がこれから先も無知の状態から出発して、永遠に続くことを知るという状態を体感している人。
「無知の知」の洗礼を受けているという見解が出来ます。

実績は何も金銭や学歴だけではない

テレビで1万年以上残っている洞窟のことを実績と呼んでいる場面をふと思い出しました。逆に、数年前に人の手で、見よう見まねで作られた洞窟のことを、
実績がないので危ない、調査した上で入れるかどうか検討を、という表現をしていました。
この話も何か、手がかりになりそうです。

埴輪は無知の知と向き合ったひとつの答え

弥生時代に導き出した答えは今も有効なので、これから先も有効と見て良いでしょう。
埴輪とは、ベースとなるひとつの塊として用意した埴土(粘土)で円筒形を作成して組み合わせて作った造形物だから、埴輪と呼ぶそうです。

ベースとなる粘土の塊→円筒形にして組み合わせる
これを構造化分析と呼びます。


この方法ならば、「無知の知」の問題に対応できるということです。

次回は壁画と埴輪でわかった事を、これからの作品作りにどう活用していくか?
の話をします。

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