秀島キョウ 2024/07/19 12:00

【格闘ゲームの観戦を楽しもう】EVO2024本種目『UNI2』“もう1つの読み合い”紹介

-----はじめに-----

スポーツ観戦はルールが多少でも分かると見てて面白みが増します。格闘ゲームも同じです。観戦してて「何が起きたかは詳しく知らないけど、何かすごいことが起きた」タイミングが分かると実況解説のテンションと一緒に盛り上がれます。

今回は「UNI」についての見どころであり本作の味でもある特徴的な【もう一つの読み合い】について焦点を当てていきます。

-----本題-----

UNIのシステムに習熟してくると独自システムである下の◇ゲージによって攻防の読み合いが起きます。これはリーチと技の速さで戦うのとはまた別ベクトルの攻防のやり取りが同時に起きます。

こちらは観戦する際の見どころでもあり、また、中級者の方が意識していくとググっと対戦が面白くなってくるポイントでもあります。では説明いきましょう!

・下の◇はグラインドグリッド、略してグリッドと呼ばれている。以下グリッドと呼ぶ

・夜のサバンナ虚ろの夜でだけ使われる名称のため馴染みがない単語だがご容赦願いたい

約13秒に1回「どっちがグリッドたくさん持ってるか」判定が行われる。真ん中下の丸い表示が0時(12時)を始点兼終点としてタイムアップまで周期が時計のように巡り続ける

・判定の結果、多くグリッドを持っている方に「好きなタイミングで1回使える・あらゆる行動をキャンセルして再行動できる・リソースであるゲージを増やせる・時を止めて状況確認できる・攻撃力も10%増える・使い切るまでは100ゲージ技使用で25%返ってくる」という破格の使い捨てバフが次の周期が巡るまで基本的に片方のプレイヤーに付与される

・対戦の中でこのバフ回数が多ければ多いほどダメージチャンス、切り返しチャンス、ゲージ効率がアップするため勝利に近づきやすい(重要)

・それを理解している者同士の戦いでは、「周期が巡る瞬間ではなくその少し前、時計で言う6時〜9時くらいからグリッド有利を取るための行動を決めて実行に移す」という攻防が殴り合い以外の別の要素としても起きる。
その結果として単なる攻撃の応酬と似て非なる「約13秒ごとに訪れる独特の攻防」が起きている。知った上で見ていると攻防の妙が見て取れる


・ここで肝心のグリッドの増減方法をざっと見てみよう


:前に出ると増える
:後ろに下がると減る
:ガードしてると増える
:コンセントレーション(D押しっぱなしシステム。何もできない隙あり)で増える
:投げ成功で相手の分を減らせる
:投げを抜けると相手の分を減らせる上に自分の分が増える
:アサルト(システム小ジャンプ)を使うと増える
:シールド(ガード時に恩恵のある防御システム)を成功させると増える
:シールド使用時に投げや中下不一致によるダメージをもらうとグリッド不全が起きてグリッド全損扱い
****
・以上より、グリッド優位を取るためのざっくりとした行動指針としては以下3つとなる

「グリッド有利な方は攻めるより待ちに入った方がグリッド有利を維持しやすい」
→防御側の方がグリッドを増やす手段が多い。また、複合投げ抜けもあるので崩れにくい=グリッド有利を維持してバフをもらいやすい


「グリッド不利な方は攻めないと優位を奪えない」
→放っておくとバフを取られるのでグリッド差の逆転をかけて攻める方がリターンがある。択が通ればターンとダメージとバフ優位が全部ゲットできる。上記の通り難しさはある


「不利側がコンセントレーションを選択するなら有利側が動かないといけない」
→攻めないでもグリッドを稼げる手段がコンセントレーションと呼ばれるグリッドを溜める行為。待っているだけで見過ごせばグリッド有利な側の優勢が崩れてしまう。ただしマジ無防備で攻撃をガードできない隙を晒しているのでやる方にリスクがかなりある。
相手が"グリッド優位だからこそ動かない"を選択している読みでやる・攻撃を食らってでもバフの恩恵を取りに行く・コンセントレーション行為は誘いで、グリッドの奪い合いと見せ掛けて動いた相手にダメージを与える作戦、のように使う、といった使い方が起きる


※これらを踏まえて試合を見てみるとUNIの観戦はより楽しくなってくる!※


例)投げと見せかけて走ってからのジャンプ攻撃が通った!
→グリッド不利な状態からグリッド逆転を狙った投げと見せかけての攻撃がヒット。この行動でグリッド逆転した結果、バフが自分に来つつ相手にダメージを与えて起き攻めに行ける最高の展開


例)自分がグリッド有利で待機状態。「理解してる相手だから」と投げ抜け行動を誘発してくる動きを予測して対策をした!
→相手が逆転の一手でジャンプ攻撃なりバックステップで投げ抜け誘発をしてくる可能があるから、それ読みで対空技を出したりバックステップ読みでリーチの長い技を出したりすることで逆転を狙う相手を追い返しつつグリッドを維持してバフをゲットしつつ攻めに行ける最高の展開


たとえばこういうのを注視すると、基本的にダメージやら攻防の切り替わりはたまたま起きるというよりは「時計でいう10時から12時」の間に起きていることの方が多いことに気づける。つまり、見どころだ


UNIではこの辺を実況解説の人が話してくれる(はず)。そのためざっくりこの辺を理解していると「今、人の意志力のぶつかり合いの果てに試合が動いたんだな!」と一段味わい深い観戦ができるようになります。


凄いリーチの技が飛び交うUNIですが、硬派な戦いが水面下でせめぎ合うタイトルでもあります。観戦も対戦もお楽しみくださいませ

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