【内容紹介】拡張セット「桃色飲茶娘 夜桜狂想曲」〜vol2. 拡張要素の紹介〜
みなさんこんにちは、ラフスケッチのデザイナーの香川俊宗(Toshimune Kagawa)です。
本日はナナに代わり、次回のゲームマーケット2021秋で発売予定のゲームの内容についてご紹介したいと思います。
ラフスケッチは、次回のゲームマーケットで拡張セット「桃色飲茶娘 夜桜狂想曲」とミニ拡張セット「最後の巫女 慈愛の天照 / 悲憤の大国主」の計3作品をリリースいたします。
これら3作品の内容についてより詳しい内容をご説明していきたいのですが、少しボリューミーとなってしまいますので、まず本日は拡張セット「桃色飲茶娘 夜桜狂想曲」についてご紹介していきたいと思います。
拡張セット「桃色飲茶娘 夜桜狂想曲」
それでは、まずは「桃色飲茶娘」のご紹介です。
本拡張セットでは、これまでの「桃色飲茶娘」の基本システムはそのままに、多くの新要素が加わり、大きくゲームの戦略性が向上しております。「基本セットでは満足できない!」という熟練者向けの高難易度拡張セットとなっております。
また、新旧すべてのシステム間でのバランスを再度調整し直しプレイアビリティも大幅に改善しており、拡張要素を任意の組み合わせで選んで追加することができるので、初めて「桃色飲茶娘」をプレイするという方でもオススメの拡張となっております。
本拡張では、基本セットでの反省点を踏まえ、以下のポイントを特に重視して開発を進めました。
(1)ターン数の圧縮
(2)「桃元素」の獲得機会の向上
(3)限定術式「錬成"丹"」(桃→全元素x2)の依存からの脱却
(4)各キャラクター間のバランス調整
これらの課題を解決しつつ、かつゲームとしての単純な面白さを向上させるべく、以下の3つの拡張要素(+α)に落とし込み、本拡張セットというプロダクトが完成しました。
◆拡張 その1:夜の桃源郷
◆拡張 その2:新たな錬金術師
◆拡張 その3:新たな術式
◆調整バリアント:少女たちの変化(※)
※調整バリアントは既存キャラクターの調整となっており、タオ・サラ・リンの3人の調整済みの固有術式を収録しております。こちらについては前回の記事で詳しくご紹介しておりますので、是非ご一読くださいませ。
拡張 その1:夜の桃源郷
本拡張の目玉要素のひとつで、タイトルにもある通り、これまではプレイヤーは昼の桃源郷を開拓していましたが、夜の桃源郷を開拓することになります。
ゲームボードが新しくなり、基礎術式もすべて入れ替え、新たな強力なマナや術式が登場するという、てんこ盛りの内容となっております。
新たなゲームボード
夜仕様の新たなゲームボード
本拡張ではこれまでのゲームボードは使用せず、夜仕様となった新たなゲームボード(以後:夜面と記載)を使用します。
夜面では大きく3つの変化があります。
・マスの全体的なレベル上昇
・「レベル4マス」の追加
・知識トラックのボーナスの変化
夜面では「レベル1マス」がほとんどなくなり、「レベル2マス」「レベル3マス」の比率が上昇しております。なので、開拓の難易度が上がるとともに、開拓の得点比率も向上しています。
加えて、新たに「レベル4マス」が登場します。
「レベル4マス」はプレイヤーの行手を阻む一方、開拓すれば新たな術式である「禁忌術式」を獲得することができ、ゲームを進める上で大きな恩恵をもたらしてくれます。(※「禁忌術式」については後述)
また、知識トラックのボーナスの内容も変化しており、「気力」を得られるタイミングが減少したことにより汎用性が低くなった一方、2と3マスの間で知識トラックと同じ元素が獲得できるようになった為、「気力」との変換効率で見ると序盤のリソースの獲得効率は上昇しています。
←基本セットの知識トラック 夜面の知識トラック→ (一部切り抜き)
各知識トラックとも上昇させる価値がより差別化された為、戦略に少なからず影響を与えるでしょう。
基礎術式の進化
←覚醒前 覚醒後→
プレイヤーたちは夜の桃源郷を開拓する上で多くの新たな力を手に入れますが、そのうちの大きな要素として基礎術式がすべて新しくなります。
これまで使用していた基礎術式は使用せず、新たな基礎術式をもって、夜の桃源郷に挑みます。
6枚の基礎術式にはそれぞれ「覚醒前」と「覚醒後」がありますが、すべての基礎術式の「覚醒後」に「黒マナ」アクションが追加されています。
「黒マナ」アクションは文字通り、「黒マナ」という新たなマナを使用することで起動できる強力なアクションです。
上図にあるような「開拓4」など、黒マナを使用することでしか行えない強力なアクションがすべての基礎術式に追加されています。
また、一部の基礎術式は「覚醒前」の能力も強化されています。
新たな基礎術式
さて、そうなると気になるのが「黒マナ」の入手手段ですが、ここで新たな基礎術式が登場します。
←覚醒前 覚醒後→
この「研究」は7枚目の基礎術式であり、全く新しいアクションを実行できます。
ここで、合計7枚の基礎術式は下図のように配置しますが、「術式置き場」は12枚しかないので、ゲーム中に獲得できる「上級術式」は5枚となります。
つまり、ゲーム中に実行できる休息の回数が6回から5回に減少し、ゲーム中に動ける手番数が大幅に減少します。
手番数が減少し、一手一手の行動が強化されている為、より一手の重要性が増しています。
さて、この新たな基礎術式で実行できる研究アクションでは、盤面に新たに追加される「研究タイル」を選び獲得することができます。
←レベル1 レベル2→
「研究タイル」はレベル1とレベル2があり、盤面に常に3枚ずつ表向きで公開されており、獲得すると術式と同様に錬成アクションを実行することができます。(一度使用された「研究タイル」はゲーム中に再度使用されることはありません)
すべてのレベル2の「研究タイル」では、アクション実行後に手元の「マナ」1枚を「黒マナ」1枚に交換することができます。
「黒マナ」は手に入れた次の手番からすぐに配置することができるので、実行の順序がより重要になるでしょう。
「黒マナ」
ここまで、「黒マナ」の強力な能力についてご説明してきましたが、「黒マナ」は決して万能ではなく、以下のような数々のデメリットを抱えています。
・共通術式置き場に置かれている術式には置けない(自分の場の術式にしか置けない)
・既に「マナ」が置かれている術式には置けない
・「黒マナ」は重ねて配置できない
・「黒マナ」が置かれている術式には「マナ」を置けない
・「黒マナ」は気力12アクションで手元に戻せない
手番数の少ない夜の桃源郷では効率よくゲームを進めていくためにも「黒マナ」は欠かせない存在ですが、同時に「黒マナ」は通常の「マナ」よりも制約が厳しいので、必要以上に獲得してしまうと思うように行動できなくなる恐れがあります。
「禁忌術式」
少し話題が離れてしまいましたが、「レベル4マス」を開拓したときに手に入る「禁忌術式」についてご紹介します。
「禁忌術式」は全部で12種類あり、ゲーム開始時にランダムで選ばれてプレイヤー人数+1枚が表向きで公開された状態でゲームが開始されます。
「禁忌術式」の中には常在術式という新たな能力をもつ術式が登場し、「マナ」を配置することなく持っているだけでゲーム中に常に能力が起動し続けるという術式になります。
「禁忌術式」は倉庫の数を拡張したり、基礎術式を模倣する能力など、キャラクターや場面によって強力なシナジーを生むものや、なかなか使いこなすのが難しい能力など様々なので、いの一番に獲得するために行動するのか、はたまた完全に選択肢から無くすのか、プレイヤーの腕が試されます。
「禁忌術式」は先着順で、各プレイヤー1枚しか獲得できず、獲得した「禁忌術式」は7枚目の「基礎術式」である「研究」の上に重ねて配置します。
「禁忌術式」を獲得した後は「研究」を起動できなくなるので、以後「黒マナ」の数も基本的には増やすことができなくなります。
拡張 その2:新たな錬金術師
さて、ここからは次の拡張要素であるプレイアブルキャラクターについてご紹介していきます。
本拡張では新たな2人の錬金術師が登場し、いずれもこれまでにはなかった非常にユニークな能力で桃源郷の開拓に挑みます。
マリア・テレザ・フォン・ラウエンブルク
←覚醒前 覚醒後→
覚醒後が消滅術式という非常にトリッキーなキャラクターとなります。
「固有術式」における消滅術式は「上級術式」と同様に、術式起動したあとにその場で裏向きになります。つまり、覚醒状態で起動すると覚醒前に戻るという変則的な能力を持ちます。(配置した「マナ」はゲームから取り除かれます)
さらに言うと、何度でも覚醒前に戻り、覚醒条件もフリーアクションなので何度でも覚醒でき、覚醒するたびに覚醒ボーナスである3点を獲得できるキャラクターでもあります。
覚醒前から抽出3というシンプルかつ強力な能力を持っていますが、真骨頂は覚醒後の能力。
覚醒条件こそ元素を5個支払う必要がありますが、移動3、開拓3、抽出3かつ、開拓に必要な元素をすべて軽減するという非常に強力な能力を持っています。
一方で、覚醒後は消滅術式のため、当然起動するたびに「マナ」は減っていくので、どのようにゲームを進めていくかはプレイヤー次第です。
早いうちから鍛錬で「マナ」を増やし、覚醒と消滅術式を繰り返すのも面白いですし、堅実に抽出3でリソースを肥しつつ、ここぞという場面で消滅術式を起動するのも魅力的です。
これまでは開拓といえばツバキの独壇場でしたが、高難易度化した夜の桃源郷での拠点化争いはより激化するでしょう。
注意点として、合計の覚醒枚数がころころと変動するキャラクターなので、「上級術式」の獲得条件には常に留意する必要があります。
アン・テレザ・フォン・ラウエンブルク
←覚醒前 覚醒後→
「上級術式」を手元に確保するという唯一無二の新たな能力を持ったキャラクターです。
術式確保は獲得条件を満たさずに実行できるので、まだ誰も起動・確保することのできないレベル2やレベル3の「上級術式」を早い段階から確保することができ、ゲーム終了までのゲームプランを非常に安定した形で設計することが可能となります。
確保した術式はそのままでは起動できず、獲得するという手順を踏む必要がありますが、休息の際の術式獲得や覚醒後の固有術式の能力で確保した術式を自分の場に獲得することができるので、汎用性が高いです。
さらに、獲得はもちろん、確保した際に術式に書かれた知識ボーナスも獲得することができるので、知識トラックでも上位を狙うことができます。
知識のリン、盤面干渉のレイラの両方に一石を投じる、非常にトリッキーなキャラクターです。
拡張 その3:新たな術式(上級術式)
「桃色飲茶娘」において「桃」は非常に重要なリソースでありながら獲得の機会が限られておりました。
また、レベル3の「上級術式」は強力ゆえにゲーム終盤で早々になくなってしまい、タオやサラのような大器晩成型のキャラクターが不利になってしまうという状況がありました。
そこで、レベル3の「上級術式」に上図のような「桃」を獲得できる上級術式が新たに追加されます。
知識ボーナスも3種バラバラに1つずつと、痒いところに手が届くような配分となっております。
一見地味な追加要素ではありますが、ゲームに与える影響は大きく、よりアグレッシブなゲーム展開が望めるでしょう。
いかがでしたでしょうか。
以上が拡張セット「桃色飲茶娘 夜桜狂想曲」の内容となります。
長さの都合で今回はご紹介できなかった部分も多々ありますが、基本セットでは味わえなかった刺激的かつ濃密なゲーム体験をご提供するべく、スタッフ一同開発を続けてまいり、ようやく納得できる形にすることができました。(毎度のことではありますが、スケジュールは本当にギリギリでした...)
「桃色飲茶娘」を遊び尽くされた方もまだ未プレイの方も、是非一度お手にとっていただけますととても嬉しいです。
さて、本当はミニ拡張セット「最後の巫女 慈愛の天照 / 悲憤の大国主」も本日ご紹介する予定だったのですが、「桃色飲茶娘」だけで相当な文章量となってしまいましたので、また後日ご紹介させていただきます。
ゲームマーケット前までには必ず更新しますので、もう少々お待ちくださいませ。。
それでは、また次の記事でお会いしましょう!
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