葛城裸時 2023/04/13 23:28

黒田杏子句集「一木一草」を読む。

弟の壺にも月の芒かな   黒田杏子

 黒田杏子氏の弟か壺の兄弟か?月明かりの芒は兄弟の鉢に仲良く並んでいる。弟という切り口は稀だし、芒を照らす月のしんみりした空気感が響いてくる。



水澄んで杖かろがろときたりけり   黒田杏子

 心が澄んでいる。水を見る目が澄んでいる。それを、覗きに杖もかろがろと。作者の身体性からいえば澄んで軽い心持ち。そういう、身体性をさらりと表した。読者にとっても身が軽い気持ちを伝えてる。



鮎の子はガラスのごとし遡る   黒田杏子

 子供の時は透明か内臓も透けるかもしれない。稚魚のガラス感は美しい。やんちゃに遡る感覚は読者を楽しませてくれる。ガラスのお手柄。あるいは、前世に迄遡るか興味がわく句。



僕の句集はこちら。

https://www.dlsite.com/maniax/fsr/=/keyword/句集 SRI0000015528/order/release_d/from/maker_profile.series

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

最新の記事

記事のタグから探す

月別アーカイブ

記事を検索