秀島キョウ 2024/07/07 21:10

【大会主催の助け】ノウハウ伝授!格闘ゲームの実況・解説のコツ【第1回】

-----はじめに-----

オンラインでも気軽に楽しまれている家庭用格闘ゲームの大会イベント。大会主催もTonamelという優秀な大会サポートツールで誰でも行えるようになっています。

そこで気になるのは慣れないマイク役。

今回は『大会における実況・解説』について気をつけると良くなるような役立つ要素をお話ししていきます。

「お前誰?話を聞く価値あるのか?」となると思うので簡単に自己紹介だけ。

プロeスポーツキャスターではありませんが、10年以上数え切れないほどのゲームセンター及びオンラインでの大会運営・実況を経て、本家EVO2023ではMBTL公式日本語実況解説役としてお呼ばれもされたキョウと申します。

素人喋りから積み上げてきた経験値なので、どなたにも伝授可能です。平易に伝えられればと思います。

言われたら当然、という話ばかりですが「何を意識したらいいかまとまってる」ことに意義があると思うので挙げていきます。

既にマイクを握る機会を持った方から、これから持つ方まで。何かしらの参考にでもなれば幸いです。

改めて。テーマごとに大きく3回に分けてお送りしていく予定です。

第1回:【大会の雰囲気作り】(実況)
第2回:【喋る内容について】(実況・解説)
第3回:【喋る際に気をつけること】(実況・解説)


では今回の本題へいきます。


【これは大会である、という雰囲気を出そう!意識する5つのポイント】

①“大会開始の合図となる言葉を発しよう

「運営準備OK、さぁそろそろ始まるかな……おっと最初の試合もう対戦始めちゃった?ス、スタートしました!」というように、流れで始まってしまった大会を見たことはありませんか?

当たり前ですが『開会の辞』があると「これから始まるんだな!」という空気感になります。

それを作り出すのも実況の役目です。

プロのようにシャレた言い回しから始める?そんな必要はありません。オススメはこれです。

大会当日の日時とゲームタイトル名と大会名の正式名称を焦らず読み上げる

です。ためしに適当な大会を検索するなりして口にしてみてください。日時・ゲームタイトル・大会名を間違えないように気をつけて読むと自然と厳かな感じが出ます。

それが大会が始まる緊張感と合うため、良い感じに開始の合図として引き締まります。

読み上げてから試合を始める場合は『始めていきましょう!よろしくお願いします!』などと続けましょう。

読み上げたころにはもう試合が始まっていた場合は『早速始まっています!それでは見ていきましょう!』などと続けましょう。「試合始まっちゃったかー」と思ってもここはきっちり線引きしてから実況をスタートすると良いです。

スタート状況はなんとでもなります。大事なのは始まる区切りの演出です


② "大会終了の合図となる言葉を発しよう

①と対になる内容です。しかし、大変重要です。スタートの合図と締めの言葉が決まれば大会の体裁は整うからです

こちらの言葉選びは比較的自由です。

「優勝は○○選手!おめでとうございます!」といった優勝者名を挙げたあと、

→「これで本日の大会は終了になります」などと終わりを告げる。
(大会終了、という単語が入っていれば少し感想なりトークしたあとでもOK)

→「皆さんお疲れ様でした!」
「参加者の皆様ありがとうございました!」
(締めの挨拶。「これで配信を終わります」とかでもOK。これで一区切り。あとは配信離れる人もいる中、告知やらあれば話しておしまい)


③"参加者の名前を呼ぼう"

できれば参加者全員の名前を呼ぶ機会を作りましょう。特にオンライン大会だと配信できる対戦カードも限られるため、「折角参加したのに人知れず負けて終わり」という人は必ず出てきます。

ゆえに、マイクを握っている人が配信で名前を呼ぶことで参加者を認知していることをちゃんと言葉にしてアピールする。間接的なコミュニケーションです。

これはささやかながら大きなことです。顔も試合も見れない場合、名前を呼ぶことが大会に来てくれた個別の挨拶代わりにもなります。

読み方が分からない場合は、エントリー名は仮で勘で呼びつつ「コメントで読み方教えてください!」などすればOKです。読めないから、で気後れして結局触れないよりいいです。

名前を呼ぶ自然な方法としては以下の2つの例を挙げます(他の方法でももちろんOK。また、参加者が多すぎる大会の場合は進行に影響出かねないので仕方なく略さざるを得ない部分はあります)。

→「最初に大会開始前に参加者を読み上げる
(遅刻者や急用などで棄権している人がいるかもなのでそのための確認も兼ねられる。シードの人に「○○さんはシードなので少々お待ちください」などの声掛けの機会も設けられる)

→「○回戦ごとの合間にトーナメント表を確認する時間を設けて配信外の勝ち負けを名前を読み上げながら確認する
(トーナメント確認をすることで運営ミスをなくすことにも繋がり、もしトラブルがあったらここで報告チャットやコメントに目を通す時間も作れる)

どちらもトーナメントを確認して進行する形になるため、「大会をやっているな!」という雰囲気作りにももちろん役立ちます。呼び出しからキャラ選択・ボタンチェックの間にと待ち時間に行えると無駄が少なくなります。


④"大会ルールを最初に読み上げて確認・共有しよう"

大会概要を読んでない人もいるかもしれない、というのもありますが、一番ケアすべきは「初めて大会に勇気を出して参加してくれた人への配慮」です

・2先って何?(○先、は格ゲー用語です。一般人は知りません。言い換えは「2ラウンド先取制の対戦を複数回行い、先に2勝した方が勝ちの形式です」など)

・ダブルエリミネーションって何?(聞き慣れないカタカナ単語です。説明は「敗者復活戦がある形式です!」など。知らないと1回負けたところで配信切ったり離席したりすることが起きます)

・キャラ替えしていいの?(ルール違反失格もありますが把握してなくて後から不満出るのを防ぐためです。言い換えは「先ほど説明した通り2勝するまでの間、1敗した側はキャラを替えることができます」など)

この辺をついつい飛ばしてしまうとトラブルが起きる可能性もあります。

なんなら最初と1回戦が終わったタイミングで「今回はダブルエリミなので負けた人もモニターから離れずに残っててください〜」と呼びかけを繰り返しするのも良いです

少し時間取っちゃいますけど、この辺ちゃんと周知することで無用なトラブルを防ぎ、最初に言ったように「初めて参加した人に大会の緊張感と勝ち負けのドキドキを味わってもらう以外にストレスを与えない」ことを目指します。

大会を問題なく楽しめたら、また参加したくなるものですから

こういう気持ちは言動から他の熟練参加者にも伝わります。いつもと違う空気感が、これも大会の雰囲気作りに繋がっていきます。


⑤"運営協力者・Tonamelを通じたスポンサード・公式の認定などサポートがあれば最初か最後か決勝前に読み上げよう"

最後はオマケと言うか必要ない時もありますが、上記要素が入っている大会ではちゃんと紹介しましょう。

こちらも普段の生活や配信では存在しない部分なので、紹介するだけで大会の雰囲気が出ます

始まる前に紹介してもいいですが、開始時間が押していたら後でもいいです。

決勝が終わると場がハケる雰囲気になるので、改めて決勝前に感謝の気持ちを込めつつ手短に紹介するのもいいです。

ですが、大会の勢いがあって「もう決勝に流れ込むぞぉおおお!!」みたいな時(実際あります。もうこのままラスト観ちゃおう!2人ともスタートボタン押してるし!!とかの時)は、終わってからの紹介で。もし優勝者に何か賞品があるならその時に紹介すればいいです。


-----おわりに-----

以上、第1回になります。

どちらかというと進行の範疇ですが、雰囲気作りも大会実況の大きな役割です。リアルでも漫画でも観たことがあるかと思いますが、マイク役が居た方が大会モノは盛り上がります。

見ていただいたように、別に大した内容のことを話す必要はありません。大会概要と参加者・協力してくれた人が分かっていれば読み上げるだけでアドリブやフリートークすら不要です。

これらをちゃんと"意識して"言葉にすると、大会のガワとでも言いましょうか。雰囲気が出来上がります。大枠の部分ですね。

これさえ出来てしまえば後は極端な話、ろくに話せなくても参加者の試合内容が大会内容をフォローしてくれます。大会での戦いでドラマが起きないことはありませんから。

言葉は自分流に変えつつも、この辺を押さえておけばもう最低限大会の空気感醸造と進行はクリアです。是非試してみてくださいませ。


次回からは大枠の中身、喋る内容について触れていきます。

まずはこちら第1回、お読みいただきありがとうございました。

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