黒田杏子句集「日光月光」を読む。
白神の月のひかりにそばの花 黒田杏子
美味しいそば、その原料の花に月明かりがそっと照らす。白神のそばはそうやって食べるのだ。その、月明かりをがぶっていったらさぞあたたかいだろう。ロマンの句。月には女子の月経をめぐらす役割がからことさら美味い。
宿根木の和尚の手紙いわし雲 黒田杏子
宿を開けると根っこが出てくる場所の和尚の手紙。悪ふざけはないだろうが、ストーリーの立ち上がる句。いわし雲に覗かれてますよ。港からのラブレターかも。
遠景にゆふべの櫻白魚飯 黒田杏子
全体に幽玄感じ今にゆふべの櫻が写りこむ不思議。キッチンでも始まるドラマチック世界。お魚さんが命をくれた。人間生きるには魚殺しは必要。性悪説と穿ったらみえる。しかし、平和な夕餉である。
地下足袋の墨田朝顔愛好会 黒田杏子
女子力炸裂。おきゃんな声をまじかで聞いた感。朝顔は目の色に輝きを増している。地下足袋は足を地球におろして、ずっしり地に足がついている。迫力がある句。
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