上顎 2024/01/06 18:00

ロボット少女は夢を見る - 制作記その44- ゲームのボリューム

ロボット少女は夢を見る の44回目の記事は
ゲームのボリュームのお話です。

個人開発のゲームはどこまでコンテンツを作るか悩みます。

例えば格闘ゲームを作る場合、何人くらいキャラクターを作るか?
何ステージくらい背景を作るか?
どのくらいのボリュームになるか決める事になるでしょう。

ボリュームが
少なすぎるとゲームに一瞬で飽きてしまうかもしれないし、
多すぎると作るのに時間がかかりすぎてしまいます。

個人開発の場合、どのくらいのボリュームで作るべきか?
今回はそんなボリュームのお話です。


まず大前提として

個人・少人数開発の場合、
一番大事なのは製作者が満足するまで作ることです。

せっかく作りたいゲームがあって、
それを大人の都合やしがらみに囚われずに作れるのですから
まずは好きなだけ作るべきです。

しかし、いつまでも制作をし続けてしまうと
ゲームが一生完成しないのも事実です。

そこで時には開発作業の手を止めて
ゲーム制作の見通しを立てることも重要です。


さてゲームのボリュームの決め方ですが
私は「プレイヤーにどのくらい遊んでほしいか?」を
基準に決めるのが良いと考えています。

要はプレイ時間です。

これは個人の好みやプレイスタイルによって変わってくるのですが、
私の場合は
ゲームをプレイする際にちょうど良いと考えているプレイ時間が
頑張れば土日で一通りクリアできるくらい= 6~10時間 なので、
大体そのくらいになるように調整しています。

この基準さえ決まっていれば

先ほどの格闘ゲームの話であれば
・1キャラクターの動きを見るのに大体20回くらい戦う?
・対戦 1回につき約5分くらいかかる?
・つまり 1キャラにつき 20 x 5 = 100分 くらいは遊べるかな?
とおおよそで良いので時間を仮決めすれば作るキャラ数を逆算できます。

前作のライサント島のように1本のストーリーをなぞるPRGなら
ストーリーをいくつかの章に分けて
1章は○○分…2章は○○分…と分けて考えれば調整しやすいです。


この基準は別にプレイ時間でなくてもよく、
他によく基準になるのは「お金」で
予算や販売価格からゲームボリュームを決める場合も多いです。


さて長くなりましたが本作のロボット少女
このゲームは行動の選択によって場所・時間に合ったイベントが発生します。

このイベント…ゲーム序盤の体験版くらいまでの範囲は
作りたいアイデアのまま、どんどんイベントを作っていたのですが、

ゲームを完成させることを考えたときに
具体的にいくつイベントを作るか決める必要が出てきました。

と言ってもこのゲームは
10/1~12/31 の92日を午前/午後に分けた計184ターンを過ごすゲームなので
イベント数を増やそうと減らそうとプレイ時間には影響がありません。

なのでプレイ時間以外を基準にボリュームを考える必要があります。

そこで考えたのが「周回プレイしても飽きない数」になるように
イベントのボリュームを考えることにしました。


このゲームでは街がおおよそ8つの区分に分かれていて
行動選択では
行く地域を選択→その地域のどこに行くか
と順番に選択します。

そこでこの地域を基準に
1周の184ターン(序盤に行動制限があるため場合によっては158ターン)の間、
各地域で何かしら行動できるようにする…

という小難しい計算や実装状況を
一度、スプレットシートにまとめててみることにしました。


こうしたスケジューリング作業はゲーム本編の制作ではないため
個人のゲーム制作では軽視しがちになってしまいます。
(実際ライサント島ではここまでしっかり作らなかったなぁ…)

しかし本ゲームに関しては
スプレッドシートにまとめた事で具体的な数字を元に
どのくらいのボリュームが必要かがはっきりしました。


ゲームボリュームのお話、いかがでしたか?

ゲームのボリュームを考える際に結構よくやるのが、
同ジャンルのゲームと同じくらいのボリュームにする…みたいな決め方で
それで上手くいく場合も多いのです。

ですが本ゲームのイベント数のような
同ジャンルからどのくらいのボリュームで作ればよいか
見えにくいものも多々あります。

もしそういった壁にぶつかった場合は
今回のように何か基準を決めて計算するとうまくいくかもしれません。

それでは、また次回!

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

記事のタグから探す

月別アーカイブ

限定特典から探す

記事を検索