Koh@トランセル 2022/09/13 17:42

新作告知:完璧主義の受け入れ方

完璧主義についての新作を書いたので、それにまつわるお話です。


想定してるのは“ジリ貧で悩んでいる人”向け。
活動していると強欲に成果を望んでしまうけれど、上手く目標を建てられないと物事を前に進めることはできません。

そういう空回りを防ぐために、「現実的な目標設定ってどんなの?」というテーマで考えてみました。



・・・「それと完璧主義って関係あるの?」と思われるかもしれないけれど、実は完璧主義者が完璧主義に陥る原因って、かなりの部分を”目標に対する考え方”が占めているんです。


完璧主義って何なの?

完璧主義というのはつまるところ、“特定の物事に対する、制御できない執着”のこと。

ビッグ5という“心理学的に正しい性格診断”の中で神経症的傾向(感情のアップダウンが激しかったり、何でも自分で抱え込む傾向)が強い人が陥りがちな心理状態です。


とはいえ、性格云々はあんまり重要じゃありません。というのもこれまでの人生を思い出して、何か大きな失敗をしてメンタルが落ち込んだ時ってメチャクチャ落ち込みますよね。生きていれば、そういう経験は一度や二度ならず思い当たるかと思います。


ああいうときって、本当に辛いですよね。


自分に自信が無くなると、何かにすがりたくなる。執着するというのはつまり、自分にない自信を他人に求めること。他人の評価に執着してしまう傾向は誰だってもっているわけなので、誰だって完璧主義な考え方に陥る可能性はあるんです。





執着の対象が何であるかは人それぞれだし、誰でも少なからずその傾向はあります。だからこそ好きなものを求めすぎて歯止めが効かなかったり、嫌いなものを避けることに全てを捧げてしまったり。そういう経験は、誰しもある事でしょう。



極端な話、アル中も完璧主義からくるものだったりします。

「あれって完璧主義なの?」みたいな疑問を持たれるかもしれないけれど、ああいう嗜好品を現実逃避のために用うと歯止めが効かなくなってしまうんですね。自己イメージを守るため、「嫌なことを避ける為にそもそも直視しない」タイプの完璧主義だと言えます。


そういう過剰な執着=完璧主義はメンタルにも人生にも悪影響があるのだけれど、特にメンタルに悪いのが“外向きの完璧主義”と呼ばれるもの。


外向きの完璧主義

外向き。つまりは他人に後ろ指を指されない為に目標を建ててしまう種類の完璧主義のこと。

学校でイジメの現場に居合わせてしまったり、政治家が叩かれているから“政治家になりたくない子供”が増えたり、ネット上の炎上を避けるために過剰に誤ってしま人がいたり
と、誰しも経験しうる意外と身近な現象だったりします。

あとは個人的な挫折や致命的な失敗から立ち直れず、現実を直視しないための逃避グセが付いてしまっているのもこの例に挙げられます。これについては、経験したことのある人しか共感するのは難しいかも。


何せ「人に後ろ指を指されないこと」というネガティブを避ける為の考え方だから、実質的には行動に一貫性が無く、他人に流されやすいという性質を持っています。

主体的に何かをするよりも他人の指示を前提とした考え方なので、クリエイターなら変えるに越したことは無い性質と言えるでしょう。



内向きの完璧主義

対して、内向きの完璧主義というものもあります。

これは、自分で決めた目標や基準を何としても達成する為に頑張るストイックな考え方。ある意味職人気質とも言えるでしょう。

ある種の強迫観念に駆られたような状態なのでモチベーションは高止まりしがち。メンタルにいいわけじゃないけれど、間違いなく生産性は上がるし、成果が出ればさらに工夫を続ける余地が生まれていいループに入れます。同人界隈でもワーカホリック気味な人は
チラホラ見かけるけれど、そういう人たちは近いのかもしれません。


完璧主義のための”目標設定”

外向きと内向きの完璧主義について書いたけれど、両者の最も違う点は“逃避するための目標か?それともある価値観を実現するための目標か?”というところ。

心理学では前者を”回避目標”、後者を“アプローチ目標”と言ったりします。



回避目標は、嫌なことを避けるための目標。短期的には大胆な行動もとれる馬力のあるモチベーションを生んでくれるのだけれど(それをしないためならなんだってしてやる)、その反面、長期的に長続きはしません。

対してアプローチ目標は、特定の価値観を実現するための目標。何かを手に入れるための目標です。(それを手に入れるために何をすればいいだろう?)

短期的に見れば回避目標ほどのモチベーションはわかないけれど、長期的に長続きして、行動の一貫性を形作ってくれます。



完璧主義な傾向のある人はどうしても“回避目標”を立てがち。どれも完璧にこなそうとした結果どれも上手くいかないという結果になって挫折してしまうガチなのだけれど、それは目標のバランス(回避・アプローチ)が偏っているから。


そこで今回、アプローチ目標を増やすための考え方について作品を創りました。

完璧主義の受け入れ方



“予言者のジレンマ”

またここでは、“予言者のジレンマ”という概念を紹介しています。

要点だけまとめるなら、「知っている」のと「対策できる」のは全く別の事なのだけれど、人はそのことを簡単には気付けないという、教訓のようなものです。こういう形にしておけば、思い出すのが楽になりますよね。


ジレンマについての詳細は、作品紹介のページにもまとめてありますのでぜひ。




また、他人の目が気になって仕方ない、SNSで数字を追うのに疲れてしまった、承認欲から楽になりたいのであれば、『承認欲求の解剖学』という作品もオススメしておきます。興味があれば見てみてください。


それではー

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