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しずれさん応援プランの記事 (157)

『新世界より』を読んで

ある夏の日のことでした。
私は空港で手持ちの本を読みつくしてしまったため、急遽構内の本屋さんでフライト前に手頃な本を買い求めたのです。

ところが、空港内のこじんまりとした本屋さんですので、それほど幅広い選択肢があるわけではありません。
目に入ったのは、『新世界より』。……全然手頃じゃねーな。

それは刊行当初の2008年から、話題になっていた作品でした。
当時から私はその巻の分厚さに恐れをなし、なかなか手が出せずにいたのです。
これも一つの縁かと思い、私は上巻を買って搭乗しました。離陸後、読み始めると……

エッチエチの、エッチッチ!
1000年後の未来は、フリ●セ●クス推奨の時代。女同士でも男同士でも、ところかまわずず●こんば●こん!
しかもヒロインは髪の毛の赤い女の子!
NL寸止め手●キシーンもあります!!

……失礼しました。あまりの煽情的な描写に、つい興奮してしまいました。
何しろ今はまだ原作のみの感想を書くべく、アニメ版は未視聴の状態なのですが、あまりのエロさに我慢できず同人誌は先に読んでしまいました。

まりあかわいいよまりあ。

さて、肝心の感想ですが、実は巻末の解説(※文庫版)が完璧すぎて、あまり書くことがありません。
それでも内容が重複しない範囲で特筆すべき点を述べていきます。

本作は強力なプロットを持つエンターテイメントでありながら、強烈なメッセージ性を秘めています。
無限の攻撃力を持つ我々自身を、我々はどのように統制すべきか。
その問いに対して「抑圧」に答えを見出した社会から、物語は始まります。

『虐殺機関』や『ハーモニー』を彷彿とさせる哲学的なSF世界。
主人公は闘争と破壊の末に、次なる答えを見出すところで物語は閉じられます。

1000年後の未来というと壮大な世界観ですが、やはり現代の(作中では古代とされている)文明はすでに崩壊しているんですね。
茨城から東京へ遠足に行くシーンでは、世界樹の迷宮の遺都シンジュク感があって素晴らしいです。

巻末の解説でも語られいましたが、科学文明崩壊前後の物語が読みたいです。
クロノトリガーの未来世界感があります。
で、『新世界より』で語られている1000年後の未来世界は、クロノトリガーでいうところの古代世界の感じ。

「未来よりも古代のほうが繁栄していた」という圧倒的な皮肉をクロノトリガーで感じていましたが、『新世界より』では「現代(1000年後の未来)よりも古代(我々読者の生きる現代)のほうが反映していた」という皮肉を、同様に感じます。

それにしても日本国外の話は作中を通してほとんど語られてこなかったので、「きっと何か重大な伏線に違いない……!」と思って読み進めていたのですが、とうとう話に関与することなく最後にチラッと言及されるだけで終了しました。
一体他国はどうなってるんだ……

貴志先生の次回作に期待です。

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チャーチルの『第二次世界大戦回顧録』を読んで

ずっと本棚の肥やしになっていたウィンストン・チャーチルの『大事に世界大戦回顧録』、やっと読み終わr……

失礼しました、『第二次世界大戦回顧録』ですね。

ロシアによるウクライナ侵攻をきっかけに読み始め、アニメ化した『スパイファミリー』を見ながら読み進め、『プリンセス・プリンシパル』を見ながら読み終りました。そして今、『スパイファミリー』の2期が始まろうとしています。

ロシアはヤベー国です。

この記事の原稿を書いているのは10月初旬。
記事が公開された頃にも戦争は終わっていないと思いますが、まだ核が撃たれていないことを祈ります。

話を戻してチャーチルの『第二次世界大戦回顧録』、そのハイライトは何といってもソ連との対立、そして核開発でしょう。
本書を読むと冷戦(に続く対立)は二次大戦が終わる前から始まっていたことが分かります。
ヒトラーが相手だから仕方なくスターリンと手を組んでいたチャーチル、世界を地球儀みたいにくるくる回しながらあの暴君に手を焼いていた苛立ちがありありと伝わってきます。

こんな激おこぷんぷん丸な電報、ほんまに送って大丈夫なんか? とドン引きするレベルのやり取りが赤裸々に綴られています。

そういえば二次大戦の40年ほど前には、日露戦争のために我が国もレーニンに手を貸しているんですよねぇ……

ソ連を出し抜いて核開発に成功したアメリカは、イギリスとともに二次大戦を勝利に導き、後のNATOへと繋がる大西洋憲章なる構想を立脚します。

しかし、その後わずか4年でソ連が核実験を成功させ、アメリカの核の優位性は霧散します。

二次大戦終結後の冷戦や核開発競争云々のくだりは本書では語られていないのですが、その予兆となる部分がありありと描かれています。

その他、気になる部分をピックアップ。
※内容間違ってたらすみません。

■フランス侵攻
マジノ線で防衛された独仏の国境を避けてベルギー、オランダを蹂躙しながらフランスへ侵入したドイツ軍。
銀英伝でイゼルローン回廊を通れないからフェザーン回廊を突破した帝国軍のことを思い出しました。歴史上このような出来事は多いのかもしれませんが。

■ダイナモ作戦
英仏海峡を隔てての撤退戦。全編を通して一番印象的な戦いです。
歴史をあとから振り返れば二次大戦における英仏は間違いなく「同じチーム側」の国家なのでしょうが、戦時中に他国の軍隊が突然軍港に押し入ってきて片っ端から艦船を徴発していくっていう、スピード感がすごいです。「書類は後追い、実務を先に勧めよう」のレベルMAXがこれって感じ。

■バトルオブブリテン
イギリスの本気。二次大戦の雌雄を決した点の一つはここじゃないでしょうか。
英国空軍は緊密な情報連携により本土上陸を目指すドイツ空軍を退けました。
航空管制って大事なんですね。

■Uボートのパラダイス
全編を通じて度々語られているのがドイツ潜水艦による通商破壊。後述の通りアメリカは大西洋を隔てて英国と欧州に物資を輸送してましたので、これは当初かなりの成果を上げていたようです。
よく日本は潜水艦を艦隊決戦に用い、ドイツは通商破壊に用いたって言われてますけど、それもそうなのかもしれませんね。たぶん、大西洋と比べたら太平洋にはそれほど輸送ルートがないでしょうから。

■アメリカ参戦
日本が太平洋戦争を始めるまでアメリカも対独参戦しなかったっていうのは本書を読むまで知りませんでした。もっと早くからやってるもんだと。
それまでのあいだアメリカは大西洋を隔てて英仏の支援に専念するんですね。武器の供給とかで。これは2022年のロシアによるウクライナ侵攻とまんま同じ構図です。言い方は悪いですが、どれだけ自分の手を汚さずに相手を消耗させられるかがアメリカの作戦構想。

■イタリア上陸
シチリア島だったでしょうか? 連合軍がイタリア上陸の橋頭保にした拠点。ノルマンディー以前はこれが史上最大の作戦だったことを思わせます。
なんとなくですがイタリアのほうが国土の形状があれだから上陸作戦っぽさが増しますよね。

以上です。
『プライベート・ライアン』でトム・ハンクス演じるミラー大尉が甲子園の土みたいに戦地の砂を缶に詰めてて、それがそれぞれ「アフリカ」、「イタリア」、「フランス」って書かれてるんですね。
本書を読むと連合軍は北アフリカ、イタリア、フランスという順に進撃しているので、「あー、だからあの3つだったのか」と納得しました。

この記事では詳述しませんでしたが、東部戦線についても語られていますので、未読の方は是非。

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喜多ちゃん総受け論考

髪の毛が赤い女の子は可愛い。
喜多郁代は可愛い。
郁代という名前も可愛い。
喜多ちゃんという呼ばれ方してるのも可愛い。
喜多ちゃんがリョウ先輩にぞっこんなのも可愛い。
もう百合しか見えません。

眼が視野に属さぬように、主体は世界に属さない。

ぼっちちゃん×リョウ先輩の百合も尊い。
4話でリョウ先輩がお店でカレー食べてるところにあとからやってきたひとりちゃんがもじもじしながら逡巡の末に勇気を振り絞ってリョウ先輩を凝視するシーン最高すぎませんか??? あまりにも百合すぎるでしょう。言葉も出ません。

語りえないものには、沈黙しなければならない。

一人でいることが好きで一人でいるリョウ先輩と、一人でいることしかできなくて結果的に一人でいるぼっちちゃんとのあいだに横たわる深い溝。切なくて苦しいです。

話の切り出し方が分からなくて戸惑うぼっちちゃん。
「早く歌詞見せて」とマイペースに切り出すリョウ先輩。
この温度差、あまりにも尊すぎるでしょう。
お互いがお互いを量りかねている関係が素敵です。

世界の意味は、世界の外側に存在していなければならない。世界のうちでは、一切はあるがままにあり、起こるがままに起こる。世界のうちには、いかなる価値も存在しない。
それゆえ、いかなる百合の命題もまた存在しえない。

6話でチケット全部売りさばくぼっちちゃん。
8話でライブを盛り上げるぼっちちゃん。
覚醒ぼっちちゃん可愛すぎか?

結論。ぼっちちゃんはかっこよくて可愛い。

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電動自転車、実際に買ってみた

「電動自転車、置いてます?」
「ありますよ。二階に」
「エレベーターはどこですか?」
「階段しかないですね」
「電動自転車ってママさん向けなのにわざわざ二階に置くなんて」
「ベビーカーをお預かりすることは可能です」
「ほんとですか? 助かります!」
「すみませんが、お子様は下ろしていただいて……」
「ですよねーww」
「ところで、なぜ電動自転車を?」
「引っ越したら保育園が遠くなって詰みました。この辺、坂が多くって」
「道中に5軒くらいバイク屋あったと思いますけど」
「原付で二人乗りは違反ですよね」
「斜向かいには車屋も」
「免許持ってないんです」
「あっ……(察し)」
「それより、電動自転車ってたくさん種類がありますけど、何がどう違うんです?」
「ぶっちゃけどれ選んでも変わりませんよ。電池が本体で、あとのパーツは飾りです」
「電池が本体」
「はい。そうです。車体重量的にも金額的にも、電池が本体といっていいくらいです」
「やっぱり車体は重いんですか?」
「そりゃあもうすごいです。子供乗せて走りますし、タイヤの空気すぐ抜けるのでまめに入れてくださいね」
「バッテリー切れたら詰みですね」
「まぁ一週間くらいはもちますよ」
「やっぱり電池ってパクられるんです?」
「実際言うほどパクられるかどうかは議論の余地を残すところですが、当店ではチェーンロックでバッテリーとサドルを繋ぎ合わせて施錠しておくことをお勧めしています」
「しかしバッテリーとサドルが固定されていてもタイヤは動いてしまいますね」
「チェーンロックもう一本買ってください」
「いや、チェーンロックは一本でいいです」
「本当にいいんですか? 今なら盗難保険にあわせてお得な損害保険もついてきますよ」
「事故らなければどうということはありません」
「って思うじゃないですか。5年前に駅前で起きた自転車事故の賠償金は1億円にも上ったそうです」
「そ、そそそ、そんな1億円だなんて宝くじ当たる確率よりも低いですし」
「保険は入っといたほうがいいですよぉ」
「事故が怖いので自転車乗るのやめて歩きます」

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『すずめの戸締り』で鈴芽が新幹線に乗るときだけマスクをしていた理由

『すずめの戸締り』を見て。

まず冒頭。いきなり濡れ場から始まります。
喘ぎ声がエッチエチのエッチッチ!

次に中盤。家出少女の物語。
風呂に入らず洗濯していない服を着たままの女子高生クンカクンカスーハースーハー!!

そして椅子化。相変わらずのフェチ感。
「座っていいですか?」
「だめだだめだ!」
「いいですよね?」
「あっ、そこはだめだ……そんな……あっ」
背面座位がエッチエチのエッチッチ!

少し気になるのは主人公の制服がダサいこと。なぜかそこだけ地元九州のリアリティ。
愛媛で出会った行きずりのギャルJKのほうがセーラー服でエッチエチのエッチッチ!
あんなにばっちりメイクのギャルJKなのに献身的に旅館で働く健気さがたまりませんね! 夏っぽさ漂う青と白のセーラー服に金髪のショートボブがまぶしいです!
マジでこのギャルJKと主人公のめくるめく百合色の物語に期待しました。早く同人誌出ないかな。

総論として、椅子がエロい!!
椅子にされて身動きを制限され、いたいけなJKにあんなことやこんんことを……

それにしても気になるのは、なぜか新幹線に乗るときだけ主人公がマスクをしていた理由です。そこだけコロナ対策? 他の乗客はノーマスクなのに。

誰か教えて!

それにしてもシングルマザーで自営業でスナックのママで子供が双子って大変ですね。
お子さんのいる人はこの映画見ちゃダメです。泣いちゃうので。

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