【イチャラブシーン用 音楽素材集】 制作日誌 その2

変わった曲の作り方

エロゲBGM仕事18年の私ですが、
ゲームメーカーにいつも褒められるのが「エロシーンBGM」でした。

18年前、というと、鍵とか葉っぱとか、そういういわゆる純愛系全盛期でして
アダルトPCゲームのBGMに、やっと脚光が当たり始めた時期です。
メーカーさんとしては、出来るだけそこにお金をかけたくない。
何せ、歌ものOPが当たり前になってきた時期で
エロゲディレクターの古い友人に言わせると
「え、歌って作るのにそんなに金かかんの??」
というのが、小さいメーカーの本音だったそうです。

BGMは、お金をかければ良いものが出来上がるわけではありませんが、
当時エロゲのBGMは、ほぼ音楽でいうアマチュアが手掛けていることが殆どで、
かくいう私もそのうちの一人でした。

その直後、 PCゲームにも音楽の重要性が糾され、
大手制作会社が出た時に、いい曲なんですが問題になったのは「エロシーンのBGM」

BGMの難しい部分は、元々リアリティなんて存在しないわけです。
リアルでは日常曲、なんて、流れませんが、なんとなくイメージしやすい。
ところがエロシーンとなると、大変難しくなります。

はっきり言って、無音が一番適切なんですが
無音だと、今度は間がもたない。時間の経過を、流れを感じない。
3CGのエロゲで、無駄に大げさに呼吸モーションを繰り返したりしますが、
あれは動きによって時間の流れがそこに存在するという表現で
プレイヤーに「静止画を見せられている」という感覚を絶対に与えてはならない、という
PC98時代から受け継がれてきたポリシーがあるわけです。

目パチ口パクから受け継がれている「とにかく時間の概念を生む」という事に
BGMは実に効果的に威力を発揮します。

……が

今でこそある程度のテンプレが出来ていますが
当時は、セクシーシーンのBGM、というと、イヤらしいフレーズのサックスの音が鳴り
ディレクターが「バカにしてんのか」と怒鳴ったほど、全くシーンに合わない納品が多かったそうです。

真面目に音楽やってきた人に頼むと、セクシーな曲、というと決まってピッチベンドかけまくったサックスだったそうで、その後音楽発注書に「幼い女の子とのエロシーンです。サックスなどの楽器は使わないでください」とわざわざ書いたほどだそうです。

エロシーンの選出の難しさは、エロゲを作っている方々にはお分かりかと思いますが
下手なものだと台無しになります。ほんと。

今回のこの素材集は、音楽としてのクオリティーは、はっきり言って程々です。
生楽器などを使うと、2次元キャラ特有の、いわゆるHENTAI感が全く出なくなる。
最近は声優さんもいますので、BGMの役目は、とにかく邪魔しない事。
それでいて、効果音や声がしっかり聞こえる事。そして何より時間の概念をしっかり生む事。

めっちゃくちゃ考えて作ってるんですよ。

作り方が独特で、実は、エロCGムービー流しながら作ってるんですw

具体的な方法は、また次回に。

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