システム設計における「均衡」という思想
本作『Verdant Requiem』では、
「三国の均衡を模索するSRPG」というコンセプトを掲げています。
そのため、システム設計において意識しているのは
「これをやれば勝てる」という最適解を作らないことです。
SRPGではしばしば、
「強い戦術」や「安定択」が存在し、それを繰り返すことで攻略できてしまうことがあります。
なので本作では、
"何かを得れば、必ず何かを失う"
"一見有利な選択にも、別の角度からのリスクがある"
という設計を意識しています。
あくまで作者視点ではありますが、
“万能な正解を排除する”ことを一つの軸にしています。
(といっても、作者視点では"多分これが安全策で無難な攻略法だ"みたいなものは見えてきてしまっているのですが...)
そのため、"リソース"を必要十分にして分かりやすくという、分かりやすさを重視した設計ではなく、管理する脳内リソースは多いかと思います。
【具体的なシステム例】
いくつかの要素を例に紹介します。
■追撃(挟み撃ち)
メリット
・敵から反撃を受けずに追加攻撃が可能
・追撃を意識した位置取りも生まれる
デメリット
・威力が低く、武器消費効率が悪い
・倒しきれない場合、逆に敵の追撃を誘発するリスクがある
→「強いが、使いどころを誤ると危険を伴う」
■戦技(EX)
メリット
・ユニット固有の強力な行動が可能
・HP消費型なら武器消費を抑えられる
デメリット
・武器消費型はコストが重い
・HP消費型は判断ミスが即リスクに直結
→「リソースを別形態で支払うシステム」
■属性均衡
メリット
・特定の出身国のユニットにバフ
デメリット
・それ以外のユニットにデバフ
→「編成の自由度とトレードオフ」
■軍需管理
メリット
・鉱物を使えば序盤から強力な装備が入手可能
デメリット
・塩や食糧といった他資源を圧迫
→「短期戦力VS長期安定の選択」
■移動食堂
メリット
・成長率に永続ボーナス
デメリット
・食糧消費が重い
→「将来投資 vs 現在の安定」
■術式鉱物研究所
メリット
・特殊アイテムの入手
デメリット
・鉱物消費が大きい
→「研究所限定のリターンVS確実なコスト」
■戦績点交換
メリット
・序盤からドーピングが可能
デメリット
・支援解放にも同リソースを使用
→「戦力強化VS物語(支援)か」
■仮想戦(フリーシナリオ)
メリット
・無限プレイ可能
・軍需物資の消費なし
デメリット
・経験値効率が低い
・金策にならない
→「安全だが効率は悪い選択肢」
【設計思想としての「均衡」】
これらの要素はすべて、
「どれか一つに偏ると、どこかで歪みが出る」
ように設計しています。
例えば
強武器を揃えれば鉱物以外の資源が枯渇し、
安定を求めて弱武器のみで闘い過ぎるとボス以外でいくらか戦闘でテンポが悪くなり、
成長投資をし過ぎれば食糧難として飢餓が発生する
などといった形で、判断する事項が多いです。
本作で目指しているのは、
「最適解をなぞるのではなく状況ごとに判断を積み重ねる」
というものです。
そしてその積み重ねが、
物語のテーマである「均衡と選択」に自然と繋がる構造になればと考えています。
まだ調整中の部分も多いですが、この「均衡設計」は本作の根幹となる部分です。
今後も、実際のプレイ感と照らし合わせながら
細かく調整していく予定です。