Sasanqua Oct/08/2021 19:00

同人ゲームを作った感想だとか、あれこれだとか

こんにちは。
Sasanquaの代表にして、絵とかなんか色々やってる米瓜きとらです。

『自分と向き合う恋愛ADV「Authentic feelings」制作プロジェクト』も一段落したということで、
同人ゲームを作ってみた感想だとか、制作裏話だとか、気になるんじゃないかなーって感じの部分をQ&A形式でだらだらと書き連ねていこうかなと思います。
(あくまで同人、そして個人の意見なので温かい目で見てください)


というわけで、大体項目を下のような感じでまとめてみました。
たぶん結構な文量になってると思うので暇な人は読んでみてください。
一番最初と最後は文長めです!


・ゲームの企画とSasanqua結成の話

・クラウドファンディング(CF)の話

・シナリオの話

・声優、収録の話

・主題歌、BGMの話

・イラスト、背景の話

・スクリプトの話

・R18版の話

・次回作の話

・ゲーム制作を経て





ゲームの企画とSasanqua結成の話

CAMPFIREのページで企画意図とかは書いてあるんですが、今回は作るにあたった経緯的な、そんな流れをずらーっと書いて行こうかなと思います。



まず2020年5月24日がこのゲーム製作、及びクラウドファンディング(以降CF)の情報の初出だったわけですが、当然ながらこれよりはるか前から色々とやっていました。


本当に本当の最初、「ゲーム作りたくね?」ってなったのは2018年の秋頃で、先に控えているでかい課題的な感じのやつのためにもう考えようって感じのノリで始まりました。
当時は今のSasanquaメンバーは一人もおらず、僕を含めた4人で"自分(米瓜きとら)の作りたいゲームを作る"という趣旨で話し合いが進みました。
この時から「Authentic feelings」のキャラ設定や舞台設定など、この作品の基礎が少しずつできていました。


当時のメモです。こんな感じのをビッシリ書いたノートが2冊くらいあります。
最初のタイトルは「一時間目体育の日が金曜じゃないはずがない!」という意味の分からない適当な物でした。↓




こんな感じに頑張っていた僕たちですが、最初こそモチベは高かかったものの、制作を進めていくなかでどんどんモチベは削がれ、僕だけがやる気になって頑張っているという状態になってしまいました。
一応本気で作ると話し合ってはいたのですが、他の3人はやはり課題という認識で、そこまで作りたいわけでもなかったものに無理に付き合わせてしまっていたのかもしれません。


4人は自然と解散してしまいましたが、僕はこのゲームを絶対に作り上げたいと心に決めていました。
そこで出来たのが米瓜きとら、kitune_.、ふおん、Touka Evencrugaの4人による「Sasanqua」です。
(kituneのアンダーバーが半角だと表示されないので全角にしています)

関係性としては普通にゲーム仲間で、kitune_.はドラムとかをやっていたのもあって音楽として、ふおんは唯一の社会経験者でデスクとして、Touka Evencrugaは課題時代の時からプログラムの協力も得ていたことからそのまま、といった具合で結成されました。

そんなSasanquaで心機一転頑張っていくぞって事で、素材等は一から制作し直してCFへの準備を進めていったわけです。


ちなみに、課題時代の時の絵がこんな感じです。
当時は2.3年前とは言え、流石に下手くそですね(笑)

←課題時代  今→





クラウドファンディング(CF)の話

CFについてはやりはせずとも、実態が気になる人はいるんじゃないかな~と思いながら色々と書いて行こうと思います。


CF終了した時のやつ↑

Q. なんでCFをしたの?


A. お金が沢山必要だったから

ゲームを作るには沢山のお金が必要ですが、クオリティを求めれば求めるほど必要額は上がります。
出来る限り商業レベルに近づけるというのを"目 標 に"していたので、今回CFを採用しました。


Q. 目標金額の3分の1で作れたの?


A. 一応作れました

集まった金額の倍以上個人負担し、尚且つ声優の人数、BGMの数などなど、泣きながら妥協を重ねてようやく作ることが出来ました。



Q. 何に一番お金使ったの?


A. たぶん声優(スタジオ代とかも含めて)

詳細な金額は言えませんが多分ここかなと。
予算割合的にはかなり高いですが、個人的には「声優って一人100万くらいかかるんじゃねぇの…?」って思ってたので安かったです(金銭感覚の狂い)

今回絵とかシナリオは自前だったので無料でしたが、商業だとどっちの方がかかるんですかね?



Q. どうやったらCF出来るの?


A. サイト内でページを作って審査に出す

CAMPFIREでは制作ガイドみたいなのがあったり、テンプレートがあったりします。
まあそれだけだと面白みのない微妙なページになるので、行われているCFや過去のCFのページを参考に興味を引けるようなページを作るといいかもしれません。

審査に出すと、担当者の方から修正してと指示があったり向こうで直してくれたりとサポートはしてくれます。



Q. CFって実際どうなの?


A. とても良いもの。だけど個人でやるのはあまりオススメ出来ない

まず、CFには目標金額を達成しないとお金がもらえないAll-or-Nothing形式と、達成しなくても集まった分だけ貰えるAll-IN形式があります。
前者は0か100かですが、後者は終了するまではかなりの不安要素になります。
開始数日と終了数日は伸びやすいというデータもCAMPFIREから提示されていて、それだけにこの不安要素は変動しやすいです。
元から予算にアテがあるならいいかもしれませんが、Sasanquaのように見切り発車気味に行ってしまうと、不安要素に踊らされて大変な目にあいます。
予算の不安はプロジェクトの不安です。

あと普通に金額の集まりがよくないと病みます。僕はトラウマになりました。
怖すぎて二度とCF出来ないと思います。



Q. CFするとしたら何に気を付けたらいい?


A. とにかく事前準備を念入りに

見た人がどれだけ興味を持つかが重要なので、参考となる資料は多いに越したことはありませんし、支援者は実質的な顧客なのでマーケティングについても勉強しておいた方がいいかもしれませんね。
Sasanquaは準備を頑張ったつもりではありましたが、全然足りていませんでした。

あと、CF終了後の支援金から手数料12%と決済手数料5%持ってかれるので集めてもめっちゃもってかれます。





シナリオの話

今回のゲーム制作、僕が担当した作業の中では一番シナリオが時間かかりました。
というのも当然の話で、実はちゃんと物語を書くっていうことは今回が初めてだったんですね。
「なんでそれをCFの時に言わねぇんだ」って声が聞こえますね。本当にごめんなさい。

でも初めてで1500kbくらい書くってなかなか凄い事だと思いませんか?
僕は勝手に思ってます。
(ラノベは一冊200kbとか250kbらしい)




Q. タイトルの意味は?


A. 「Authentic feelings(本物の気持ち、偽りのない気持ち)」

"自分の弱さと本物の気持ちで向き合っていく"というのがテーマです。
一応、登場人物みんな何かしら弱みがあるといった設定があります。(人なので当然ですが)

あとは、このゲームを作りたいって気持ちと掛かってたり掛かってなかったり。



Q. タイトルの読みは?


A. オーセンティックフィーリング(タイトル上は)

表記上は複数形sがついて「ス」が着くのですが、敢えてつけないで読むことに勝手にしています。
本編アイキャッチボイスでも声優お二人に無しで読んでもらいました。

理由は主に二つで、一つは個別入った後のアイキャッチボイスが複数形だと意味的に違和感があるからで、二つ目は作品全体としては複数形の方が合うからです。
まあぶっちゃけどっちで読んでもらってもいいです。

ちなみに主題歌は「表記通りじゃないとなんかやばそう(小並感)」ってなったので複数形の読みでいってます。



Q. 何でヒロイン二人なの?


A. 「ヒロイン一人じゃ寂しくね?」って思ったから

一人は寂しい。
一人じゃ眠れない夜も、二人なら眠れるかもしれない。



Q. キャラの名前はどうやって決めたの?


A. 響きの良さ

姫宮莉沙の下の名前だけは最初から決まってました。
「リサ」という名前は世界で一番好きです。

大体のキャラは「あっ、これじゃん」って感じにすんなり決まってったのですが、姫宮の苗字だけ結構時間かかった記憶があります。



Q. 話はどうやって考えたの?


A. 「こうなったら俺の中で熱いな」って感じ

重要なシーンとかCGのシーンとかは筆が乗るけど、それに繋げるための段階踏みとか日常会話とかが壊滅的に時間かかりましたね。

あと姫宮は母性とか甘々なのに対して、さくらはちょっとスポ根的な感じにして、対比するようにするのを意識してました。(対比になるかは知らん)
他は「さくらはなるべく不憫にしてあげよう」だとか、「一人攻略した後はもう一人の方を攻略しにくいようにしてやろう」とかです。
「ここでこっちを選んだらあの子は……うぅ…(泣)」みたいなの好きなんですよね。
そういう感じになった人はたぶん僕と気の合う人です。



Q. 参考にした作品はある?


A. 影響を受けたであろう作品ならある

「恋はそっと咲く花のように(ensemble)」
「Clover day's(Alcot)」
「干物妹!うまるちゃん(サンカクヘッド)」
「黒子のバスケ(藤巻忠俊)」
「SLAM DUNK(井上雄彦)」

たぶん影響受けてるってだけで、シナリオ考えてるときは他の作品見たりとかは基本しませんでしたね。
その時見た作品にまんま寄っちゃう気がしたので。

ちなみに「恋はそっと咲く花のように(ensemble)」は僕が一番大好きなエロゲです。
是非プレイしてみてください。FDもあります。



Q. 文章はどうやって考えたの?


A. 自分が気持ちよく読めるように

基本的に自分が良いと思うリズムだったり、言葉選びだったり、文章運びをしています。



Q. シナリオ没案とかある?


A. 案なら結構ある

姫宮だと政略結婚を迫る男を出してみたりだとか一回別れさせてみたりだとか。
さくらだと一緒にバスケさせたりだとか車椅子に乗せたりだとか。



Q. 何でバスケなの?


A. バスケやってたから

試合シーンをいかにわかりやすく表現するかはとても難しかったです。
自分の経験則の他に、沢山調べたり動画見たりして勉強しました。

臨場感とか状況を理解しやすいようにCGとかバカみたいに作ろうかと思ってたんですけど、流石に時間が許してくれませんでしたね。
一応バスケ用語少なくするように頑張ったけど、たぶんバスケ知らない人何やってるかわかんなくて暇だったでしょ…?



Q. 一番お気に入りのシーンは?


A. 姫宮√ 体育の授業後の帰り道

ここの解決法が良すぎてさくら√でどうするか滅茶苦茶悩みました。
後にも書くけど、収録中ひっそり裏で泣いてた場面の一つです。



Q. この話のオススメポイントは?


A. 主人公とヒロインの心理描写

僕がそういうの好きなんで。
上手く伝わってるといいな……………



ということで、もしよかったら是非感想を聞かせてください!(切実)





声優、収録の話

たぶん気になる人が多そうなんですが、変なこと書いて風評被害とか出したら責任取れないし申し訳ないので、僕の話メインのレポート的な感じで書きます。



Q. 声優の選考理由は?


A. 100%キャラとの声の相性

「あっ、この声姫宮莉沙じゃん」「あっ、この声柊さくらじゃん」ってなったのが歩サラさんと眠音りまさんだった、というやつです。
お二人とも快く依頼を受けていただいて、本当に感謝感謝です。



Q. 何で声優二人しかいないの?


A. お金が無い

他のキャラに声優を依頼するほどの余裕はありませんでした。
誰よりも、僕が一番悔しかったです。

すまん。



Q. どうやって依頼したの?


A. メール送った

キャラの立ち絵とかゲームの説明とか、あと熱意を込めてメールしました。(あまり露骨ではないはず)
最初の送信ボタンを押すのに1時間かかったのを今でも覚えています。

値段は普通にいくらかかるか聞きました。
企画書をつくってなかったり、スタジオが依頼主側で用意するのを知らなくてちょっと迷惑かけたりしたので皆気を付けよう。
あと結構細かに確認するところがあって、だから企画書必要なんだなって改めて思ったりしてた。



Q.スタジオってどうやって用意したの?


A. メール送った

とてもありがたいことに歩サラさんがスタジオをいくつか紹介してくれたので、その中から決めさせて頂きました。
(本来は依頼主側の予算とか見ながらこっちで決めておくべきもの)

日程とか撮る時間とか、バイノーラルなのかとか、ボイスカットとか整音とか、キャストの人数とか、台本とか、そういうの全部まとめたの初手で送れれば話も早くついてwin-winなんだろうなって思います。
やはりノウハウが無いと迷惑をかけてしまってとても申し訳ない…



Q. 台本ってどうしたの?


A. 基本コピペで印刷所で製本

該当キャラのセリフだけ強調表示、あとは全く関係ないところをカットしただけです。
もっとちゃんとしたのがあるかもしれないけどそれは知らない。
そして製本した辞書くらいの分厚さの台本は、収録日より早く声優とスタジオに送りました。
(声優やスタジオによって○○日前にーみたいな指定があると思います)

あと、後にスクリプト作業で気づくことですが、台本で強調表示し忘れたり、カットしちゃってたセリフが収録されてなくて、急遽周りの文を変えたり、まるまるそのシーンをカットとかしました。
告白シーンでの軽い伏線回収のセリフだけ抜けてたりすることもあったので台本のチェックは2回3回と言わずに5億回やったほうがいいです。



Q. 収録の立ち合いってどんな感じなの?


A. 割とこっちの余裕がない

シナリオ書いたの僕なんで僕が収録立ち会ってました(コロナ渦のためオンライン)

雑な流れとしては挨拶してキャラの声合わせて、休憩挟みつつ収録みたいな感じで、最初は自分の書いたシナリオ読まれるのが嬉し恥ずかしみたいな感じで二ヤついてました。

ですが、もう一回録ってもらうのかすぐ判断して、メモも取りつつ読まれていくのを聞き逃さず聞いて……といった具合に余裕が無かったです。
ただそういうのが無い時は普通に素敵な声を楽しんで聞いてたし、いい感じのシーンのところでは通話越しに泣いてました(自分で書いたのに)

あと、台本にセリフの番号振り忘れてて声優さんにもエンジニアさんにも手間と迷惑をかけてしまったので絶対に番号は振ろう。
絶対に番号は振ろう。

絶対に番号は振ろう。





主題歌、BGMの話

音楽関連はほとんどディレクションしかしてないのであまり喋れることはないかもしれません。


サントラのこの画像何とかしたいけどなかなかやる気が起きない↓




Q. 歌手の選考理由は?


A. 知ってる人かつ、曲のキーを歌える人かつ、同人も受けてくれる人

っていうことで片霧烈火さんに依頼させていただきました。
後付けみたいになっちゃうけど、片霧烈火さんの歌声は元々凄く好きでした。
なので今回受けていただいてとても嬉しかったです。



Q. どうやって依頼したの?


A. メール送った

基本これしかない()

最終的に、仮歌、メロあり、メロなし、メロのみ、ベースドラムインストのステムデータを希望してたのでそれを渡しました。
値段は普通にいくらか聞きました。

収録とか日程は基本むこうが全部やってくれて、こっちは納品されるのをただ待つだけって感じでしたね。
(多分人によってかなり違う)



Q. なんでED主題歌は無いの?


A. お金が無い

すまん。



Q. 曲はどうやって作ったの?


A. イメージと参考曲を伝えただけ

爽やかロック的な感じと、こういう曲が好きだからこんな感じでって参考曲をいくつか送ったらほぼ完成品でお披露目されたって感じです。
(ちゃんとした依頼じゃなく、Sasanquaのkitune_.が作ったのであまり参考になる手順ではないかも)

ちなみに現主題歌の前にあった曲案も滅茶苦茶よくて、それをEDの時にBGMとして流そうとも考えてたんですが、本人の希望により非公開となりました。
本当は皆に聞かせたいです。それくらいの出来。



Q. 歌詞はどうやって作ったの?


A. ヒロイン視点イメージで

一番は姫宮、二番はさくら、ラスサビは両方って感じ。
大半は僕ですが、作曲したkitune_.が考えてくれた部分もいくつかあります。

あと結構難しくて何日もかかりました。



Q. OPムービーはどんな感じで作ったの?


A. 素材とか渡して送られてきたものを修正お願いする感じ

例のごとくメールして、素材とシナリオのこととかまとめたやつ渡しました。
絵を動かす場合はレイヤー分けしたpsdファイルを渡して、複雑なもの以外の塗り足しは向こうがやってくれました。(人によって違うと思う)

値段とかは普通に聞きました。
下調べとかしないで聞いたら人によってはビックリする額かも。



Q. EDムービーはどうやって作ったの?


A. AviUtlでそれっぽく

例のごとくお金が無いので素人の僕が作りました。
こちらはプロのものではないので勘違いしないように(重要)

昔動画投稿とかしてたこともあったので、特に動画編集を勉強するとかもなく、基本的な事だけで作りました。


あとゲーム起動したときのロゴアニメーションも僕が作ってます↓



Q. BGMはどんな感じで作ったの?


A. 使う場面と、参考音源とか渡して送られてきたものを修正お願いする感じ

上に書いてあるのが全て。
本作の僕の一番好きなBGMは「お出かけに行こう!」です。


そんな素敵なBGMや主題歌のフルバージョンが聞けるサントラ、
一家に一ついかがですか?





イラスト、背景の話

絵の工程とか言ってもしょうもないんでキャラデザとかに触れていこうと思います。


ヒロインの立ち絵はCFの時のこの画像より結構修正されてたりする↓




Q. なんでヒロインの髪色だけ目立ってるの?


A. そういうもんでしょ

そういうもんでしょ。



Q. 何考えてキャラデザしてたの?


A. 自分の理想

姫宮莉沙は僕の好きなところしか詰まってない、正真正銘理想のヒロインです。
柊さくらはこんな感じの後輩がいたら楽しいし可愛いだろうなぁって感じ。

サブキャラは雰囲気。



Q. なんで立ち絵のパターン少ないの?


A. 時間が無かったから

本当は後ろ向きみたいなのとか動的なのとかもっと描きたかった。
すまん。



Q. 柊さくらが某キャラに似てるんだけど…


A. 断じてパクリじゃない

そのキャラも作品も知ってるし、何なら持ってて積んでるけど違います。
制作進んでる後になって気づいて「あっ……」ってなったやつ。

まあ別に似てるキャラなんて世の中沢山いるし開き直ってそのままいった。



Q. 背景って素材なの?


A. 9割素材

大会会場の室内とCG背景は描き下ろし。
あとは加筆したり天候変えたり、色味合わせたりして工夫してた。

本当はな………外注したかったんだ。


描き下ろしたやつ↓





スクリプトの話

ゲームの情景見えてるのが僕だけだったので、案の定これも僕がやりました。
一番時間かかったのはシナリオでしたが、一番難航したのはスクリプトでした。
バグとの闘いはまさに地獄。


Q. プログラマー抜けたのに作れたの?


A. 作れちゃった

プログラマーがいなくてもノベルゲームなら作ることが出来ます。
何故なら、今は色々なツールがあるからです。
今回は「ティラノスクリプト」を使用させていただきました。

最初は質とか心配でしたが、使ってみると普通に全然大丈夫でした。
流石にオーダーメイドに比べると劣ってしまうかもしれませんが、基本的なことは簡単に出来るし、やりようによってはかなり自由度が高いです。
(Sasanquaにいたプログラマーは別にプロじゃないので、実際どっちがいいの出来るかはわからん)



Q. 具体的に何をやったの?


A. システムから演出まで全部やった

システムがスクリプトに入るのか入らないのかは知りません。

基本的にシステムは元からあるテンプレとか、有志の方が公開してるプラグインをそのまま使ったりカスタムしてやります。
まあそれでも上手くいかないことなんてざらでした。

演出は普通にやっても微妙な感じになってしまうので、配られたカードでどうすれば自分のやりたい挙動を出来るのかとか考えたりしました。

システムは1週間くらいで、演出の自分なりのテンプレートは最終的に2ヶ月くらいかかった気がします。
制作してく中で都度ブラッシュアップする感じでした。



Q. バグとか不具合ってどんな感じなの?


A. 一番多いのはゲームが止まるやつ

立ち絵の表情差分が連続して変わる所でスキップをすると、処理が追い付かなくて止まるっていうのが一番苦しめられました。
調べても解決法が出てこないので、それの原因を自分で特定して、めっちゃ手間かけてゴリ押しな感じで突破してたりしました。
最終的にはスキップを根本的に弄って解決しましたね。

あとは立ち絵がぶっ飛んだりするのが多かったです。
今売ってるやつでも起こりうる可能性は0ではないのでめっちゃ心配です。怖い。
(乱数とかではなく、把握していないパターン的な意味で)



Q. ティラノスクリプトってどうなの?


A. 同人ならめっちゃオススメ

ユーザーが多いので有志の方が公開してる記事やプラグインがあったり、掲示板があったりと分からなくなっても何とかなります。
ですが、わからなくなって調べて解決しないこともかなりあるので、そうなった時は自分で考えて検証して解決するしかありません。
僕は頭がいいので機転を利かせて何度もピンチを潜り抜けました(自画自賛)

「スクリプトなんてわからないし書けないよー」っていう人は「ティラノビルダー」がオススメです。
基本ドラッグ&ドロップなので初心者でも簡単に作ることが出来ます。

ちなみに僕は一度触れて肌に合わなかったのでティラノスクリプトを使用しました。
大変でしたが、こちらの方が自由度も高いので結果的によかったです。





R18版の話

依頼してる声優とか、僕の描いてた絵とかから気になる人もいると思います。
ということでその辺を書いていきます。


CFリターンの抱き枕カバー↓



Q. 何でR18じゃなくて全年齢なの?


A. CAMPFIREがR18無理だから

確認取ったわけじゃありませんが、公序良俗に反するどうのこうのって書いてたので無理だと思います。
CAMPFIREでR18コンテンツのCF見たことないし。

なので渋々全年齢を作ることにしました。



Q. 今後R18版は作るの?


A. 予定はしてた

全年齢を出した後に、遅れてR18版を出すというような予定となっていました。
そのため本編にHシーンを挟めるような話の作りにしてあります。

ですが、利益度外視とはいえ予想以上に個人負担額が大きいかったほか、売り上げも伸びず、予算確保が出来ていないため厳しい状況となっています。

今後予算を確保でき、時間も確保でき、尚且つモチベーションがあれば作ります。
全ては僕次第といった感じです。
(R18部分の追加だけとはいえCG10~20枚は普通に大変)

もし作った時にパッチの販売なのか、ゲームそのものの販売なのかはわかりません。
パッチでデータどうのこうのにならなければパッチで行きます。





次回作の話

「Authentic feelings」を発売し、R18版を保留しているSasanquaですが、果たして次回作はあるのでしょうか?



Q. 次回作はあるの?


A. 未定

正直、休みたいです。

課題時代から約3年、Sasanqua結成から1年半。
それだけ長い間「Authentic feelings」と向き合ってきました。

特に、CF開始してからの1年はほとんど自由が無く、毎日毎日作業に打ち込むだけの日々を送っていました。
ゲームって凄く作るの大変なんですよね。
凄く大変なんです。



Q. じゃあ次回作は無いの?


A. わからん!

「ゲームとかもう二度と作りたくねぇ」って思ってるし、トラウマになりつつもあるんですが、「また作りたい」とも思っている自分がいます。
それが僕のクリエイターとしての性であり、創作に対する情熱は、一度溢れだすとなかなか収まらない物です。
ただ、今は少し疲れてしまっただけなんですね。


実は、次回作の話というか、世界観というか、そういうものは頭の中にあったりします。
ゲーム制作期間中に見た夢のワンシーンが忘れられなくて、そこから着想を得て、気まぐれに設定とかまとめたりしています。
(内容的にADVでうまく表現出来るかわかりませんが)

まあ、今はまだR18版をどうするのかも決めてないし、お金も時間も何もかもが不確定なので実現するかはわからないです。
けれど、いつかその時が来れば、お披露目出来たら良いなと思ってたりもします。
(敷居がめちゃくちゃ高いので、その間もしかしたら音声作品とかなんか他のとか勉強して作るかもしれないです)

まあそれもこれも、モチベが無くなって作らないことも全然あり得ますし、それを作る時はSasanquaとしてではないかもしれません。



Q. そもそも今回売れてないけど大丈夫?


A. 大丈夫じゃない

最初から上手くいくとも思ってないし、利益度外視だったとはいえ凄くショックです。
せっかく作ったのでもっと沢山の人にプレイしてもらいたかったし、感想も聞きたいというのが本音ですね。

ただ、作品の出来に対してあの値段じゃ売れないよなぁとは思いつつ、CFの兼ね合いもあって販売価格を落とせないジレンマもあります。
(そもそも下手に商業の真似をしようとせず、身の程をわきまえてやってればよかったわけですが…)

もし次ゲームを作るならば、今回の経験を生かして、もっと沢山の人にプレイしてもらえるように精進したいと思います。





ゲーム制作を経て


「Authentic feelings」が発売してから3か月が経ちました。
このゲームを作ろうと意気込んでから約3年、CFを開始し、本格的に制作が始まって約1年。
何度振り返ってみても、本当に長く険しい道のりでした。
でも、終わりが見えなかったはずなのに、いざ終わってみると、ほんの一瞬の出来事だったようにも感じます。
それほどまでに毎日が大変で、忙しくて、辛くて、夢中になっていました。


「自分の理想のゲーム」を夢見て、長い時間をかけてようやく、なんとか形にすることが出来た「Authentic feelings」。

このゲーム制作を通して、沢山のものを失った気がします。
お金だったり、時間だったり、自由だったり。
大体はそんな感じですが、細かく言えばもっともっとあります。

それらについてだとか、プログラマーが抜けたことだとか、他の事だとか、声に出して言いたいことや、言葉にして書き表したい想いは本当に本当に山ほどありますが、それはグッと我慢しておくことにします。
そういうのをここに書き連ねるのは、なんだかあまりかっこよくない気がします。
(一度長々書いたけど気持ちが入りすぎて恥ずかしくなっただけ)


さて、色々ありつつも、なんだかんだ完成まで嗅ぎつけることが出来た「Authentic feelings」。
"失ったもの"に対して、"得たもの"はなんでしょう。

言っておいてあれですが「一体何を得たの?」と聞かれても、僕はパッと答えることは出来ません。
少し息詰まって考えた後に、「ゲームを一本作った実績」とか「色んなスキルが身についた」とか「少しだけノウハウを知ることが出来た」とか、そんな曖昧なものしか言えないと思います。
あれだけ時間をかけておいて、売り上げが無いどころか大赤字だし。
もしかしたら、バカで滑稽で、惨めに見えていたかもしれませんね。
これを無謀で、無価値で、無意味な挑戦だと笑う誰かもいるかもしれませんね。

ですが、僕はこのゲームを作ったことを1ミリも後悔していません。
制作中も一度たりとも思ったことはありませんでした。
何故なら、"作って何を得るか"よりも"作ることに意味があったから"です。

ゲームを作ることは絵を描き始めてからずっと、密かに抱いていた夢です。
出来たゲームは理想とは程遠いものでしたが、それでも僕は夢を一つ叶えることが出来たし、プレイした感想やレビューを見た時は嬉しくて泣いてしまったし、関係者の方に「本当にお疲れ様でした」と一声貰った際は、ずっと感じていた重圧から解放されたような、心地良い解放感がありました。
それは今まで感じたことの無いカタルシスで、何にも代えがたい、お金では買えない代物なのだと思っています。

もし、今ゲームを作っている人や作りたいと思っている人がいたら……いえ、ゲームだけではありません。
何か成し遂げたい夢があるのであれば、是非本気で挑戦してほしいし、本気で頑張ってほしいです。
決して簡単なものではなかったし、損することや、辛い事ばかりだったけれど。
それでも、僕はそれほどの価値があるものだったと感じています。
もしバカにするやつがいたって、それはそれでいいんです。
言わせておけばいいのです。
だって、周囲の反発があった方が、心が熱く燃え上がるでしょう?
夢って、それぐらい本気になれるものなんですよ。きっと。


そして今、夢を一つ叶えた僕は、また新しい夢に向かって準備を進めています。
順調に叶えられるかもしれないし、一筋縄じゃいかないかもしれません。
だけどいつか、なんだかんだ叶えられるんじゃないかと、そんな気がしています。
そしてまた、新たな夢に向かって努力して努力して。
その頃には"このゲームを作って得たもの"も、はっきりと言えるかもしれません。

そんな、自分の夢に忠実に生きる米瓜きとらとSasanquaを、どうか今後とも応援していただけると嬉しいです。


そして、このゲーム制作の関係者並びに支援者の皆様、応援してくれた皆様。
私たちSasanquaがこのゲームを最後まで作り上げることが出来たのは、皆様の協力や応援があってこそのものでした。
この場を借り、改めてお礼をさせていただければと思います。

本当に本当に、ありがとうございました!



Sasanqua代表 米瓜きとら

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