春階一佐 2021/11/01 20:00

【糖分アイスフロート】斎木香深 プロフィールと解説


※この記事には「糖分アイスフロート」のネタバレ要素を含んでいます。
※この記事は2021年11月30日までの期間限定で全体公開されます。翌月になると支援者様限定公開に切り替わります。
※現在は支援者様限定公開に切り替わっています。
※現在作者療養中につき新規記事を停止しているため全体公開キャンペーンとなっております。

今回は「糖分アイスフロート」に登場する香深についてのデータ公開&解説をしようと思います。

01【名前】
斎木香深(さいきかふか)

02【年齢】
16歳

03【誕生日】
11月2日(誕生花:ルピナス/花言葉:空想、あなたは私の安らぎ)

04【性別】
女性

05【身長】
154cm

06【体重】
43kg

07【血液型】
B型

08【職業】
高校生

09【出身】
神奈川県横浜市青葉区あざみ野

10【現住所】
神奈川県横浜市青葉区あざみ野

11【好きな色】
ボルドーレッド、クリーム色、茶色、くすみカラー

12【好きな食べ物】
コーヒー、温野菜のサラダ、コーンポタージュ、塩麹、マシュマロ、ホットココア

13【苦手な食べ物】
炭酸飲料、辛いもの

14【その他好きなもの】
小説、図書館、プラネタリウム、綺麗なお花、パイル、ガーゼ、シフォン生地、ラベンダーのポプリ、膝掛け、テディベア、薬用のリップクリーム、ハンドクリーム、踵の低い靴、オルゴール

15【その他苦手なもの】
強烈な香水の匂い、煙草、アルコールの強い化粧水、不潔な場所、虫、騒音、排気ガス、埃、花粉

16【友人にしたいタイプは?】
優しい人、穏やかな人

17【恋人にしたいタイプは?】
優しい人、穏やかな人

18【許せないと思うことは?】
約束を守らない人、信用に足らない人、浮気



概要

斎木香深のテーマは「ヒロイン」「ある種の都合のいい女」です。
恋愛ゲームに限りませんが、主人公にとって都合のいい存在とはどんなものでしょうか?
色々な観点からの議論ができそうですが、ひとつの在り方として「主人公を立ててくれる」「主人公を肯定してくれる」「主人公の思いどおりになってくれる」などの要素が挙げられそうです。
香深はまさにそういった要素で構成されています。
香深は「ヒロイン」という位置づけの人物です。
導入部分から無理なく好感を持てるように描写したつもりです。(ここは人の好みにもよりますが)
兎衣の話を遮ったり、あからさまに対立意見を提唱したりはしません。
兎衣が「喜んでほしい」「照れてほしい」と期待すれば、期待通りの反応を示してくれます。
そういう意味で、「都合のいい女」です。

兎衣のコンプレックスを刺激しない

香深は外見こそかわいらしいですが、取り立てて特技や才能があるわけではありません。
兎衣は幼少期より「人と違う特別な存在になりたい」という強い願望を抱いてきたので、「人と違う特別な存在」の人物が兎衣の隣に立つと兎衣は劣等感に押し潰されてしまいます。
なので、兎衣にとって心地よい存在というのは、兎衣を大きく上回るほどの才能を持ってはいけないのです。
香深はその点で兎衣にとってコンプレックスを刺激しない、心地よい存在と言えるでしょう。
また、香深は生まれつき少し身体が弱い傾向にあるので、庇護欲をかき立てられるような一面があります。
香深を気遣ったり、助けたりすることで兎衣は無意識のうちに自己肯定感を得ているようです。

香深ハッピーエンド(ED5)について

香深を選んで二人で幸せになる、というのがED5のざっくりとした内容です。
果たして兎衣と香深はその後も幸せな人生を歩めたのでしょうか?
作者の見解としては、まあ二人幸せに暮らせるのでしょう。と思います。
何故なら兎衣は香深を助けることに生きがいを感じるし、香深は兎衣に助けられてありがたみを感じるからです。お互いの需要と供給が噛み合っているので、ひとまず幸福感や充足感は得られるでしょう。
しかしこの二人というのはどこかお互いを甘やかし合うところがあると思います。
楽な恋愛ができるでしょうが、人間的な成長はあまり望めないように感じます。

悪い言い方をすれば、お互いの平凡さや取るに足らなさに対して、見ないふりをして傷を舐め合うような関係になるのではないか、と危惧します。
二人の人間の成長が停滞するという意味で、いちばん数字が多い(=トゥルーエンドに割り振られたED1という数字から遠い)ED5という位置づけを割り当てています。

香深バッドエンド(ED3)について

香深のバッドエンドのテーマは「理想的なヤンデレヒロイン」です。
ハイライトのない瞳に返り血、というヤンデレヒロインのテンプレートを体現した香深は、ヤンデレゲーに期待される模範的な行動をとっていると思います。
ここでもまた香深は「理想や期待を裏切らない」という役回りを担当しています。
また、香深は文学少女なので、人生を物語に喩え、自分や兎衣やソーダを登場人物と喩えます。
自分に割り当てられたキャラクターイメージを損なわずに演じ切る、という言い方をしてしまうとメタいのですが、このあたりにも香深のフィクション性ヒロインとしての模範を感じ取っていただけると嬉しいです。
香深はかわいい以外に取り立てて特技や才能があるわけではない、と前述しましたが、ソーダと香深のどちらがフィクションじみた人物かというと、作者の見解としては香深だろう、と思います。
主人公(兎衣)の望む行動しかとらないある種の完璧さ、都合のよさは、香深を非現実的人物たらしめているといえるでしょう。

香深と本当に相性がいいのは?

香深は好みのタイプとして「優しい人、穏やかな人」といった要素を挙げています。
確かにそれもよいのですが、さらに言うのであれば「ダメな時はダメと言ってくれる人」が望ましいでしょう。
ED1以外の時間軸の兎衣ではダメな時にも甘やかしたり譲歩したりしてしまうので、この場面でははっきり言わないと……といったシーンではきちんと意見できる人の方が相性が良さそうです。
実際ED1で香深が付き合っている相手の女性というのは、良いときは良い、悪いときは悪いと言える人を想定しています。
また、香深の「友人にしたいタイプ」と「恋人にしたいタイプ」は全く同じなので、香深の恋愛観が「友情と愛情を同じ直線上に並列しているタイプ」であると読み取れます。これは、香深が人間関係に対して「安らぎ」を重視しているからでしょう。

兎衣と香深の距離感

ED1での兎衣と香深は恋人という関係には至りませんでしたが、また別のかけがえのない関係を築けたのではないでしょうか。
恋愛は他の関係性(家族愛、友愛、仕事上での信頼など)の上位互換ではありません。
恋愛は恋愛、友愛は友愛、信頼は信頼と、それぞれ別のものとして、代替不可能な関係性であり、どちらが上だとか下だとか決めるものではないと思うので、ED1で二人が恋愛関係にならなかったことがBADな展開だとは思いません。
16歳の彼女たちはお互いを甘やかし合う都合のいい存在でしたが、26歳の彼女たちはそうではないようです。
長い年月をかけて、ぶつかったり、分かり合ったりしていくうちに、良い意味での遠慮のなさが垣間見えるようになったと思います。

終わりに

ここまで読んでいただきありがとうございます。
今回の記事では斎木香深というヒロインをフィクションの人物としての角度から切り込んでみたので、キャラクターに対して実在性を重視する方には咀嚼しづらかったかもしれません。
ただ、フィクションじみた性格の人物(香深)と、リアル寄りの性格の人物(ソーダ)が同じ世界観に同居していることこそがリアリティだと考えるので、それもまた実在性であると受け止めていただけると嬉しいです。
来月にはソーダのプロフィールと解説を掲載する予定ですので、そちらもぜひチェックしていただけると幸いです。

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

記事のタグから探す

月別アーカイブ

記事を検索