MetaFormingPro 2020/09/02 19:01

unity1week振り返り② お気に入り編


公式ロゴ。
今回記事の性質上、引用SS画像を多く含みます。
たぶん大丈夫だと思うけど、もし使用に問題あったら連絡ください……。

というわけでunity1week振り返り記事第二回です。
今回は前回予告した通り、プレイヤーとして気に入った作品の紹介。
俺の性なのかちょっと文体が偉そうな箇所も所々あるんですが、許して。
許されないだろう。


カルネアデスの扉


https://unityroom.com/games/carneades

全体的にカジュアル・ポップな雰囲気のものが多い中で
あからさまな異彩を放ってる作品。

来訪する避難民を条件を参照し、「保護」「処分」「隔離」に分類する。
まあ公式に書いている以上のゲーム説明はあまり必要なさそうなので
実際にやってみるのが。
ただ、処遇を決定するスワップ方向が
説明と実際のゲームで食い違っているので注意。
実際は↓隔離 ←保護 →処分 です。

システム的にはほぼ「Papers, Please」なるゲームの簡易版らしい。
自分はこの元ネタは知らなかったから普通に楽しめた。

フレーバー的にはおそらく元ネタよりえげつない。
一ヶ月目の時点で既に相当黒いセンスが発揮されている。
はぐれた親子が別々のタイミングで来訪するのだが、
それぞれ条件を照合したうえでの「処遇」は……
黒さは日数を追うごとに加速していく。
当然のように、どんどんシェルターの「枠」は狭くなっていく。
最初は意図が明確である「隔離」されたものの処遇も、日数を追うにつれて……
画像が、AIにより作られた「実写風の人間」なのも心を削る要素かもしれない。

Final Fireworks


https://unityroom.com/games/final_fireworks
チックリーン氏によるもはやunity1weekの風物詩となった
鞠夫兄弟による花火ゲーム。
そう、夏の風物詩は花火、竹林の風物詩は鞠夫兄弟。

90秒間にできるだけ記憶に残る花火を打ち上げるのが目的。
具体的には方角/射程を調整して指定された丸の中に花火を打ち上げるゲーム。
今作は純粋なスコアアタックで、クリア/ゲームオーバーの概念はない。

花火は放物線を描くため、なかなか一筋縄ではいかない。一方で、
慣れによる上達を実感できる。高所へ一発で当てると俺TUEEE感を味わえる。

スコアリングがなかなか独特で、レベルと精密度の掛け算となっている。
レベルは成功すると1上昇、失敗すると1下降となる。
精密度は、どれだけ中心に当てられたかの判定で、
ギリギリだと1、中心ピッタリだと100となる。
レベルが上がると命中判定の丸が小さくなり厳しくなる一方、
スコアの係数は上がる仕組み。
このレベルx精度というスコアリングが曲者で、
実の所、高レベル状態が必ずしも稼ぎやすいわけでもない。
レベルが上がると丸が小さくなり、高精度を取るのが厳しくなってしまうためだ。
スコアはレベル4~5あたりが最も稼ぎやすいんじゃなかろうか。
(といっても、わざと外して意図的にレベルを下げる必要はないが)
というわけで5000年超え達成したので誰か挑んでみてください。

演出は、花火大会らしいフレーバーを用いながら、いつもどおりの竹林である。
いつもどおりの竹林ってなんだ。
ところで、プレイヤーの横に出現する鞠夫に花火を当てると吹き飛ばせるのは
既に知られている話だが、実はこれはお遊び要素ではなく実用性がある。
なんと、鞠夫に当てた場合は花火がミス判定にならないのである!
つまり、レベルが下がらない!!
うっかりゲージを貯めすぎて、ターゲットにどう考えても当たらなそうな場合は
鞠夫に当てて仕切りなおすのも手である。酷い話である。

結構面白いゲームだと思うんだが、総合ランキングには入らなかった模様。
頑張れ竹林負けるな竹林

POPPIN'CUBES


https://unityroom.com/games/poppincubes
オシャレ系のパズルゲーム。
こんなオシャレなゲームを作るトーフさん、
さぞかし他の作品もオシャレなんだろーなー……
……と思っていた時期が私にもありました(作者ページを見て)
どうやら、意図的にそういう作風に挑戦していたらしい。匠の技である。
実際、クライアントのオーダーに合わせた幅広い作風を持つことも
プロのクリエイターに求められる技量なのである。
俺も一回くらいは挑戦しなくては。

さて、ゲーム内容は……ルールは説明しようとすると結構複雑なので割愛。
ただ、先に紹介したfinal fireworksと同じ、ゲームクリア/オーバーのない、
純粋なスコアアタックゲームである。

ぶっちゃけ、途中まではあまり話題になってなかったゲームだと思う(失礼)。
が、某暴力集団u1wランカーズの某N氏が発掘してしまったのが運の尽き、
u1wランカーズによってランキングは占拠されてしまいましたとさ。

真面目に話すと、「どうやれば高スコアが取れるか」が良い意味で分かりにくい。
というか、未だにハイスコア獲得の戦略が確定していないゲーム。
だからこそ、u1wランカーズが押し寄せる事態になったのかもしれない。
一応、現在は俺がレコードホルダーになってますが割と上位が僅差である。
誰か3000ptを超える人が現れるか、見ものである。

アメーバパニック!!

https://unityroom.com/games/amoeba_panic
https://twitter.com/water_moon24/status/1294952442249920512
アメーバがパニックするシューティング。て書くとそのままだな。

本当にぶっちゃけた話をすると、ゲームとして斬新な点はほぼない。
細かいルールはあるのだが、極論「当たらないようにひたすらアメーバを撃つ」
をしてれば、最終的にはクリアできる、わかりやすい全方位STG。
目新しい点はない一方、純粋に完成度が高い。
変に奇を衒ったことをしなくても、正面からでも勝負できる一例。
(この点はレーダーチャートに分かりやすく反映されてると思う)

わざわざ取り上げておいてなんだが、あまり特筆して語ることがない。
ガンガン撃って誘爆してジャラジャラすればそれでもう楽しいのだから。
本当に純粋に楽しいものは、あまり言葉で説明する必要もないのかもしれない。

ところでハードモードの難易度はえげつない。
ノーマルですら、STGに慣れてない人は苦労するレベルのようなので、
作者本人がおまけと割り切るその難易度は推して知るべし。
おそらく、今回のゲームジャムで「クリア」が存在するゲームとしては
間違いなく難易度最高峰。現時点でクリア人数は10人は超えたようだが、
まだ20人は超えていない様子。
(ランキングに登録してない人もいると思うので確実なことは言えないが)
STG系の腕に自信がある人は挑戦してみるべし。
あと、フルコンは無理だと思います。意識してやってみたけど無理。

ブロックくじし

https://unityroom.com/games/block_kujishi
おめでとうございます!!

unity1weekは、開発中にも進捗動画を上げる人が現れるのが通例である。
それは、自らのモチベーションを維持するためかもしれないし、
先行してアピールする戦略かもしれない。

https://twitter.com/abcde47573346/status/1293505006008598534

今大会で先行アピールで一番目立っていたのは間違いなくこの作品である。

デンデデデデンデデデデンデデデデンデデデデー
おめでとうございます!!




たぶんこの作品をまともに説明する事に意味はないと思う。ただやるべし。

ちょっとネガ寄りの話。このゲーム、結果的にサウンドや絵作りの評価は
3.5前後とあまり芳しくないようだ。
このゲームの「チープな」グラフィックやサウンドは、
インターネット上のコンテクストの上で構成された代物である。
言い換えれば、このおめでとうございます!!
チープな演出の上でこそ最高のジョークとして成り立ってる代物と言える。
このゲームの「斬新さ」の評価はチープさによるものだ。

そうすると、そのチープなグラフィックやサウンドは
「絵作り」「サウンド」では高い評価にならないものなのだろうか。
このゲームの面白いところは面白いところとして、
絵作りやサウンドは、それとは別に「チープだから」
高い評価は得られないものなのだろうか。
個人的には評価基準にちょっと釈然としないものがある。
たぶん作者もちょっとはそう思ってるんじゃなかろうか。

月の裏側


https://unityroom.com/games/temo_darksidemoon
これは一度やってみるべし(さっきも言ったな)
独特のマッチング処理がなされているアクション。

一応特性を列挙すると
・ゲームを始めている時点で、既にルームに入っている。
 それは一応アナウンスがあるが、
 ユーザの体験上に「オンラインであること」はあまり意識されない。
・リアルタイムオンラインと、非リアルタイムオンラインを同時に導入している

という点があげられる。特に後者、
2つのオンライン要素を両立させているのはさすがにこれまでに見たことがない。
そしてそれでいてゲーム性に破綻がない。

unity1weekには、オンラインゲームも毎回いくつか登録されているが、
現状、ぱふもどき氏の実況回の時以外でマッチングするのは
なかなか難しい状況が続いている。
(この点は別記事で改めて詳しく書きたいと思う)
このゲームは、unity1weekというイベント上でオンラインゲームを
制作する場合における、ひとつの可能性を示していると思う。

実は、とあるゲーム会社に所属していた時に、社内R&Dで
これに似た感じのマッチングを用いたものが開発されていた。
結局その企画は(少なくとも今は)まだ世に出ていない
(一応社内財産として残ってるはずなのでお蔵入り、とは言わない)
が、その経験があったのでこの手の作品の可能性には個人的に期待してしまう。

エンドレスレーサー

https://unityroom.com/games/endlessracer
レースゲームだと思った?
離着陸シミュレータだよ!!!!

まあ、この動画を見ればわかる。
https://twitter.com/MetaFormingPro/status/1299365260906749958
なんだかんだで一番やってる気がする。それくらい後半の爽快感がやばい。
動画を見るだけでも爽快感があるが、実際にプレイすると、
落下の可能性の緊張感も合わさり、さらなる爽快感を味わえると思う。

個人的に「ルールは変わらないが、ゲーム性が変質する」という点が実に好み。
ちゃんとコース通りにできるだけ最適な位置取りで動かす序盤、
先のコースを見極めて、隙あらばジャンプでショートカットする中盤、
多少ジャンプストックを見極めつつも滑空モードに入る後半、
そしてもはやジャンプストックも関係なくひたすら飛び続ける終盤。
どの部分にも違った、それでいてそれぞれの楽しさがあるゲーム性は秀逸。

細かいことだが、初回プレイの説明が親切だと思う。
最初から本番のゲームプレイでありながら、
おせっかいにならない程度に、さりげなく随時説明をしてくれる。

ゲーム性はこれ以上ないくらいに完成されているので……
まあ……あとは……本人が一番分かってると思うのでここで書くのも野暮だが
画面作りの強化でしょう。別のレースゲームだからリアルな車にする必要もなく、
アプローチはいろいろあると思う。

余談だが、このゲーム、
自分がプレイするまでは大半が2桁、トップレコードも200程度だったが、
1000台の称号があったり、そもそも1000到達が最後の壁になることを見据えた
数値調整がなされていて、作者はそのレベルを想定していたようだ。
自分も作者である身として、「作者の想定レベルにユーザが到達しているか」
どうかは深甚に、身に染みる問題である。というおはなし。



以上7作品が個人的に突き刺さったゲーム。
……といっても、全体の中でプレイできたゲームは70作品程度、
つまり全体の1/7くらいしか遊べてないことになる。
ので自分が遊べてない中で隠れた名作はまだまだ残っているのかもしれない。
(ある程度の"嗅覚"は持っているつもりなので、遊べて無い中に
今の6倍のお気に入りになりうる作品が眠っている、という事は無いだろうけど)

お気に入り作品を紹介するのも結構疲れるである。
次回はunity1weekの開催中に起こったあれこれとか、
イベントそのものの所感とかを書きたい、かも。

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