脚本『願いの果実』第2章「ハニートラップ!?」その3
脚本『願いの果実』第2章「ハニートラップ!?」その3
邦洋(20♂):演出・衣装 【配役】保留
良平(20♂):小道具・舞台監督【配役】保留
浩太(20♂):脚本・演出助手 【配役】保留
香南(19♀):小道具・情報宣伝【配役】保留
照明がつく。
浩太が自転車用のダイヤル付ワイヤーロックで右うで、左うで、右足、左足をパイプ椅子に縛られて座っており、布でさるぐつわをかまされている。
部室に香南が入ってくる。
香南「おつか……お疲れ」
浩太「うぅぅぅうぅぅ!」
香南「何、この状況」
サブステージに邦洋と良平が出てくる。
良平「カナ到着!ほぼ時間通り」
邦洋「あとはシナリオ通りに行くかどうか」
良平「がんばれ、浩太。画面の向こうで応援してるからな」
香南、浩太の周りを訝しげに見て回る。
もがく浩太。
良平「これで浩太を助けなかったら、退部モノだぞ」
浩太「うぅうぅ!うぅうぅ!」
香南「はいはい、分かった分かった」
香南、部室の衣装棚のケースから、裁断ばさみを出す。
良平「はさみ?」
浩太「う?ううぅ!ううぅ!」
近づく香南、浩太は必死で首を横にふる。
良平「おい、どうする。浩太が刺されたら」
邦洋「まさか。さるぐつわを切るつもりだろ」
香南「動くな!耳、切っちゃうぞ」
浩太、静止し、目を固く閉じる。
香南、刃の先を布の隙間に差し入れようとする。
良平「結び目をほどくだろ、普通」
邦洋「普通は出会わないぞ、さるぐつわされた人物には」
良平「至極、理解。経験値から考慮して、むしろ梱包のひもを切る感覚か」
香南「もう!きつすぎて刃が入らないんだけど。てか、役者の顔に傷つけるわけにもいかないしな」
良平「そう!そこに早く気づけ!」
香南「あ!」
香南、結び目を切る。
さるぐつわがほどける。
浩太「だ~。どうなるかと思ったぁああ」
良平「おれじゃなくて良かったぁああ」
邦洋「とりあえず、ファーストステップクリア。ここからは、シナリオ通りに行けるはずだ」
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