『バイノーラル音声作品をつくってみよう!』7:シナリオを書いてみよう!(前編)(進行豹
こんばんわです! 進行豹でございます!!!
新井健史&進行豹のお送りする 新シリーズの第一弾!
『商用フリーの100円ループ環境音 VOL.1 温泉湯船環境音(録音地:福島県飯坂温泉)』
https://www.dlsite.com/home/work/=/product_id/RJ284159.html
をつかって、わたくしシナリオライター進行豹が、
初挑戦となる音声編集を含めてまるっと一本の無償公開バイノーラルボイスコンテンツをつくってみよう! というコーナー!
『バイノーラル音声作品をつくってみよう!』
前回の第6回から一週間あいてしまいました! すみません!!!
その一週間で何をやっていたか――というと、お仕事の方のシナリオです。
そちら、わたくしがいままでまったく縁がなかった世界を舞台にしたシナリオで。
しかも時節がら! 現地取材はもちろんのこと、図書館での資料調べもできなかったので、大変苦労いたしました!
その分できも良くなっている――かと、わたくしとしては思うのですが、もしもご興味もってくださってる方がいらっしいましたら、なにとぞご期待いただけますと嬉しいです!
で!!!
その経験からわたくし。
(特に入門者・初心者のうちは)
『自分がよくしってる世界を、物語の舞台にするとよい』かと感じましたです。
調べなければいけないことが減れば減るほど、物語の執筆そのものに集中できるチャンスはきっと、増えますので!!!
と、いったところで本題にはいりましょう!
前回の第六回では、いよいよプロットを組みました!
///////////////////////////////////////
■両腕骨折温泉(仮) プロット v100 進行豹 ■
<スタイル>
・みずき=ヒロイン(CV未定)のひとりがたり。バイノーラル/ASMR。
<コンセプト>
・習作、1シーン。温泉環境音使用。自分で編集の練習するので、簡単に。
<このシーンで伝えること>
・ヒロイン、伊澄みずきの魅力と人となりと、「あなた」への秘めた思い
・その思いの伝達と、関係性の変化
<このシーンで聞かせたい音>
・温泉環境音そのもの
・(可能なら)背中流し音、石鹸あわだて音、お湯かけて流す音など
/// 以下プロット ///
<起>
ふたりお湯につかっている。距離は遠め。
背中流してあげるというみずき。主人公(=リスナーはためらっている様子)。
<承>
距離詰めてくるみずき。
・仕事で失敗しそうになった自分をかばうために骨折させちゃった
・お詫びにもならないけど、身の回りのケアくらいはさせてほしい
・お宿のひとにも、家族風呂なら水着着用OKって許可もらったし、実際もう混浴しちゃってるんだから、背中流すも流さないも、誤差
<転>
・背中流し。
・男の人の背中流すのなんて、お父さん以外だとはじめて→家族の話からみずき自身の話
・大学でカーリングあきらめて、親のコネではいった会社だから、やるきなかった。実際、入社早々でトラブって、退職届け書くとこまでいったし
・けど、君に助けてもらって、うれしかった。うれしかったけどなんで、って思った。ただの同期のボクのためにそこまでなんて……
・だから、一目惚れでもしてもらえたのかなっておもって。けど、君には全然そんなそぶりなくて――一緒に仕事してるうち、わたしのほうがどんどん君のこと気になっちゃって――
・チャンスだとおもった。今回の出張。それでうかれて、失敗しちゃって、ボクのせいで君に怪我させて目の前が真っ暗になった。
・けど、今度という今度はあきらめたくなかった。だから勇気をだして、ここまでがんばった→告白
<結>
・オーケーを明示するレベルのリアクション&セリフ。
・いきなりみずき、湯船にどぼん。遠く、照れた声で「急に恥ずかしくなってきちゃって」
・「あ、そか。キミ、両手骨折してるんだもんね――体のあわあわ、自分で流すこともできないんだよね」
・湯からあがる。ゆっくりゆっくり照れくさそうに近づいてくる足音。息遣い「あの……あんまりこっち、みないで――ね?」
・お湯かけ。ざばぁ。めっさここちよい音で。
・「お風呂あがったそのあとも……ケアしてほしいことがあったら、教えてね?」的な感じでおしまい
///////////////////////////////////////
ので、今回は、このプロットを元にシナリオを書いてまいります!!!
作劇(プロットを組むこと)同様、執筆(シナリオを書くこと)も、わたくしの本職のひとつ!!
のはずなのですけれど――作劇と比し、執筆は、わたくしの場合は理屈で説明できない……感覚的なとこでやっちゃってる部分が多くなってくるような気がします。
その前提条件の上で、執筆に関し、入門者の方に、みっつのアドバイスをするとするならば!!
1: 日本語の文章の書き方を勉強しよう!
→「日本語の作文技術 」本多勝一 は、めっちゃいい参考書になると思います!
2: 集中を切られてもイライラしないようにしよう
→集中を電話とか宅急便でぶったぎられるとイヤなものですが、イライラすればまた世界にもぐるのが遅れるだけなので
「しゃーなしやで」とさくっと忘れるようにしましょう!
多分ココが、「コンスタントに書いていく」ために、かなり重要となる部分です!!!
3: 初稿からいいものを書こうと力まないようにしよう
→writing is rewriting――「書くこととは直すこと」「推敲こそが執筆なり」という格言をあたまの隅に貼り付けましょう。
ともかく、初稿は力まないで書く。あとでなおせばいい。この割り切りが大事です! たぶん!!
4: 途中で投げ出さず書き切ろう
→書いてる途中に「これ、駄作だ」と思う瞬間は結構きます。そのときに「駄作を書ききる勇気!!!」と叫んで、ともかく書ききってしまいましょう。
書ききって推敲する――そこからが勝負です。推敲してると、駄作としか思えなかった雑文の皮をはぎ、その内側にかくれてる面白さを発掘できたりも、やはり結構あるのですから。
――よっつになった!!!
ともかく、どんな書き方をするのであれ、上記4つは多分、身に付けられれば必ず役にたつことなんじゃないかと思います!
と、いうわけで、上記方針で初稿! わたくしも書いていきますね!!!!
/////////////////////////////
『両腕骨折温泉(仮)』 進行豹
v100 2020/05/12
///
;SE 湯おけ、カポーン
;環境音 100円ループ環境音、飯坂温泉
;9/前遠
「なにしてるの! 冷えちゃうでしょー。
ほら、早く。はいってはいって」
「(呼吸音)(呼吸音)――なに照れてるの!
わたしの水着くらい、社員旅行のときに見てるでしょ?
ビーチでみる水着も、温泉でみる水着も、なんにもかわらないでしょう」
「っていうか、キミの背中を流したげるため、わざわざ買ったんだよ? この水着。
旅館の人に着用してはいる許可だってもらったんだから……
キミがグズグズしてたら、そういいのぜぇんぶ、無駄になっちゃうんですけど?」
;SE タイル足音、ぺたぺた
;9/前遠→;1/前
「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――えへへ、いらっしゃい」
「ためらってる間に体、ちょっと冷えちゃったでしょ?
だから、つかろ? かけ湯してから体あっためて――あったまったら、背中、流してあげるから」
「(呼吸音)――ん。じゃ、かけ湯するね~ええと、両手、ばんざーいってできる?
痛くなければ……(呼吸音)(呼吸音)――ありがと、包帯ぬらしちゃったらヤだもんね」
;$=SE 湯おけに水すくう
「それじゃ、ね――
$
ゆっくりゆっくり、ハネないようにかけ湯するから……」
;SE 呼吸音の間、とろとろとかけ湯
;3/右前
「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)」
「うん。あと背中側も――
ね? ちょっとだけあっちむいてて」
;5/後
;$=SE 湯おけに水すくう
「ありがと。
$
それじゃ、背中にも……」
;SE 呼吸音の間、とろとろとかけ湯
「(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――うん! よし、入ろっ。
わたし、肩貸す? 大丈夫? それなら、後ろから見てるから、
ゆっくりね? ゆっくり、慎重に――(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)」
;SE 湯につかる
;1/前
「……ああ、よかった。足もと滑ったりしたらどうしかって思っちゃった。
わたしのせいで両腕骨折させちゃったのに、さらに追い打ち――なんてなったら、もう責任とれっこないもの」
;SE 湯に浸かる
「うふふっ、お隣、お邪魔しまーーーーす」
;3/右
「ふう……いいお湯……(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――
お仕事もうまくいったし、お宿もお風呂もとってもいいし――
ごめんね? ボクのことかばってもらったりしなかったら……
あなたの骨折がなかったら、ほんと、最高の出張になったのに」
「(呼吸音)(呼吸音)――うん。不可抗力って言ったら不可抗力だし――
キミにかばってもらえたの……不謹慎だけど、正直、すごくうれしくて――けど」
「その代償が両腕骨折とか、あんまりじゃない。
『綺麗に折れてるから全治まで三ヶ月程度をみこんでください』ってお医者様おっしゃってたけど――」
「両腕がつかえない三ヶ月って――長いよね。
ボク、ほら、カーリングしてたじゃない、学生時代。
ってか、その話したことあったよね?
――あ、えへへ。覚えててくれたんなら、うれしいな」
「僕の場合は、疲労骨折だったけど――治るまで、またカーリングできるようになるまで、
ほんとにじれったくって、辛くって。
だから不可抗力っていったって――ボクをかばってくれた代わりに、キミがそんな時間を過ごすの……
ほんとに申し訳なくって――ボクもつらくて」
「だから……その――」
;照れてためらい→一生懸命言葉を探して→決意
「((呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――っ!」
;SE 水ゆれ
;3/右(肩がくっつく近さ)
「――なんでも言って。キミの両腕が治るまで。
いっつもキミにサポートしてもらってる恩返しもあるし……(生唾を飲む)」
;3/右(耳打ち・囁き)
「ボクの両手を、君の両手と思って、使ってほしいんだ」
///////////////////////////////////
区切りいいので今日はここまでといたしましょう!!!
明日かあさって、後半、背中流しパート書いて、オチをつけたら初稿完成でございますね!!!
書き始めてからはプロット一切確認せずに一気に書いたので、ズレてるかもですが、それはブラッシュアップ(推敲)のときなおします!!
書いてて意識したのは
「距離をだんだん詰めていく」という一点くらいです!!
あと説明をあんまりしないで、リスナーさんが脳内で補完(ご自分の状況にあわせての補正)してくださりやすいようにする。
それから、リスナーさんが立てるSEの使用は最小限に――という感じでした。
三点あった!!!
ここからエロにももっていける流れではございますが、
「新井健史&進行豹」は全年齢サークルでございますので、この続きも健全に背中流しにまいります!
もしもお気が向きましたなら、ご期待いただけますと嬉しいです!
それでは!!!