MetaFormingPro 2019/08/28 20:00

【考察】脳内にある「創作」を、実際に「物語」「本編」として書けるようになるための方法


Tallerもα版配布までこぎつけたいんですが、
他のプロジェクトにくっつけた形のまま作っていたせいで、
何分そのプロジェクトが混沌状態に達していたので、
Taller部分だけ分離した新プロジェクトを作ってそれを整理している途中です。
かしこ。

物語を創る方法

これまでの記事を読んで下さった方はおよそ察していると思いますが、
私は「物語」に対しての一種の信奉性をもったものです。
Tallerは物語を「表現として」実現する手段として開発しています。
しかし、物語そのものを作り上げるのには役には立ちません。
といったところで、「物語」を実践的に作る方法の考察でも書いていこうかと。

目的地は、「脳内にあるぼんやりとした「創作」を
まとまった形の『本編』まで確立させる」です。
脳内に「じぶんがかんがえた世界とじぶんの子たち」がある人は多いです。
設定を考えたりもするし、「格好いい展開」なんかを断片的に
思い描くこともあるでしょう。思い付きの様に、1シーンを切り取った
1ページ漫画なんかを描くこともあるかもしれない。

だが、まとまったかたちの「物語」「本編」にはいつまでたっても到達しない。
つくりたいなーと考えることはあっても結実しない。
そういう人が多いのではないか! なぜそうなってしまうのか。

あ、ちなみに私は既に自分の創作の「本編」を出してるとは示しておきます!
MethodIdeA
Tallerの動画内でしばしば言及されていた「前の時」はこれの事です。
あまり知らなくても問題ない話にしたかったのに、
徐々に関連性が密接になってしまったというアレ
これも後日ある程度まとまった形で解説したいですが……

「起承転結」の罠

さて、まとまった形の物語を、どうやったら作れるか。
それには、まず、一種のイドラを解消する必要があると考えます。



いやイドラってなんだよ

物語作れない病に感染している人は、物語に対してあるイドラを抱いています。
物語、と聞いて、どのようなスタイルを思い浮かべるか。
一般的な「物語の作り方」と聞いて、アレを思い浮かべたりするのではないか。
「起承転結」とか「序破急」とかいうやつです。

あれが罠です。

もちろん、そういう物語の作り方は手法として存在します。
しかし、それは一つの作り方にすぎず、全ての創作に適用できるわけではない。
個人で「フリーフォール型物語」と呼んでいます。専門用語あるかも。……
いわゆるコンシューマゲーム……スクエアのFFやらその付近のRPGやら……
そういった形式の物語を思い浮かべているのではないでしょうか。
最初から最後まで整った筋があり、過不足なく、
全体が大きな起承転結で構成されている……

あれは、プロットを作るのは無茶苦茶難しいです。短編レベルならともかく、
あの規模の大型物語のプロットを素人が作ろうとするのは無茶と言う物です。
いきなり42.195kmフルマラソンに挑もうとするようなものです。

螺旋・コイル構造

では、どういった形式なら、素人でも無理なく作れる物語構造になるか。

「連載型」がベストスタイルだと思います。
「螺旋・コイル構造」とも(勝手に自分で)呼んでます。

いわゆる、雑誌連載の漫画など、「終わりが決まっていないもの」などで
使われる構造です。ラノベ(なろー)やソシャゲもこの形式に近いと思います。
この構造を上手い具合に生かすことが物語を確立させるポイントだと思います。

いわゆるFF型物語は最初から最後まで決まっていて、
それは「起承転結」で構成されます。
一方、連載型は、「起承承承承承承承承承承承....」という形式を取ります。
しかし、それでいて、「転・結」の輪郭は、おぼろげながら示されている、
というのがポイントでしょうか。

漫画の例。例えばドラえもん、コナン、あるいは色々な少年ジャンプであり。

まず、「最初の出来事、そして最後のゴール」が示されます。「起」です。
ドラえもんがやってきます。未来を変えるために、のび太との生活が始まります。
想定されるゴールは、「未来を望ましい事に変える」と示されています。
しかし、毎回の物語は、読み切りの短編です。そしてそのほとんどは、
物語のゴールに向けて必須のものではない。

もう少し、全体の筋書きが見えやすいのはコナンでしょうか。
新一は黒の組織と接触してしまい、なんやかんや紆余曲折あって、
子供の姿になってしまう結果になった。目的(ゴール)は、
「元の身体に戻る」事と「黒の組織をどうにかする(曖昧)」。
想定される「転結」は明瞭です。ですが、実際の多くの話は、直接大筋に
結び付くものではないです。コナンの場合は、時折大筋に関する進展があり、
全体の事情も長い連載の中で少しずつ動いていますね。

そんな感じでかみ砕いて説明しましたが、難しい事言っている訳ではないですね。
あたりめーのこといってんじゃねーか! て感じもしますね。
しかし、最初にも言った通り、個人が趣味でやっている範疇の創作者が、
まとまった物語の筋を示すのは、これがベストな方法だと考えています。

実践

今までの話を軸に、実践的なレイヤーで「物語概形」を確立する方法を考えます。

1.主体者(主人公)を決める
2.主体者を軸に、想定される「起承転結」を簡潔に決める
3.想定される「承の螺旋」の状態を確定する
4.「承の螺旋」まで辿りつく為の「起」のプロットを確定する

実に簡潔だし、このボリュームなら無理なく考えられます。
いちおうもう一度コナンに当てはめますか。

1.「主体者」はもちろん新一です。ネタバレ:コナンは新一ネタは今更やらんぞ
2.起承転結です。おそらく大体の読者で共通の輪郭はあると思います。
起:黒の組織と接触し、(紆余曲折あって)子供の身体になってしまう。
承:子供として生活しながら黒の組織を追う(実際はこの状態がずっと続く)
転:黒の組織とついに決着をつける(ここから先は「想定されるもの」となる)
結:たぶん色々な問題は全て解決しおめでとう
 (長期連載化で今のこれは簡単には言えない状態ですが、連載開始直後では、
  「元の身体に戻る」「黒の組織を打倒する」だったのではないだろうか)

(念のため重ねて書きますが、今は長期連載化で、事情も複雑化しているので、
 事も簡潔ではなくなっています。しかし、連載開始当初の筋書きは
 これくらいだったのではないでしょうか)

3.「承の螺旋」も2から見えてきます。「黒の組織の情報を追いつつ、
  子供として過ごしなら、日頃遭遇する殺人事件を解決していく」状態です。
  すげえ物騒な日常だなおい。

4.「起」の実際のプロットを(詳細に)決めていきます。
  まあこれは実際にコナンの1巻、という事でしょう。無論、密度は高く、
  プロットを書くのは簡単ではないですが1話分ならどうにかなるでしょう。
  そしてこの「起」の部分さえ描いてしまえば、あとは「承の螺旋」を堂々と
  「本編である」と名乗れる形で、「自分のペース」で書ける状態になります!
  なんてすばらしい状態でしょう!
 
というわけです。全ては4に集約されています。
「承の螺旋」を「本編」として書ける。が最重要です。
「本編」を名乗るため必要なのは、「起」の部分だけはしっかり書くことと、
「想定される転結」を明瞭化する事です。逆に言えば、
 たったそれだけの労力です。

まとめ

なんかそれなりに長くなりました。しかしどうでしょう。
これを読んでる人も「自分の創作を実際の「物語」「本編」として書く」
ビジョンが見えてきたのではないでしょうか。

てな感じの創作論でした。尚独自の考察であり、専門家でもないので
信憑性については極めて疑わしいですね!
まだ考察ネタはあるので不定期に書いていこうかなー。
 
再補足ですが、うちのTransZendも、メティアちゃんを主体者としたときに、
MethodIdeA(再掲)で「起」と、「想定される転結」を書き終えてます。
Tallerの紹介中の動画は、既に「承の螺旋」のフェイズに入ってます。
まあすっごく解りづらいだろうが!

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