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舞沢野乃花 前日譚 第一章『ことばの あやが あざやかに』 その1

[はじめに]

 舞沢野乃花という人がいる。
 私が先月まで通っていた高校、新棚学園での後輩であり、
 言わずと知れた有名人だった。
 
 大手旅行会社の社長令嬢であり、新棚学園の生徒会長。
 
 肩書きだけでも十分だが、
 彼女の地位を確固たるものにしているのは、本人に備わった圧倒的なカリスマ性だ。
 
 一度味方になってくれると、まるでヒーローのような安心感をもたらしてくれる。
 そんな彼女を慕う人は多く、中には親衛隊じみた過激なファンもいるようだ。

 そんなこともあって、校内で彼女と話すときは、皆が妙な緊張感を持って接している気がする。

 たとえ彼女と仲が良く、本人に対して物怖じしないような人でも、周りの視線が気になって、ついつい言動が固くなってしまうのだ。

 まるで、厄介ファンに囲まれたアイドルのようだ。
 まあ、私もその内の一人なんだけれど。
 
 けれど、私は他の舞沢野乃花ファンとは違う。
 ……自惚れではない、実例を挙げよう。
 
 一つ、私は彼女と仲が良い。
 先輩後輩の垣根を越えて、彼女とは対等に話せている気がする。たぶん。
 普通に友人だ。少なくとも私はそう思っている。
 むこうも友人と認識してくれているのかは知らない。そうだといいな。

 ……ダメだ、このままでは単なる厄介オタクだ。

 もう一つ挙げよう。

 私は舞沢野乃花が生徒会長になる前から、彼女と知り合っている。

 彼女の名が学園中に知れ渡ったのは、彼女が二年生の時、生徒会選挙のスピーチをしたタイミングだ。

 私はそれよりも前、一年生の時の彼女と出会っているのだ。

 
 せっかくなので、その話をしようと思う。
 二年前――私と舞沢野乃花との出会いの話を。
 
 古参アピール――というより、自分語りになるだろう。
 だってこれは、私の話。
 私が舞沢野乃花に救われたという、ただの自慢話なのだから。

[1-1 二年前、懺悔の河川敷]

 私には悪友がいる。
 辺りが寝静まった頃、こっそり私を呼び出し、外へと連れ出す悪友が。

【つばき】
「おっひさー。一週間ぶりだね」

【真澄】
「……毎回玄関ノックするの、びっくりするから止めて欲しいんだけど」

【つばき】
「インターホンの方がよかった?」

【真澄】
「そういう事じゃなくて」

【つばき】
「ごめんごめん、今度は電話するからさ」
 
 何回繰り返したか分からないやり取りを交わす。
 こんなことを言いつつも、この悪友が事前に連絡をよこした事なんて一度もないのだ。

【つばき】
「そんなことよりさ。星、見に行こ」

【真澄】
「……うん」

 何回繰り返したか分からないやり取り。
 毎回頷いてしまうあたり、私もいい人ではないらしい。

 静かに家を抜け出して、二人で夜道を歩く。 目的地は尋ねない。確認するまでもないから。 

【つばき】
「いやーしかし、すっかり抜かされちゃったなあ」

【真澄】
「また背の話してる」

【つばき】
「気にしてるんだもん。昔は私の方が上だったんだけどなあ……」

 不服そうに頬を膨らませる。
 つばきは普段から自分の容姿に納得がいっていないようで、それは高校二年生にしては幼く見えるためらしい。
 けれど、幼さを気にする割には言動が一々可愛らしくて、ついつい笑みが零れてしまう。

 こんな時間にもかかわらず制服姿なのも、幼く見られないようにするためなのだろうか。
 誰かに見つかったら問題になりそうでモヤモヤするけれど、なんとなく聞き出せないでいる。

【真澄】
「………」

 いや、なんとなく、ではないか。
 怖いんだ。それを聞こうとしたことで、この関係が壊れてしまうんじゃないかって。

 彼女は悪友だけど。
 今となっては、私にとってたったひとりの、一緒にいても胸が苦しくならない存在だから。




 今日の夜空は、いつにも増して綺麗に見えた

【つばき】
「えー、そう? ウチにはいつもと変わりない夜空に見えるな。むしろ、いつもより雲が多くて残念」 

 深夜の河川敷。
 制服姿のまま隣で寝そべる悪友が、不思議そうな顔を向ける。
 私は空を見つめたまま話を続けた。

【真澄】
「……雲が多いからこそ、だよ。切れ目から顔を出す星が、とても綺麗」

【つばき】
「おりょ? 真澄がそんなこと言うなんて、なんか意外」

【真澄】 
「意外、かな」

【つばき】
「うん。その……繊細? でいいのかな。
 そんな感じのコメントは、なんか、らしくないって感じする」

【真澄】 
「その言い方はちょっと嫌かも。
 決めつけられてる感じがする」

【つばき】
「え、あ、ごめん……やっぱり繊細だ」

【真澄】
「…………」

【つばき】
「で、でもさ。
 これは真澄が真澄である以上、仕方ないと思うんだよ。
 だってさ――」

【真澄】 
「?」

【つばき】
「『真澄』なのに曇り空の方が好みって、なんだかズレてる感じしない?」

【真澄】
「……ふふっ、確かに」

【つばき】
「お、怒らないんだ」

【真澄】
「名前で弄られたことなかったから、なんか新鮮で……」
 
 成る程。
 17年の人生の中で、自分の名前の意味なんて対して気にしてこなかったけれど、
 指摘されていざ考えてみると、私ほど名に反した人間もそうそういないだろう。

 だって彼女(わたし)の心は、いつだって曇り空と悪天候ばかりだから。 

【真澄】
「……まったく、いつになったら澄んでくれるのやら」
 
 思わず口から言葉が漏れ出た。
 迂闊だった、こんなことをしたら、つばきが見逃すはずがないのに。
 
【つばき】
「真澄、何があった?」

 ここで素早く察して、かつ、何かあったことを断定して問いかけるのが彼女だ。

 こうなったらもう、逃げられない。
 今日一日、私が隠し通そうとしていた、あの話をするしかない。

【真澄】
「……うん。ちょっと……いや……」
 
 自分の言葉を否定する。
 これは全然「ちょっと」ではない。
 きっかけ自体は些細な出来事だったけれども、
 その出来事がもたらした結果は、他ならぬ深刻そのものだったから。
 
【真澄】 
「……先週ね、事故に、遭ったんだ」

【つばき】
「事故!? 真澄が……ってわけじゃないよね。今元気そうだし」

【真澄】
「そう、だね。……私じゃない。
 事故に遭ったのは、妹だよ」

【つばき】
「妹――確か、萌ちゃんだっけ」

【真澄】
「……うん」

 頷く。
 事故に遭ったのは萌だ。
 萌だけだ。
 他の誰でもない。
 私でも、ない。

【真澄】
「……ほんとはね、私が遭うはずだったんだ……。
 でも、私のこと庇って……」

【つばき】
「……」

【真澄】
「車に跳ねられたんだ。私の代わりに」
 
 ただちょっと、横断歩道で転んだだけ。
 笑ってしまうような、下らない自分のミス。
 今、それを笑い話にできないことが、ただただ苦しい。 

【つばき】
「それで、萌ちゃんはどうなったの?」

【真澄】
「……幸い、命に別状はなかったよ。
 意識もはっきりしてる。
 退院もして、明日から学校に行く予定」

【つばき】
「おお、それはよかった」

【真澄】
「でも、でもね……」

 星空を見ていた目を両手で覆う。
 
 かすれた声で、避けていた事実を述べる。

【真澄】
「萌、今車いすなんだ……。
 私のせいで、歩けなくなっちゃった……」


[1-2 加害者と被害者のリビング]

 翌日の朝。
 まだ誰もいないリビングで、昨日の残りのカレーを食べながら、私は緊張を覚えていた。
 萌にどんな顔をして会えば良いか分からなかったからだ。

 いや、昨日の時点で顔は合わせているんだけれど、
 夕方にアルバイトがあったので時間がなく、「退院おめでとう」くらいの簡単な会話しかしていなかったのだ。

 だから実質、今日の朝が退院後の萌と過ごす最初の日なのだけれど。

 正直、このまま先に家を出て、学校に向かってしまおうかという気さえしていた。

【真澄】
「……」

 事故に遭うまで、私と萌との関係は良好だった。
 
 その理由は、私達の歳が一つしか違わないからというのもあるけれど、
 萌の性格の良さに起因するものが大きかったと思う。
 
 嫌みでも何でもなく、萌はよくできた妹だ。
 好奇心旺盛で人なつっこい上に、聞き分けも良いので話していて疲れなかった。

 運動神経もよく、所属していたバレー部でも周囲から頼られる存在だったらしい。

 羨ましくなるくらいにハイスペックな少女だった。
 
 過去形だ。
 私が過去形にしてしまった。

【真澄】 
「………………っ」

 スプーンで掬ったカレーを口に入れる。
 辛口の筈なのに、何も感じられない。
 
 胸に巣食う感情に、全て持っていかれてしまう。

 この居心地の悪さ。
 あるいは、居場所のなさに。

【真澄】
「………………………」

【萌】
「お姉ちゃんおはよー」

【真澄】
「えっあっ」

 すんなりだった。

 私の緊張をよそに、萌は平然とした様子でリビングに入ってきた。

 寝間着姿のままだった。
 包帯なども巻かれておらず、ごく普通の様相。

 普通じゃないのは、伸ばしていたはずの髪が短く整えられていること。
 そして、車いすに座っていることだけだ。
 
 母親も一緒だった。
 ベッドから乗り移る際の介助をしたのだろう。
 今も車いすを持って、萌の移動を手助けしている。

【真澄】
「あっ……お、おはよう」

 慌てた挙げ句、凡庸な言葉しか出ない。

【萌】
「む、先に一人で朝食なんて、寂しいことするじゃん。
 萌も一緒に食べる。というか、みんなで一緒に食べようよ」

【真澄】
「あ、うん……ごめん」

【萌】
「いいよ。
 お母さん、ごめん、椅子に座るの手伝ってくれる?」

【真澄】
「……あ、そっか。高さが……」

【萌】
「合わないんだよねー。おのれ海外製……」

 我が家のテーブルが高めの設計をしているせいで、車いすのままだと食事ができないのだ。

【萌】
「イスをもうちょっと近く……いや、角度を狭くして。
 そう、そんな感じ」

 車いすの位置を調節してもらい、車輪をロック。
 足置き――フットレストと言うらしい――も上げてもらう。

 母親が萌の腰に両腕を回し、萌は母親に抱きつくような姿勢になる。
 
 心なしか、母親の手が震えているように見えた。 
 介助の経験が浅く、緊張しているのだろう。
 
 逆に萌の方はすっかり慣れた様子だ。
 入院中に何回も練習したのだろうか。

【萌】
「落ち着いて。斜めに持ち上げてね。……せーの。
 よいしょっと。」

 掛け声と共に、車いすからイスへの移譲が完了した。

【萌】
「うーん、ちょっと遠いな……。
 あ、お母さん待って。イスは動かさないで」
 
 咄嗟にイスを押そうとした母親を制する。

【萌】
「ごめんお姉ちゃん、ちょっと机をこっちに押してもらってもいいかな」

【真澄】
「え、あ、うん。わかった……。
 っ、これくらいでいい?」

【萌】
「うん、ばっちり。ありがとう。
 お母さんも色々ありがとね」

 申し訳なさそうにしている母親をねぎらう萌。

【萌】
「あ、そうそう。
 さっきはああ言ったけど。イスを動かしちゃダメってわけではないんだ。
 転ばないように準備とかコツがいるから、机を動かした方が安全ってだけ」

【真澄】
「なるほど……」

 空返事だった。
 この一連の流れを通して、改めて実感していたから。
 本当に、動かないんだということを。

 外傷はない。
 しかし事故による神経麻痺は、萌の両脚から上手く力を入れる能力を奪った。

 いつ歩けるようになるのかは、一切分からないし、
 そもそもリハビリを続ければ歩けるようになるのかすら分からない。

 ひどく不透明な現状を、私の妹は生きている。

【萌】
「さーて。
 ……お姉ちゃん、ご飯を持ってきて欲しいな、なんつって」

【真澄】
「あっ、ごめん」

【萌】
「気にしてないよ。色々初めてだもんね」

 介助の様子に見入るあまり、完全に失念していた。
 慌ててご飯をよそい、温め直したカレーをかける。

 疲れているだろう母親の分も用意して、ようやく3人の食卓が完成した。

【萌】
「いただきます」

【真澄】
「い、いただきます」

【萌】
「……お姉ちゃん」

【真澄】
「?」






【萌】
「ただいま」







【真澄】
「――――――――っ」

【萌】
「久しぶりに、目線が合ったね。
 なんか、嬉しい」

【真澄】
「萌…………」

 その言葉は。
 
 自分は大丈夫だよと、私に諭しているようで。
 気にしなくて良いんだよと、私を許しているようで。

 私は、
 私は。





 深く絶望した。




【真澄】
「(………やっぱり)」

 私は知っている。
 萌ができた妹だということを。
 
 姉だから、知っている。
 一番近くで見てきたから、知っている。

 だから、分かる。
 そのよくできた妹が、どういう風に無理をするのか

 萌は、誰かに傷つけられたとき。
 その相手に、"まるでなんともなかったかのように" 振る舞うのだ。

【真澄】
……ごめん

 耐えられなかった。
 これしか言えなかった。
 掠れすぎて、小さすぎて、聞こえなかっただろうけれど。

 それでも、詫びずにはいられなかった。
 自分が加害者になってしまったことを。

 

[1-3 出会いの帰路]

 そこから、萌とはろくな会話をせずに家を出た。
 
 私と萌は高校が同じで、徒歩通学だった。
 だから必然的に一緒に登校していたけれども、
 今後は萌が母親に送迎してもらう都合上、私ひとりでの通学になる。

 学校までの道のりを歩いている間は、正直、気が楽だった。

 学校に着いてからのことは、あまり思い出したくない。

 とにかく、誰かと一緒にいることが辛かった。
 
 罪悪感が暴走していた。
 事故のことを考えないようにしようと思うたび、逆に強く意識してしまっていた。 
 誰かに話しかけられる度、事故の話題を出されるのではないかと恐怖していた。
 
 そして放課後。
 形ばかりの生徒会の業務を終えた私は、こうしてたったひとりの帰路を歩いている。

 風は冷たかった。
 それでも、ひとりが心地よかった。

 一人なら、傷つかない。
 傷つけることも、ない。


 ――といった様子で、当時の私は随分と落ち込んでいるけれど。 

 もう一度、この節のサブタイトルを読んで欲しい。

 "1-3 出会いの帰路"

 そう、私はここで出会うのだ。
 大手旅行会社の社長令嬢にして、未来の新棚学園の生徒会長。
 
 舞沢野乃花に。

 もっと詳しく書くと、
 「萌の車椅子を押している」舞沢野乃花に。

 ……なんで?
 
 という疑問の答えは、来月話すとしよう。

 今月はこのくらいで。
 それではまた。

(つづく)

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活動報告|2024年02月

活動報告|2023年02月

最近は筆が乗っていてもう何も怖くない巴ルナです。

今回は久しぶりにBGMを公開していきます。
以前、CREATORs!!にてご紹介したナタデココ様に制作して頂いた、楽曲になります。
個別ルートで使用予定の2曲、是非その内容も予想しながらお楽しみください。


BGM

※有料プラン加入で、Full ver を試聴できます
♪「めぐりあい-想い出は淡く温もり」

♪「country-make」

【1曲目 めぐりあい-想い出は淡く温もり】

儚さを感じさせつつ、淡いく切ない温もりを表現しています。
彼女は何を経て、何を見えつけることが出来るのだしょうか?

【2曲目 country-make】

悲壮感の漂う、重苦しい一曲。
何が起きるのか、彼女を何が襲い、何を秘めているのかお楽しみください!


最後

今回のBGMは如何でしたでしょうか? 
どんな話が展開されるのか、想像を膨らんで頂ければ幸いです。

今後も期待して頂ければと思います。
今月の活動報告はここまでです。
それでは、ばいなら~

[記事制作:ルナ] [編集:アベレイジ]

【 澄園町プラン 】プラン以上限定 支援額:500円

プランに加入すると、この限定特典に加え、今月の限定特典も閲覧できます 有料プラン退会後、
閲覧できなくなる特典が
あります

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バックナンバーとは?

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活動報告|2024年1月 第十七回ナナクリCREATORs!!

活動報告|2024年1月 第十七回ナナクリCREATORs!!

どうも、あなたが私のマスター、ルナトリアです。

という事で今回は連続してのCREATORs!!
お相手は音響でBGM制作をして頂いているナタデココ様です!
ナタデココ様は音楽配布もされてますので、是非お聞きください!!

ナタデココ Twitter
以下、インタビュー(記者はルナ)


「チャンスだ!」


ナタデココː
はじめまして、音響を担当していますバシンダンです、皆様宜しくお願い致します。

――宜しくお願い致します。
早速ですが、本サークルに参加された理由を教えてください。

ナタデココː
募集してるところをみつけ、自身の目標に近付くためや実績を重ねるチャンスだ!と思いました。

――有難う御座います。いい実績になる様、我々も頑張って参ります!



「ゲームの音楽等が大好きで」

――音楽を始めたきっかけなどはありますでしょうか?

ナタデココː
元々物事を考えたり作ることが、特にゲームの音楽等が大好きで、感銘を受けたり
いつかは、こんな感じの曲やBGMが作れたらなと思ったのがきっかけです。
その中でBGM制作に携われたり音源を使ってもらえたらなと。

――本作を盛り上げさせて頂きます!**


「達成感」

――制作して居る中で感じること等はあるんでしょうか?

ナタデココː
達成感や生き甲斐等を感じてます

――創作の醍醐味ですね!


「趣味とは違うな」

――ゲーム制作という状況で感じることはどうでしょうか?

ナタデココː
纏めると、とにかく多くの要望やイメージに合わせるのがとても難しかった。
と言うのが感じる所です。

終始ずっと難しい難しいと言っていた気がしますし、通ったのもあれば、妥協しあってて何とかというもの、やや技量不足を感じる部分もありました。

――リテイクに何度も答えて頂き有難う御座います!
私は妥協をしなかったので、その分苦労をおかけしました......

ナタデココː
ですが、言い換えればそれだけ、このゲームの制作に熱意もあるんだろうなというのはあったし
やはり趣味やいつも通り作るのと、お金をもらって作るのじゃだいぶ違うのかもなと感じました。

――熱意が多少なりとも伝わった様で嬉しい限りです!


「誰かに聴いてもらう[作品]」

――最後に今後の展望などありましたらお聞かせください。

ナタデココː
自身の活動域や制作幅を拡張し、BGM制作や音源配布などを続けて、いつかは自身の音源配布サイトを作ったりもしたいです。

そして、これからも誰かに聴いてもらう[作品]と誰かに使ってもらう[音源]を目指して制作していきたいところです。

――ありがとうございました。


あとがき

と言う事で今回はナタデココ様から色々なお話をお伺いできました。
創作の原点や、その苦悩などクリエイターならではのお話はどうでしょうか?期待に答えられると良いのですが。

今後も期待して頂ければと思います。
今月の活動報告/ナナクリCREATERs‼はここまでです。
それでは、ドロン!

[記事制作:ルナ] [編集:アベレイジ][協力:ナタデココ]

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活動報告|2023年12月 第十六回ナナクリCREATORs!!

活動報告|2024年1月 第十六回ナナクリCREATORs!!

前回は、音響さんのお話しを公開していきましたが、楽しんで頂けたでしょうか?
そんな訳で今回もナナクリCREATORs!!
お相手はロゴデザインをして頂いたBoo様です。
今月日に「君が溶ける温度」のロゴをリニューアルしましたが、そちらのロゴについてもお話をしていきます。

是非ご覧ください!

Boo様 サイト
以下、インタビュー(記者はルナ)

まずはリニューアルロゴの公開!

コンセプトは「哀愁」


廃れた田舎。内に思いを秘めた少女達。

氷は心の閉ざしと、人の温かさで内に秘めたものが溶け出していくイメージで制作して頂きました。
個人的にはこれ以上ないデザイとモチーフに仕上がったかと思います。


「引き出しが増えていく」

Booː
はじめまして、今回タイトルロゴの担当をさせて頂きました。
Booです。皆さん、よろしくお願い致します。

――宜しくお願い致します。
早速ですが、本件ロゴデザインの感想、や意識した点などはどうでしたか?

Booː
引き受けた感想を一言に纏めるなら「やりがい」を感じました。
基本的に同人誌やvtuberなどのロゴデザインを担当することが多いので、ノベルゲームのロゴデザイは新しい引き出しが増えていく感じで、楽しく取り組むことができました。

Booː
その中で意識した所や感じた所もあり、特に提示されたコンセプトの「哀愁」を感じさせるようにトーンなどを統一させるように努めました。

――哀愁という表現が難しいコンセプトを確かに感じられる素敵なデザインをありがとうございます!


「バランスを取ること」

――難航した点や、逆に上手くいった点などはあったりするのでしょうか?

Booː
難航した点は、氷と桜の組み合わせバランスを取ることでした。
氷は物語の場面を繊細に表現し、同時に大きい桜が中央に配置されていることが難しく
桜のタッチが変わると、氷も変わるので試行錯誤しました。

Booː
逆に上手くいった点は、コンセプトを忠実にデザインで表現し、要望に合致する仕上がりになりました。

――氷の中にある桜という中々見ないモチーフも想像以上でした


「人生の一部」

――デザイを始めたきっかけなどもお聞きしたいです!

Booː
恥ずかしながら答えるかどうか迷いましたが、一言で言うと「自信」が欲しくて始めました。
私は会社を辞めてからは、自分に自信が持てず逃げていました。
そんな中、少しデザインを学んでいた事もあり、依頼をしてくれる方達がいて
こんな私でも制作していいんだと思い、デザイン業を始めました。
今では私の指標となり自信を持って、磨き上げていきたい!
そんな大切な人生の一部になりました。

――自信をつける為だったのが”自信”へと変化していったんですね


「形にしてくれる事」

――デザインで意識してる事や魅力などはあるのでしょうか?

Booː
デザインをする際に意識している点は「引き算」を意識しています。
私は盛り癖があって、制作中は自分の出来るスキルを試したくなるので出来上がった際は装飾で溢れて、肝心な部分が見えないようになります。
なので完成した後は、どこか引ける所は無いか、省略出来るかを検討しています。

Booː
魅力に関しては「デザインを始めたきっかけ」と同じ回答になりますが
何か自身に足りない物や分からない物を、形にしてくれる事が魅了なのかと思います。

――引き算はデザインを引き締めてくれる魔法ですね!


あとがき

と言う事で今回はBoo様からデザインに関するお話をお伺いしてきました。
創作の原点や、作る際の癖などクリエイターならではのお話はどうでしょうか? 

今後も期待して頂ければと思います。
今月の活動報告/ナナクリCREATERs‼はここまでです。
あでぃおすぐらっしゃ~

[記事制作:ルナ] [編集:アベレイジ][協力:Boo]

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活動報告|2023年11月 第十四回ナナクリCREATORs!!

活動報告|2023年11月 第十四回ナナクリCREATORs!!

ドーモ、ドクシャの皆=サン。ルナスレイヤーです。
今月もまたた、ナナクリCREATORs!!

今回は同人ゲームに興味がある方なら知っている方かもしれません。
みやこそふと代表のYoujyo様になります!!

実際彼は休学して「電子カルテと木曜日」を完成させた方です。
同ゲームではメインシナリオライターとして筆を握られた方にもなります。

そんなYoujyo様のお話や裏話を是非ご覧下さい!

Youjyo様   Twitter
みやこそふと  Twitter


「将来的に編集やディレクターの仕事を」


Youjyoː
みやこそふと代表兼ディレクター兼シナリオライター兼広報担当
京大美少女ゲーム同好会 会長のYoujyoと申します(長い)
本日はよろしくお願いします!

――宜しくお願い致します。
ナナクリでは僕のシナリオ補佐・広報・雑務にて関わって頂いております。
では、早速ですが、本サークルに参加された理由を教えてください。

Youjyoː
ルナさんが大変そうで助けになりたいと思ったから、が一番の理由です。
ゲーム制作の苦労は知っていますし。

――同じディスコード鯖にいたので、しつこく声をかけた甲斐がありました。
ありがとうございます。

Youjyoː
勿論他にも理由があり、プロット段階で自分が監修していない作品の校閲をして経験を積みたいという意図もあります。

自分の思い通りにできない環境で、作品をより良くしていくという挑戦をしたかったんです。
というのも将来的に編集やディレクターの仕事をしてみたいという漠然とした希望もあったりもします。


「ノリで作ったサークル」

――ゲームを一作完成させられてますが、創作のきっかけなどはあるのでしょうか?

Youjyoː
「電子カルテと木曜日」の企画段階で、シナリオライターがネタを思いつかないということで、自分でプロットを考えたのが創作を始めたきっかけです。
元々は創作経験もなく、チームリーダー(外向きの代表)になる予定が、なんやかんやでディレクターとメインシナリオライターも兼任することになってしまいました。

――あるあるですね、お疲れ様です.....
同人経験もいきなりだったのでしょうか?

Youjyoː
同人活動は京大美少女ゲーム同好会(以下 京美同)で始めました。
同い年(現4回生)の京大生ノベルゲーマーのノリで作ったサークルです。

発足直後の対面例会で発案者から会長職を譲り受け、会誌制作を始めましたが、
まさかこんなに大規模になるとは思いませんでした......。

――そこからゲームを作る事になるとは

Youjyoː
そうですね。
色々と急展開ですが、京美同内で同人ゲームを作りたい!という声があり、発足3か月後(2022年5月)にみやこそふとを設立しました。
ノベルゲームという媒体なのは、母体の京美同が美少女ゲームサークルだったからです。(ぶっちゃけると、アクションゲームは技術的に難しいというのも......)


「創作をやめられなくなりますね」

――創作に対して思う事などはあるのでしょうか?

Youjyoː
シナリオを書いていて一番思うのは、鬱展開を書くのが辛いということです(笑)
過去のトラウマを掘り返しながら書くので、自分に一番効くし、苦しいし、眠れなくなります……(でも書いてしまうんですよね)

Youjyoː
私は万人受けするシナリオを書けるわけではありませんが、偶然私の文章が刺さった読者から長文感想をもらってしまうと、創作をやめられなくなりますね。


――そんな中、電カル完成した感想をお願いします!


Youjyoː
「電子カルテと木曜日」は、他のみやこそふとメンバーと応援してくださった方々の力なしには完成しなかったと思うので、まずは感謝を伝えたいです!

制作の感想ですが 「大変でした!!」 これに尽きます。


「創作を通した真理の探究」

――創作の際に意識している事などはあるのでしょうか?

Youjyoː私は伝えたいテーマありきで題材とストーリーを考え、ストーリーありきでキャラ設定を考えるようにしています。
根幹のテーマですが、人間や世界の本質を描きつつ、読者に問いを投げかけるものであってほしいです。
その問いに私自身で答え、更なる問いを繰り返すことで、創作を通した真理の探究が可能になると考えています。

――私も同じタイプです!やっぱテーマ性を大事にしたい

Youjyoːプロットは結末から組んでます。
(「電カル」はコンピュータに話しかける少女の夢を見たところから構想しました)
あとは、一文一文が美しくなるように漢語と和語・外来語を混ぜ音の響きを調整していますね。
例えば実際に口に出してみたりです。


英語版を出したいなぁ~と

――今後の展望などありましたら

Youjyoː
「電子カルテと木曜日」を翻訳して英語版を出したいなぁ~と。
"海外展開して儲けたい!"というよりは"海外の友達(特定個人)にプレイしてほしい!"というのがモチベーションです。
あと当然ですが、みやこそふと次回作(2作目)のクオリティを1作目より高めたいと思います。
私Youjyoがシナリオにどの程度関与するかは未定ですが……

明るい魔法少女モノ

――最後になりますが、宣伝などをお願いします!

Youjyoː宣伝する場をいただけたので遠慮なく……(笑)

みやこそふとデビュー作「電子カルテと木曜日」は、近未来の病院を舞台にした全年齢対象のビジュアルノベルです。
「絶対に出られない病院」から退院することを目指す少年と少女。
二人の結末はいかに――というお話です。

詳しくは公式サイトをご覧ください。
現在ダウンロード版をBOOTHショップで、パッケージ版をコミックマーケット等のイベントとBOOTHショップ(イベント後の期間のみ)で取り扱っています。

Twitterや批評空間で作品の感想を書いていただけると、大変励みになります!
また、次回作は「数学×魔法少女」と銘打って、明るい魔法少女モノをやる予定ですので、こちらもよろしくお願いします。
https://twitter.com/MiyakoSoft/status/1723309813046956393?t=V0jpdmtZM_9PI6Ei9ONgWg&s=19

トークイベント


12月28日22時~X(旧Twitter)のスペースにて、
同人ノベルゲーム制作者たちが集まり、制作の裏話やここでしか聞けない話をしたいと思います。
題してGame Circles Talk #GC談です!

参加サークル様はなんと20サークル様、23名の登壇になります!!
フリートーク形式で行い、マイクも基本全部許可しますので、是非遊びに来てください。
以下サイト内にチャット欄もありますので、一緒に楽しみましょう!!

参加者様は下記からご確認頂けます!
特設サイト

あとがき

という事で今回はYoujyo様から、同人サークル代表・シナリオライターの立場から色々なお話を頂きました。

これまで、イラストレータ様や、音響様、プログラム様など色々の記事を公開してきましたが、皆様如何でしたでしょうか?
形は違えど、クリエイターとして通ずるものもあったかと思います。


今後も「君が溶ける温度」並びに「みやこそふと」にもご期待ください!
ハイクもこのくらいに、サヨナラ!!

[記事制作:ルナ] [編集:アベレイジ][協力:Youjyo]

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