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ファンタジーものの記事 (44)

「時の交差点」~短編ファンタジー

お待たせしました。
短編ファンタジーです。
皆さんにチラ見せです。
今回もちょっと哲学的ファンタジー。


時の交差点






            


 私たちは、ここにある時間は、「今」しか存在しないと思っている。
 そんなことはない。
 過去も未来も、同時に存在している。


 私が生まれ育ったところは、標高1000メートルを超える自然豊かな観光地だった。
 というより、山の9合目に街があるようなもので、家の庭から山に登ることができた。

 遊ぶところなどは、校庭くらいしかない。
 私が子どもの頃は、コンビニもなかった。
 私は退屈した時に、庭から山を軽く登ることが好きだった。


 なぜって、私はそこに不思議な場所をみつけていたから。
 笹をかき分けて6,7分も登ったところに、空気が陽炎のようにゆらめく場所があった。

 大木の横。
 いつみつけたのか覚えていない。
 幼稚園の頃にはもうみつけていた。

 それは、私だけの秘密の場所だった。
 家の庭から6,7分登っただけのところなのに、両親も弟も気がついていなかった。


 秘密の場所に近づくと、体中の皮膚がちりちりとした。
 痛いとまではいかないけれど、まるで氷をあてられているような冷たいようなちりちりとする感じがした。

 怖くはなかった。
 その陽炎のようなゆらめきは、魅力的だった。

 そして、そのゆらめきの中に一歩踏みいれたあとの世界に、私は魅了されていた。


            


 スーパーに買い物に出かけると、日傘をさしていても暑かった。
 汗が目に入った。
「いたっ」
 あわててタオルで目をぬぐう。

 目を開けると、駐輪場の前の道路にあの子がいた。
 何かを探しているように、きょろきょろしている。

 私を見た。
 じっと顔をみつめてくる。
 ゆっくりとやってきて、
「お姉ちゃん?」 
 簡素なTシャツにズボンのあの子は、今日は小学3年生くらいだ。

「おなかすいてる?」
 聞いてみた。
「うん」
「じゃ、オムライス食べる?」
「食べる!」


 
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上っていく顔たち〜ちょっと哲学的な短編ファンタジー


 それが始まったのは、突然のことだった。
 蒸し暑くなりだした5月の中旬、夕飯の後、いつものようにパソコンのキーをたたいていた。

 私の視界に、それらが容赦なく入ってきた。
 あまりにおかしな現象が起こった時、人はあんがい声が出ない。

 私はただ固まって、それらをみつめていた。

 テーブルの向こうで、たくさんの顔が天井に向かって上っていたのだった。
 顔、というか頭部だ。
 天井に向かって上っていき、すうっ、すうっと音もなく天井に消えていく。

 下を見ると、床からすうっ、すうっと音もなくあらわれていた。

 男性、女性、若者、年配者、子ども……、いろいろ混ざっている。


 私はわりあいオカルト体質なのか、子どもの頃から不思議な体験をすることが多かった。
 けれど、ここまで異様な光景を見たのは初めてのことだった。

 不思議と怖い感じはしない。
 たぶん死霊ではない。
 人びとの意識が、たまたまそこに見えているだけのようだった。
 
 よく見ると、みな陰鬱な顔をしていた。
 楽しそうな顔は誰もしていない。
 皆、必死そうな顔をしてただ上っていた。
 

 気にしないようにしてパソコンのキーをたたき始めたものの、動いているものはどうしても目に入る。

「ああもう、どういうこと?
 なによ、これ!」

 ついに私は、立ち上がった。

「あなたたち、なんでそんな必死に上ってるわけ?」

 すると、返事が返ってきた。

「上らなければ競争に負ける」
「上をめざさないと」
「勝たないと」
「負けたくない」

「負けたっていいじゃないの」
 言ってみると、

「とんでもない。
 負けたら価値はない」
「勝たないと」
「上らなければ」

 そう言って彼らは天井にすうっ、すうっと消えていった。
 そうしてまたあらたな顔たちが、床からすうっ、すうっとあらわれては上っていく。



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「日常口」~「無意識からの言葉」以上の皆さんへ短編ファンタジー

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        日常口


 いつものようにスーパーで買い物をして、マンションの階段を登った。
 家でパソコン仕事が多いから、できるだけ歩くようにしている。

 4月の頭、まだ夕日にはならない5時前。
 5階に出て部屋のドアにカギを入れようとすると、おかしい、カギ穴に入らない。
 カギを逆さにしてみても、入らない。

「あれ?」
 表札を確かめると、「野中」
 私の名字じゃない。

 階をまちがえたのかと思い確かめると、508号室。
 まちがえていない。
 確かに私の号数だ。
 どういうことだろう。

 私は表札と号数を、何度も何度も確かめた。
 何度確かめても、表札は「野中」
 号数は508。

 人は突然の不整合に接すると、混乱する。
 これまであたりまえだった秩序が、目の前でくずれている。

 あわてて階段を一階分降りてみる。
 4階だ。
 もう一回登ってみる。
 5階。

 508号室に歩き直してみる。
 表札は「野中」
 号数は508。
 カギは入らない。

 今度は一階分登ってみる。
 6階。
 そしてまた、一階分降りてみる。
 5階だ。

 508号室に歩き直してみる。
 表札は「野中」
 号数は508。
 カギは入らない。

 こんな時、あなたならどうするだろう。

 私は5時まで管理人さんがいるのを思い出した。
 5時まで5分前。
 あわててエレベーターのボタンを押す。
 なかなか上がってこない。
 しかたなく階段を猛ダッシュで降りる。

 やった、管理人室の窓はまだ閉まっていない。
 息もたえだえ管理人室をのぞくと、管理人が向こうを向いて立っていた。

「すいません」
 声をかけると、管理人がこちらを向いた。

 私は、くらっとめまいがした。
 いつもの管理人さんじゃない。
 それどころか、人間じゃない。
 肌が青い。
 大きな銀色の目は、白目がなかった。
 背は高く、髪は銀髪だ。


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「無意識からの言葉」へようこそ! 『砂の中のキリン』


こんにちは。

このところコロナのせいでみんな気分が落ちこんでますよね。

そこで、まず明るいファンタジー
『砂の中のキリン』
をアップすることにしましたよ。

今月は初月なので、後で他にも短編ファンタジーをもう1本アップします。
こちらは、もう少しお待ちくださいね。

このプランは、ファンタジー作品だけでなく、

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がついているお得なプランになっています。

人生は、変えようと思っていてもなかなか変わらないもの。
95パーセントの無意識が実際の行動を決めているからです。

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