藤島 港/猫と心中 2022/06/17 21:13

同人ゲーム・オブ・ザ・イヤー2021にて、助演男優部門をいただきました!

おすすめ同人紹介による同人ゲーム・オブ・ザ・イヤー2021にて、「紙一重の想い人」が助演男優部門をいただきましたー! いえい!
助演男優部門ということで、嵐の受賞です。おめでとう嵐~!

こんな立派な賞状とトロフィーをいただきました。ありがとうございます!
受賞作発表会の様子はこちらで録画が見られます。ノミネートされた作品を主催のみなみさんが一つ一つ丁寧にご紹介下さっています。ありがたや……!

昨年末にノミネートのご連絡はいただいていたのですが、数多の猛者たちがお作りになった作品がたくさんノミネートされていましたので、まあ自分が受賞することはないだろう……ノミネートしていただいただけでもいい経験をした……と思っていたらまさかの受賞で驚きました。というかまだ驚いています。
なんというか、自分は自分の作品が(出来の如何は別として)もちろん好きですが、それがほかの人にも刺さるかどうかはあまり自信がないんですよね。と言うのも、ただ自分がやりたいように作っていて自分の好みに全振りしているわけなので、好みは人それぞれですし、自分は最高に好きと思っていてもほかの人はそうじゃなくて当然だと思っているので……。
なので、そんな自分の作品の嵐というキャラクターが自分以外の誰かの心に残ることができたのだと思うと本当に嬉しいです。
せっかくなので、今回は少し嵐の話をしようと思います。

嵐の話

嵐については、いくら性格的に優しいとか温厚といってもこんな理不尽を受け入れられるか? というのが一番悩んだ点でした。惺も「こんなんなったらもっと怒るというか怒るどころじゃない」と言っていますが、少なくとも自分は嵐みたいにはなれないと正直思います。
でも自分がそう思うのは、自分が惺や律花と何の関係も築いていないからだと思います。
嵐には惺や律花と過ごした時間があって、いろいろな出来事や気持ちを共有して、お互いに無二の関係を築いていました。人って過去のこともすべて繋がって今のその人というものを作り上げていると思うので、今目の前で起きていることだけを見たら絶対に許せないことだけど、今まで積み重ねてきたものの中で考えると、100%許せないという気持ちだけ、なんてそんな単純なものではないのだろうなと思いました。
嵐がもっとごねたり我の強い性格の人間だったら律花が引き起こしたこの騒動は収拾がつかなくなっていたんじゃないかと思いますが、嵐がそういう性格だったらそもそも律花が嵐を好きになったかどうか怪しいので、これは嵐が優しくて、律花にとって大切な人で、彼がいい人であったがために起きてしまったことなのかもしれません。彼がいい人であったから律花はどんな手段を使っても生きていてほしいと思ったし、彼がいい人であったから惺は嵐の力になりたいと思って、意図せず秘密を暴いてしまった。
そして嵐が思うところはありながらもそれを受け入れたのは、惺や律花が嵐にとって大切な人で、この人には誠実でありたいと思える相手だったから。だからこそ理不尽でやる瀬ない……。
受賞作発表会でみなみさんがしきりにつらかったとおっしゃっていたのですが、それは本当に、自分も思います。いい人が酷い目に遭うのは本当につらい。自分で書いたくせにつらい。
自分は悪役を好きになりがちなので推しが悲惨な結末を迎えることがわりとあるのですが、それは「つらい! しかし今まで己がしてきたことの報いだ! これぞ悪役!!」とつらいながらも気持ちが盛り上がるのですが、いい人が酷い目に遭うのは本当にこたえます……自分で書いたけど。
自分は作者なので、何か理由をつけて嵐を生かすことも、やろうと思えばできました。ゲーム内のあとがきにも書きましたが、本当にあの結末が「正しかった」のかは、正直わかりません。けれどどんな理由であれ律花のしたことが許されてしまうのなら、惺の退魔師としての成長や苦悩がすべて嘘になってしまうと思いました。し、惺と嵐は、そういう選択はしないと思います。お互いに胸を張りたいと思い合う関係を築いたのだから。

とは言えやっぱりつらいものはつらいので、どこかの謎平和時空でわいわいやっている3人の姿も考えてしまいますね。副読本とか作ることがあったらそんなパラレルワールドのゆるい3人を書いてみたいです。


ということで、改めまして、同人ゲーム・オブ・ザ・イヤー2021助演男優部門をいただきまして、本当にありがとうございました。
このような機会を設けて下さった主催のみなみさんに、この場を借りて厚く感謝と御礼を申し上げます。本当にありがとうございました!

それではこの記事はこの辺で失礼いたします。藤島でした!

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