OKOME Sequencer 2023/11/20 14:10

Re:bible ~ぼくらの世界想像~ 反省会②「好きなシーンまとめ」

今年無事公開をしたサウンドノベル「Re:bible ~ぼくらの世界想像~」の反省会を行います。
今回は第2回「好きなシーンまとめ」について書いていきます。


好きなシーンまとめ はじめに

今回は「Re:bible ~ぼくらの世界想像~」の個人的好きなシーンをまとめていくのですが、ただ好きなシーンというよりか、作っていて楽しかった部分や、見返してうまくできたなーと思ったシーンをピックアップしていきます。

せっかくなのでランキング形式にでも。自分のコンテンツなのでね。


第7位 リーファの詰めシーン(マコトのウソとリーファのホント)

本編の中で最もツラいシーンなのですが、リーファちゃんに誠くんの嘘が完全看破されたあとの誠くんの態度がミソ。

このシーンは自分がもし誠くんと同じ状況になったらどういう返し、アクションを取るだろうかとかなり熟考して描いたシーンになります。

自分も社会人になって色々とポカをやらかしてきたことも多く、その度に怒られ詰められ、自分の情けなさに拳を地面に叩きつけたことは数しれず。
時には嘘が看破されないように違う嘘で事実を塗りつぶしたりしたこともあり、その点について指摘を受けたこともありました。

そうしたリアルを経験した自分と、だいぶ人として変わってしまった高校3年制の頃のダークサイド時代を足して割らずに描いたからこそ、生々しく描けたのではないかなーと思っています。

多分ここだけはエンタメの粋を超えた、読み手に対しての毒となりうる部分になりうるシーンでもあったので、気分を害した方は申し訳ないです(´・ω・`)


第6位 リーファちゃんとのデートシーン (代替された疑似恋愛X)

前回の第1回反省会で、挿入歌に「ときめき☆ラビリンス」を魔王魂さまからお借りした話の補足になるのですが、
先に説明すると、このシーンはセリフなどをあえて入れず、最近のアニメ映画でよく使われる、展開をダイジェスト形式で送りつつ挿入歌を流すというものを敢えてサウンドノベルやってみようという試みをしたシーンです。

ダイジェスト風にしたのには理由があって、このときの誠くんは半ば桃華さんに失望されたと思い込み、自分の欲望を満たすために自分が好きだった桃華さんのかわりに普段バイトで一緒にいるリーファちゃんと偽りのデートをしている状態でした。

だからこそ誠くんの気持ちとは別にウキウキでデートに望むリーファちゃんの声は街の雑踏から聞こえてくる声と何ら変わらない上の空。
何を喋ったか何を言ったかもほとんど記憶にないけれど、クリスマスというキラキラした雰囲気、楽しそうにするリーファちゃんの姿は印象に残っている。

だから、デートのシーンはセリフが一切ないダイジェストに、挿入歌は楽しむリーファちゃんの心情に寄り添った形の「ときめき☆ラビリンス」という挿入歌を使ったというお話でした。

そういう挑戦ができたという意味で、いいシーンにできたかな~という印象です。

ちなみにデートシーンのあとに、誠くんがリーファちゃんとのショッピングの時の話を思い出したのは、上の空ではあったとはいえお金には気を使う誠くんの性格なので、リーファちゃんへのプレゼントとして買ったタオルは覚えているという「ん~この男は全く……」と思うシーンだったり。


第5位 誠が目覚めるシーン (さよなら、ぼくらの世界想像)

急にほぼほぼクライマックス。
ぶっちゃけ、この背景で誠くん達4人が和気あいあいしているシーンこそ、自分の求めていた理想のゴール。

そもそもこの作品を作る目的は、この誠くん達4人を救うこと。
道半ばで、しかも止めてしまった部分がちょうど彼らが仲違いしてしまうシーンであったので、こうしてなんとしても互いが互いを理解するシーンを入れたかったのです。

このシーン、初期版とアップデート版でかなり肉付けがされておりまして、
初期版では誠くんが目覚めた後、そのままみんなに心配される流れだったのですが、アップデート版では澪音さんが秘めていた想いを誠くんに伝えるシーンが追加されています。

この後の話でも書くのですが初期版とアップデート版の大きな違いとしては、澪音さんの葛藤や思いを拾い、救うという目的を追加したという部分になります。
ゴールの要素を追加して、そこから道中の話に澪音さん成分を追加し……結果全体的な印象がもっと良くなりました。


第4位 桃華さんと星を見るシーン (代替された疑似恋愛X)

リーファちゃんとのデートが終わり、夜の河川敷へ向かう際の誠くんの回想で出てきたシーンです。
このシーン、今ではお蔵入りとなってしまったRevive Noah ~ぼくらの世界創造~で出す予定で、
そこから新作のアイデアを考えているときも「このシーンから誠くんと桃華さんは始まるんだ!!」と決めた上で、6年前からずっと描きたいと思っていたシーンなんです。

もちろんこのRe:bibleも例外ではなく、このシーンの存在は制作において強い強いモチベとなっていました。

ちなみに、Revive Noah ~ぼくらの世界創造~を作る上で最初に作ったフローチャートのこの部分は、
Re:bibleもほとんど同じです。

なんなら、桃華さんが病院から抜け出して河川敷で一人星を見て、大人たちが彼女を探している中誠くんだけが見つけ、二人で星を眺めるという回想シーンがあるというところまでRevive NoahもRe:bibleも全く同じです。

こんな感じでRevive Noahネタ、没ネタをRe:bibleで回収してたりするんですが、あまりにその量が多すぎるのでこれ以上はやめておきます。
一生喋りそうなので。


第3位 船で澪音さんを発見し、誠くんが船から落ち、澪音さんが助けに来るシーン (ぼくらの誓いを果たすために)

ここはねーここは……もう、うん……最高。
自分が作り出してしまった桃華さんと澪音さんの壁というのが完全になくなった瞬間です。

桃華さんが澪音さんに放った「氷崎じゃないッ! ちゃんと、名前で呼んでッ……!!」というセリフ、めちゃくちゃ好きなんですよね。

呼び方で大きな壁を作ってしまっていた澪音さんの壁を破壊するきっかけのセリフになっただけでなく、これもまたRevive Noahネタなんですが、誠くん達4人が仲違いするきっかけとなった学校占拠事件を桃華さんが起こしたシーンがあるんですよね。

それを止めに来た澪音さんに、桃華さんが「あたしを止めるの? もうあんたは裏切り者、みっちぃなんて呼ばない!」と拒絶したことがあります。

Re:bible次元ではそんな事件は起きてはいないのですが、それを口にしてしまうIFがある桃華さんが澪音さんにそう言ってくれるというのが最高。


また、その後の話で誠くんが船から落ちてそこから助かる部分ですがアプデ前後で内容が違い、アプデ前は気づけば助かっているという流れでしたが、アプデ後は澪音さんが助けに来るという流れに変更+特殊演出追加という非常に大事なシーンに生まれ変わりました。

澪音さんはアプデ後特にRevive Noah ~ぼくらの世界創造~という未完の作品の象徴という形にした上で「実は昔から誠くんのことが好きで、その思いを伝えられなかった」というキャラクターであることをハッキリさせました。

誠くんに言った「あなたが啖呵を切ってくれたんですから、その責任……ちゃんと取って下さい」「ぼくらの世界想像、私だって終わらせないと始まれないんです」というセリフは、救うべき誠くんより、作者に向けて「お前が始めた物語だろ」と言っているようにも聞こえる、いいセリフが描けたなと思っています。


第2位 桃華さんと星を見るシーン ~現代版~ (スターダスト・リベレイター)

唐突ですが、負けヒロインって好きなんですよ。しかも、負けヒロインは負けたとはいえ後悔したり相手を恨んだりするわけではなく、最終的には前を向くといったシチュは特に。

桃華さんはもうそういう負けヒロインになってもらいたくて、思い出の満天の星空の下で昔と全く同じやり取りをした上で誠くんのことが「好きだった」と(違う意味での)告白をするというシーンは描いていてデュフりが止まりませんでした。

また気づいてくれた方がいて非常に嬉しいんですが、桃華さん澪音さんはそれぞれ誠くんのことが好きだったのだけれど、それぞれ別の方法でいい形で決別ができた状態で物語を締めているというのも、余韻が残る終わり方にできたと感じています。

6年もずっと伸ばし続けていた恋の芽は、全身を縛り蝕むだけですからね。


第1位 澪音さんと誠がお話した後別れるシーン (プリンセス・ミオンの苦悩)

この作品を読んでくださった方も、自分も驚いています「なぜこのシーン!?」と。
でもここのシーンがRe:bibleの中で一番好きなところなんです。

澪音さんと話してウキウキだった誠くんが、少しずつ現実に引き戻される様。
「皆は優秀、俺は普通、自惚れるな」と浮かれていた自分の熱を無理やり冷ましながらも、昔は名前で呼んでくれた澪音の変わりようを憂いる心情描写は、正直自分で描いたのか?と思うくらいに好きなシーンでず。


昔っから自分はシナリオのワンシーンを描くとき、そのシーンのイメージを90%近く頭に思い浮かべシミュレートし、形にした上で作り始めています。
なので、最初に思い描くシーンのイメージが理想度100%だとしたら、完成形として出来上がるものって大体80%近くのもの。
そこから演出を少し変えたり、セリフを変えたりして100%に持っていく形で完成としています。

しかしこのシーン、一度出来上がったものを通しで見てみると、理想の100%……いや、理想の200%の出来に見えたんですね。

元々このシーンはRe:bibleで入れる予定がなく、澪音さんの初登場シーンももっと先にする予定だったんです。
なのでこのシーンをたまたま描いて実際に出来上がったものを見たときびっくり。「え、これ自分が描いたんだっけ?」と錯覚するくらい。

むしろこのシーンがあったからこそ、アプデでもっと澪音さんのエピソードを追加しよう。
「実は昔から誠くんのことが好きで、その思いを伝えられなかった」というキャラクター性をもっと強く見せようと思ったのです。


……と、アツくなって来たところで第2回はこれまで。

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