投稿記事

ルシアの夢想の記事 (7)

Huyumi 2023/08/02 10:43

ルシアの夢想、未実装テキスト

・まえがき

 ル想の、未実装フレーバーテキストを公開します。
 今更感が強いですが、当時今後も数字が伸びないだろうと見通し、まぁ需要無いし今までのように公開せずさっさと次に行こうと、リリースした作品や手元に書き出した物にえらく興味がないわたしは没テキストを公開するという選択肢をさっさと忘れました。

 何故今更公開することになったかというと、Ci-enの記事更新が滞っている現状に、テキストを読み返してみたら自分でもいいと思う個所が多く、そういえば作品と関連付けないフレーバー単体でも需要自体はあるのかなと思い立った次第。
 AIイラストのヘッダーを用意して気持ち良く記事更新出来る段階までもうちょっと時間を稼げこの記事。
 内容が即していればル想のイラストヘッダーで記事更新するの負い目無いですしね。

 簡単な告知になりますが、9/11辺りにル想の値段を440円辺りに下げる予定です。
 既に倍以上の価格帯で購入してくれた方には申し訳無いですが、次回作をどこまで値段下げられるかなと色々と考えていた結果、収入を期待してもなるべく価格を抑え、新規ファンの獲得や、Ci-enでの収入を増やした方が良い――ならル想の価格も下げるべきだなと。
 今更値段下げたところで何かしらの影響が出るとは思えず、まぁそもそもお金稼ぎにはあまり意識を向けていないんですが、少しでも出来ることは重ねた方がいいかなと。

 改めて初動に支えてくれた皆様にはありがとう&ごめんなさい。
 ちょっとでもいい感じに回して、ちょっとでもいい感じの次回作を出して行って還元出来たらなと思います。


 前書きもこの辺で以下フレーバーテキストです。
 例によって未実装だったので作者の解釈とは受け取らず適当に楽しんでもらえればなと。
 わたしも今回見返すにあたって薄文字で適当に茶々入れて楽しもうと思います。
 6000字ぐらいあります。ネタバレも注意!


・ほんぶん

魔王という化物を殺せるのは、それ以上の化物でしか在り得ない。
でも心まで化物になる必要は何処にも無いから。
そうなってしまうと、あまりにも報われ無さ過ぎるから。
どうか、主様。


これが私の、罪の証。


英雄と言う名の、罪の形。


誰かが罪を覚えていなければ、咎人が裁かれることは無いから。
だから私は、全滅を避け続けた。
執行者の名は英雄。いつか、会いに来て。


私は悪、あなたは正義。
認めよう。そして、裁けるのならば、裁いて見せよ。


ただ人より好奇心が強かっただけ。罪悪感が少なかっただけ。
戦うのが上手かっただけ。魔法を扱えただけ。
それぞれの一番は他に居たけれど、これらを総合的に持っているのは他に居なかったから。
そうして、魔王は生まれました。


憎悪が何かを生み出せることを知るのなら、愛情が何かを失わせることに気づくべきだった。


害されるのは概ね善人だが、魔王の前では全ての人が善人であった。


私が本当に怖い物は、きっと――


強さは強さを惹きつけると思った。
強大な魔王には、強力な勇者が。
強い悲劇には、強い救済が。
それが私が世界を滅ぼしかけた理由。
悲願が叶うより前に世界が滅びそうだったのでやめたけれど。


手を差し伸べて欲しいと焦がれなければ、手を差し伸べることは出来ないのだろうか。


長い長い眠りの果てに、魔王は再び現世へ目覚めました。


あなたが本当にすべきだったのは、全ての人の幸せを願うことではなく、自らの味方の幸福を掴み取ることでしたよ。
 /今回大部分のフレーバーがルシアちゃんの物です。ここは想貫未遂さんから。
 ……想貫未遂ってめっちゃ語呂が良い造語じゃない?


人型の生き物ほど狩りやすい敵は居ないと私は思います。
だって、自身と特徴が変わらないですから。
良いところも、悪いところも。


・愛子殺しのパラドックス
私はあの人を殺せない。
ルシアは主様を殺せない。
殺してしまえば、今ここに居るルシアは消えてしまうから。
魔王じゃない私に、縋りついているのだ。


夢を見るには、その光は強過ぎた。
故に世界が滅びたのだ。


地獄という夢には、祈りが道を繋げていた。


叶わぬ理想に手を伸ばした。その過程でたくさんの物が朽ちていった。


善性が欠けていたわけじゃない。
自責よりも好奇心は強く、自罰に心は揺らげど折れることは無く。
そうして傾いた天秤が勝ち続けた故に、少女は全てに勝利したのだ。


始まると同時に全ては終わっていた。
成長する必要など無い。
何かを救う必要も無い。
ただこれは、物語が終わった後に何かを証明する、そんな御伽噺の残り香。


限りある自由が与えられた時、これぐらいなら無ければ良かったと運命を嘆いた。


憎しみ無くして振るわれる凶刃が、どれほど不条理な物であったか。


・卵
英雄って、魔王って、私って――なに?


諦めるのはいつだって出来る。
だから、もう少しだけ体が動く。


凶行の自責に潰れてしまうのであればそれで良かった。
それできっと、悲劇は終わりになったのだから。
でもそうはならなかったから。
痛みへの耐性、飛び抜けた強さとは、狂気で孤独なのだと知った。


苦しいことには慣れていたけれど、初めて求めた幸福が手に入ったような気がして、私の中の強さは欠けてしまった。


あの日、魔王を殺す英雄になって欲しいというお願いを覚えていますか。
今でも私は、それを願い続けています。


あなたの痛みは、あなたの物。


この痛みは誰にも渡さない。


この傷さえ癒えてしまえば、何も残らないじゃない。


生命依存症。


魔王は己の欲求のため、自らが主導で人を殺めた場合、簡単な物ですが墓を作りました。
ただその死人が二桁を超えはじめたり、(当人が種を蒔いたとはいえその場では)受動的に戦闘が始まった場合は作らないことも多かったです。
魔王の良心なんてそのようなものです。


親の呪いなど関係無く、子は産まれ、育ちゆく。


自らの生の意味は、自らが決める。


・英雄
最も古く、確かな、祈りと呪い。


・英雄の芽
最も古き、祈りと呪いの証。
/とあるエロゲのパロです。
大体ただのパクリって言われないように+αするようにしてます。たまに意図してそのまま出すけど。


あなたの殺意すら受け止められずに、私は愛しているだなんて想いたくない。


赦して欲しいだなんて思いません。
私があなたを許せたのなら、もう他には必要無い。
/なんか毎回自罰的なキャラいない?
わたし自身そんな性質減って来たんだけど、まだ作品には出るわ。
あ、次回作もいっぱい居る予定です。6/9キャラぐらい……ひでぇな。


詠いましょう。
悲しい時に、嬉しい時に、怒った時に、生まれた時に。


きっと私の方が先に死んでしまうけれど、それを喜ばしいと思うのはあなたの死を見なくて済むからなのでしょうか。


その温もりが、視線が、鼓動が。
私を狂わせる。


気づいたら変わっていることなんて少なくて。
変わりたいと願ったら、変わっていることに気づくことが多かったです。


夢に手を伸ばせば、届きますよ。


鮮やかな痛み。


褪せた幸福


・永劫 
ラテン語でaeon
AIon
AiOn
/これ何かなって思ったけど、スペルをローマ字読みにして、AI(愛)か、AとOを強調して(love on)みたいなニュアンスにしようとしたんだと思います。


導なき道
標なき道
 シルベナキミチ


力の拮抗する剣戟は、舞踏と変わりないんですよ。
主様、愉しいですか?


祈りと呪いを背負いて、いま、歩きだす。

祈りと呪いを背負いて、産声を咆える。


魔王に抗うその姿は、きっと彼女に、よく似ていた。


諦めなければ、届いたでしょうに。
本当に、惜しい方。


答えなんて世界のどこにもないよ。
でもあなたが認めればどこにでもある。
世界の、どこにでも。


そこに、正義はありましたか?


私にとってはただの信仰だったと思います。
ただ、神を引きずり下ろすための。
/神殺しの神話 かっこいい


私はいつも、自分が死ぬ時ばかりのことを考える。
自分が死んだ後のことなんて考えたこともない。


望んでも届かぬから幻想と呼ばれるのですが。
……そんなことはなかったんだなぁと、私はここで思います。


絶望は燃えますよ。
飛び切り高く、黒い炎で。


長生きなんてするものじゃないと思いますよ。
……したく、なかった。


望まれる限り、傍に居たい。


勝った方が正義だなんて、そんなの間違っているから。


慈悲の心はありますよ。
それが結果を残したことは、無かったと思いますが。


慣れも依存もしたくはない、甘く優しい夢のような日々。


空が青く綺麗ですね。
――かつて、青くはなかったと言ったら信じますか?
えぇ、冗談です。まるで嘘みたいな、お話。


あなたが私を満たす度、私は自らの虚ろに嘆く。


私が死ぬ時は、目を開き、堪えられない苦痛で満ちて。
眠るように死ぬなんて、本当に嫌だから。


痛みの先に、何が見えますか?


憎しみの連鎖がいつか束なる矢となって、悪を穿つと願っていた。


背負う物によって強くなる人もいれば、守る物が無い方が強くなれる人も居る。
どちらも私は好ましいと思いますよ。その強さを引き出すお手伝いをしてあげたいほどに。


どうか、どうか――どうか、悪を滅ぼして。
勝者が正義と謳うのなら、正義は負けてはならないのなら。
世界よ、神よ……涙よ、憎しみよ――救ってください。
/これ何を救うか主語無いの神ですね。最近調子乗ってます、そのまま酔ってけ。


私が本当に望んでいたのは、正しさの遂行なのかな。


偽悪も、必要悪も。
正義よりも遠く遠くに感じてしまう。


罪の味はいつだってにがく苦しい物だった。
それでも正義の甘味を期待して辞めることが出来なかった。


二百年ぶりに目を開けた。
夜明けが目の前に広がっていた。


確かな物なんて、今まで一つも無かったですよ。


こんなものが正しさ/答えで、いいはずなんてない。


恋に魔王は殺された
彼女が愛を知っていたら、世界は殺されなかった。


・審判
それがあなたの選択ならば。


ただ私は私を遂げたかっただけ。
それだけで多くの人が不幸になってしまった。


誰か助けて、助けて、助けて。
それは武器を振りながら言う言葉では無いから、ただ胸の中を反芻するだけ。


王が求むは玉座にあらず、ただその簒奪だけを望んでいた。


あまりにも強いその光が、世界と少女を狂わせた。


戸惑い迷う自分の心に、いつか向き合う機会が訪れてほしい。
そんなこと、一体私は誰に祈ることを許されるのでしょうか。


また一つ、楔を穿つ。

重ねて一つ、楔を穿つ。


あなたの愛に、殺されたい。


終わりと共に、明日を駆けよう。


守りたかった物が無かったから、私は悪だったのかな。
――なんて、甘すぎる傲慢。


冷酷で在れ、冷血で無かれ。


私は謳う。英雄の素晴らしさを。
私は謳う。魔王の醜悪さを。
――どうして、そうなっていたのだろう。
きっかけがあったはずなのだけれど、今はもう思い出せず、
ただ残り火が、痛く燻り、燭台を求め続けるだけ。


春が来て、夏が来て、秋が来て、冬が来て。
それが何年も繰り返されて、何十何百も重なって。
それでも英雄は現れなかった。


主様がそうであったように、私には私の空があったのだろう。
だからお前も、自分の空を探せ。
自らが翼を広げて、悠々と飛び出せるような空を。
お前なら、出来るだろうさ。信じているぞ。


"本物"を前にした時にこそ、人の真価が図られます。
諦めるのか、目指すのか、また別を探すのか。
主様はどうなされるのでしょう。


あなたの正義に、私は居ないだろうけれど。


誰もが忘れても、私の罪は消えません。
自分自身がその咎を、ずっと見てきたから。


誰かを守る喜びを知ったのなら。
誰かの上に立つ快感を知ったのなら。
私の力は、きっとたくさんの人を幸せにしたのでしょう。
でも、私にとっての"誰か"は。
いつも私に害を成そうとするか、そうして苦しんでいる間に遠くで見ていたり、困難を知らず後から同情する人ばかりだったんです。


ウサギは好きですよ。
愛らしく、柔らかく、美味しく――弱い生き物。
強く成れないとわかっているもの。
愛する他に見えない存在。


地獄の底に花は咲く。
けれど地獄を生み出したのなら、きっとその花に価値は何もない。


選んで殺めるのが――生かす人間を選ぶのが英雄的行為であるというのなら。
私はそれを認めることが出来ない。
自分が英雄の区分に入ることなんて認められない。
/8/25日 アーマードコア新作発売!!!!


人は変われる。
私は変われませんでした。
だから魔王と呼ばれたんでしょうね。


強さとは、どれだけ人間性を削れたのかの証明である。


捧げた人間性の数だけ、強くなれる。
化物に、近づいていく。


迷わないのは強いのでしょうか。
私には、ただ全ての可能性から目を背けているようにしか思えなくて。
だから私を。私は――。


勝者が正義を語る――そんなの、認めない。
まだ世界は負けていない、魔王は未だ勝っていない。
魔王は悪だから、正義が勝つのだから。
どうか、どうか――どうか。


死を克服した数だけ、人は強くなれます。


戦いの先にある平和、それはなんて優しい苦痛なのでしょうか。


知らないは楽しく、恐ろしく、悲しく。
怒りだけが、そこにはなかった。


欲望を、愛してください。
強くなりたい、正義を果たしたい、幸せになりたい。
奪い取らない限り、欲は人を幸福に至らせます。
――。
私はそんな生き方に、ある程度の後悔を抱いていますが。
それでも、加減を見誤らなければ、悪いことだなんてない。決して。


きっと誰もが平和を望んでいた。魔王でさえも。


怒りと嘘は、何かを守る時にしか出ないそうですね。
守護とは、必ずしも良い事では無いのかもしれません。


祈るだけならばタダですが、それを叶えるのであれば相応の、いえ、途方もない対価が必要なのだなと、魔王が教えてくれました。
……想いを一途な物にする。それ以外の何者でもないのに、どうしてでしょうね。


もしも、英雄であるあなたが殺されたのなら。
……きっと、私は殺してくれとその相手に乞うのでしょう。
復讐するわけでもなく、絶望するわけでもなく、ただ私達よりも強かった敵に。
もう、いいんです。
自分の意思で、誰かを殺したくなんてない。
強さや正しさを知るために戦いたくなんてない。
そんな穏やかな末路も悪くないと思うんです。


私は、厳密にはサイコパスでは無いと思います。
悪いことをしたら、心が痛みました。
必要以上に悪いことはしないようにしていました。
ただ、そう。
探求のために、道が見えたのなら何でもする決意があっただけで。
だから、悪い人間なんです、私。
/たぶんソシオパスとも違うので、現実的にあり得る精神的構造はしていないのじゃないのかなと。


欠けた歯車の代わりに、狂気を込めて。


死は平等に訪れる。
だけど私にはそう思えない。
思いたかったのに。


死が救いである人間には、生きる意味を与えてきた。
半分は笑い、半分は泣きながら死んでいった。


強過ぎる力は、敵を生みがちです。
私は悪と呼ばれるに相応しい人間でしたが、
主様は、望まれずにそう呼ばれないことを、願っています。


一度人を殺せば、常に選択肢へ殺人が入ってくるようになります。
私の初めては、不本意な物でした。
その不幸が無ければ、私は壊れずに済んだのでしょうか。
それが本意であったのなら、私は正しく壊れることが出来たのでしょうか。


・愚者/誰かの味方
人々は私を勇者と呼んだ。
魔王もまた、私を勇者と呼んだ。
敵わぬ物に、挑む者だと。
心と共に剣は砕け、ただ生き延びてしまっているだけの存在なのに。
自らの妄執に向き合い続けている。
そんな者が、勇者であってはならないのだ。


自ら命を絶とうとしたわけではないけれど、死のうとしたことはありました。
勝てるはずのない戦地に赴き、何度も何度も殺された。
その度に自分の欲求を糧に生まれ変わってしまって。
私が健全なままで終われず、人としてまともな個所が全て壊れ切って、
それでもこうして動けているのだから、魔王が生まれて生きてきた。


殺しても死なないのは理不尽に感じるでしょうが、死んでも勝手に生き返るのもそれは理不尽だと思いますよ。


私のこの身と、この心に空いた虚ろが、一生満たされることは無いと悟った時、
「あぁ、それも悪くはない」
そう、感じたんです。
――満たされて、良かったなぁ……。


届かないと思ったから、手を伸ばした。


・英雄の条件
もし人を幸せにしたいと願うのであれば、まず自分が幸せでなければならない。
誰かの犠牲で笑えると、その人達に思わせない、そのために。


ただ終わるまで続けるモノと知れ。


平和のために武器を取れ。
誰かを守るために殺意を抱け。
世界の未来は、その先にだけある。


この人に殺されるかもしれない。
その緊張は、恋の痛痒に、よく似ている。


魔王は多くの人を救ってもいました。
未曾有の数を殺したせいで、誰も覚えてはいないと思いますが。


百の善のために、一の悪すら許されることは稀だと思います。


不幸で始まり、勘違いで動き、
例外がずっと続いている。魔王が続いている。


光を想い生きる者が、善い存在だけとは限らない。


光を視て生き、光に焼かれて死んでいく。


私は英雄譚に捧ぐ殉教者。


「ルシアが英雄になれば良かった」
……難しいことを言いますね。
ルシアは私から大切なものを喪わせるだけ、何も守れなかった。
だから、私じゃない誰かに英雄になって欲しかったんです。
沢山の人を救ってくれる誰かに、たとえ私を救ってくれなくとも。


私は、誰かを救えるという傲慢を抱いたことはありません。
私は、誰よりも強いと驕ったこともありません。
私は、私じゃない誰かが、沢山の人を救い、誰よりも強い存在になってくれると信じていました。
私は、罪を抱いていたのでしょうか。
/私は~ で文頭が整っていながら、最後だけベクトルが違うことが芸術点高いんですが、実際に実装すると三行目の文字数が多過ぎてレイアウト崩れやすいのがゲーム制作の難しい所。


魔王に勝った時、何が残るかはわかりません。
ただ、負けた時に何も残らないことはわかります。
戦う理由なんて、それでよいではないですか。


魔王の強さは、ただ強いか弱いかの二元論の果てにしかないものです。


間違えただけ。すれ違っただけ。
勘違いしただけ。止まれなかっただけ。
魔王になってしまっただけの私は――痛いほどに、わかってる。


あぁ、この力は、力量の差は――。
勝負は時の運と呼ばれることがあります。
魔王にとってその理は一歩的な物でした。
ただ一方的に人々に強いるだけの物。
私は、勝てない。
今のあなたに何があっても勝てない。
魔王を制する英雄、その理は確かにあったのですね。


世界のどこかには居るのでしょう。
様々な化物達と同じように、戦うために進化した人が。
人型の化物、人類の英雄が。
でも私の前に現れなかったので、そういう物語じゃないんです。


獣を狩り、竜を狩り、人を狩り。
いつか私は世界を狩りかけた。


明日こそ楽になれるだろうと目を閉じて、今日も楽になれなかったと目を開ける。
そうした期待と落胆の、繰り返される日々が人生になる。


魔王様。
あなたはまるで祈るように人を殺めるのですね。


・あとがき

 以上です。懐かしいですね、一年以上経ちました。
 そろそろ充電は終わった感じはするものの、肝心な場所がいまいち構想出来ていなかったり、ちょくちょく話題に出している疲労感、魂削ってる問題に何も進展が無く、近いうちに動き始めるとあと二作ぐらいで創作者としての限界が訪れて筆を折る可能性が高いです。
 生きている限り何か作り続けていたいので、その辺クリアしてから動きたいですし、元々充電期間は倍々の勢いで増えているのでもう一年ぐらいは全然充電してもいいかなと思うんですが、創作意欲で眠れない日も度々出て来ているので、たぶん理性を振り切って感情で動く日も遠くない気がします。
 まぁ衝動的に動いて、ほんとに二作生み出して倒れる人生もあり。クリエイターポイント高い。

 対外的な話をすると、Ci-enで収入を得ているのも相まり、次回作を急ぎたい気持ちも少なからずあります。
 ついったー……旧Twitterでちょっと話したんですが、一年ほぼ進捗上げてないにもかかわらずCi-enでの収入は微々たる物ではありますが右肩上がりになっています。ありがてぇ!
 だからといって無理して作業したり、ニーズに答えて自分らしさを崩す予定は一切無いので、支援者の皆様も適当にお付き合いください。
 結構ここでの収入でコンテンツ消費贅沢出来ている事実に震えていたりはしたんですが、別に収入減るのであれば問題無い生活を心掛けるだけなので。
 ちょっと贅沢する以外だと奨学金の返済にもうちょっとだけ稼ぎたいなーぐらい。
 障害者枠で10年以上ずっと猶予してもらっていますが、返せたらお金はそれほど優先度高くないです。ありがたいことに欲しい物ほとんど手に入れながら生活出来ていますし、当面生活費や開発費も要らないですし。
 いや、世知辛い世の中にある程度の貯金は欲しい。


 それではこの辺りで――と思いましたが、お金の話で終わるのなんかやだな! そんながめつい話はしてないけど!
 なんか明るい話しよう。テキスト公開する記事がいつもの雑談になってない? 別にいい? いいよ! ありがとう!

 最近いい意味で歳とって来たなぁと思うことがあって、昔苦手だった食べ物が全然食べられるようになっているどころか、美味しく感じることが多いです。
 ピーマンとか苦くて嫌だったんですが、今だとその苦さが嬉しくて好きです。これが清濁併せ呑んできた成果……?
 エビも味は元々好きだったんですが、ぷりぷりの触感が苦手で避けていたんですが、改めて食べると心地良い触感と感じました。
 ……まぁ食べたら痒くなったりするのでたぶんアレルギーなんですが、食べたくなったら我慢せず食べちゃってます。
 死んだらごめん。他の死因と比べて流石にエビ死は申し訳無いと思うんですが、たぶん確率高い死因の中で一番笑えると思うので、もし死んだらいっぱい笑って、ちょっと怒って、それからさっさと忘れてくれると嬉しいです。
 欲求我慢出来ずにその結果死んだらクリエイターポイント高いですね。その辺貯めていくといい感じの作品生み出せるなと最近思ってるので、率先して社会不適合者目指してるまであるんですが、死んだら作品は出ないので加減は考えてます。

 ……え、死という単語が出てくる話題が明るい話題かって?
 最近一周回って死が特別じゃ無くなってるんですよね。率先して避けたり、求めない普遍的な物みたいな。
 だいぶ悟ってるというか狂って来てる。大変なことがあると自分の人生がコンテンツみたいでどう向き合うかワクワクするとか。
 人生楽しくなってきたな。

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

Huyumi 2022/10/27 20:15

ルシアの夢想、全年齢版無料化

 『ルシアの夢想』の全年齢版をフリーゲームとして公開しました。
 DLsite側の体験版はアダルトシーン確認用として、現状のままで運用しようと思います。

 意図としては、ル想は売れなかったし、今後も売り上げ期待出来ないので宣伝、もしくは有償or成人向けが無理な層への還元を目的にしています。
 なんなら今後の売り上げより、フリーゲームによるお布施の方が収入も期待出来る……ぐらい売れてない。

 完全に時期逃しているので、最低限の宣伝、DL数にも繋がらない可能性も高いけれど、現状別に失うものもほとんど無いのでやるだけ得かなと思って動きました。

「エロいらないのに買ったよ、金返せ!」という苦情が来るかもしれませんが、まぁプレイ人数の母数上そんなに出てこないし、大部分のプレイヤーがル想以前のファン層なのできっと許してもらえる。ゆるして。
 まぁ許して貰えなくても、一連の動きで幸せになる人の方が多いと思うので目をつむります。


 既に購入している方へ。
 本当にありがとうございます&申し訳ないです。
 売り上げはしっかり次回作へ回すのですが、現状ル想の外注費も回収出来ておらず、このままル想でちびちびと資金回収するぐらいなら、宣伝に活用してより今後へ有用な動きをやってみようと思いました。

 次回作もまた同人エロゲを予定しています。
 これがまた売れず、ル想の全年齢版が少しでも益に繋がったのであれば、また同じように全年齢版をフリーゲーム化すると思います。
 まぁそもそも次も同人エロゲが売れなければ別のジャンルへ切り替えるのですが。

 という意思表示でした。
 今後の購入方針……というよりは、Ci-enでの支援方針に活用してください。

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

Huyumi 2022/06/24 14:37

ル想の振り返りとこれから

・まえがき

 リリースから二週間経ったので、ルシアの夢想の振り返りと、これからの(ぼんやりとした)予定を語ります。

・前提

 売り上げ見てもらえればわかりますが、かなりマズい状況です。
 どれぐらいヤバいかというと最悪一歩手前ぐらい。
 外注費回収はいつになるのか? そもそも回収出来るのか? という次元。
 二週間で気が早いと思う方もいるでしょうが、大体三日、一週間、二週間、一ヵ月見れば後々の動きは予測出来るので……。
 何より作品には自信があり、目について貰えれば伸びると思っていたので、人気順100以内、ゲームランキング30位ぐらいと目につく個所にたどり着いてそのまま沈んでいったので、もう今後も無理です。諦めよう。

 リリース前から不安で体調悪かったんですが、リリース後からより悪くなってます。
 創作嫌いになって筆折る可能性も十分見えてますし、何より生きる希望が失われつつある。頼むから死なせてくれ。


・反省点

 泣き声は一旦この辺りで、ちょっと建設的な話題に。
 何が問題であったのか振り返ります。


・プロモーションの弱さ
 Twitter力の低さ、Ci-enの更新頻度、作品紹介ページのシンプルさ――など、わたしが苦手な部分がハッキリ出た感覚があります。
 初動部分、リリースして、ファンや気になる人が集まって、その反応を見た人が作品チェックしてみて……の段階で止まっている感じ。
 今までフリゲだとこのプロモーション力が弱くても許されてたんですが、有償で話題にしづらいアダルトだとつらいラインに入ったのかなと。

 ただやっている余裕が無かったのでやっていないわけで、今後この辺り鍛えて行こうというには色々と厳しい問題が多過ぎる。


・秘密が多いシナリオ
 感想が出しにくくなり、ネタバレを配慮した感想を見てもふんわりとした印象しか伝わらないので、ユーザーの感想が宣伝として弱くなってしまう。成人向けというのも悪い相乗効果が生まれているなと。
 しかも短編でこれやっているので、全体的に喋れることが無いという負の連鎖になっている。

 プロモーションの弱さと合わせて作品としてはよくても商品としてはダメな感じ。
 価格抑えつつ、体験版大部分見せることで宣伝、今後のファンを増やすという方針もほぼ機能していない様子。


・尺の短さ
 値段関係無し、ありのボリューム不足を指摘している人がそこそこ居て、やはり気になる個所であった。
 これ作り方が問題で、わたし自身の制作リソースが戦闘を筆頭とした独自システムの構成に費やされているので、量じゃなくて質で殴る形になっているんですね。
 このスタイルが悪いわけじゃなくて、ユーザーの視点が悪いわけでも無くて
「長く使い回せるシステム構成にすればよかった」んですね。

 具体的にはDLsite側の手数料とユーザー側が手に取りやすい値段帯の1500~1999円を、キャラ、イラスト数を増やして目指し、自分で組んだ戦闘やメニュー画面などのシステムが長生きするように。
 特にローグライト方式だとゲーム部分じっくり遊べつつも開発コスト抑えられていいなと。

 まぁこの辺り気づいたのリリース直前ぐらいで、その価格帯目指す資金も無かったので今回避けようはなかったんですが。


・ほか未確定
 上記全て改善出来たとして、外注費は回収出来るけどゲーム制作で食っては行けないだろうな感はある。
 アダルト方面とか、ゲーム性とか、色々気になる個所はあるけど、まだハッキリは見えていないので保留。



・これから

 正直迷子です。
 リリース前は1500~1900円帯に移動して――と考えていたんですが、現状無理ですね。外注費回収して同じ開発規模回すのも難しい次元なので。

 幾つかぼんやりと作りたい構想はあったんですが、これも一旦捨てる。
 とにもかくにも金が無くて皮算用になるのと、相当メンタルにダメージ負っているので筆を折らないこと、ゲーム制作が好きなままでいることが最優先目標になります。
 過去二作とも十二分に成果を出せていましたが、それでも制作中に削れた魂が出せた成果によって回復しているかと問われたら怪しい疲弊はしていましたし、今回納得できる作品で満足のいく成果を出せていないこと、その結果資金繰りに困っていること――となればそれはもう苦しい。

 メンタル確保出来たとして、次に資金をどうするか。
 最も簡単なのが身内から借りてくることですね。
 ただ一度しか使えない手です。元々有償作品作る段階でいざとなったら頼って構わないかと数名に確認していたのですが、二度も返せるかわからないけど金貸してとは言えない。相手は大丈夫でもわたしが無理。

 もう一つの手段は外注で稼ぐことなんですが、自作のプログラムを辛うじて出来る次元で他者のプログラミングはしたくないので、シナリオの外注依頼を探すことになります。
 以前作風やらわたしの性格上から外注では食っていけない気質だと話したんですが、それでも次の手として十分選択肢に上がるぐらい追い詰められています。


 本業やバイトで貯金しながら開発したら? と思われるかも知れませんが、それこそわたしには無理です。
 具体的に話すとパーソナルかつセンシティブな話題になるので明言はしてませんが、ぶっちゃけ今吐き出したいです。
 泣き言好きなだけ言いたいですし、何かあった時の免罪符としてあらかじめ残しておきたい気持ちが強くなってきた。自棄だ自棄。


・おわり

 改めてファンの方々には感謝を。
 既存ファンの成人向け行けるかわからない多くの方々も購入して頂いたのを確認していますし、触ったとしても日頃から話題にはしないような方も感想出してくれているのを確認しています。
 とても心強かったです、ありがとう。

 新規ファンの方もレビュー書いて頂いたり、熱いメッセージ送ってくれて助かっています。
 プレイしてくれて本当にありがとうございました。

2件のチップが贈られています

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

Huyumi 2022/06/17 15:33

『ルシアの夢想』あとがき

・はじめに

 『ルシアの夢想』のあとがきになります。
 開発中こんなこと考えていたとか、舞台裏含め作者が好きに語るいつもの場所です。
 作中で語られていない設定などが公開されますが、あなた自身の解釈を優先してあげてください。

 11000字ぐらいあります。
 ネタバレ注意です。




・戦闘システム

 1vs1決戦システム。
 かなり昔から一対一で戦うにあたって盛り上がるシステムというのを考え続けて、ル想の開発時期まで数多の他アイディアに負けることなく生き残っていたんですが……まぁ今のシステムではありませんでした。
 元々上段、中段、下段(もしくは弱中強といった三種属性)の組み合わせで敵の行動と同じ物で攻撃、防御が成功、といった物をベースに考えていたんですが、そういった属性などのじゃんけん要素を最低限ゲームに発展させたシンプルな作品なら『召喚指揮候補生』
 複雑な作品だと同じ同人エロゲの『FalseMyth』が存在しており、

 この両者と違って独自性は出せるか?
 ビジュアルでわかりやすくしているがそれを目指せるか?

 という問いには両方「否」だったので、現存の形である、また別のタイマン最高システムに持っていきました。
 例によって調べてもそれらしいシステムが出て来ないのはわたしのインプット、学習が悪いのか、誰もが考えたことがあるけれど何かしらの理由で破棄される邪道なのかはわからず不安です。新しい星を生み出せるなんて早々無い。

 過去作共通の思想なんですが、まず回復行動を縛っています。
 RPGで回復がコンスタントな行動になってしまうのなら、受けきるステータスと行動を構築するゲームになるんですよね。
 それはそれで極まるとプレイしていて面白いんですが、基本的なゲームテンポが悪くなってしまうので別の方針で開発を行っています。
 ブラッドボーン共々、リゲインシステムの基礎となった『Chrono Ark』ですが、この作品回復能力が強力にもかかわらず、敵の行動がそれ以上に苛烈、そして幾つかのシステム上回復行動は一ターン生き延びて、その猶予で勝利するバランスになっていて面白いです。

 戦闘のテンポを良くしたいという思想もあり、『最果てを目指す』でも攻撃と防御を同時に入力してターンの密度を圧縮しています。
 今回も1ターン基本5行動の中で、その行動では攻防一体になっています。ついでに回復も。
 他ゲーと比較するとこの行動が1ターン扱いになるんですが、情報量が多く、密度を増したことにより、5ターンとして見ても遥かに早いテンポで戦闘が進むのではないでしょうか。

・シナリオ

 気づけばヒロインがラスボスだった。
 特にこれといったきっかけは無かった。
 今まで素材の関係上、ラスボスに関しては狭い範囲から選んで配役出来なかったな、とか。
 ラスボスが自分、ヒロイン、仲間など、近しい人であればあるほど、因縁深い敵になるな、とか(簡単に扱うと裏切りになってプレイ感が非常に不快になるので注意)
 『装甲悪鬼村正』のラスボスは基本ヒロインっていかしてるな、とか。
 たぶん、そんな小さい物が集まって、気づけばそんな物語を作りたくなった。

 いざ作るとなって、真っ先に考えたのはどれだけ話の核を秘密にするかだった。
 察しが鋭い人にはチュートリアル時点であたりを付けられそうだし、そんなに隠し切れる自身は無い。隠そうとすればするほど面白さも隠れてしまう気がする。
 なのであまり隠さずに、三章以降はほとんどの人が理解していけるように情報を開示していく。
 気づいた人にはその段階から、反応を楽しむ物語になればいいなと。
 悪いことをしていると自覚しているヒロインの葛藤や苦しみを、見守るお話。
 わたしの描く登場人物は、どこか自罰的な所が魅力的だと言う人も居るし、プレイヤーとしても同情してヒロインを好きになってくれそうではある。
 もし同情せず、敵意を増すのなら、挑発的な選択肢で反応を楽しんだり、いつも通りEDでコロコロしてもらおう。
 そんなこんなで草案が出来上がりました。


・エンディング

・Aエンド (リタ)
 魔王との戦いを諦め、リタと村で過ごすエンディングです。
 「諦める」ことの肯定は「最果て」でもやっています。
 何故かというと、わたしという人間がとても弱いからなんですね。
 「諦めなければいつか届く」というのは眩し過ぎて、痛いです。
 どれだけ頑張っても出来ないことは出来ないし、そもそも頑張ることすら大変な状況だってたくさんあると思います。
 だから、諦めたとしてもそれを許容してくれる場所はきっとある。
 今諦めたとしても、いつか頑張れそうな時に頑張ってみればいい。
 そんな……そんな、自分が言って欲しかったメッセージを込めました。

 まぁそんなエゴだけじゃなくて、プレイヤーの選択肢の幅だとか、ルシアに対してリタが対称的な存在になっているかとか、今のルシアの本当の心情がどうなっているかとか、たくさん表現できることがあったので自然と実装されたEDでした。


・Bエンド (ルシア)
 本来想定しているものです。

「いつも通りヒロインをEDで好きに出来るぞ!」

 と笑っていますが、今までと違ってどう好きにするかを物語の締めとしてここから全てを作っています。

 もし魔王を許せないのであれば、もしルシアを受け入れようと思うのなら、相応の選択をしてほしいなと。
 そこにどういった動機があるかは細かく描写せず、ただ結果のみで英雄譚を終わらせられるように、"はっきり"とした選択だけを置きました。

 ちなみに、最初に殺す、殺さないを選んだ時、ルシアは逆のことを言います。
 殺すのであれば、殺さないメリットを。殺さないのであれば、殺さないデメリットを。
 彼女としてはどちらの選択でも本当に構わなくて、一度選んだ選択を揺さぶってから後悔のない本当の気持ちを認めて(選んで)欲しい、そんな一念から胡乱な動きをしているんですね。相変わらず不器用。

 さて、はっきりとした選択と前述しましたが、終始どっちつかずの曖昧な選択も用意しています。
 これはAエンドと共通の理念で、是か非か、必ずしも決める必要はないと思うからです。
 そもそも過去の所業が直接描写されていないので、どれだけ悪いことをしてきたのか判断材料がとても薄いので、論理的に選べない余地は十分にあると思いました。
 ……一応、過去にどんなことをしてきたのか、具体的なエピソードは考えているのですが、それを作品内外問わず語ってしまうとルシアを嫌いな割合が一気に増えてしまうと思ったので避けているところはあります。
 死ぬほど癖のあるヒロインですが、好いてくれる人が多いと嬉しいので小細工をしたわけですね。

 スチル。
 タイトル画面にもなっているスチルですが、どれ程の人がこんな結末を予想していたでしょうか。
 手に関してですが、胸に手を添えています。
 「武器、入刀!」みたいなイメージです。ここを狙ってくださいねとはっきりと意思表示しています。

 外套を下に敷いているのですが、まだルシアの余力は残っている証だったりします。
 戦闘中は魔法で構成しているリボンや髪の毛すら一時的に魔力(光)に変えているので、その辺りが溶け切っていない辺りもそうですね。
 ただこれ以上足掻いても勝てるわけではないので、満足した辺りで落ち着いて最後になるかもしれない会話を楽しもうという気持ちが強いです。

 余談ですが一度裏切った(?)女なので、どうもラストの会話付近は胡散臭く自分でも感じ、いきなり背中から刺してきそうな雰囲気が出ていたので、なるべくそう感じないような会話の流れを意識していたりします。



・テーマなど

 キーワードは、
 「罪の実」になります。
 といっても食べると頭良くなるけど、怒られちゃう――みたいな話ではなく。


「過去、許されざる罪を犯したとして、償う当事者が居ないのならその罰はどうなるのか」

「当事者の末裔が許してしまう、あるいは無関心であるのなら罪は罪で無くなるのか」

「罪人が善人に変わったのなら、その生は祝福されるものなのだろうか」

「許されざる罪人が生み出した存在がポジティブな物だったとして、その親である存在の罪と天秤がどちらに傾くのか」


 といった色々と考えてしまう要素が詰まっていますが、まぁ難しいことはどうでもいいんだよ。
 多分、最後にあなたが選択したそれが全てなのだから。


 余談ですが主人公=実のイメージで、ルシアが花になるので、UIには花モチーフのデザインが多いです。
 それもツボミだったり、咲き誇っている物はまるでなく「想い出す」など肝心なタイミングで開花するようになっています。
 この辺り厳密にわたしが指示したわけではなく、なんならUI担当の方に魔王についてまるで教えていないので、結構偶然の側面が強かったりします。
 戦闘中のメッセージウィンドウにある、いばらの棘のような、どこか後ろめたかったり、それでいて優しい感じ! という雰囲気や花というモチーフの希望は、ラフから固める時にわたしが結構選んで残せる立ち位置にはあるものの、指示した物のほうが少なく、ラフのどこにも無ければ残らなかったので、その辺偶然が生んだ産物にしては綺麗だなと感じています。


・キャラクター

・ルシア
 やべー女。
 気づいたら生まれてた、やべー。

 名前の由来は「光」です(意味はラテン語辺りで、発音はポルトガル語辺り)
 強過ぎる光は毒になる、または単純にミスリードとして。
 ぶっちゃけ後付けした感の方が強く、キャラデザが確定してから一番合いそうな名前をずっと考えて丁度良さそうな単語を拾うとこうなりました。

 初めに意識したのは「ロリママ」
 そんなにちっちゃくは無いのだけれど、少女が母性持っているようなキャラを作ってみたかった。

 ただそこから掘り下げていき、ふと付与された属性を振り返ってみると、
「(ほぼ)実母」「従者」「恋人」「教官」「戦闘狂」「求道者」「愉悦部」……パッと思いつく感じでこれぐらい並んでしまうのでそれはもう酷い。
 この状態、もはや属性が整えられたキャラクターというよりは、生身の人間に近いので特に描写を気を付けない方が自然に滲み出て美味しいのかなと。
 物語前半に関してはルシア自身の掘り下げは少なく、世界観や魔王に関しての語りばかりで、彼女自身を好きになるフックは少ないようだが、ここで好きになり過ぎて許す、許さないの選択に影響が出るのも違うのかなと思い特にルシア自身の掘り下げは意識しないことにした。ボロ出そうだし。
 後半に入り、真相を知った上で今までの物語を振り返ると、自然にルシアのことを深く知り、彼女のことが好きになるか、あるいは裏切られた憎悪が膨らむだろう構図はちょっと面白いなと。

 おかしな話ですが、シナリオ書き切った頃合いで、

「あれこの子、かなり酷いことしているな?」

 と悪行を客観視でき(手遅れ)、必死にヘイト集めない構造にしています。
 何百年前の所業と強調したり、未練達が中立ないし、同情的な立ち位置だったり。

 攻略対象のようなキャラがここまでの悪行を、それもやむにやまれぬ事情が別に存在せず行った前例ってあっただろうかと思い返し、辛うじて思い出せた存在としてマキマさん。
 たぶんマキマさんがルシアの固い場所になって、コッコロが柔らかい場所になったんだと思います。たぶん。

 また人として弱点が無いと人間味に欠けると思ったが、貧乳を気にしているという設定をキャラデザの方から早期に取り入れたので、まぁ弱点自体はあるっちゃある。
 (魔法で見た目コントロール出来るのに、貧乳にコンプレックス感じているのは大人になっても胸だけは育たず、そこだけ盛っても癪だからという僅かな抗い)

 他には「主人公」かなと。
 物理的には最終的にはそうなるのだが、精神的にも弱点になっている。開幕魔王を一度殺してるし。
 ほとんど依存に近い溺愛をしているので、何でも受け入れる。早期に言葉で説得出来たのなら、魔王としての振る舞いも諦めてくれる。
 そのためAエンドでは、主人公がそう望まなかった故に戦うこと、自らの武を磨いたり確かめる――魔王行為に関しては辞めてしまっている。
 そこから主人公と彼女が向き合って、改めて魔王が死んだことを確認したり、再び同じ人生を歩む可能性がどれ程あるのかはわたしは知らない。プレイヤーが決めた解釈でいいと思う。


・リタ
 サブヒロイン……というかサブキャラですね。
 役割としては"世界"の代理人。
 守られるべき無辜の人々の一人であり、主人公とルシア二人の世界を外から観測するのが主な仕事です。
 大体こんな子が居るという意識を植え付けたいだけで、リタ本人の掘り下げはほとんど行われていません。
 村イベントでルシアの掘り下げのついでとか、世界観掘り下げのために質問役が主ですね。
 あんまりキャラが立ってルシアから意識を逸らされても困るが、完全に存在感無くてもそれはそれで困る。

 彼女一番の見せ場は、転機イベントでしょう。
 この時、選択に応じて大体その意思を尊重しつつ、リタの人間性が掘り下げられます。
 そして戦わないと決めるまでに、リタが戦わなくていいと言うことはありません。
 あくまで判断はあなたが決める物で、リタとの会話はそれを確認するものに努めています。


・主人公
 プレイヤーである、あなたの分身。
 ……だけではまぁ説明が付かないので最低限考えていることなんかを語ろうかなと。

 一人称に関して。
 前回と同じで「私」にしています。
 一つは中性的なイメージにしたかったこと。
 もう一つはルシアが用いている一人称のため。
 主人公は生まれたばかりの雛鳥で、少なくとも序盤、ルシアは親鳥であり、自分以外の人間全てでもあった。
 だから、魔法が使えるのは当たり前だと思っていたし、ルシアと同じように戦えるのも"普通"だと思った故に、規格外の"化物"に至れた。
 この辺プレイヤーの意識とかなり共有出来ていると思うし、チュートリアルでルシアが教えられなかった細かな部分はゲームシステムが教えてくれているので、より成長が早い説明にもなったりして気に入っている。


・スチル

 イラスト方面でまだ語っていない箇所があればそれを纏める項目です。

 視点について。
 イベントスチルの視点位置ですが、基本的に主人公側の主観に見える位置に設置するよう徹底してもらいました。
 もちろん没入しやすいようにですが、割と問題が多くて構図に激しい制限が掛かってしまいました。
 大体似たような感じになってしまう上、描いていて恐らく大変かつ退屈だったのではないかなと。
 特にえっちなイラストではより問題になり、重要な部分がメッセージウィンドウの位置から出せなかったり、描いて魅力に映るシチュエーション、体位の数が限られてしまいます。

 この辺、今後捨てるべきこだわりであるなと感じます。
 没入感よりイラストとしての魅力が優先されるべきだと思うので。
 ……と言いつつ、なんとか鏡やカットイン駆使して維持していけないかなぁと企んでいます。大切なんだ、わたしには。


・アダルト

 例によって全年齢向けCi-enなのでふわっと語ります。

「なんか書けるんじゃね?」

 という思春期みたいな万能感が制作前からありましたが、書けましたね。
 前半はエロく、後半は愛のある感じに描けているのではないでしょうか。

 あと書いていて気づいたんですが、地の文削った上に単独ヒロインだと実況プレイや言葉攻めみたいな雰囲気にしかならない。
 ぶっちゃけ喘いでいる余裕すらテキストには無いので、ご奉仕系メインの作風で良さそうです。そっちのほうが好きだし。

 結構全年齢とスチル使い回したりしています。
 これコストが限られている苦肉の策で、全年齢シーンを少しでも豪華にしたいという一念からでした。
 予算確保できなかった以前に、予算確保できていてもこの辺アダルトに割くか全年齢、戦闘方面に割くかの割合なので、この辺のバランスは今後も悩むことになりそうです。


・ルシアの生涯

 以下ルシアの略歴です。
 どうしてああなったのか、自分が納得のいく物を書いただけの物です。
 これで本記事は終了です、閲覧ありがとうございました。



・生まれてから
 人口三桁もいかない小さな村に、猟師の両親の間に長女として生まれる。
 親はあまり猟師の生々しい生活に触れさせる気は無かったが、ルシア自身は刃物や弓矢、剥製、生肉といった存在に興味や忌避感は薄く、子供にも出来るようなお手伝いをして過ごしていた。

・9歳頃
 少し離れた妹が生まれ、彼女の面倒をみつつも両親の仕事が気になり、狩りに同伴することも増えて来た。
 父親と二人で狩りに行った時に盗賊三名に出会い、父親は盗賊も予期せぬ重めの一撃に出血しながら意識を失う。
 僅かながら先に動揺を抑えた盗賊がルシアを攫おうとするが、ルシアはその場で抵抗を続け、盗賊達の暴行は少しずつ激しくなっていった。
 この時のルシアの心境としては、自分が耐えていれば頼りになる父親が起きて救ってくれる、また父親の回復を願うものだった。
 その疑いの無い願いが魔法として治癒能力を発現させたが、肉体操作の魔法は他者に影響を及ぼさず、結果として行き場の無い想いがルシア自身へ治癒能力を付与する。
 軽く殴ったりする程度の暴行ではルシアはまるでひるまず、盗賊の手段は武器を用いたり、手足を折ったりする損傷も視野に入れた攻撃に移っていく。
 一向に目覚めぬ父親と苛烈になっていく攻撃に、ルシアは父親の身に付けているナイフを手に取り反撃を始める。
 当然子供の攻撃はものともしない盗賊達だったが、長時間の攻防により盗賊達は疲労が始まり、ルシアは彼らの武器の扱い方や、普段家で行う狩人としてのお手伝いを思い出し、ナイフを上手く扱えるようになっていく。
結果血を流し、骨折れようとも立ち上がり続けたルシアは盗賊一名の殺害と、残りの撃退を行い窮地を脱する。

 父親の様子を確認するが、しばらく前に出血が多く事切れていた。
 使い方のわかった魔法により、時間を掛けて重傷の治癒と肉体を強化し、悲しみを堪えながらも父親の遺体を抱えて村に帰還する。

 しばらくは消沈していたルシアだが、妹を支えるためにも落ち込んでいられないと前を向こうとする。
 この時良かったことを思い出そうとし、一番強烈な感情は盗賊を撃退した時の物だったことを認知(誤解)する。
 生き延びたこと、大人の男性複数に武力で抵抗出来たこと、短時間で今までの経験含め成長に繋げられたこと、そして父親の安全を確保できるという様々な感情が混ざりあったポジティブな感覚だったが、これをルシアは闘争の快感だと認めた。これが魔王の種になる。


・15歳頃
 妹も十分育ち、母親と共に狩人としての生活を支えるが、この時既に戦闘能力自体は魔法を扱えない母親を超えていた。
 それでも技や知識では敵わないので、あくまで学ぶ身として従っていたが、ある日獣により母親が脚部へ重傷を負う。
 満足に歩けなくなった母親は外での活動は行えなくなった。
 ルシアは妹を守りながら狩人として活動する自信は無く、兵役に服せる年齢にもなっていたため、大きな都市へ出稼ぎに行くことを決意する。その動機の一つとして、治安維持に微力ながら力を貸し、父親のような悲劇を減らしたいというものがあった。

 兵士として訓練を受ける日々を送るルシア。
 最低限の武器の振り方や扱い方、身体の動かし方は身に付けていた物の、兵士としての対人技術は新しくもあり、適正もある技術だった。
 また村や兵士としての日々でも魔法使いは身近にまず存在せず、居たとしてもルシアほど能動的に扱える物では無かった。そのため戦う手段として魔法を用いたり、日常品を魔法で生成し、長時間維持する集中力のトレーニングを行い、兵役やまた何か有事が発生した時に備えていた。

 給料の大部分を仕送りにしていたため、ルシア自身の生活は貧しい物だった。
 狩人としての知識を利用し山菜などを手に入れ、それを調理し小腹を満たしたり、街を散歩することで色々な刺激を得たり、人々の生活を観察することが趣味であった。
 衣類や装備の手入れをすることも日常的で、その中で装備品の構造を理解し、後に魔法で作り上げることにも繋がる。

 知識に対する興味もあり、兵士向けに無料で開放されている書物を読んで、まず文字を学ぶところから始めた。
 この時、誰かに教えを乞うことはなく、効率が悪くともあくまで自らの力のみで学んでみたいという欲求を優先し、ここから数年間文字を学ぶ日課を続けた。
 意外と苦手かつ、そこまで時間に余裕があるわけでもなかったので時間が掛かった。

 少女にして兵士というのは珍しく、酔った勢いで襲われかければ適当にボコボコにし、恋愛的アプローチをされてもルシアはいまいちその辺の機微に疎かったため断り続けた。
 彼女からしてみれば興味があることは強者や自らの強さへの探求であったため、様々な人々を好きになる事はあっても、自らより強くないため愛することは出来そうになかった。


・18歳ごろ
 変わらず兵士としての生活を続けて居たところ、近隣の情勢が悪くなり、他国との小競り合いが多くなって来た。
 ある日大規模の戦闘が迫っている時、使えそうな兵士を集めている段階でルシアは真っ先に志願した。
 全ては治安を守るためと、自らの探求心のために。

 その大規模戦闘が想像以上激化し、自軍は戦線を下げたのだが、少数の部隊は撤退が間に合わず前線に取り残された。
 その中にルシアも混ざっていた――いや、意図に取り残された。
 敵軍から降伏勧告が通達される、悪いようにはしない、これはあくまで政治による戦争であるため兵士である君達に恨みはない、と。
 仲間内で降伏するという意見がまとまりつつあることを尻目に、ルシアは装備の手入れを終え、弓を取った。
 そして敵軍目掛けて射った。慌てて仲間が取り押さえるが、その重装備ごとルシアは数メートルも投げ飛ばした。

 ここまで追い詰められ、絶望的で、命を奪うことが合法になる環境は他に無い。
 自身の安全? 家族の未来? 味方の処遇? 自国の勝敗?
 普段から大切にしていたそれも、今はもう関係無かった。
 これ以上の闘争はもう一生訪れないと思ったから、人は追い詰められた時に最も成長できることを彼女はよく知っていたから。

 彼女単独による戦闘は三日続いた。
 囲まれても切り抜け、寝込みを襲われても魔法が闘争心を活力に変え、化物相手に無理だと撤退する兵士を追いかけては殺した。
 唯一、魔法使いの優秀な兵士だけは死にかけたが、運良く勝利出来たルシアの頭の中は、魔法を上手く使える戦士は強い、そして相手の魔法を用いた戦闘技術だけだった。

 三日後、一向に攻め入って来ない敵がどういう動きをしているのかを確かめる偵察兵が見たのは、敵から略奪した食料を呆然と与えられるがままに食していた、ルシアと他の兵士だった。


・20歳頃
 理外の戦果を上げて、化物が居る国を攻める必要は無いと安寧を勝ち取ったルシアは英雄と崇められていた。
 ただ誰かのためではなく、自分のためだけに戦っただけの自分が英雄とは呼ばれるのは不本意で、得た名声に付きまとう諸々が面倒でルシアは国を逃げ出した。

 その時莫大な富を実家に送ったのを最後に、家族のことを意識することはほとんどない人生に変わる。
 実際生きるのに困らないほどの富を得た母と妹は、当分の間平穏に暮らすことが出来た。

 ルシアの容姿としては、若い女性として(胸以外は)順調に育っていた。
 ただ様々な想いを抱え村を出た、そしてまだまだ成長できる余地がある見た目ということで、これからは十五歳前後の見た目を維持するようになる。

 気ままな旅を続ける中、世界を知ったり、強者を探し求めたり、戦いの気配に引き寄せられていると、竜が近くに居るという町にたどり着いた。
 そして(竜にとって)折悪く、若者が竜の住処からタマゴを盗んで来た。
 大切なタマゴの在処を突き止め、理知的だった竜は町に対してタマゴを無事に返し、盗人に粛清さえ出来るのであれば他に一切被害を与えないと交渉をした。

 町全体の総意として、直ちに盗人とタマゴを確保して許しを請おうという中――ルシアは初めて見た竜に理知的ではなかった。
 町へ大量の被害を出しつつ戦闘が始まり、竜が空からブレスを吐こうとすれば、タマゴを人質に手の届く範囲に竜を引きずり落とし、二日ほど続いた死闘の末、ルシアは竜へトドメを刺すことに成功した。

 少なくない死人と、大きな町への損害が発生したが、誰もルシアを批難することは出来なかった。
 熱で目は潰れ、片腕片脚は千切れ、全身無残な火傷を負っていたが、それでも治癒を始めている竜より恐ろしい少女がそこ居たからだ。
 百メートル近く離れた家の影から陰口こそ叩かれたが、流石に自分が悪いと甘んじて受け止め、少しでも贖罪になればと価値ある竜の遺骸は全て寄付した。

 その日の晩、久しぶりに食べた晩ご飯はとても美味しかった。
 竜のベーコンエッグはまた食べたいなとルシアは思った。


・40歳頃
 初めて竜殺しを果たしてから、飛ばれようとも、ブレスを吐かれようとも様々な対処法があるとルシアは学んだ。
 そして今までより遥かに強大な敵単体であった悦びを噛みしめながら、世界各地に存在する竜を見つけては殺して回った。

 絶滅が近くなった竜達は人に協力を求め、ごく一部の危機管理能力が高い人々――ルシアの闘争心は人類にも脅威になり得ると気づいた人々は竜に乗り、ルシアとの最終戦争が始まったが勝者はただ一人だけだった。

 この時ルシアは確信する。
 種として強いのは竜ではなく、それに勝利した私という人間なのでは、と。


・70歳頃まで
 流石に同族殺しには忌避感があり、人類の秩序を乱すのは善意が苛む。
 世界を旅し、強者を見つけては試合を挑む日々を続けていた。
 けれど届かない。
 竜に届いたり、それを超える戦士は時折居た。
 ――それでも、ルシア自身には届かない。

 渇きに堪えられなかった。
 人生の大部分で求めていた強者、自らの限界を確かめられなくて。

 自分を思い返す。
 コツを得る環境を整え、逆境で咲き続けた武力の華を。

 魔王を、始めよう。


・400歳前後
 95%ほどの人類が消滅しており事実上世界滅亡。
 うち60%ほどをルシアは直接手にかけており、残りは文明崩壊による自然死や物質の奪い合いなどによる争いによる減少。
 この時点でルシアは1からの英雄育成を諦めて、0から始めるため200年間不眠不休で新しい命の誕生を祈る。

 この時居場所を察知した勇者などは「敗者」や「従者」に食い止められたり(前者はただ人を斬りたかっただけ)
 既に発生していた作中には存在しない未練と戦って沈静化した魔王は見て見ぬふり状態。

 家族に関しては、母親が高齢で生きていたとしても、魔王の攻撃の余波により消し飛んだ。
 妹は勇者として直接魔王に討たれた説が濃厚。
 家族側からはルシア=魔王という認識の材料が少なく認知出来ず、失踪こそしたものの一生困らない稼ぎを送ってくれたし、ルシアとしても家族は故郷で仲良く暮らして老衰でもしていると既に過去の物扱いなので、"家族仲"は最後まで悪くなかった物と言える。

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

Huyumi 2022/06/10 00:17

【新作】『ルシアの夢想』リリース開始です

・本文

 『ルシアの夢想』無事発売しました。よろしくお願いしますー!

 大体こんなゲームです。








 感想はもちろん、バグ報告なんかもCi-enやTwitterなどに適当投げてもらえると助かります。
 レスポンスはあんまり良くないかも……!
 Ci-enの前回記事にもコメントして貰えたのとても嬉しかったんですが、なんかいい感じの返事思いつかねー! って結局放置してしまってます。返せなくてすみません、とても嬉しかったです。
 他、Twitterなどはエゴサに引っ掛かれば大体目は通してます。ほんといつもありがとうございます。


 体験版も同時に配信始まりますが、全体の七割遊べるので買うか悩んでいる方はそちらからどうぞ。
 この体験版に関する方針に関しては前回の記事で詳しく書いてるので気になる方は。

 自ら売り上げ落ちるような真似しておいて言うのもあれなんですが、体験版触って今回は合わなそうだけど、Huyumiというクリエイターの今後に期待出来そうであればCi-en側でお金投げてもらえると助かります。
 今後の作家生命――この方針を続けられるのか、リリース頻度、クオリティ、開発規模――などに影響してくるので何卒。
 手数料の都合上、100円プラン一年入るとル想が二本売れた以上の所得が発生したりします。

 一度でもお金投げてくれた人、改めてありがとうございます。
 普段何かしらのリターンは用意出来ませんが、こうして一年開発を続けて来て胸を張って出せる作品を生み出せました。応援してくれた皆さんにとって、どうか好みのゲームでありますように……!

  • アイコン
    綿雨 ID01227130
    おもしろかったです。今後も楽しみにしています。
  • アイコン
    つづり ID00574290
    お疲れ様です。ちょっとだけ美味しい晩御飯を食べてください

2件のチップが贈られています

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

« 1 2

月別アーカイブ

限定特典から探す

記事を検索