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短編小説の記事 (3)

ベニイロゲームス 2022/02/05 20:00

【無償】掌編シナリオの執筆をお請けします

お仕事のおはなし

いつもお世話になっております。紅蓮です。
先日の記事でも触れましたが、この度本業とは別にシナリオのお仕事を初めてみようと思い立ちました。

500~3000字程度(応相談)の掌編シナリオ執筆作業を、
作品としてインターネットで公開予定』のものに限り無償でお請け致します。

YouTube向け音声作品の台本や、掌編ゲーム制作などにお使い頂けます。

得意としているジャンルはファンタジーで、しっとりとしたお話を書くのが好きです。
……が、色々なスキルを身につけたいと考えておりますので、ご依頼者さまのスタンスにあわせて柔軟なライティングが出来るよう努めます。

過去の実績はページ下部に記載しております。

概要・条件

二次創作は基本的にはお断りさせて頂きます。
 (原作の読み込み作業が重たいため)

シナリオの用途をあらかじめご共有ください。
 (音声作品用や、ゲーム用など用途によってシナリオの形式が大きく変わるため)

設定など希望がありましたらご共有ください。
 (ジャンルやあらすじなど。希望が無い場合はこちらで考えさせて頂きます)

リテイクは認識合わせも含め1度まで承ります。

納期は基本1ヶ月とさせて頂きます。
 (本業との兼ね合いで相談させて頂く場合もございます)

基本的に著作権の譲渡は行いません。
 作品を公開の際は本編や作品概要などに私の名前とTwitterURLの記載をお願いします。

許可を頂けた場合、携わらせて頂いた作品はこちらの記事で実績として掲載させて頂きます。

同シナリオのゲーム版の制作及び公開を、コラボという形で打診させて頂く場合がございます。
 (勿論お断り頂いても大丈夫です)

本業や他作業の都合により、ご依頼をお断りさせて頂く場合がございます。

一度以上のリテイクや更に早い納期をご希望の際は、有償で承ります。

=====

ご依頼はTwitterのDMもしくは『gurenraindrops▲gmail.com』にご連絡頂けると幸いです。(▲を@に変えてください)

その他お問い合わせも歓迎していますので、もしご興味ありましたらお気軽にお問い合わせください!

過去の実績

音声作品

幸せの形

紹介記事

ジャンル:やや男性向け・百合・切ない

ご依頼主:堂坂有希 様
Twitter
YouTubeチャンネル

https://www.youtube.com/watch?v=Mt-W7F-U-i8&t=9s

甘音ちゃんは言わせたい

紹介記事

ジャンル:男性向け・バレンタイン・甘い

ご依頼主:菜月なこ 様
Twitter
YouTubeチャンネル

https://www.youtube.com/watch?v=VAj8OSnoRKI&t=1s


私の勇者さま

紹介記事

ジャンル:男性向け・ファンタジー・ヤンデレ

ご依頼主:菜月なこ 様
Twitter
YouTubeチャンネル

https://www.youtube.com/watch?v=S8lVJhb_ly0


ちょっと口の悪い年上男子がなんだかんだで甘やかしてくれる

紹介記事

ジャンル:女性向け・癒やし

ご依頼主:清水こうき 様
Twitter
YouTubeチャンネル

https://www.youtube.com/watch?v=UkRd0eByCWA

ゲーム作品

Road of Lord

ジャンル:ファンタジー・戦記

依頼主:自作

体験版公開中

ベニイロミュージアム

ジャンル:ファンタジー・短編集

依頼主:自作、コラボ

公開ページ

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ベニイロゲームス 2021/04/23 20:00

Calam

本記事はTwitterにて企画された【お題決めて随筆して議論しよ企画】に参加するために制作された掌編です。
お題は「青空」「杯」。ちょっぴり風変わりな短編ですが楽しんで頂けると幸いです。

それでは、どうぞ!

Calam

「今週もお疲れさま~」

「かぁ~やっぱり週末は飲みにかぎるな」

「やだ、時雨オヤジくさ~い」

「うるせえ、これが飲まずにいられるかってんだ」

「随分荒れてるな、なにかあったのか?」

「きいてくれよ陽介~っとと、イヤホン落っことしちまった」

「私も。ちょっとカメラの調子が悪いわね……」

「ったく、香澄は毎週それだな。そろそろ買い換えたらどうだ?」

「ん~なかなかタイミングがなくて」

「ていうか」「それは……」

「ん、陽介なんかいったか?」

「いや、別に重要なことじゃない。時雨が先でいいぞ」

「んお、悪ぃな……ってか、聞いてくれよ!!」

「うるっさ……音量さげよ」

「今日うちの部長がさぁ、取引先に商品の営業行って来いっていうんだけどさ」
「空気洗浄機なんて、このご時世売れるわけねぇじゃん?」

「それがそうとも限らないって話よ?」

「マジで? 今需要上がってんの?」

「今日の急患の3割がカラム中毒だったし。学会では室内でも安心できないって話で持ち切りみたい」
「陽介もきいてるよね?」

「ああ、きいている。だが、空気洗浄機ごときでカラムが除去できるなら、俺の仕事はなくなるな」

「だよなぁ!? プロが言うんだからまちがいねぇ」
「あー、いっそ外にでてパーっと一杯やりてぇなぁ」

「ちょっと、冗談でもやめてよね……そんな自殺願望者みたいな冗談」

「……昔はよくあったみたいだがな」

「それ、何百年前の話よ」

「はるか昔、この地球が……まだカラムに侵されていなかった時代の話だ」

陽介は、おもむろに手元にあった注射器のようなものを手首に突き刺す。
すると注射器はぶるりと震え、薄い青色の液体を彼の体内に吐き出し始めた。

「いいよな、昔はカラムがなかったんだろ?」
「食い物も今みてぇに内蔵をごまかすためのもんじゃなくて、生きる楽しみだったらしいじゃん?」

言いつつ、時雨は小さな灰色のキューブを口の中へ放り込む。
ガリッと音を立てて咀嚼されたそれは、無機質な刺激で食欲を満たす。

「お酒も安かったらしいわね。それこそ毎日飲んでも平気なくらい」

ブシュゥゥッ! と激しい音をたてる、分厚いビニールのパック。
その中にはおおよそ液体とは思えない、どろりとしたものが封入されている。

「マジかよ……ってか香澄二杯目か!? 随分と豪気だなぁおい」

「ふふ、今日は酔いたい気分なのよ」

香澄はその半固形のモノを喉に流し込み、愉悦の息を吐き出す。

「はぁーあ、畜生……夢も希望もねぇなぁこの世はよぉ!」

「希望なら、ある」

口汚く発せられた時雨の愚痴を、陽介が遮る。

「おまえの職業柄、そう言いたくなるのはわかるけどよ……」
「もう国から支援が出なくなって何年だよ? 今さら、だれもカラムをどうこうしようだなんて思っちゃいねぇよ」

「ちょっと! 何とかしようとしてる本人の目の前で何てこというのよ!」

「事実は事実だろうが! それとも、なにか良いニュースでもあるってのかよ!?」

モニターの向こうで、ギャーギャーとふたりの怒号が交差する。
陽介はため息をつくと、残った酒を一息に流し込んだ。

「ある」

つぶやくように言葉を零し、キーボードをたたく。

「えっ、嘘!? 研究に何か進展があったの!?」

「研究に大きな進展があったわけじゃないが……目指すべき『希望』は見えた」

パチリ、とエンターキーを押下する。

ブンッと音を立ててモニターに表示されたのは、一枚の、なんの変哲もない青い空の画像。

「どれどれ……な、なんだこれ?」

「先週飛ばした衛星が捉えた『青空』だ。あの分厚い雲の向こうには、こんな空が広がっているんだ」

「うっそだろ、おい……これが、空か」

「こんな美しい空の下で飲むお酒は、さぞ美味しいでしょうね……」

「ああ、きっと……美味いだろうな」

陽介たちは、モニターを食い入るように見つめる。
その空の映像は、彼らの知るこの世界に存在するどんなものより、美しかった。

「……すまん、陽介。ちょっと言い過ぎたわ」

「気にするな。夢追い人と世間に揶揄されている職業だからな……言われ慣れている」
「だが、誰に何と言われようと俺はやりたいことをやる。それだけだ」

「……おまえはむかしっから、変なところで明るいってか、熱血だよなぁ」

「明るいフリして年中ジメジメしてるアンタとは大違いね」

「うっせ! あーっ、しゃーねーな。俺も明日からがんばりますか!」

「ったく、時雨は毎週それだな。その頑張りは週を跨げないのか?」

「無理無理、なんのために毎週末飲み会やってるおもってんだ」

「なぁーにー? その後ろ向きの自信。まぁわかるけどさ」

「……よし、そろそろ遅くなってきたし、解散するか?」

「そうだな、うおぉ、もうこんな時間かよ……」

「それじゃ、また来週」

「おう、じゃあな!」

「ああ、またな」

画面の青いボタンをタップすると、モニターからふたりの顔が消失した。

楽しい時間が過ぎてしまったことに、若干の憂鬱を感じながら、陽介はゆっくりと立ち上がる。

そして、薄汚れた分厚い窓から外を眺めた。


ガスマスクなしでは家の外に出ることすら不可能になった、汚染されきった空気が充満する世界。

空は赤く染まった分厚い雲で覆われ、その雲からは強い酸性の雨が降り注ぐ。

光と糧を失った植物は枯れ果て、人間以外の生命は皆死に絶えた。

そんな絶望を具現化したようなこの世界で……人は生きる。

明日か明後日か、来週か、来月か……自分に見える範囲の『希望』に向かって。


それを繰り返し、繰り返して。いつの日か、青い空を見上げて杯を交わそう。

それが……何年、何十年。何千年先だったとしても。

人が歩みをとめなければ、いつかきっと、太陽はのぼるだろう。

空に太陽がある限り、明けない夜など……決してないのだから。

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ベニイロゲームス 2021/04/13 23:02

紅い薔薇

本記事はTwitterにて『キリサキ 乙女ゲ制』さまより頂いた
「歌」「赤い薔薇」「少女」「ダーク」のお題から作り上げた掌編小説です。
やや猟奇的な描写を含みますので、苦手な方はご注意を。

大丈夫な方のみ、以下のサムネより下にお進みください!













紅い薔薇

白。

窓ひとつない、部屋の最果てすら認識できないほどに、白い部屋。
その壁面らしき場所にはずらりと、おびただしい数の棺桶が並んでおり、
床面には不気味なほど白い薔薇が無数のつぼみをつけていた。

棺桶と薔薇。双方に囲まれるようにして部屋の中心に横たわるのは、一つの祭壇。

大型の寝具ほどの大きさのその祭壇には、一人の少女が捧げられている。
その髪は白く、その肌もまた、白い。

「ただいま、デア」

棺桶の隙間から、ガチャリと扉を開く音と共に青年が顔を出す。
青年はその長い金髪を揺らしながら、少女の眠る祭壇にひざまずいた。

「やっと、やっとだ。ようやく、君を取り戻せる日が来たよ」

青年は、するりと少女の頬を撫でる。
しかし、少女は生理的な反応すら見せない。その肌は、氷のように冷たかった。

ぽたりと肌に熱いしずくが落ちるが、その熱は氷を溶かすことなく流れ落ちる。

「君がいなくなって数年。本当に、辛かった。気が、狂いそうだった」

「……でも、それも今日までだ」

立ち上がり、手にしていた杖を大きく振るう。
ぶわり、と部屋中の薔薇が鳴き声をあげた。

「アルヒ、テレティ、スィスィア……」

歌うように、青年はひとつひとつ、呪文を紡いでゆく。
その言霊は部屋全体に反射し、ひとつひとつ、白い薔薇の中に染みわたってゆく。

「……アナヴィオスィ」

最後の呪文と共に、杖を地面に突き刺す。

その瞬間、部屋中の白い薔薇のつぼみが一斉に花開き、うめき声にも似た歌を、唄う。

棺桶たちもギシギシと軋むような悲鳴を上げ、その底から、じわりと紅い色がにじみ出る。
白い薔薇はそれを、我先に、我先にと吸い上げ、飲み込み、歓喜の声をあげた。

部屋の端、棺桶から染み出た『紅』は、白い薔薇を部屋の中心に向かって侵してゆく。
やがて、ゆっくりとその浸食は収まり、部屋全体が燃えるような深紅に染め上げられた。

部屋の中央、祭壇に眠る少女の白い髪を残して。

「ほら、見てくれデア。綺麗だろう……? 君が失ってしまった、命の色だよ」

青年が、少女の真っ白い髪をすくように撫でる。

「……最後の、仕上げだ」

ふっと自嘲するように口角を歪ませると、青年は自身の胸にずくりと手を突き立て、紅の根源を引きずり出した。

「ああ、愛するデア。僕の、愛しのデア」

ぶるぶると震える手を掲げ、突き刺した杖の頂点に、『それ』を捧げる。

「どうか、わらっておくれ」






どくり、と紅が脈打つ。

どろり、と紅が流れ落ちる。

紅い薔薇が、唄う。

その歌に促されるようにして、べたりと、少女の無垢な『白』の上に紅が落ち、犯し、侵してゆく。





「ん……」

少女の喉が鳴る。

少女の髪は、肌は、命の色を取り戻していた。


「ああ、スィスィ……!」

少女は祭壇を降り、床に倒れ伏している愛しい人を抱き上げる。

そのむくろはすでに温度を、そして、あらゆる色を失っていた。

「スィスィ……私の、スィスィ……」

少女はその白い体をかき抱き、言葉にならない声と共に熱い涙を流す。

「あなたの居ない世界で、生きていけというのね」

「自分と同じ苦しみを、私に味わえというのね」

「愛しくて、憎らしくて……非道い、ひと」

その白い肌に爪をたてても、一筋の色も流れ落ちはしない。

「わかったわ、私は……生きる」

「それがあなたの犯した罪に対する罰ならば、私は受け入れるわ」

少女は自身の髪をいとおしそうにひと撫ですると、立ち上がり、杖の先端にあるモノに食らいつく。

「あなたと共に。いつまでも、永遠に」

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