春階一佐 2022/01/01 00:00

【糖分アイスフロート】住枝兎衣 プロフィールと解説


※この記事には「糖分アイスフロート」のネタバレ要素を含んでいます。
※この記事は2022年1月31日までの期間限定で全体公開されます。翌月になると支援者様限定公開に切り替わります。
※現在は支援者様限定公開に切り替わっています。
※現在作者療養中につき新規記事を停止しているため全体公開キャンペーンとなっております。

今回は「糖分アイスフロート」に登場する兎衣についてのデータ公開&解説をしようと思います。


01【名前】
住枝兎衣(すみえだうい)

02【年齢】
16歳

03【誕生日】
1月3日(誕生花:水仙/花言葉:自己愛、エゴイズム)

04【性別】
女性

05【身長】
158cm

06【体重】
47kg

07【血液型】
O型

08【職業】
高校生

09【出身】
神奈川県川崎市麻生区王禅寺

10【現住所】
神奈川県川崎市麻生区王禅寺

11【好きな色】
白、ラベンダー色

12【好きな食べ物】
バニラアイス、ショートケーキ、プリン、ミルクセーキ、カルボナーラ、茶碗蒸し、オムライス

13【苦手な食べ物】
特になし

14【その他好きなもの】
ドラマ、キラキラしたアクセサリー、流行をチェックすること、晴れた昼間の人が少ない電車の中、勉強の成果がテストで表れること、ネイルケア、美容院、ぼーっと過ごすこと、スタバの新作フラペチーノ

15【その他苦手なもの】
声が大きい人、自分の話を遮られること、才能のある人、成功している人、自己啓発本

16【友人にしたいタイプは?】
明るい人、おしゃべりしていて楽しい人、優しい人

17【恋人にしたいタイプは?】
控えめな人、一緒に居て心安らぐ人、優しい人

18【許せないと思うことは?】
プライドや自己肯定感を潰されること、自分を否定されること



概要

兎衣のテーマは「博愛という名の浮気者」、「エゴイスト」です。
彼女が「誰にでも優しくしよう」と決めたのは、幼少期に「誰にでも優しくすることは、誰にでもできることではない」と言われたことがきっかけでした。
「特別な存在になりたい。だから誰にでも優しくする」。それは、「誰にでも優しくする」という行為を「自分が特別な存在になるための手段」としているということです。
高校時代の住枝兎衣という人物は、非常に独善的な性格であると言えそうです。次項から作中の様子を振り返ってみてみましょう。

「糖分」アイスフロート というタイトルについて

これは勿論「等分アイスフロート」という真タイトルを隠すためのカモフラージュなのですが、兎衣は「難しいことは考えない甘ったれ」だと思ったのでこの字を当てました。
作中にて兎衣は「芸科の感覚わかんない」「難しくてよくわからないな」など、「わからない」という言葉を発したり、地の文にて述べたりしています。
そして象徴的なのが、「なんだか少し心が痛いような気がして、私はショートケーキを口に運んだ。甘いクリームの味が広がると、難しいことを忘れられるような気がした。」という描写です。香深と喫茶店に行ったときの地の文ですね。
このように、兎衣は「難しいことは考えない、忘れる」という行動を取りがちな人物でした。
新しい事を知ったとき、それを瞬時に咀嚼して納得するのは難しいということもありますね。
ただ、兎衣はそこで拒絶反応を起こして閉じこもってしまう傾向があったと思われます。

そもそもソーダと香深は仲良しグループなのか?

トウフロの物語は全編兎衣の視点から語られるので、あらゆる情報が兎衣の主観フィルターを通して説明されます。
兎衣はソーダと香深との三人組のことを仲良し三人組グループだと認識していますが、それは兎衣だけです。
恐らく流れとしては、先に仲良くなっていた香深に対し、美術の授業にて「先週消しゴムを貸してくれたの、ソーダちゃんっていうんだけど」という形で紹介し、そこから三人で過ごすようになったのでしょう。
香深は「左右田さんっていう方なのですね……正直わたしの得意なタイプの人ではないんですが、兎衣ちゃんが友達だって言うならあんまり否定もしづらいですし……」と思っていました。
対するソーダも「斎木さんかぁ、なんかパッとしないなぁ。いかにも男ウケしそうな感じの子だよね〜、守ってあげたいタイプってやつ?」くらいにしか思っていなかったはずです。
好きな友達二人に囲まれて楽しい! 幸せ! と思っているのは兎衣だけで、他の二人にとっては迷惑だったのではないでしょうか。
私の友達Aはきっと友達Bとも仲良くなってくれるよね、だって私は二人のこと好きだもん。という考えは非常に主観的な発想だと思われます。友達の友達は私の友達、とは限らないのですね。

主人公に選ばれることはトロフィーなのか?

兎衣は「どちらかが私と一緒に過ごせる時間が長くなってしまわないように平等に」と言いますが、兎衣と一緒に過ごせる時間が素敵なものであるという自信はどこから来るのでしょうか?
私と一緒に居られたらきっと幸せだよね、という考えは非常に一方的です。そして、自分の価値を少し高く見積もりすぎだと思われます。
兎衣の人生の主人公は兎衣ですが、ソーダの人生の主人公はソーダだし、香深の人生の主人公は香深です。
兎衣と恋人にならなかったからといって「選ばれなかった」だとか「負けた」だとか、そういうものとして定義するのはあまりにも主観的でしょう。
兎衣と恋人にならなくても、全く別の手段で自分の人生を幸せにする方法はいくらでも存在します。
香深は、お互いに安らぎの居場所となり、ダメな時はダメと言ってくれる甘やかしすぎないよきパートナーを見つけることができました。
ソーダは、デザイナーとしての類稀なる実力を開花し、海外へ飛び出して大きな成功を収めました。
そして兎衣は兎衣で、香深ともソーダとも生涯のパートナーとはなり得ませんでしたが、自分の生きる道を見つけました。
ということで、次はTRUE ENDでの兎衣について解説していきましょう。

なぜ保険会社に?

お仕事というのは生計に大きく関わるものですので、綺麗事ばかり言ってはいられないことは重々承知です。その上で保険会社のお仕事というのは、「誰かの幸せな人生を他人の立場から願う仕事」という側面があるように思います。
よっぽど特殊な状況(例えば、担当していた顧客と接するうちに親しくなり、結婚するなど)でない限り、当事者として幸せを考える、という距離感ではないでしょう。
てすので、兎衣が辿り着いた答え――自分が当事者となって博愛を振りまくのではなく、他人の距離から他人の幸せを願うことが私の幸せ――という在り方を表現するのに適していると思いました。
兎衣は当事者になるとまだ独善的になってしまう面があるので、今現在はこの立場が一番精神的にも安定しそうです。
ですが人生は長いので、もしかしたら未来の兎衣は生涯を共にするただ一人のパートナーを得るかもしれません。
それは女性かもしれないし、男性かもしれないし、はたまたそれ以外かもしれません。
兎衣の未来で、彼女の隣に立っているのが誰なのか。それは、作者にも分からないことです。無限の可能性を秘めていますので。

偽物でも構わない

「ソーダちゃんさぁ。根っからのぴゅあぴゅあな人じゃないと幸せになる資格がないみたいな世の中、超異論唱えたいんだよね〜。
どういう性格かなんて自分で決められるものじゃないっしょ。人が決められるのは、どんな自分を見せるかじゃん?
だからソーダちゃんは『ソーダちゃん』を着てるんだよ。どんな服を着て、どんなヘアスタイルにして、どんな話し方を選んで、どんな道を選んで歩いて毎日生きるか。そういうの、大事にしてるの」
これは水族館デートにてソーダが発した言葉です。
「根っからの善人でないと幸せになる権利はないのか? 根が善人でなくとも、どんな自分だって表現できるし、表現するための努力は報われてもいいのではないか?」という問いかけですね。
ここまでで説明してきた通り、兎衣は「自分が特別な存在になるために、誰にでも優しくしてきた」人物です。つまり、その時点での他者への優しさは偽善です。
ですが、兎衣は他者に優しくすることによって、「いつも親切にしてくれるからお返しがしたい」と思われるようになりました。
最初に勉強会に誘われたときに「クラスメイトA」「クラスメイトB」だった二人は、厳しい受験期を共に乗り越え、「友人A」「友人B」へと変化していきました。
兎衣がソーダへ向ける感情が、「執着」から「愛情」に変わることはありませんでした。
しかし、兎衣の積み重ねてきた「偽善」はいつしか「本物の人望」に変化したようです。
やらない善よりやる偽善、そんなフレーズを体現した人物になったのではないでしょうか。

初期設定

一番最初の段階での兎衣のキャラクターメモによると、「他人の幸せの度合いを自分の尺度ではかり、勝手に判断を下す」という性質を持ち合わせていたようです。
「元気で才能があってデザイナーとして成功しているソーダちゃんより、病弱で平凡な香深ちゃんを選ぶべきなんだ。私が愛することによって、その差を埋めるんだ」という思考ですね。
香深の病弱な性質はこの頃の名残です。

エンディング映像について

動画制作素人がiMovieでせっせと切り貼りした何かです。拙さが全開なのですが、せっかくなので少し解説を。
ラストに大人になった三人が一瞬だけ映り、すぐに画面が切り替わって誰も居ないソファを映して映像は終了します。
これは、閉じた世界の中に居た子供だった存在は大人になり、それぞれの道へと旅立っていった様子を表現しています。……というつもりです。
伝わっていれば幸いです。

終わりに

ここまで読んでいただきありがとうございます。
兎衣は作者から見ても共感しづらく、構築・描写が難しかったのですが、END1にて成長した姿に感慨深さを抱いていただければ本望です。
さて、そろそろ本格的に次回作の制作スピードを上げなくてはいけません。
冬は寒いし眠くて辛いのですが、頑張ります。

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