続・ゲームデザイン・バランス考
ぜんかいのつづきー
前回、「死に」ゲームが出来てしまうカラクリを書いた。
では、それを防ぐ、もしくは対処するにはどうしたらいいか書いてみる。
常に自分自身に「質問者」を設ける
まず「死にシステム」に対して。
企画段階でも、企画後でも通用する極めて簡単な方法で、
自分自身の中に、「なぜこのシステムが用意されているのですか」と
問いかける「質問者」を設ければいい。
……というか、実際にメモ帳にでもexcelにでも書き起こす。
ゲームコンセプト上でちゃんと意味がある場合は、迷わず説明が書ける。
逆にここで適切な回答が思い浮かばない場合、それが
「適当に入れた、死にシステム予備軍」に該当するという訳である。
偏見を含むが、やはり「システムの定番」が多いJRPGで起こりやすいと思う。
「バフ・デバフ」「状態異常」「属性」なんかはもちろん、
「命中・回避」「防御」「物理・魔法」例を挙げればキリがない……
(というのが数日前のTLで勃発していた気がする、ツクール界隈付近で)
というか、仕事レベルなら、プランナーはシミュレーションではなく、
実際にこの能力は要求される。
仕様書を書いた時、仕様書を読む側から「なぜこの仕様があるのか」と
質問された時、回答に窮してはならないんで。
そして熟達したプログラマーであるほど ここはねちっこく聞いてくる。
だって見てわかるレベルで無駄そうだったり矛盾する仕様組みたくねえもん。はいそこプログラマーいやなやつとか思わないで
そして逆にここを一切聞かず、「いや仕様書にあるんで」みたいに責任持たないプログラマーもやっぱりゴミだと思う
「攻略本」ごっこをする
「死に技」「死にアイテム」寄り。ただし「死にシステム」にも通用する。
表題の通りで、みんな大好き「攻略本」を自分で執筆してみる。
「攻略本」とは、あらゆるコンテンツに対する活用法が書かれたもの。
なので、もしここで 「使い道のない」 なんて書かれそうならば
それが「死に要素」となるのである。
……まあ前回の記事でも書いた通り、「弱すぎる技」「強すぎる技」なんかは
まともにテストすれば、自ずと見つかるものだと思うが……。
そもそも最初から仕様を盛らない
「死にシステム」に関して。
「やりたいゲームコンセプト」を実現できる最小の状態から始める。
開発的にも仕様が少ないのでスムーズに進めるだろう。
で、開発が進むにつれ、ボリュームが上がるにつれ、
その時の仕様で物足りない、バリエーションが乏しいと感じた時に、
初めて新しい要素を拡張、運用していくスタイルを取る。
これはユーザがプレイする事を踏まえてもメリットがある。
プレイする観点からしても、「最初からいきなりいろんな要素がある」
ではなく、「ゲームの進行とともに徐々に要素が増えていく」になるので
無理なく覚えていける設計になる。倦怠感も払拭されるかもしれない。
一応デメリットもあって、プログラマの実力が至らない場合、
追加される仕様のせいで、内部プログラムが煉獄を形成する場合がある。
これはもう、プログラマの実力次第としか言えない、かも……。
こんな感じか。
次回は調整周り。割とエトセトラ的な感じになっていくかも