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お笑いの記事 (22)

わたわた 2020/09/14 18:00

脚本『願いの果実』第2章「ハニートラップ!?」その4

脚本『願いの果実』第2章「ハニートラップ!?」その4

邦洋(20♂):演出・衣装   【配役】保留
良平(20♂):小道具・舞台監督【配役】保留
浩太(20♂):脚本・演出助手 【配役】保留
香南(19♀):小道具・情報宣伝【配役】保留

 香南が謎の冊子のページをめくる。

香南「謎2。桃から生まれた赤子は、桃太郎と名付けられ、すくすくと育ちました。やがて、立派な青年になった桃太郎は、おじいさんとおばあさんに鬼ヶ島へ行くと告げました。おじいさんは日本一と書いた旗と日本刀を、おばあさんはきびだんごをこしらえて、桃太郎に持たせました。桃太郎は、盾がほしいと言いましたが、おじいさんは、旗を指さして、盾を持たない日本一であれと答えました。……これで終わり」

良平「大人ってずるいよな。盾が足りて無いことを認めず屁理屈を言う」

邦洋「違う、違う。物語が歪められている辺りが、4ケタの数字を解くヒントになっているはずだ」

良平「すると、ヒントはおじいさんの屁理屈」

浩太「盾を持たない日本一、か」

香南「無防備よね。あ、防御力0だから、0000とか」

浩太「それは謎解きになってないと思う」

香南「放置していい?」

浩太「待って待って。ダイヤルの初期値は全部0じゃないですか」

香南「確かに、そう言われれば。じゃ、違うね」

浩太「盾を持たない日本一。つまり、一般的な日本一は、盾を持っているということだ」

良平「日本一ってだけで一般的じゃないけどな」

邦洋「あ、分かったぞ。答えは31811……いや、これだと5ケタだから、3182だ」

良平「何だ、その数字」

邦洋「日本一に含まれる数字だよ。3182」

良平「はぁ?日本一には、1しかないぜ」

邦洋「盾を持たなければ、3182になる。なかなかの良問だ」

良平「1人解けて浮かれてるところ恐縮だが、あっちは、厳しい顔してるぞ。縛られ役は邦洋が良かったんじゃないか」

香南「分かった」

浩太「ほんとに?」

香南「ケータイどこ?」

浩太「え、カバンの中ですが」

香南「邦洋に電話して呼べばいいんじゃない」

浩太「分かったって、そっちですか」

香南「文句言うなら、野垂れ死ね」

浩太「すみません。電話してください」

 香南、浩太のカバンからケータイを取り出し、アドレス帳を開く。

邦洋「この展開は予測済み。むしろ遅かった方かもしれない」

良平「おい、カナ。そのテレフォンは使えねえぜ」

 部室で音が鳴る。

香南「へ?」

 香南、本棚で鳴っているケータイを取る。

香南「邦洋、ほんと使えないやつ」

浩太「タイミング悪いあるあるだな」

香南「馬鹿言ってないで、早く解きなよ。助けを借りるあては断たれたんだから」

邦洋「やはり、良平は数に入ってないな」

良平「ああ。すでに使えないやつ認定されてるんだろうよ」

香南「そだ。今から謎部の部室に言ってさ、富士山の胸倉つかんで答え聞き出せばいいんじゃない?」

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わたわた 2020/09/13 07:00

脚本『願いの果実』第2章「ハニートラップ!?」その3

脚本『願いの果実』第2章「ハニートラップ!?」その3

邦洋(20♂):演出・衣装   【配役】保留
良平(20♂):小道具・舞台監督【配役】保留
浩太(20♂):脚本・演出助手 【配役】保留
香南(19♀):小道具・情報宣伝【配役】保留

 照明がつく。
 浩太が自転車用のダイヤル付ワイヤーロックで右うで、左うで、右足、左足をパイプ椅子に縛られて座っており、布でさるぐつわをかまされている。
 部室に香南が入ってくる。

香南「おつか……お疲れ」

浩太「うぅぅぅうぅぅ!」

香南「何、この状況」

 サブステージに邦洋と良平が出てくる。

良平「カナ到着!ほぼ時間通り」

邦洋「あとはシナリオ通りに行くかどうか」

良平「がんばれ、浩太。画面の向こうで応援してるからな」

 香南、浩太の周りを訝しげに見て回る。
 もがく浩太。

良平「これで浩太を助けなかったら、退部モノだぞ」

浩太「うぅうぅ!うぅうぅ!」

香南「はいはい、分かった分かった」

 香南、部室の衣装棚のケースから、裁断ばさみを出す。

良平「はさみ?」

浩太「う?ううぅ!ううぅ!」

 近づく香南、浩太は必死で首を横にふる。

良平「おい、どうする。浩太が刺されたら」

邦洋「まさか。さるぐつわを切るつもりだろ」

香南「動くな!耳、切っちゃうぞ」

 浩太、静止し、目を固く閉じる。
 香南、刃の先を布の隙間に差し入れようとする。

良平「結び目をほどくだろ、普通」

邦洋「普通は出会わないぞ、さるぐつわされた人物には」

良平「至極、理解。経験値から考慮して、むしろ梱包のひもを切る感覚か」

香南「もう!きつすぎて刃が入らないんだけど。てか、役者の顔に傷つけるわけにもいかないしな」

良平「そう!そこに早く気づけ!」

香南「あ!」

 香南、結び目を切る。
 さるぐつわがほどける。

浩太「だ~。どうなるかと思ったぁああ」

良平「おれじゃなくて良かったぁああ」

邦洋「とりあえず、ファーストステップクリア。ここからは、シナリオ通りに行けるはずだ」

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わたわた 2020/09/11 06:50

脚本『願いの果実』第2章「ハニートラップ!?」その2

脚本『願いの果実』第2章「ハニートラップ!?」その2

邦洋(20♂):演出・衣装   【配役】長者・若者
良平(20♂):小道具・舞台監督【配役】願いの木・老いた牛・赤ん坊
浩太(20♂):脚本・演出助手 【配役】従者・村人B
香南(19♀):小道具・情報宣伝【配役】村人A


 照明がつく。

 誰もいない部室。ドアが開き、リュックを背負い、左頬に大きな絆創膏をした邦洋が入ってくる。リュックを置いて脚本を取り出し、独り練習を始める。

 やがて、右腕をギブス固定した浩太が入ってくる。バッグを置き、邦洋を見るが、邦洋が集中しているので仕方なく脚本を出して独り練習を始める。

 さらに、頭に包帯を巻いた良平が松葉杖で入ってくる。鞄と松葉杖を置いて、椅子に座る。邦洋と浩太は無視して練習に勤しむ。仕方なく大道具の製作に取りかかる良平。

 そこに、香南が入ってくる。

香南「お疲れ~」

良平「お嬢、お疲れさまです」

邦洋「お疲れ……さまです」

浩太「お疲れさまです」

香南「あ、浩太」

浩太「はい」

香南「レモンスカッシュ、あと購買でミルクチョコ買ってきて」

浩太「うぃっす」

 浩太、財布を持って出ていく。

香南「そうそう、台詞を変更したいんだけど、いい?」

邦洋「え、また・・・」

良平「いい、いい、全然いいんですよ。お嬢が言いやすい方が。脚本なんて、料理されてなんぼですから」

香南「やっぱり?私もそう思ってた。そもそも演劇なんて堅っ苦しいじゃん。文化祭ってお祭りよ?桃太郎やるならさ、普通の筋でパロディやった方がもっとウケると思うの。お客さん、ドッカンドッカンさせたいでしょ」

良平「はい、ドッカンドッカンさせたいです」

香南「それと、方言使えば昔の人間、みたいな安直な思考も却下」

良平「却下、ですよね、はい」

香南「却下といえばさぁ、長者っていうのをやめて町人に変えるべし」

邦洋「いや、それは……」

良平「いいんじゃないですか、町人で。ね。ただ、お嬢が長者にしたくない理由だけお聞かせいただければ、これ幸いというものなんですが……」

香南「長者と名乗れるのは、イケメン限定」

邦洋「誰の基準で……」

香南「イケメン限定!」

邦洋「……はい」

香南「よって、私が脚本、書いてきた」

邦洋「……はい?」

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わたわた 2020/09/08 18:00

脚本『願いの果実』第2章「ハニートラップ!?」その1

脚本『願いの果実』第2章「ハニートラップ!?」その1

邦洋(くにひろ 20男):演出・衣装   【配役】長者・若者
良平(りょうへい 20男):大道具・舞台監督【配役】願いの木・老いた牛・赤ん坊
浩太(こうた 20男):脚本・演出助手 【配役】従者・村人B
香南(かな 19女):小道具・情報宣伝【配役】村人A


 照明がつく。


邦洋「集中、用意!(手をたたく)」

香南「(村人A)あんたー。いよいよ、あたいらの番ね♪」

良平「(村人B)んだ。ここまで必死で耐えて耐えて、ようやく辿り着いたべ」」

香南「(村人A)長かったべ♪虫の湧く夏も、すさまじい吹雪の冬も、あんたと二人、乗り越えてきたー♪」

邦洋「ストップ!カナ、そのキラキラオーラは、何とかならないかな。」

香南「え、何か問題ありますか」

良平「ありよりの、あり。まず舞台を飛び跳ねすぎ」

香南「だめですか、ちょっとステップ踏んだぐらいなのに」

良平「アイドルじゃないんだからさ」

香南「舞台女優ってアイドルじゃないんですか?」

良平「認識のずれが天下一品だわ」

香南「分かりました。ステップ踏まなければいいんでしょ」

邦洋「あと、明後日の方角へのカメラ目線もやめよう。ウインクしてたときもあったよね」

香南「はい!長かったべ(^_-)-☆」

邦洋「村人Aの感情、分かってる?」

香南「はい。やっと順番回ってきて嬉しい!って感じですよね」

良平「商店街の抽選会場かよ」

香南「あんまり変わらなくないですか」

邦洋「感情が浅いんだ。子どもを授かりたい一心で、暑さ寒さを耐え忍んできた感がほしい」

香南「分かりますよ。わたしだって友達と遊びに行くの我慢して、試験勉強を耐え忍んできましたから。あっそうだ!試験が終わったときの解放感を乗せてみたらいいですか?」

良平「いいはずない」

邦洋「ここは、貧乏な夫婦の願いがようやく叶おうとする場面なんだよ。時代劇とかでさ、夫婦の愛情でしんみりする場面あるだろ」

香南「なんか古臭いですね」

良平「昔話だから」

邦洋「さあ、もう一回、初めから行くよ。集中……」

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わたわた 2020/09/07 18:00

脚本『願いの果実』第1章「読み合わせ」その3

脚本『願いの果実』第1章「読み合わせ」その3

キャラクター 邦洋、良平、浩太、香南

 照明がつく。
 中央のイスに座る香南。
 邦洋と良平がそわそわしている。

良平 好きな劇団とか……。

邦洋 良平、まだだ。まだ聞くな。

良平 え~だめか。

邦洋 浩太がジュース買ってもどってくるまでの辛抱だ。

良平 初の女子部員だぞ。時間が経つほど質問事項が山積していく。

邦洋 みんな同じだ。しかし、今おまえがした質問を戻ってきた浩太がしてみろ。香南さんにとって、2度同じ質問に答えることになる。

浩太 確かに。それは失礼だ。しかし……。

香南 あの。

2人 はい。

香南 わたしのこと、カナでいいです。

2人 はい。

良平 この情報はどうする?おれたちが抜け駆けしたみたいになるぞ。

邦洋 分かった。本人から要望があったことを、おれたちから浩太に言おう。

良平 オーライ。

 浩太が戻ってくる。

浩太 ただいま~。ジュース買ってきたよ。カナから選んで。

邦洋・良平 おい!

浩太 え。

邦洋 知り得ないはずの情報を、なぜ知ってる?

浩太 何のこと。

良平 カナって呼び捨てしたことだ。

浩太 ああ、適当。

良平 適当!?

浩太 いいだろ、部員なんだし、フランクに呼び合えば。

邦洋 待て待て。まだ部員と決まったわけではない。

浩太 え。でも、部員になりたいってさっき。

邦洋 はっきりさせておく!

 邦洋が声を張り上げる。

邦洋 今、カナは想像上の演劇部にいるのであって、われわれと同じ世界にいるわけではない!

 香南が、ジュースをチューと飲む音。

浩太 邦洋、何を言ってる。

良平 おまえもジュースを飲め。

邦洋 説明させてくれ。

良平 いいからジュースを飲め。落ち着け。

香南 こういうことじゃないですか。わたしはこの部の内情を知らないのに、演劇部に入りたいと言った。つまり、わたしが入りたいのはわたしの描いている演劇部のイメージであって、そのイメージは、現実とはほど遠い可能性もある。

邦洋 いかにも。

浩太 ナイス、わかりみ。

香南 で、そのすり合わせをちゃんとしたいんですよね。

邦洋 まあ、お互いのためにも。

香南 ふうん。

 香南、3人の顔をまじまじと見つめる。

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