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秀島キョウ 2024/09/11 22:15

血尿事件~不安との戦い、残る謎の健康体~

目に見える形で血尿が出た?!

結論から言います。【原因不明】でした。そういうこともあるのか、というお話です。中々体験しないことだったので記しておきます。


/8月27〜28日/

なんだかいつもより尿が濃ゆい気がする。濃ゆい、というか少し赤みがかってないかコレ?

ネットで調べると、

○血尿+痛み→結石かも

○血尿+熱→尿路感染症かも

でも痛みも熱もまったくない。

キョウ、あなた疲れているのよ……慣れない育児の疲れが出たのかもしれない。


/8月29日/

やっぱ心配だわこれ、ということで泌尿器科へ。

医者「疲れやストレスで血尿は出ないよ!」

はい。疲れで血尿が出るのは幻想です。

消化器系は胃潰瘍とか影響あるらしいのですけど、泌尿器はそんな学術結果はないらしい。

疲れやストレスで身体に不具合が出てから回り回って血尿が出る、ことはあるかもしれなくもないかもしれない、程度。じゃあ何なのさ。

超音波検査をしてもらうことに。

医者「うーん、右の腎臓が少し腫れてるかも?それ以外は何も異常ないね……」

わかんないらしいです。行ったクリニックさん、翌日から遅めの夏休みらしいのでその間に何かあったらココへどうぞと紹介状をもらってその日は終わり。

/8月30日〜9月3日/

不安を抱えながら過ごす。血は出続けている。

だが実は8月9日に人間ドックに行ってました。その結果が届いたのが9月2日!

異常があればきっと記載があるはず!ないわけないでしょ!!


……ありませんでした。健康体でした。乱視入ってるのと車運転用じゃないメガネだったせいか視力低め評価受けはしましたが、それだけ。

じゃあなんで血尿出てるの???

この場合何もないことが異状だと判断し、紹介状をもらった国立病院機構さんへTEL。翌日が休診日なのでまた1日待ち。

/9月4日/

やっと検査が受けられる。やはり餅は餅屋。素人判断もなにもない、だって内臓系だよ。

尿検査・血液検査を経て、更なる原因解明に造影CTを撮りましょうと言われる。

造影CTとは!

"造影剤と呼ばれる薬剤を使用してCT検査を行います。点滴から造影剤を静脈に注入し,体に循環させた状態でCTを撮影します。単純CTで区別がつかない病変でも,造影剤を使用することによって,明確に描出され,より正確に診断することが可能となります。"

〜愛知医科大学病院HPより引用〜

なんかよく体の中身が分かるらしい。だいぶ前に亡くなった父親も、癌の時はこいつで検査していた。

ちなみに高性能な分、費用がお高い。

普通3〜4万円かかる。健康保険3割負担でも1万円前後する。

今回は先生が気を利かせてくれて尿路感染症の疑いあるがゆえの検査にしてくれたので保険適用アリ。

健康検査目的とかだと保険効かないことがあるので、その辺は皆さんお気をつけて。

不安はまだあるも、検査が進むことに安堵を覚えつつ帰宅。人間、何もわからないことの方が恐怖を覚えるものである。

/9月5日/

翌日。造影CT検査をしに再度病院へ。

造影CT撮る時は3時間前から絶飲食(水のみOK)、1時間前からはトイレもNG。直前に造影剤が写りやすくなるという謎の薬が溶かされた水を150ml飲む。なんだろうこれ。

放射線科の部屋に通され、造影剤(イオパミドール300注シリンジ)とやらを注射で注入。

噂によると、コイツが身体を巡る感覚が入れられると分かるらしい。なんだそれ怖い。

注射針を刺してから少しすると、「もう入ってますよ」と気づいたら注入されていた。

だんだんと体のお腹周りがあったかくなる感じがして、「おお、これが身体を巡る感覚か!」となった。なったのだが、お尻の方まであったかくなってきた。そんなの聞いてないが。

技師さん「あたたかくなってきましたかー?」

俺「はい、なんだかお腹がぽかぽかしてきました」

ケツもなんだかあったけぇです、とはなんか恥ずかしくて言えなかった。いや別に言ってもいいんだろうけどさ!

そんなこんなで造影CT終了。結果は1週間後ということであとは祈るのみ。

/9月6日〜10日/

途中0歳の娘の様子が変だと思い深夜に病院行ったら娘入院になってしまいわったわた。

その最中、9〜10日にやっと尿に血が混じらないようになってくる。

それでも不安だけは膨らみ、ソワソワしっぱなし。

/9月11日(本日)/

待ちに待った検査結果。

痛みも熱もなくて、悪性腫瘍の可能性もあっただけに心配していたところ、検査結果は

【 特 に 異 常 な し 】

でした!

いや、異常ないのに10日間も目に見える形で血尿出っぱなしなワケないでしょとも思うんだけれど。どうにもキレイらしく、何もない。

医者「白は白であって黒と言うのは非常に難しい。原因が写っていたら犯人を特定するのは容易いが、犯人が見当たらない以上原因不明の特発性の出血か、仮定の話になるが小さい石があってそれが何か作用を及ぼしたかもしれない、くらいしか言えない」(大体こんな感じ)

結局今現在、「痛みなし・熱なし・血尿もなりを潜めてなし・血液検査異常なし・人間ドック異常なし・造影CT異常なし」となっており、狐に化かされたようになっている次第。

ホントだもん、血尿あったんだもん……!


ということで。血尿が出たと言い張ってる疲れた健康体が今の私のようです。

今後また何かあるのかないのかはさっぱり分かりませんが、結果として人間ドックからの造影CTも追加して異常なしとの診断自体はまぁ何かあるよりはマシなのかなと思っています。

ちなみに、最初の方に書きましたが血尿+痛みや熱があると原因が確実にあって結石ファイトか尿路感染症治療ルートに進む可能性が高く、噂によると血尿が1回出て以降出なくなって気のせいかと思ったら腫瘍のせいだった、ということもあるようです。

皆さん、健康には気をつけていきましょう。
私は大人しく経過観察といきます。ではでは。

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秀島キョウ 2024/08/27 13:41

赤ちゃん育成備忘録~近況と学びを添えて~

赤ちゃん育成記録&備忘録

【子供が産まれた】

「うん、今からやっちゃいましょう」

逆子のため帝王切開を控えた5日前、少しお腹が痛む気がするという妻の不安を解消するために念のため病院に行ったらこれである。専門のお医者先生の判断に否やも何もない。

先に言っておくと、悪い意味ではない。

念のための検査では母子共に健康。

夕方前とはいえ診療時間内。執刀医も麻酔医もたまたま居る。そう、条件が良かったのだ。変に陣痛や破水が真夜中にふいに来るよりは。

ということで予定日前倒しで病院行った1時間半後に「オギャア!」と第一子、長女が産声を上げた。

立ち会いもないしドキドキというかアワアワしてたらもう誕生。医療関係者の手際の良さには感謝しかない。

後から聞いた話ではチームリーダー的な執刀医の先生だったらしい。おかげさまで傷が綺麗。

今の帝王切開はイレギュラーがなければ縦ではなく横に切る。下着のライン沿いに傷ができるため目立ちにくい効果がある。その上、腕が良かったおかげで傷が悪化もなく経過は順調だ。

その後は妻子は8日ほどの入院生活。その間は毎日お見舞いに行きつつ仕事をしていた。

そう、仕事をしていたのだ。

俺の仕事は校正校閲業、本が発売される前に文章や絵やらあらゆる情報のチェックをしている。家でもできる仕事ではあるのでそういう意味では育児参入に向いていると言える。

仕事量は、ちょっとかなり多い。フリーランスなので仕事受けれるだけ受けてるのと元々前線で戦いたかったので嬉しい悲鳴ではあるのだが。

今回も新生児のお世話で仕事は一旦2ヶ月ほど休むつもりであった。……予定日以降に。

予定日5日前に爆誕したことにより、予想以上にバタバタした日々を送り、気づけば妻子退院。

そう、新生児が家に来たのだ。


【新生児が家に来た】


事前に用意していたアイテム類とお祝いにもらった消耗品類で迎撃準備はOK。

しかしなにぶん初めてのこと。

赤ちゃんに接することは極たまにあったが、産まれたての子供に接する、ましてや育児をするのは初めてで分からないことだらけ。

こちとら格闘ゲーマーである。キャラ対策という意味で座学はしていたが、やはり実戦は違う。

たまごクラブひよこクラブという虎の巻を読んでいるのだが、生後1ヶ月以降にやっと赤ちゃんになるらしい。まだまだ新生児。この世界に降り立って間もない。

基本的に新生児Lv.1が習得している技は「なきごえ・あばれる・ねむる・みずでっぽう・ヘドロばくだん」である。

技の傾向は分かりやすく、空腹時とトイレ(大)時に泣く。マジ泣きする。なきごえ、の技ポイントは無限に近い。

お腹がミルクで満たされると、ねむる。

最初の10日間は空腹かどうかにかかわらず主によく眠っていたが、2週間を過ぎた辺りから元気よくあばれることも出てきた。3週目以降は満腹になっても寝ないことも。

トイレ関係ではみずでっぽうとヘドロばくだんはかなり危険度が高い。

みずでっぽうに関しては性別によって攻撃力が変わるらしい。雄のみずでっぽうは射程距離・不意打ち力に優れるため危険だが女の子のためそちらの危険は避けられた。

今はオムツも性能が良く吸水性もバツグン。かなり無効化されており大して困ることはないのが現状だ。

ヘドロばくだんに関しては、うん、まぁ頑張るしかない。爆弾処理班の気持ちで毎度挑んでいる。

しかしこれ、新生児にとっては一大事。どうにもまだ大変苦しいらしく、いきみ方が尋常ではない。

空腹でミルクが欲しいと迸る気持ちを込めて涙声でシャウトするのだが、お通じ前兆が来ているのに出ないと全く同じリアクションで泣き叫ぶ。

観察しているこちらとしては本前兆なのかガセなのかミルクが欲しいのか全く見分けがつかない。

ひたすらオロオロして「どうして泣き止まないのかな、大丈夫かな」となってしまう。満腹でもうまくオナラや便が出なくても泣くのでガード不能スーパーアーマー状態。

ヘドロばくだん後はケロっとしたもので、「え?みんなどうしたの?私は何もしてないよ?」といい顔をする。貴方が犯人なのですけどねぇ。


沐浴もチャレンジしているが、何故か毎回泣かれる。どうも体を拭いて洗ってあげるのが下手らしい。A型だと言うと疑惑の目を向けられてきた雑さがここで出てしまうとは。


そう、あと大事なのはミルクである。

うちはミルクメイン。今のミルクは栄養満点で母乳と大差ないとのことで全く問題ない。知と文明のアップデート助かる。 

問題は、温度調整と頻度だ。

頻度に関しては生後1〜2ヶ月はミルクを約3時間に1回やる。

胃がまだ小さいのでたくさん一気に飲めないからだ。

こまめにあげなければいけない。ただ、哺乳瓶はミルクの栄養価が高く細菌が繁殖しやすいので毎回除菌が必要になる。

そこは哺乳瓶メーカーの雄、ピジョンから出ている除菌・乾燥機を導入していたので大変やりやすくて助かっている。

また、洗い物に関しては家事を普段から担っているため別に大した手間ではない。

難しいのが温度管理だ。

ミルクを作る際にコスパが良いのが粉ミルク。これをまずは70℃以上のお湯で溶かす。その後に人肌まで冷やすのだが、氷水(もしくは水に保冷剤をぶち込む)を張った容器に漬けていると数分掛かってしまう。

ここに関してはSNSで知見を募ったところ全会一致で「湯冷ましで割る」との助言をもらったのでそちらを実施。

沸かした湯が冷めたら容器に移して冷蔵庫に入れ、ミルクを作ったらそこに入れることで急速に人肌に近づけさせることが可能となった。

先人の知識は本当にありがたいと実感している。

しかし、ミルク量は調整するし、お湯もぴったり入れられるとは限らない。温度調整はたまに上下する。

新生児は産まれたばかりだがそこらへん敏感である。

お腹が空くと顔を真っ赤にする勢いで泣き、ミルクを与えられると貪るように哺乳瓶に喰らいついてくる。

その時、ちょっと熱かったりちょっとぬるかったりするとリアクションが変わる。

めっっっちゃくちゃ嫌そうな顔をするのだ。

「うわ、おめぇなんだよコレ……責任者誰?」みたいな瞳でこちらを見てくる。すまん、責任者俺なんだわ。

だが文字通り背に腹はかえられぬのか、嫌な顔はするが飲む。ガブガブ飲む。

ミルクに関してはお客様満足度を目指して絶賛精進中である。

ミルクでいいのでいわゆる夜番、3時間ごとに腹が減る新生児に真夜中〜朝方にかけてミルクをやる仕事を男が担えるのは大きい。

睡眠細切れによる寝不足感は話には聞いていたが、たしかにこれは大変だ。

仕事がフリーランスゆえに手当てが出ない(※会社側の社会保険がない。サラリーマンだと育児休暇は給料出るし長ければ1年とか取れるらしい。この辺、当然のようだが差が出る。まぁその分こちらは先方が許してくれる範囲で勤務時間やらを調整できるので一長一短)ので長くは休んでいられないが、復帰するまでに上手く使える時間を作るパターンを編み出さないといかん。

閑話休題。

そんなこんなで新生児が産まれてから4週間が経った。

1ヶ月健診に赴くと、平均1kg増えてれば正常と言われる中1.1kg増えていたのでしっかり成長中。スクリーニング検査でも異常なしと一安心。
また、シャイなのか内弁慶なのか、家と違ってお外では大人しくすやすやモード。検査で先生にお尻に指突っ込まれてる時だけは流石に泣いてたけれど。多分誰でも泣く。


今は昼夜の区別なく寝たり起きたりしているので、なるべく朝昼はカーテン越しに陽を浴びさせたり明るくしつつ夜は暗くして寝るように促していかないと。夜寝ないと結構大分大変なので。実際夜11時から朝方4〜5時まで謎に泣きじゃくるのをあやしながら耐久することがあるが、これが続くと生活破綻してまう。

なにより痛感してるのは、お世話する人のメンタル。特にお腹もいっぱいで体温は正常で見た目の顔色も悪くなく気温も暑過ぎたり寒過ぎたりせずオムツも替えたのに泣かれると、なんとかしないといけないとオロオロしてメンタルが削られる。

困ってネットで調べても赤ちゃんにばかりフォーカスが当たり、ろくに解決策はなく、なによりそうなった時の世話をしている人の気の持ちようが書いていない。

色々観察していると、泣いても異常がなければほっといたら疲れて眠る。

そんなのもあるのか、と気を張るのをやめたら少し楽になった。

こちらがダメになったら世話も何もない。この辺はちゃんと言語化して捉え直して心の余裕を作らないと隙間時間に休息も仕事も手に付かなくなる。

早い段階で考え方と対処アップデートをして対応していきたい。そのためには外部知識や保健師さん、諸先輩方のご指導ご鞭撻に頼らせてもらいたい次第。


追記:
1ヶ月健診でもらった乳児湿疹向けのステロイド軟膏を少し塗布したらすぐ湿疹が治まった。それと時を同じくして不可解な泣き声が止んだ。もしかしたら痒みや痛みがあったためにミルクやオムツとは別要因でわんわん泣いていたのかも。ハッキリはしないが実際大人しくなったので湿疹あったらお医者さんに診せて使えるお薬処方が良さげ。


今回の備忘録の最後に、役に立っている使ってるものを簡単に羅列。


・粉ミルク
コスパ的にはこれ。母乳オンリーならともかく、混合の場合は必ずお世話になるはず。病院は「アイクレオ」を使用、家では同じものを最初使ったが、今は「はいはい」。ブロック式のものもあって買ってあるがまだ使っていない。

・液体ミルク
お出かけの際に重宝。今は健診の時に病院に行ったことしかないが、その際も受付で泣かれた時にサッと準備して与えられる。紙パックストロー式で、ストロー刺して逆さにして哺乳瓶にダバーってするだけでOK。常温で大丈夫なので備えておくと心強い。

・哺乳瓶
3本あるが、頻度が多いなら3本あっていい。飲まなかった母乳を保存する、少量あげる、1回洗い損ねる、のような場合でも保険が利く。安全マージン的に最低使用本数+1あって良い感触。

・哺乳瓶の除菌乾燥器
哺乳瓶を洗ったら突っ込んで水入れてボタン押すだけ。労力肩代わりありがてえ。

・ガーゼタオル大小
あるだけ助かる。細かく使う。沐浴の体拭き、ミルクこぼしたのをフォロー、暑い時にふわっと掛けてあげる、背中に敷くなど。汚れたらサッサと洗ってサイクル回すため多くて困ることはない。

・オムツ
当たり前に使う。強い。今は水分に反応して色が変わるラインが付いているので外からパッと見て小をしているか判断できるので簡単。

・オムツの臭い消し用の箱
仕事柄、昔養護施設を回ってたことがあるけど消臭対策してないと臭いがどうしても鼻につく。専用フィルム式のものを使うと臭いをシャットアウトしてくれるので家庭用のやつでもあると助かる。

・おしり拭き
とりあえず皆さんオススメの水99%の品質のものを使用。特に使ってて問題はないのでそれが何よりの評価。

・沐浴剤
最初期しか使えないらしいが、お湯に混ぜて身体を拭き洗いしたら洗い流したりしないでOKとのことなのでお手軽。

・保湿クリーム
新陳代謝が良くてお肌がボロボロになる→再生する、のサイクルが早いので沐浴後とかに塗ってる。お肌大事。

・ベビーワセリン
唇周りなど、乾燥対策にはこちら。上記と併用が基本形っぽい。

・ステロイド軟膏
病院で処方されたもの。皮膚湿疹にすんごい効く。最低限だけ塗布し、治ったら使用しない。強力な武器。

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秀島キョウ 2024/07/19 12:00

【格闘ゲームの観戦を楽しもう】EVO2024本種目『UNI2』“もう1つの読み合い”紹介

-----はじめに-----

スポーツ観戦はルールが多少でも分かると見てて面白みが増します。格闘ゲームも同じです。観戦してて「何が起きたかは詳しく知らないけど、何かすごいことが起きた」タイミングが分かると実況解説のテンションと一緒に盛り上がれます。

今回は「UNI」についての見どころであり本作の味でもある特徴的な【もう一つの読み合い】について焦点を当てていきます。

-----本題-----

UNIのシステムに習熟してくると独自システムである下の◇ゲージによって攻防の読み合いが起きます。これはリーチと技の速さで戦うのとはまた別ベクトルの攻防のやり取りが同時に起きます。

こちらは観戦する際の見どころでもあり、また、中級者の方が意識していくとググっと対戦が面白くなってくるポイントでもあります。では説明いきましょう!

・下の◇はグラインドグリッド、略してグリッドと呼ばれている。以下グリッドと呼ぶ

・夜のサバンナ虚ろの夜でだけ使われる名称のため馴染みがない単語だがご容赦願いたい

約13秒に1回「どっちがグリッドたくさん持ってるか」判定が行われる。真ん中下の丸い表示が0時(12時)を始点兼終点としてタイムアップまで周期が時計のように巡り続ける

・判定の結果、多くグリッドを持っている方に「好きなタイミングで1回使える・あらゆる行動をキャンセルして再行動できる・リソースであるゲージを増やせる・時を止めて状況確認できる・攻撃力も10%増える・使い切るまでは100ゲージ技使用で25%返ってくる」という破格の使い捨てバフが次の周期が巡るまで基本的に片方のプレイヤーに付与される

・対戦の中でこのバフ回数が多ければ多いほどダメージチャンス、切り返しチャンス、ゲージ効率がアップするため勝利に近づきやすい(重要)

・それを理解している者同士の戦いでは、「周期が巡る瞬間ではなくその少し前、時計で言う6時〜9時くらいからグリッド有利を取るための行動を決めて実行に移す」という攻防が殴り合い以外の別の要素としても起きる。
その結果として単なる攻撃の応酬と似て非なる「約13秒ごとに訪れる独特の攻防」が起きている。知った上で見ていると攻防の妙が見て取れる


・ここで肝心のグリッドの増減方法をざっと見てみよう


:前に出ると増える
:後ろに下がると減る
:ガードしてると増える
:コンセントレーション(D押しっぱなしシステム。何もできない隙あり)で増える
:投げ成功で相手の分を減らせる
:投げを抜けると相手の分を減らせる上に自分の分が増える
:アサルト(システム小ジャンプ)を使うと増える
:シールド(ガード時に恩恵のある防御システム)を成功させると増える
:シールド使用時に投げや中下不一致によるダメージをもらうとグリッド不全が起きてグリッド全損扱い
****
・以上より、グリッド優位を取るためのざっくりとした行動指針としては以下3つとなる

「グリッド有利な方は攻めるより待ちに入った方がグリッド有利を維持しやすい」
→防御側の方がグリッドを増やす手段が多い。また、複合投げ抜けもあるので崩れにくい=グリッド有利を維持してバフをもらいやすい


「グリッド不利な方は攻めないと優位を奪えない」
→放っておくとバフを取られるのでグリッド差の逆転をかけて攻める方がリターンがある。択が通ればターンとダメージとバフ優位が全部ゲットできる。上記の通り難しさはある


「不利側がコンセントレーションを選択するなら有利側が動かないといけない」
→攻めないでもグリッドを稼げる手段がコンセントレーションと呼ばれるグリッドを溜める行為。待っているだけで見過ごせばグリッド有利な側の優勢が崩れてしまう。ただしマジ無防備で攻撃をガードできない隙を晒しているのでやる方にリスクがかなりある。
相手が"グリッド優位だからこそ動かない"を選択している読みでやる・攻撃を食らってでもバフの恩恵を取りに行く・コンセントレーション行為は誘いで、グリッドの奪い合いと見せ掛けて動いた相手にダメージを与える作戦、のように使う、といった使い方が起きる


※これらを踏まえて試合を見てみるとUNIの観戦はより楽しくなってくる!※


例)投げと見せかけて走ってからのジャンプ攻撃が通った!
→グリッド不利な状態からグリッド逆転を狙った投げと見せかけての攻撃がヒット。この行動でグリッド逆転した結果、バフが自分に来つつ相手にダメージを与えて起き攻めに行ける最高の展開


例)自分がグリッド有利で待機状態。「理解してる相手だから」と投げ抜け行動を誘発してくる動きを予測して対策をした!
→相手が逆転の一手でジャンプ攻撃なりバックステップで投げ抜け誘発をしてくる可能があるから、それ読みで対空技を出したりバックステップ読みでリーチの長い技を出したりすることで逆転を狙う相手を追い返しつつグリッドを維持してバフをゲットしつつ攻めに行ける最高の展開


たとえばこういうのを注視すると、基本的にダメージやら攻防の切り替わりはたまたま起きるというよりは「時計でいう10時から12時」の間に起きていることの方が多いことに気づける。つまり、見どころだ


UNIではこの辺を実況解説の人が話してくれる(はず)。そのためざっくりこの辺を理解していると「今、人の意志力のぶつかり合いの果てに試合が動いたんだな!」と一段味わい深い観戦ができるようになります。


凄いリーチの技が飛び交うUNIですが、硬派な戦いが水面下でせめぎ合うタイトルでもあります。観戦も対戦もお楽しみくださいませ

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秀島キョウ 2024/07/12 22:27

【大会主催の助け】ノウハウ伝授!格闘ゲームの実況・解説のコツ【第3回】

-----はじめに-----

これにて最後の回です。
第1回の記事はこちら
第2回の記事はこちら


今回までの話を押さえて話せば貴方もゲーセン流実況解説、一人前です。

さて、第1回は大きな枠組みである『雰囲気作り』の話をしました。

第2回では枠組みの中身である『何について喋るか』の話をしました。

そして今回第3回では枠組みの中身を彩る『喋る際に気をつけること』です。見ていきましょう。


喋る際に気をつけるべき5つのポイント


①"無意識に出る繋ぎの言葉(「えー」「さぁ」など)を意識して減らす"


「えー」「さぁ」などは多くの人が話していると自然と入れてしまう無意識に出る繋ぎの言葉です。

これがあるのは別に悪いことではありません。大事なのは頻度です。

毎回息継ぎの度に言葉を発していると聞いている側は気になってきます。

そう、問題は「気になってしまうこと」です。気にならない喋りとは「違和感を覚えないこと」です。

繋ぎの言葉も頻度が低ければ気になりません。

意識して減らすことができると気になる癖からむしろ喋りのアクセントに変わります。

肝心の繋ぎの言葉の減らし方ですが、これです。

・「言葉と言葉の間は無言でいいと意識すること」
・「言わないようになるべく意識して心の中でブレーキをかけること」

このぐらいでいいです。段々減ってきます。

マイク役をやっていると「無言の時間は良くない」と半ば強迫観念的に思ってしまうものです。ですが、配信で聞き返してみると多少間があっても思った以上に気にならないものです

いいんです。既に挙げてきた「焦らず喋る」と共通する部分でもありますが、ちょっとの無言は恐れずに分かること・知っていることを話せば良いのです。

結果、口数が減ることでメリハリが生まれ、必要な要素ばかりの実況解説が勝手に生まれていきます。


②"言葉を選ぼう"


語彙力とは別です。

聞き手に通じる言葉かどうか
誰かを揶揄するような言葉になってないかどうか

これらをほんのちょっと意識しましょう、という話です。

第2回で触れましたが、喋る時は視聴者の層を意識します。

たとえば、視聴者層が新規勢なのにゲームの専門用語カタカナをばんばん使って説明一つなかったらどうでしょう。

人間、聞き慣れない単語ばかりの話を聞いていると「置いてけぼりにされている」と感じるものです。これはいけません。

視聴者を置いてけぼりにしない方法とは?

事象を簡単な言葉に置き換えることです。ワンポイント説明を挟むことです。

例)
○スト6
「バーンアウト!体力下のリソースがなくなると攻められた時に一定時間反撃が難しくなり不利な状況になってしまうピンチだ!どう凌ぐのか?!」

○メルブラ
「ここで開放!守っている時に相手を追い返すゲームシステムを使って攻めを凌いだ!ここからどうする?!」

○ギルティ
「鋭い奇襲技にロマンキャンセル!溜まった下のゲージを使うとあらゆる行動をなかったことにして即再行動が可能になる動きで攻めを華麗にフォローしていきました!」

○GBVSR
「ここでブレイブカウンター!使用回数は限られているものの、相手の攻めを追い返しつつこちらの攻めのターンを狙える方法を採っていきました!」

○UNI
「起き上がりにチェインシフト!体の周りにオーラのようなエフェクトを纏っている時に使える、時を止めて状況を確認できる恩恵を使って相手の攻めをさばいていきました!」

こんな感じで一言挟めると、親切さと状況説明&解説を一気に果たせます。

逆に、視聴者層が玄人揃いだったり中級者のスキルアップを狙えるなら単語の説明ではなく分かる範囲(※第2回⑤)での戦略の説明や読み合いの解説に切り替えると良いでしょう。


また、「誰かを揶揄するような言葉になっていないか」。これは意図していない言葉のトラブル防止にもなる気をつけたいポイントです。

と言っても、次の点を意識すれば大丈夫です。

誰かと比べない
ミスを煽らない

・○○さんなら倒し切ってたなー ナド
(誰も得しないし、試合相手その人を観ていない失礼なセリフに捉えられます。思い描く理想があることと、それを誰かに当て嵌めて勝手に期待して勝手に失望することは違います。その人のできていることを常に評価して言葉にしましょう)

・あそこで落とすかー? ナド
(誰でもミスはします。特に大会では緊張もあります。そんなことはゲームに限らず変なことではありません。そこは「気持ちは分かる!頑張れ!」と応援に変えましょう)

見ている人が聞いて不快になるような言葉や観返した人が意気消沈するような言葉を避ければOK。ちなみにこれは配信時にも無意識に出てくる意識なので大会に限らず誰かに見られながら話す機会がある人は気をつけると悪いことが起きにくくなります。


③"配信コメントを拾うか拾わないか"


ちょっと悩ましい部分です。

ワンオペ運営実況解説配信とかになると余裕がなくてコメント追えないというのはあります。それは「コメントを拾わない」を「選んでいるわけではない」ので気にしないでいいです。

実況中、コメントを拾うと対戦画面への実況はおろそかになります。

かと言ってコメントを拾わないとわざわざコメントしてくれた人をスルーしてしまう形になってしまいます。

そういう時は以下の指針のどれかを大会ごとの自分の余裕で選択するといいです。

【A案】
頑張って拾えるだけ拾う。合間に実況をする

【B案】
「がんばれー!」「うおおお!!」みたいな応援やつい出た声のリアクションは読み上げず、それ以外の気になるコメントや質疑は拾っていく

【C案】
コメントは拾わない。その代わりコメント内容を意識した上で実況解説をする(こういうことが気になる人が観ているんだな、という指針にはする)

【D案(ABC案と複合可)】
合間や待ち時間にコメントを拾うが、準決勝・決勝などクライマックス場面では実況解説に専念してコメントを拾わない(流石に大事な決まり手をスルーして別方向の話をしてたら締まらない)

どっちつかずになるより、パターンを決めて臨みましょう。


④"オフラインと遅延の少ない設定のオンライン配信で気をつけたい、残り時間とリソースについて"


機会は少ないけれどオフラインの際と、遅延の少ない配信設定をしている場合に気をつけたいことがあります。

YoutubeやTwitchの配信では遅延でコメント欄とのズレも起きますが、適切な設定等で遅延が数秒程度で済むこともあります。こうなると特定の話題は対戦に影響が出る可能性があります。

それは、「残り時間とリソースについて」です。ここに関しては「ラウンド間や1戦が終わったあと以外では極力触れない」方針をオススメします。

対戦中、画面の一部にあまりに集中している、「リソース未確認による判断ミス」「残り時間に気づかず負けてるのに攻め損ねてタイムアップ」みたいなことは起きます。

これ、リアルタイムでマイク音が聞こえると片方に利する行為になりかねません。マイク役という第三者からの助言になりますから。

以下が起きうる事態です。

・自他で使えるリソースに気づいて戦略を見直して結果に影響が出てしまった。

・残り時間に気づいてなかったのに気づいて結果に影響が出てしまった。

実況のせいでゲーム結果に変化が起きることは避けたいですね。

これらを避けるために、「残り時間とリソースに対する過度な言及」は決着前はしない方が良いです。もちろん、決着後は解説ポイントに早変わりするので使い分けていきましょう。

ちょっとしたことですが、この辺無頓着でいるよりは頭の片隅に置いて喋れるとトラブル回避に繋がります。


⑤"水分補給・音量設定・音響設定"


番外編的な内容。

普通、1〜2時間喋りっぱなしだと喉にダメージが来ます。水分補給できるようにペットボトル飲料など用意しておくといいでしょう。

また、音量設定も大事です。

ゲーム音が大きくて実況の声が聞こえない。実況の声が小さすぎて聞こえない。ゲーム音と実況の声のバランスが悪くて聞いていられない。

配信に関してはこの辺が悪いと即ブラウザバックの対象です

・配信最初の方で別端末(PC配信してたら手元のスマホで小音でいいから再生して耳に当てたり)で確認する。

・事前に仮配信をURL限定で行い音量調整を済ませておく。

・上記のことをやった上で視聴者に音に関して要望あれば言ってくださいとお願いする。

この辺り、やる癖をつけるといいです。スマホで自分で音量確認してもPCからの聞こえ方は違ったりするのでやはり視聴者の方にチェックを呼びかけるのが良いです。

「音量オッケーです」みたいな何てことのないコメントも増えますから他の方も書き込みしやすくなる副次効果もあります。

併せて、音響関係、ノイズキャンセルやマイクの向きなども少し気にしてみるといいです。

おそらく皆さん使っているであろう配信ソフトOBSには簡単ノイズ抑制設定があるのでとりあえずコレをやっておきましょう。

音声のところ右クリックで出てくる「フィルタ」→「ノイズ抑制」→「RNNoise」など、何かしら設定してみましょう。この辺はGoogle検索でたくさん出てきます。

また、単純にマイク(性能差もあり)の位置によって拾う声の範囲や大きさも変わります。DiscordのマイクチェックやOBSでの録画機能を使ったりして普通に聞こえるかどうか一度は確認してみると良いかもしれません。

あとこれはレアケースかもですが、音は物がないと反響します。配信部屋に物が少ない人の声は反射してマイクが拾うこともあります。これも調べると出てきますが場合によっては音反射防止に安価な部屋アイテムを増やすのも手です。


-----おわりに-----


これにて全3回の【実況解説のコツ、ノウハウ伝授】についての話を終わります。

最後の回をまとめてみると、

水分用意して音チェックしたらコメント拾う頻度ざっくり決めて、話す際の切れ目では意識して口を噤むようにして時に分かりやすい言葉での状況説明をまぜよう

となります。

全3回を通すと説明量は多くなりましたが、気をつけるべきことの1つ1つは決して難しいことではありません

喋る機会が既にある人、喋れれば大会開きたいと思っていた人・マイク役を募集していたから喋れればチャレンジしてみたいと思っていた人。そういう方は是非「意識して」試してみてください。

プロのノウハウではありませんが、独特の積み重ねでもあるゲーセン流実況術。何かしらの形で残す機会はあっても良いのかなと書いてみました。

誰かに何かしらの形で役に立てば幸いです。

ご覧いただきありがとうございました。

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秀島キョウ 2024/07/10 12:15

【大会主催の助け】ノウハウ伝授!格闘ゲームの実況・解説のコツ【第2回】

-----はじめに-----

いらっしゃいませ。格闘ゲーム実況解説のコツを簡単な言葉でお伝えする記事の第2回でございます。話は長くなっちゃってますが、そこはご勘弁を。

第1回は大枠とも言える大会の雰囲気作りについて話しました。
(第1回記事はこちら)

今回は喋る内容について】です。

実況部分と解説部分に関わってきます。といっても、一連の記事の対象はこれまで実況解説役に慣れていない人たち向けです。どちらかというと気負わなくていい話ばかりになっています。

それでは本題にいきましょう!


【何について喋るか?気にするけど気にしすぎない5つのポイント


①"全部を喋らなくていい


誤解されている場合もあるのでまずはこれを。起きてることをぜーーーんぶ話す必要はありません!

全部を喋ろうとすると必ず無理が出ます。

これはゲームへの理解度だとかゲームスピードが早すぎるだとか早口になるだとか、そういう難しさとは違うデメリットがあります。

どうしても聞き苦しくなってしまうのです。

全部喋るやり方が評価されるのは「マジで対戦で起きることをほぼ把握している・自分の中で理論が確立されていてそれに沿って解説できる・口が追いついている・言葉に詰まることなく立て板に水」です。

一つの完成形でしょう。

これをやれとは言いません。

聞き苦しくなる、と言った理由は上記の完成例の失敗版を想像すれば容易です。

「対戦で起きていることへの理解度が足りていない」
(言ってることが的外れ)

「自分の中で理論がない」
(解説に一貫性がない)

「口が追いついていない」
(グダる)

「言葉が詰まって出てこない」
(気まずい)

じゃあどうするか。全部を話さなければいいのです。見方を変えましょう。物事は捉え方を変えれば良くなるものです。


↓(AFTER)


「対戦で起きていることを己が『理解しきれていないこと』を理解している」
(起きたことだけ・理解できた読み合いや強力な攻め方だけを喋る)

「自分の中で理論立ってないことは長く話さない」
(その場その場で起きたことにリアクションを取るだけでOK。[例]「無敵技をガードした後のコンボ、しっかりしてますね!すごいダメージが出ました!」こんなのでいいんです。読みとか前の攻防での技の見せ方だとか安全飛びとか何かしらそこに至る過程と要因があってもそこに触れないで喋れば困りません)

「口が追いつかないなら焦らず喋ればいい」
(無理に話そうとすると実況が聞き取れない、めちゃくちゃ噛む、何を言ってるか不明。喋りが追いつかないことよりもこちらの方がデメリットです。焦らず話して大丈夫です、全部を話さなければいいだけです。何を喋ればいいかは②以降で書きます)

「言葉が詰まるなら簡単な言葉を選ぶ。困ったら言い切りの文言を放つ」
(アドリブでオシャレな言い回しを状況に応じてスラスラ言えるだなんてのは特殊技能です。チャレンジは良いですが、別になくとも困りません。簡単な言葉の基準としては小中学生が理解できそうな単語を選んで話すのが良いです。あとは言葉に詰まりそうになったら「すごい!」「偉い!」「しっかりしてる!」など場面に合った言い切りで一旦言葉を切りましょう。言葉を整理する時間を自分で稼ぐのです)

以上を押さえて喋ったらどうなるかをまとめると「聞いていられるスピードでその場その場で起きたことに即した難しくない言葉が試合を観ながら飛んできてくれる」と喋る側も聞く側もストレスの少ない形での実況になります。


②"見える部分"


何を喋るか、の更なる中身に踏み込んでいきます。

その一つがこれ、『見える部分で起きていること』です。

相手のジャンプを迎撃した、投げが入った、投げを抜けた、コンボが入った、コンボを落とした、なんかカウンターした、無敵技で切り返した、無敵技ガードされた、大ダメージが入った、倒しきりのリーサルコンボが入ったetc……

起きたことを喋る。これは実況の基本です。格闘ゲームではどちらかの体力がゼロになるまでは何かが起き続けます。それを追うことが臨場感を伝えることにも繋がります。

ただ、画面で起きていること・見て分かることというのは視聴者も見れば分かります。なので、①で言ったように起きたこと全部を喋る必要はありません。

では何を話すか。

オススメは、

インパクトのある場面
試合の流れが一瞬緩やかになるところ

です。

インパクトがある場面というのは、見た目がすごい技の応酬があっただとか、大技が決まっただとか、派手なエフェクトの攻防があっただとか、すごいダメージが入ったとかです。

「ここは盛り上がりどころ!」という場所でリアクションがあると観ている人は共感ができます。

試合の流れが緩やかになるところというのは、投げとか演出が入る超必殺技が入ったとかで物理的に一旦試合展開が止まる場面です。

「さあここからどうするか」

試合展開の切れ目であり再スタート箇所だと伝えることで試合の緩急を見ている側に意識させられます。

時折起きる、お互いが近めの距離でピタッと動かなくなってから急に動きだす、なんて場面も取り上げたいポイントですね。

「両者様子見……動いた!うわー!」とかなんとか。そんなのでもいいのです。みんな同じ気持ち、というのを伝えるのも臨場感の演出に一役買います。

理解している人には共感を。よく分かんないけど観ている人には「ここが盛り上がる注目ポイントですよ!」と伝わる箇所を話すと良いです。サッカーでシュートした瞬間、野球でピッチャーの球を打った瞬間に何も触れずにスルーする実況はいないでしょう?

分かりやすい「何かが起きたら」言葉を発しましょう。


③"見えない部分"


厄介で難しい部分です。見えない部分で何が起きているか。こちらは解説の領域になってきます。

いわゆる「読み合い」と呼ばれる、格闘ゲームおよびタイトルに理解度があると分かる互いに持つ行動選択肢のやり取りに言及すること。

またはここで下手に動くと片方が一方的に勝つ「有利な場面での攻め」について言及すること。

これらが見えない部分に当たります。

これらの結果、②で取り上げた「何かが起きた瞬間」が訪れます。

そこに至るまでの見えない過程を言葉にすると解説になっていきます。

心理戦やリスクリターンに拠る行動、そこには体力差・残りリソース・残り時間も絡んできます。中々難しい領域です。

これを全部理解して的確に理路整然と伝えきなければいけないのか

いいえ、その必要はありません。

解説は「なくても大丈夫」だし「流れを止める」し「変なことを言ってしまうリスク」でもありますから。

ただ、1試合の中で1箇所でも実況の中に解説パートが入るとなんだか『本格的』な感じがしてくる部分でもあります。

なので、「その攻防は知っている!」という箇所があったならば、それだけ話すといいです。

もう少し詳しく喋ってみたい、という方向けの話も含めて踏み入った話は⑤で後述します。

なお、試合展開が早い格闘ゲームで解説を入れたいなと思ったらオススメ場所はラウンド間です

相手を倒した行動や試合の流れを変えた攻防に見当がついたなら、ラウンド間の少しの時間が解説のチャンス。ラウンド間でついつい黙ってしまうのを防ぐ効果もあります。

また、ラウンドを跨いでいる間に「誰が見ても分かる」残りリソースを見て、次はどちらの展開が有利なのか不利なのか五分なのかを付け加えるとそれっぽさが増します。


④"視聴者層によって話の焦点を変えているか"


かなり大切な要素です。実況・解説、共に関わってきます。

・この大会&配信を観ている人は既存プレイヤーだらけか?

・新規プレイヤー参入タイミングでよく知らない人も多く観ていると予想されるか?

・ストリーマー目的などそもそも格闘ゲームに詳しくない人が観ていそうか?

話す姿勢、というのは話す相手によって変えるべきです

上記要素を鑑みて、

・「タイトルを知ってる人たちが観に来ているなら多少詳しく話してもいいかな」

・「新規参入者がいそうならゲーム紹介をメインに話そうかな」

・「初めて見る人向けの視点で話すならゲームタイトルの世界観とか見どころだけ話そうかな」

のように、話す内容は変わります。話せる時間は有限で増えない以上、選択する必要があります。その選択を意識してできていると話に一貫性が出ます。

誰に向かって話しているか。この意識を持つとグッと良くなります


⑤"知っていることだけを喋ろう"


解説部分でとても大切なことです。今まで触れてきた部分と共通するところでもありますが別項目として改めて取り上げます。

クオリティアップのポイントでもあり、マイク役の自己防衛ポイントでもあります。


知っているから喋れる。なので実況の合間に解説として喋った

これでいいんです。完璧です。

では無理したらどうなるか。

よく知らないけど無理して喋った。実況のペースを遮った上に訂正コメント来たからそれについて訂正したり謝ったりしてたらもう試合展開進んでてグダる

といった感じになってしまいかねません。

デメリットが目立ちます。

そのデメリットを消す方法が「知っていることだけを喋る」、です

時折的確に挟み込まれる解説が実況の質を上げてくれます。

シンプルな話ですが、これを念頭に置いておくとお守りみたいなもので、「何か喋らなきゃ…!」という気持ちが減るので気負わずに済みます。


-----おわりに-----


以上、第2回のお話でした。

全部喋らなくていい」「無理をしない」ことを前提にしつつ、「誰に向かって」話しているかを意識して「わかるところだけ喋る」。

まとめてみればシンプルなことですが、これを意識してやるとかなりスマートな実況解説が実現します。

第1回の要領で雰囲気を作り、今回の要領で話せば無理はないけれどしっかりした内容ができあがります。

難しい言葉遣いも流暢さも必要ありません。なので気軽にチャレンジしてみてください。

次で一旦最後になります。第3回の中身は大きな話から小さい話へ向かった終着点、【喋る際に気をつけるべきポイント】になります。次回も乞うご期待。

ここまでお読みくださり誠にありがとうございました。

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