OKOME Sequencer 2023/11/12 22:26

Re:bible ~ぼくらの世界想像~ 反省会①「成功した目論見」

今回からいくつか回を分けて、今年無事公開をしたサウンドノベル「Re:bible ~ぼくらの世界想像~」の反省会を行います。
今回は第1回「成功した目論見」について書いていきます。

はじめに 開会宣言

この度はサウンドノベル「Re:bible ~ぼくらの世界想像~」の反省会会場にお越しくださいまして誠にありがとうございます。
反省会を始める前にしばし茶番にお付き合いくださいませ。

この会では上記サウンドノベルを制作し公開した上で感じたこと、良かった点、反省点を5つの記事にてまとめて発表するものとなっております。
反省会の目的は、このサウンドノベルを改めて読み返し、良かった点と今後制作する作品をもっと良くするためにはどうするかを模索するために執り行うものでございます。


当サウンドノベルは現代エンタメ作品と比べると、640x480のウインドウサイズ、20年前のようなセンスのUI、ほぼノープロット&設定を練り込まない非常にお粗末な作品となっており、更には自分の前身である「みゅみゅ」のエゴという毒を盛っているおまけつきで、とても万人受けするような作品ではありません。

しかし今書いたこと全ては自分の作品が不出来であるため貶すという意図は全くありません。むしろ自分としては敢えてこういう作りをして、結果「完成し、公開できて本当に良かった」と思いましたし「自分の現状で作れるベストの作品が残せた」と満足しているくらいです。
敢えてそういう作品としてこのサウンドノベルを制作し公開するに至ったのには大きな理由があり、それは自分が課してしまった6年前の呪いを解くこと、今後制作する新たなサウンドノベル「Revive Noah -Levolution-」に対して禍根を残したまま取り組むことのないようにしたいという願いがあったためです。

呪いと禍根に関してはこのサウンドノベルを最後まで読んでくださった方であれば、シナリオ内で散々お話したことなので理解頂けているかと思います。

もしまだ「Re:bible ~ぼくらの世界想像~」を読んでいないよという方に関しては、こんな反省会会場からはおさらばして今すぐ当ノベルを読んでいただいた上でもう一度こちらにお越しくだされば幸いです。

なあに、4時間くらいで読了できるくらいのボリュームですのでそんなに時間はかからないと思いますよ。


……というわけで、サウンドノベル「Re:bible ~ぼくらの世界想像~」の反省会を始めていきます。
よろしくお願いいたします。


読了までの時間設定

さて、まず先程の茶番の中で4時間位で読了できるだろうという話をしたのですが、この4時間という数字は制作開始の段階で予め決めておいた読了までの時間設定になります、
想定した時間よりも短すぎてもいけないし、長すぎてもいけないボリューム感で作品を作るという目標がありました。


このノベルは自分の友人・知人やふりーむ!やCi-enで公開後に顔の知らない方にも遊んでいただき、いくつか感想も頂いたのですが、
読了までの時間はだいたい4~5時間前後であることが多かったようです。

つまり、想定した時間設定ドンピシャだったということ。


ちなみになんでこんな目標を立てたのかというと、シナリオの風呂敷を広げ過ぎないでキチンと適切なタイミング閉じるために、
「TVアニメの1クールの視聴時間内で読了できるボリュームで収める」という目標がありました。

ちなみにTVアニメの1クールの視聴時間は、4時間48分(OP、EDを毎話見た場合)なので、この4時間という設定は1作品として長すぎず短すぎずといういいバランスなんじゃないかと思っています。


ちなみに、以前Youtubeにオートプレイ動画を公開して総再生時間を調べたら6時間オーバーという数字になって反省しなきゃ……と思っていたのですが、全演出をスキップなしで見て(キャラ表示のフェードイン・アウトも含む)文章1段落ごとに少なくないウェイト時間があることを考えたらそりゃ長くなるわけです、
しかもあらすじ機能で時間かさ増しした上での数値なのでなおさら。


感情ジェットコースター

この作品、主人公である誠くんが最初はだいぶヤサグレながらも日常を過ごし、中盤ではだいぶ曇りに曇って落ち込んでしまうシーンがあり、そこから立ち直っていく様を描いています。
また誠くんに限らず桃華さん、澪音さん、昌也くんにも少なからず感情の起伏があるシーンを作り「ぼくら」4人に対して感情のぶれ幅が激しいジェットコースターを読み手にも感じ取れるような作りにしたいと思っていました。


このシナリオを描いたり、6年以上「Revive Noah ~ぼくらの世界創造~」誠くん達4人と対話をしてきた自分としては「感情ジェットコースターが機能するように描けたぞ!」と感じてはいるのは当然。
ですが、読み手は知ったこっちゃないなんて当たり前なので、自分の描いたものに「カタルシスの開放が足りない」とか「曇らせ方が足りない」と思われるかもしれないと不安でした。

しかし蓋を開けてみればそれは杞憂だったようで、自分とノベルを同時視聴した友人が「アーーーーーーー!!(高音)」と脳破壊っぷりをしてくれたり、
頂いた感想では「青春の明るい部分だけでなくエグみがあって情緒をかき乱された」「辛いシーンがあるけれど最後が良かった」と感じてくださったようなので「ああ、自分の描き方はうまくハマってくれたんだな」と一安心しました。

ただこの部分に関しては頂いた感想を読んで「もっとよくできるかもしれない?」やり方も見えてきたので、本番であるRevive Noah -Levolution-に活かしていこうかなと。
そのあたりに関しては反省会③についてくわしく。


挿入歌

これは完全に個人的な話なんですけれど、昔から自分のサウンドノベルに挿入歌を流したいという夢がありまして。
(自分が影響を受けた作品のひとつである「うみねこのなく頃に」の影響をバチクソ受けているのが原因)

今作ではフリーBGM提供サイトの魔王魂さまから
「ときめき☆ラビリンス」
「Feels happiness」
「still」
「シャイニングスター」

この4曲をお借りした上で、個人的に大事なシーンで使いました。

「ときめき☆ラビリンス」は誠くんとリーファちゃんがクリスマスデートをするシーン。
最近のアニメ映画でよく使われる、展開をダイジェスト形式で送りつつ挿入歌を流すというものを敢えてサウンドノベルやってみようという試みをしたシーンです。
曲の使い方と誠くんの心境がうまくハマっていい感じになりました。

「Feels happiness」は誠くんと桃華さんが抱き合うシーン。
6年前から描きたかったシーンの続きということで、盛り上がりをそこに込めたいと思って、かなり気合を入れて挿入歌を流しました。
だいぶハイ!になった状態で描いたシーンなので、ここは挿入歌なしのほうがグッと来るという意見もありましたが、今後似たシーンが出てきたときには冷静に熟考しよう。


「still」はインストverと合わせて2回使っており、もうすぐ海外に行ってしまう澪音さんを連れ戻すために行う作戦「ピースフル」の当日の朝、
澪音さんが海外に行く船の中で、誠くん達3人が彼女を探すシーンで使っています。

「still」の歌詞を見てもらえるとわかるのですが、まだ欠けてしまっている誠くん達3人が「行かないで」と澪音さんを探すところにあまりにマッチしすぎている歌詞なんですよね。
逆に澪音さんも澪音さんで、過去に囚われまくってしまっていて憧れを最後まで見せてくれなかった誠くんへの想いとこの曲の歌詞がマッチしすぎなんです。

魔王魂……恐ろしい子!!


そして最後のエンディングロールで使ったのが「シャイニングスター」
フリーBGMとしてお借りできる曲と知ってから「この曲をエンディングロールに使おう!」というのは決まっていました。ノベル制作の本当に最初の段階です。
元々この楽曲が好きで,この楽曲に寄り添ったストーリーにしてしまおうと思ったほどです。

そして出来上がったこのノベル。エンディングを自分で改めてみて「自分が一番上手くシャイニングスターを扱えたんだ!」と思ってしまったほど。
ある意味、夢がかなった瞬間でした。これ以上言語化ができません。


自分の話が一番長くなってしまいましたが、大まかに上手く行ったなと思ったところはこの3つでした。
次回は自分の好きなシーンについて。近いうちに記事を公開いたしますので、しばしお待ち下さい。

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