Hijack '23 開発日誌 2023.3-C
こんにちは。今日の進捗を報告します。
https://twitter.com/bydriv/status/1641092992021983236
今日は落下中専用のドット絵を用意しました。プレイ中、主人公が棒立ちで落下しているのはけっこう気になるのでわりと重要です。
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ところで平日は時間も体力もないし進捗はわりと大変です。で、こういうときどうしているかっていう自分なりの方法を書いてみます。
前提の共有ですが、私は1人でゲーム開発をしています。で、1人ならマネージャーなんて必要ないだろー……と思われるかもしれませんが、そうでもありません。むしろ、1人のほうが実は必要な気がしています。
まず、たとえば「プログラマとしての自分」や「イラストレーターとしての自分」は別人だと思ったほうがいいです。プログラマとしての自分にリソースをかけすぎると、ゲームとして映えるものはなかなかできません。
そして、「平日の自分」と「休日の自分」も別人です。なにしろ時間の絶対量が違いますから。平日はどうあがいても時間もないし仕事で体力も削られているので、休日と同じだけの作業をするのは無理です。
で、そうなってくると「平日に自分に振るタスク」と「休日の自分に振るタスク」っていうのは別に用意したほうがいい。10時間かかるタスクは休日に。1, 2 時間で終わるタスクは平日に、というように配分するのです。
わかりますかね? こうなってくると、基本的には1人でやってても、日によっても分野によってもかけられる「自分のリソース」が違いますからそれを配分するマネージャーとしての自分が必要になってきます。
時間は計測可能ですが、漠然と「体力」と呼んでいるパラメタも、実際のところあると思います。集中力とか思考力とか。考えるというのは、けっこう重労働です。平日には考える力が残っていないことが多いので、休日のうちに、なにも考えずに手を動かせるところまでタスクを分解しておくと捗ります。そういうのを企画とか計画とか、プランニングと呼ぶわけです。
やる気やモチベーションも大事です。「自分」の機嫌を取ってやる気を出させるのも、「マネージャーとしての自分」の仕事です。私はゲーミフィケーションとして、開発自体にゲーム性を出すようにいろいろ調整したりしています。ここがうまくいかないと数週間か数ヶ月かすると作業に飽きてきます。
ここで難しいのは、単に興味に従って手を動かしているだけだと、基本的にプロジェクトは空中分解し、未完に終わってしまうということです。ゲームというのは、自分の興味のあるものばかりでできているわけではありませんから。やらなければならないし、重要だとはわかっているが、どうしても気乗りしないということに、どうやって自分の心を向けるかという問題です。
なお、これに関して言うと、他人のやる気を出させる、業務でするようなマネージャー業よりは、圧倒的に難易度が低いと思います。それでも、ほとんどたいていのひとはできません。不可能と断じて諦めてしまうひともいます。
実際のところ、ゲーム開発が未完に終わる原因の大部分はこの「マネージャーとしての自分」が未熟ゆえだと思っています。プログラムに時間をかけすぎてもイラストに時間をかけすぎてもゲームにはなりません。
手を動かしていないことが原因で完成しないということはまれだと思います。むしろ関係ないこと、重要でないことに注力しすぎて完成しないほうが多い。プログラムをいくらきれいかつ強固にリファクタリングし続けてもゲームは完成しないのです。
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こういうふうにリソース配分がうまくできれば、クオリティはともかく完成はすると思います。
ただ、リソース配分が苦手なほうがスペシャリストにはなれると思います(?)。プログラマになるなら、プログラムに熱中するほうが有利です。イラストレーターになるならイラストにリソースを全振りしたほうがいい。
とはいえ、リソース配分がうまくできないと完成さえ難しい分野があるのもまた事実。ゲームとか、漫画はそういう分野だと思います。1ページにいくら凝っても漫画は完成しません。
このへんの話は、いずれ『完成させる技術』と題して書きたいと思っていました。いつになるかはわかりませんが……。まあ、ネタを温め続けていてもあまり意味もありませんしね。せっかくなので、今回はネタもありませんし書いてみます。
それでは今回はこのへんで。また次回もよろしくお願いします~。