皆月蒼葉 2021/08/14 02:15

同人誌の表紙について

 以前話題になっていたので、僕の同人誌ではどういう感じで作ってるかをざっくりまとめておきます。次回以降、僕がこの記事を見ればスムーズに依頼できる気がするし。ここに書くのはあくまで僕のやり方なので「こうすべき」という類のものでは一切ないし、むしろより良い方法があれば教えてくれるととてもありがたいです。

 まず、表紙イラストは最近はずっと同じ人(朋苡七竈さん)にお願いしています。もともと知り合いなので頼む時に過度の緊張を伴わずに済むというのもありますが、それ以上に同じ人にずっと頼むことで「あの表紙はこのサークル」と印象づけられるという点が大きいと考えています。あと、単純に朋苡七竈さんの絵がめっちゃ好き。

 画像は『楽章a』の表紙です。この絵すごく好き。

 表紙イラストをお願いする時は、まずジャンルと大まかな本のイメージ、締切を伝えて、可能かどうかを確認します。新規の人に頼む時は謝礼についても伝えた方がいいし、確認事項(納品物にレタッチ等をする場合の確認の要否等)もここで確認しておいた方がいいと思う。

 OKとなったら、表紙のレイアウトを描きます。僕は絵が描けないので毎回ゴミみたいなレイアウトになってしまうんですが、しっかり翻訳して素敵イラストにしてくれるの本当にありがたいことだよ……。

 画像はゴミです。こういう感じのレイアウトを描いて、それだけじゃ普通に意味が分からないので文字で補足をして、絵を描いてくれる人に送ります。タイトルやサークル名などの文字入れは毎回僕がやってるので(文字入れ作業大好きなので自分でやりたい)、レイアウトに書かれた文字はあくまで「このあたりに文字が来ます」という合図です。

 後ほどの加工のことも考えて、別レイヤにして欲しい部分は必ずレイアウトの時点で明示しておきます。補足を書くスペースが足りない場合は、別途テキストファイルで送ることもあります。でもあんまり細かすぎる指定はしない方がいいと思った。また、先方から質問が来る場合もあるので、明確に回答します。

 レイアウトをおくったらひとまずは原稿に専念します。表紙イラストを描いてもらって原稿を落とすことほど失礼なことはない。

 原稿がだいぶ凝り固まってきて「死ぬのでは?」ってなってきたあたりで、いい感じに翻訳されたラフイラストが送られてきます。ラフの時点でめっちゃいい感じなので、いよいよ落とせないというプレッシャーがいい感じにのしかかり、原稿が加速します。

 こんなの来たらもう何があっても落とせないでしょ。やるしかない。(私信:ラフ画像の使用許可ありがとうございます)

 ラフの確認をした時点で仕様凍結なので、修正してほしいところがあれば、遅くともこの時点で指摘しておきます。ただし当初のレイアウトからかけ離れた修正依頼は御法度です。要件定義を守れ。確認を終えたら再び原稿に戻ります。

 「アアアアアーーー」とうめき声を上げながらどうにか脱稿したあたりで、完成稿が届きます。こんなに嬉しいことはないよ。

 最高のやつ。休む間もなく表紙作業に移ります。

 まずは必要に応じて色調補正とか軽微なレタッチとかを行います。この表紙の場合、手前のゆうさみと奥のゆうさみを別レイヤで納品してもらっていたので、位置の調整をしたりだとか、背景になんかせんを付け足したりとかしました。

 イラストの微調整が終わったら、最後に文字を入れます。この時のために同人をやってるまである。どのフォントを使おうかなーとかどのくらい遊ぼうかなーとか考えながら作業するのはとても楽しい。

 そんな感じで、こう、こうです!

 あとはISDNのバーコードを作ったりだとか表4のあらすじを考えたりとかの雑務をこなして、デジタル時計とにらめっこしながら震える手で締切に滑り込みます。濁点付きの「アーーーーー」を唱えながらYouTubeで好きな曲を聴きましょう。

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